出たくて出たくて、でもどう足掻いたって出れない鳥かご。
飼い主の手によって丁寧に過保護に育てられた小鳥はいつからか反抗心を持ちました。
飼い主が作り上げたかったであろう、大人にとって都合の“いい子”には育てることができなかったのです。
小鳥は無表情で飼い主の言うことに頷きます。こころのなかでは反抗心を募らせたまま。
ここから出せ。
私はお前の操り人形ではない。
上から目線のその言動、何様だ。
私の人生は私が決める。
その小鳥は壊れかけていた金具を破り外の世界へと飛び立ちました。そこにはただただ広がる解放感がありました。
翌朝、鳥かごから数メートル離れたところで見つかったのは、すっかり弱り果てた傷だらけの小鳥でした。
─鳥かご─ #13
7/25/2024, 1:36:16 PM