『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
直径3メートルの白い円の中。
狭い円錐形の内側。
唯一、私が輝いていられる場所。
可愛いを詰め込んだ、「私」には苦痛でしかない衣装を纏い、歌って、踊って、キラキラとした笑顔を振りまく。
輝いている私も、輝いている私を観てくれている、応援してくれているファンも、大好き。
だけど、たまに思う。
もっと、違う生き方もあったのかな、って。
普通に学校に行って勉強して、普通にバイトして、普通に恋人を作って喧嘩して別れて、普通に。
普通に、普通の一般人として、あくせく働いて生きていく。
そんな人生に、少しだけ憧れた。
けれど、私は今、この場所で生きている。
蹴落されないように、足手まといにならないように必死に足掻いて、足掻いて、このステージに立っているんだ。
私を好きでいてくれるファンの為に、私は歌う、踊る、皆の大好きな笑顔をばら撒く。
狭いスポットライトの内側からは、何にも見えないけれど、観にきてくれた皆を笑顔にしたいから。
私は、これからも此処に居続けたい。
いつか必ず来る。
此処から巣立つ、その日まで。
テーマ「鳥かご」
─鳥かご─
人は皆、鳥かごに囚われている。
幼少期はそんなことを知らず、ただ楽しく生きていく。
一応例外もあるが、その場合はただ愛されない日々を送るだけ。
否、愛されるために頑張る日々。
または諦め続ける日々を送る。
人は誰しも、生きていくに連れ、社会の厳しさを知っていく。
小さい頃に見ていた夢すら、忘れられていく。
辛くて、苦しくて、けれども誰も助けてはくれない。
一人で全てをしなければならない。
それを乗り越えることが出来れば、
“子供”という鳥かごから抜け出すことが出来る。
しかしその後は“社会”、“大人”、“仕事”などの新しい鳥かごが待っている。
私たちはその無限に続く鳥かごの中にいる、哀れな鳥なのである。
いつでも自由になれることを、飛べることを知らずに生きる鳥と変わらない。
もし飛べることを知ってしまえば、それは終わりを示す。
これは人によって、足枷、羽、首輪。
それぞれ異なる、自分を阻止する物である。
それが差すものは、法律か、悪口か、はたまた身近な人達か。
あなたは何に、囚われていますか?
花咲いて
現れ出たる妖精か。
「いや、何でだよ」
花壇の一番大きな蕾が綻んだと思ったら、中から妖精っぽいのが出てきた。
「ふわわわわ……うーん、よく寝たぁ」
「うわっしゃべった」
「うるさいなぁ。何この人間」
「それはこっちの台詞なんだけど」
「……えっ人間!? 見えてる? 聞こえてるの!?」
「さては寝ぼけてたな」
「何でアンタそんなに冷静なの!?」
一周回って落ち着いてきた。
「妖精って何食べるんだろ」
「飼おうとすんなぁ!」
友情
「そんなの信じて、バッカみたい」
嘲る台詞に反して、その子の瞳は揺れている。
「気味悪いのよ。へらへら笑って」
拳は雑巾を固く握り締めて震えている。
「お節介するからこうなるの。自業自得なんだから」
罵詈雑言だらけの机から顔を逸らす。自分は悪くないと言い聞かせるように。
「だから2度と近づかな、」
「ありがとう」
「は?」
「でも大丈夫だよ。私、麗が好きだもん」
「はあ!?」
「2人だから大丈夫! 私も雑巾持ってくるね」
閉じ込めてしまおう。
まるで鳥みたいに。
鳥籠に。
あぁでも。
そうしたら余計に君は、逃げてしまうのだろうね。
【鳥籠】
その中にいた
ずっといた
まだまだいた
飛んでみたら
知らない世界
初めて見るもの 感じるもの
とまり木をさがしながら
まだまだ飛んでみる
カーテンのかかった巨大な鳥かご。いつもの部屋。気持ちでは長く過ごしているが、ここに来てからどれくらい経つだろう。柔らかな絹の外は無骨な鉄柵で囲われているが、私はこの場所が嫌いではない。全身を優しく受け止めるマットレス素材の床に、周りには私好みの可愛らしいクッションやぬいぐるみが飾られている。光源は火傷をしない不思議な青い炎。頭上の遥か上にランプのように吊るされて燃えている。厳かな南京錠のついた出入り口は、私を連れ込んだ彼にしか開けられない。
彼は私の心を繋ぎ止めるため、定期的に鳥かごを訪ねては、あの手この手で尽くしてくれる。珍しい骨董品や装飾、服なんかも贈ってくれたり、心地よい香りを焚きながら触れ合ったり、身も心も自分のものであるという証として、裸体に筆で模様を描かれたりもした。彼がいつも言って聞かせていた通り、私は彼から与えられる全てを「愛」として受け取った。そもそも鳥かごに住まわせるのも、私の存在を常にそばで感じていたいからだ。初めて出会ったときから「特別」であると感じた私を離したくないのだ。年中鳥かごの中に封じられてこそいるが、彼が私を傷つけようとしたことは一度もなかった。今ではぼんやりとしてしまった昔の生活に比べ、こちらの方がなんとなく過ごしやすいように思えた。
カーテンがふわりと揺れ、陰から彼が現れる。心から私を愛しい目で見下ろし、そっと音もなく身を寄せる。
「僕と君だけの世界だから。」
柔らかな声とともに、私は胸の内がくすぐったくなるのを感じた。
これから先も、きっと私は彼の鳥かごの中で守られ続けているだろう。
ここなら、何も出来ない私を責める人はいないから。
『カナリア』
はて?幸せとはかごの外に出ることなのか 知らなくていいこと 別に知りたくないこと 本当は知っておかなきゃいけないこと 赤青黄色の水彩画 思考はとうに溶けている この羽根で何を描こう 飛び立つ自由も 留まる自由も 私はどちらも尊重したい
「『鳥かご』、……とりかご……!?」
前回が前回で今回も今回。難題去ってまた難題。某所在住物書きは19時着の題目を見て、今日も天井を見上げ途方に暮れた。
「『いわく付きの鳥かごがひとつありました』と、『鳥かごの中の鳥は幸福でしょうか不幸でしょうか』と、『◯◯さんはまるで、鳥かごに囚われた鳥みたいでした』と?あと何だ……?」
うんうん恒例に悩んで複数個物語のネタを書くも、「なんか違う」と頭をかいては白紙に戻す。
妙案閃かぬ苦悩の顔はチベットスナギツネである。
「ダメだわ。頭固くて思いつかねぇ」
次回はもう少しイージーなお題でありますように。物書きは祈り、ため息を吐いたが……
――――――
最高気温がほぼ人肌だった都内某所、某アパートの一室。人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者が、職場の後輩と一緒に、穏やかな白の甚平とラムネで涼をとっておりました。
「ただの、私個人の、いち意見なんだけどね」
「なんだ」
「先輩、なんか加元さんのせいで、鳥かごの鳥みたいにされちゃってる気がして」
「とりかご?」
捻くれ者は名前を藤森といい、やむを得ず、自分の初恋相手から8年間、ずっと逃げ続けておりました。
初恋相手は加元といいました。元カレ・元カノで、「かもと」。単純ですね。
藤森はこの加元に、呟きアプリで一方的にこき下ろされ、心を傷つけられたために、みずから縁を切り姿を消したのでした。
なのに先日自分をボロクソにディスった筈の加元とバッタリ会って、向こうが「待って」「話を聞いて」と追っかけてきたからどうしよう。
藤森はアパートの家具を整理して、減らして、
加元に居住地がバレた時にすぐ逃げられるよう、着々と、粛々と、準備をし終えてしまったのでした。
それが悔しくて悔しくて、ちょっとだけ困るのが藤森の後輩。
数年、長い間一緒に仕事をしてきたのです。なによりちょこちょこアパートに来て、一緒にリモートワークをしたり、ついでに自炊ランチをご一緒したりしていたのです。
藤森がこのまま逃げてしまったら、後輩は藤森の作る低糖質低塩分メニューと、藤森が淹れる優しいお茶を、きっともう口にできなくなってしまうのです。
「縁切ってからも、ずっと『加元さんと会わないように』、『会ってもすぐ逃げられるように』って、加元さん中心の考えで生きてきたってことでしょ。それじゃあ先輩、どれだけ逃げても遠くに行っても、加元さんの鳥かごに閉じ込められっ放しの鳥だもん」
「つまり?……何が言いたい?」
「そろそろ加元さんから自由になろうよ。鳥かごの中の鳥はさ、おはなしの中では、大抵そこから出てくのがお約束だもん。
加元さんにキッパリ言うの。『追ってこないで』って。『あなたとヨリを戻す気は無い』って」
ホントにただの、私個人の意見でしかないんだけどね。でも、ちょっとだけ、言うだけ言ってみようかなって。
後輩はそう付け足して、「ぶっちゃけもう低糖質冷製パスタとかチーズリゾットとかが食べられなくなるのはたえられない」なんて食欲はこっそり隠して、
先輩を、藤森をまっすぐ見つめたのでした。
藤森は寂しそうな、苦しそうな目で後輩を見つめ返し、たまらなくなって視線を下げました。
「……ありがとう」
藤森は言いました。
「要するに、私のメシはお前に好評だったんだな」
いかな透視を使ったか、後輩のじゅるりな食欲は、隠した筈の嘆願は、藤森にがっつりバレてしまっていましたとさ。
「あのね、先輩、私は先輩のことを思って、」
「顔に書いている。『シェフを手放したくない』と」
「過去の鳥かごにとらわれるより、私ともう少し一緒にパスタ食べてください」
「検討はする。……検討はな」
羽があるのに
どこにも行けない。
でも外は危険がいっぱい。
実は幸せなのかも。
自由になりたいか。
幸せも 残酷も
受け入れる覚悟があるか。
知識を犠牲に
精神を壊せるか
いっそ
どこにも行けなくていい。
羽があっても。
–鳥かご–
鳥かご
あなたが痛い思いを、悲しい思いを
してほしくはない。
わたしの目の届く範囲で見守りたい。
でもそれは、外の世界を他の人を
知らずに過ごしてしまうんだね。
わたしは外の世界を他の人を知って
色んな思いをしてきた。
あなたも、色んな思いを沢山して
疲れたら羽を休めに戻っておいで。
扉は開けておくから。
痛いと思った途端に鼻頭からその痛みが痺れるように広がっていった。痛みに呻きながら、鼻血が出てはいないか何度も確かめる。
「こらこら、図書館で居眠りは感心しませんね」
情けなく鼻の穴を押さえている姿を見られてしまった! 焦って横を見ると、整然と並ぶ椅子の背凭れに両手をついて笑っているうつくしいひとがいた。
短く整えられた黒髪が艶やかに天使の輪を作り、ルビーの左目が愉快そうに細められてこちらを見下ろしている。
ルビーの下の泣き黒子が可愛らしいような、セクシーのような相反する印象を抱かせてくるけれど、そんなことよりも恥ずかしさに身を小さくする。
指も、鼻頭を撫でるに留めて、ただ図書館でうたた寝をしてしまう自分に汗顔してしまう。
本を読む場所で居眠りなんて子供でもないのに。
ちらりとさっきのひとを見上げる。
詰襟の黒い学生服──高校生になったばかりだろうか。思春期の最中にあって、まだ身長が伸びきっていない子のように見えた。子供に居眠りを指摘され、微笑ましく注意されたことがより恥ずかしくなってしまった。
「ええっと、ごめんなさい。ここ居心地が良過ぎて、あと疲れてたのかもしれなくて、その、えっと……すみません。帰りますね」
赤の他人に全く言う必要のないことをぺらぺらと並べ立ててしまったけれど、動転している状況では言葉も上手く組み立てられず。
恥の上塗りを感じて、急いで机の上に何冊も重なる本を棚に戻そうと立ち上がると。
「あゝどこに帰るんですか。駄目ですよ、貴方の仕事は終わっていませんよ。もっと本を読んでくださいよ、大丈夫。鼻の痛みだってもう無いでしょう」
立ち上がった両肩を上から押さえつけられ、椅子に戻される。ガクンと沈んだ膝、座面にぶつかった尻がジンと痛んだのは一瞬。
微笑みながら圧倒的な空気で有無を言わせない。少年を見上げて意を唱えることもできないことに、何故という困惑を覚えた。
ルビーの左目が、じぃっと見下ろしている。まるで見張るみたいな眼差しにゾッとする。
「進捗はいかがですか?」
身震いしていると、軽やかな、甘い声がふたりの間に割ってくるように響いた。
どぅっと背筋に脂汗が浮かぶ。
「すこし居眠りをしていたけれど、進捗は良いですよ。ノベルスカヤも本の選び甲斐があるでしょう」
「そうですね。ふふ、今度のひとはちゃんと──ずぅっと本を読んでくれてるので嬉しいなあ」
心臓が恐ろしいまでに早鐘を打っている。ふたりの会話すらその律動に掻き消されて、耳に入らない。
「はい。新しい本をお持ちしたので、こちらもどうぞ。時間はたっぷりあるので、じっくりさいごまで読んでくださいね」
ふわふわとゆるやかに波打つ金髪が視界に入り、ガタガタと震える腕で読みかけだった本に手を伸ばす。そうしないといけないと本能が叫んでいる。
「ありがとうございます。ぜんぶよみますね」
「嬉しいなあ。いっぱい選んで来ますね」
「全部読み終わったら、ここから出られるので、頑張ってくださいね」
「はい。ぜんぶよみます」
わあいとはしゃぐ声は甲高い悪魔の笑い声みたいに耳奥にこびりついた。
#鳥かご
案外いいものかも
鳥篭も
三食昼寝付き
ダラダラ
そうなると
俄然外の世界に
魅力を感じるものなのかも
まぁ人間なんて
ないものねだりですよね
隣の芝は青く見えるんですよ
しょうがない
うん、逆に人間らしいです
人間なんて所詮滑稽な生き物ですかね
お題【鳥かご】
今日も屋敷の中から出れなかった。
明日は出れるのだろうか?
私は鉄格子の付いた窓際でふと思った
私が生まれ育ったこの家。一度も外に出たことは無い。
いや、一度は出たことがあった、あれは6歳の時。
「もういや!!!」
そう言って私は先生と勉強してる最中にこの屋敷からの脱出を図ったんだ。
秒で使用人に捕まったけどね。
はぁ、と無意識に溜息をついた私を見て使用人達が影でコソコソと話している。そして最後に一言。
「ずっと鳥かごみたいな部屋の中に閉じ込められているなんて、可哀想。」
【鳥かご】
愛しい 愛しい オレだけの『小鳥』
君はオレにしかわからない鳥かごに要る。
かごの格子が見えない?
見えないだけさ
「囚われの身」と気づかず
「自由」と思い込んでいる小鳥は
鳥かごの中で優雅に舞って鳴いている。
君がオレの名を呼ぶ時
君がオレと歌う時
君がオレと居る時
君がオレを頼る時
君がオレに話しかける時
君がオレを考えている時
君がオレで笑う時
君がオレで泣く時
君がオレで怒る時
君がオレで感じている時
君がオレで苦しむ時
君はすでに『かごの鳥』だ。
「かごの鳥」という名の『恋人』。
「恋人」という名の『鳥かご』。
大丈夫。
鳥かごには君ひとりじゃないさ
きっと他の「小鳥達」も
君を歓迎してくれるはずだよ。
でも決して逃げようとはしないでね?
さあ
オレだけの名前を呼んで
オレだけに歌って
オレだけにそばに居て
オレだけに頼って
オレだけに話しかけて
オレだけを考えて
オレだけに笑いかけて
オレだけに泣いて
オレだけに怒って
オレだけを感じて
オレだけに苦しんで
オレだけに
オレだけに
オレだけに
…
ただ
オレだけの『愛しい人』で居て。
逃げようとしたら…
オレだけの『体の1部』になるだけさ。
今日決めたこと
それは、『鳥かご』の中の私を卒業するってこと
周りの人が印籠のように掲げてくる「常識」に囚われないで
私が感じて考えて「いい♪」って思ったものを選択していく
これからはそういう生き方をしていくんだ。
私が主人公の人生だから。主導権はいつも私にあるんだ。
鳥かご
鉄格子の間から見える空の広さは出てみないとわからない。
けど、果たしてこの囲いは自分を閉じ込めるためだけのためにあるのだろうか?
空を自由に飛ぶだけが全てではない。
風の強さも、
理不尽な自然の摂理も、
自分を死へ誘う、捕食者たちも、
暗く先が見えなる夜深も、
この翼を焦がすだろう太陽の熱さえも、
籠から出れば、
すぐさま、自分を襲うだろう。
そして、きっとそうしなければ見えないものもあるだろう。
けれど、籠の中にいることは果たして
必ずしも不幸せなのだろうか?
籠の中に閉じ込められてはいるけれど、
それは自分を守るためではないのか?
それは自分を失うのが怖いと思うからではないのか?
そうわかっていながらも、
果たして私は、それへ飛び立ちたいと思えるだろうか?
ここに、多くのものを残して、
与えられた愛を裏切ってまで、
私は青く、そしてどこか、悲しい空へ飛ぶのだろうか?
今日の最高気温は34℃。
うだるような暑さになる前に勉強しよう、
昨日そう決めて早起きした。
4時45分。
カーテンを全開にして窓を開けるとあたたかい色をした朝焼けとすずしい風が入ってくる。
なんて素敵な朝なんだろうとおおきく息を吸い込んだ。
このすずしさと共に身支度を整えて白いテーブルに朝ごはんを並べる。
ギンガムチェックのランチマットを引いて、その上にクロワッサンとアイスカフェオレ。
ああ、シンプルでいいごはんだ。
小さなひまわりを一輪、テーブルの端に添えてみる。
そうこうしているうちにだんだん明るさを増す朝の光が窓際に置いてあるアンティークの鳥かごを照らしていた。
すずめの声も聞こえてきた。
明るい夏の朝だ。
さあ、ごはんが済んだら勉強だ。
鳥かごって聞くと悲しい印象を持ってしまう。
なぜ?
鳥を閉じ込めるものだから?
閉じ込められた鳥は自由がなくてかわいそう?
でも、鳥かごは鳥を守るもの。
開くべきは心の扉。
思い込みを捨てれば明るく見えてくるかもしれない。
鳥かご
鳥かごを自分の心や個性に例えると、その中にはどんな形でどのぐらいの大きさでどんな色でどんな鳴き声で鳴くのか、凶暴なのか穏やかなのか、それは自分の生活や人間関係、豊かな感情などを餌に、自分だけの形で姿を見せてくれる。
鳥かごの中で鳥(自分のキャパシティや個性)を伸ばしていくことだと私は思う。
ずっと、囚われているのだと思っていた
冷たい鳥かごは他人によって作られ 使われ
自分はその被害者なのだと
でも現実は違った
鳥かごを作っているのは自分だった
何重にも鍵をかけて
鉄格子を厚くしているのすら
自分だった
囚われた自分を救えるのは
自分しかいなかった