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鳥かご
鉄格子の間から見える空の広さは出てみないとわからない。
けど、果たしてこの囲いは自分を閉じ込めるためだけのためにあるのだろうか?
空を自由に飛ぶだけが全てではない。
風の強さも、
理不尽な自然の摂理も、
自分を死へ誘う、捕食者たちも、
暗く先が見えなる夜深も、
この翼を焦がすだろう太陽の熱さえも、
籠から出れば、
すぐさま、自分を襲うだろう。
そして、きっとそうしなければ見えないものもあるだろう。
けれど、籠の中にいることは果たして
必ずしも不幸せなのだろうか?
籠の中に閉じ込められてはいるけれど、
それは自分を守るためではないのか?
それは自分を失うのが怖いと思うからではないのか?
そうわかっていながらも、
果たして私は、それへ飛び立ちたいと思えるだろうか?
ここに、多くのものを残して、
与えられた愛を裏切ってまで、
私は青く、そしてどこか、悲しい空へ飛ぶのだろうか?

7/25/2023, 2:53:03 PM