『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どこまでも 高く伸びゆけ 雲筋よ
私のこの手が 届かぬところへ
No.149『高く高く』
あの鳥みたいに高く高く飛べたらどんな気持ちになるだろう。
楽しいかな?怖いかな?
高く高くのぼっていく
ものすごいスピードで
一筋の光のように
どのくらい時間が過ぎただろうか…
真っ暗闇を抜け心地よい温かさ、やさしい光に包まれた
ふわふわとした大地に足をつく
私を乗せた龍はお辞儀をして空に昇っていった
前から影が歩み寄ってきた
懐かしい顔。
小学生の時に生き別れたおばあちゃん、
とても可愛がった愛犬のポチ、私が怒ったまま会えなくなった親戚のおばちゃん、優しい笑顔が大好きだった近所のおばちゃん
「よくがんばったね」
あぁわたしは死んだのか……
精一杯ではないけどいい人生だったかもしれない…
顔を上げて潔くみんなのもとに歩みだした
……………と思ったら自分の部屋にいた。
!????
夢だったのか…
何かを握りしめていることに気づきそっと手を開くと……
固く小さなキラキラと光るもの
龍の鱗だ。
あの龍は確かに…
朝焼けの赤い太陽の光に透かしてみるときらっと光り部屋中が透明な赤い光に包まれた
そっと握り、机の引き出しの小さな小箱にしまう
空をぼーーと見上げてると
一筋の白い線が空に昇っていった
ドォ~ン…ドォ~ン…
破裂音が聞こえてきて
慌ててベランダに出て
スマホを向ける
予告無しで不定期
空高く高く
数分間の花火が上がる
あ…終わっちゃった~
綺麗だったね🤗
✴️180✴️高く高く
高く高く大空を飛ぶ鳥が羨ましい。
あの空を飛べたらどんな世界がつづくんだろう
鳥になりたい。高く高く飛ぶ鳥になりたい。
・高く高く
塔のように積み重なった思い出が、小さな私を見下ろしている。
両手で抱えきれなくなったアレを私はどうすべきなのか、今の私には皆目見当もつかなかった。
せめて私もアレと同じくらい大きかったら崩すことも抱えることも出来ただろうに。
塔のように積み重なった、酷く歪で大きな思い出は、何一つ成長出来ずただ途方に暮れている私を冷ややかに見下ろしていた。
高く高くそびえ立った塔。それはこの街のシンボルだ。その塔は百年ほど前にある外国組織とその地域でその組織に協力するものが共同してたてた。その組織はもともと禁止されていたが政府も時代が進むにつれ容認せざるを得なくなった。
その塔は建てられた三十一年後、その組織に所属する者によって原型を止めない形で破壊された。
高く高く
いい意味で使われる印象があるのだろうが、
日本では、物価だけが、高く高くなっている。
高く、高く。
ふわふわと、プカプカと、まるで天に昇る風船みたいに。
何処までも浮いてしまいそうなほど、地に足をつけている感覚が無い。
私を地上に引き留めてくれる命綱が、何処にも存在していない。
手を伸ばしても、誰も私の手を掴んではくれない。
ずっと、自らの足で地を踏み締める人たちと同じようには歩けないの。
高く、高く。浮いて、浮いて。
いつか惨めに地に墜つその時まで、私は独り昇り続けるのだろう。
高く高く
伝えたいことがあって
それは風に乗って、海を越え
山々の間を縫い、川の流れに沿って
遠く異国の大地まで
狭くなってしまったこの世界で
本当に大事なことは届き難くて
いつも雑音に掻き消される
届けたい、この言葉は
見上げた夜空より、高く高く
多くの人に、心に
深く静かに、染み渡るように
いつの日か伝わることを願っている
誰もが、幸せになれますように
高く高くより高く。
町を歩けば増税の声。
値上がり食品、値上がり家電。
地域は増税、高く高く
#高く高く…
秋の空
高く高く澄み渡る
お陽さまが出ている時も
星星が輝く夜空も
とても美しくて息を呑む
貴方と見つめる空は
神秘的で私を幻想の世界に誘う…
世界で一番幸福を感じる
どうかいつもでも
隣で空を見させてね…
【高く高く】
優しく風が吹いて、顔のすぐ横にある草がさらさらと音を立てた。
草をベッドみたいにして寝転んでいる今、その音が子守唄に聞こえて目を閉じる。
ひゅうひゅうと風が舞うのが収まって、たっぷり余韻に浸ってから目をゆっくり開ける。
目の前に広がるのは、青と黒の背景に銀のラメを散らしたような素敵な光景。
そこにぽっかりと浮かぶ、今にも折れそうな細々しい月があった。
それを目に入れて、もしや、あの細さなら今の自分にも握り潰せるのではないか、と手を空へ伸ばす。
月に手をかざして、ぐしゃっとするように握ってみた。
掴んだ感覚はない。重力に従って腕を下ろすと、ぼんやり光っている月が変わらずに見えた。
流石に掴めないかぁ、となんとなく悔しくなる。
自分の腕がにゅーんと伸びさえしたらぽきっといける気がするんだけどな。
そんな妄想を頭の中でして、ふぅ、と息をついて再び目を閉じる。
なんだか疲れて眠りたい気分になってしまった。
外で寝たら風邪を引くだろうか。まあ月の光が温めてくれるか、月光って布団みたいなもんでしょ。と、謎の持論を展開して深呼吸をする。
「おやすみ」と呟く声を、ぽきっとできそうでできない月のみが聞いていた。
天高く馬肥ゆる秋
洋上の小舟は進む
どうか安らかに
高く高く
高く高く…
スマホの待ち受け画面に
スカイツリーから見た夜景を使っている。
中央に東京タワーがある。
小学校の修学旅行で東京タワーに行った。
当時、東京タワーの中に手相の占い機があり
百円玉で人生を占った。
細かく印字された文字を丹念に読んだ。
自分の手相を機械が判定したのである。
絶対に当たる確信があった。
隅から隅まで何度も読んだ。
「大器晩成」
12歳の少女は
小さな胸にその言葉を刻み込んだ。
さて、私は現在57歳……
……あれ?
大器晩成!?
神様! 今ですよ!!
高く高く
街を独り歩く。
俺の隣は、空っぽ。
ただ、風が吹き抜ける。
ほんの少し前までは、
人見知りな俺を心配して、
貴方が、横に居てくれた。
その温もりが、
俺の支えだった。
なのに。貴方は。
こんな俺を、一人、
地上に置き去りにして、
俺には、何も告げずに、
天へと駆け上がって行った。
俺の心の中には、
今でも、貴方の笑顔で、
溢れているのに。
貴方は、もう、
この世の何処にも居ない。
泣き声が溢れない様に、
きつく口唇を噛み、
涙が溢れない様に、
そっと天を仰ぐ。
高く、そして蒼く、
果てしなく広がる空。
この広い空の何処かに、
貴方が居る、そんな気がして。
俺は、貴方に届く様に、
高く高く、手を伸ばすんだ。
だけど、
貴方には、届かない。
俺の手は、ただ、
虚空を掴むだけ。
高く高く
高く高く 目指して 生きても
下にある何かを 見落として
今いる場所が高いのか どこなのか
時々わからなくなる。
そんな時はどこを見たらいいんだろう。
【高く高く】
何故か笑うと泣けてきて、
泣けてくることに笑えた。
そして笑うと泣くからまた笑う
無限ループだった。
そしてその無限ループに泣けてきて、
また笑って泣く。
情緒不安定というのはこういうことをいうのだろう
ひとしきり泣いて笑ったら落ち着いて
でもそれが逆に落ち着かなくて、
また理由もなく笑う。
まるでクスリでもやったかのようで
友達に怖がられた。
なぜ『高く高く』というお題で
こんなことを話すかって?
高いところにいる周りの人に
追いつくために頑張ってたら
疲れを感じることすら忘れて
笑いながら泣いたよっていう話をしたかっただけ、
背伸びをして
届かない
手を伸ばして
届かない
跳ねてみても
届かない
助走をつけようが
届くことはなくて
焦って焦って
苦しくて、
他に届かない人だっているって思っても
届く人の方が多いから
また苦しくなる。
諦めようとしても 逃げようとしても
いつかは絶対に届かなければならないから
また試行錯誤する
疲れたな。
苦しいな。
でもそれはみんなそうだから
私なんかよりも他の人の方が頑張っているだろうから
疲れて休むなんてできない
いらない感情は飲み込んで
自分に言い聞かせる。
もっと高くへ行ったら休めるはずだから
それをご褒美に頑張るんだ。
もっと高く
高く、高く……
あれ……
どこまで高く行けばいいんだっけ?
いつになったら休めるの?
ストレス発散ってどうやるんだっけ…?
休むって何をするの…?
あはは…… なんか……
楽しくなってきちゃった……
これで疲れ取れたかな…?
∮高く高く
高く高く、どこまでも
空の彼方まで飛んでいく風船を
ただひたすらに
幸せそうに眺めていた
8月某日
今日はいつも通り嫌になるほどの蒸し暑さだ
だと言うのに今年もお祭りは人で賑わっている
屋台の手伝いでずっと外にいたのを見兼ねたのか
「休んでこい」と言ってもらえたのでありがたく日陰に行って休んだ
ぼーっと木漏れ日を見つめながら目を細める
そのまま、目をつぶっていれば子どもの声が聞こえてきた
「そこの兄ちゃん!手伝ってー!お願い!!」
いかにもわんぱくで元気いっぱいそうな少年に声をかけられる
「どうしたんだ?」
「あんね、外人さんからもらった風船が木に引っかかっちゃったん」
「それで取ってほしいのか」
「そう!……です」
急に落ち着きを取り戻したのか、しどろもどろに敬語でも使い始めた少年の姿を微笑ましく思う
「それで、その木はどこにあるんだ?」
「こっち!」
言われた通りにゆっくりと少年に合わせた速度で歩いていく
そうしてたどり着いた木は、辺りではひときわ大きなもので、その先端に引っかかった風船があった
「あの黄色いのか、中々に遠いな……」
ただ、と不安げな少年ににかっと笑ってみせる
「任せろ」
そうして屋台に戻り事情を話せば、簡単に屋台を組み立てたときの梯子を手に入れられた
「下で支えてくから、取っておいで」
「俺が取りに行ってもいいの?」
「自分のものは自分で、だ。ただし、危ないと思ったらすぐに降りてこいな」
「わかった!」
そう言えば慎重に一歩一歩少年は梯子を登っていく
無事に風船を木から外し持つことができたようだ
「ゆっくりで良いから、慎重に降りろよ〜」
「わかってるー!でもその前に」
少年は少し上を見上げ、そこに一面の青空が広がっているのを確認すれば、風船を手放した
「お前なにしてんだ…?!!」
「これでやっと〝もう大丈夫〟」
安心しきった様子でこちらの声が届いていないような少年はしっかりと梯子を確認したら、羽がついたような軽やかさでするすると降りてきた
「なんでわざわざ取れたのを放したんだ?」
「あれはそういう風船なんだ」
先程までのわんぱくはどこへやら、そこには寂しそうでいてどこか安心した目で飛んでいく風船を眺める少年
「願い事を書いた紙を風船の中に入れて飛ばすんだ、無事にどこにも引っかかることなく飛んでいけたら願いごとが叶うって」
「それでどうしても取りたかったのか」
「まあね、兄ちゃんありがとう」
「どういたしまして」
ところで、と言葉を続ける
「お前、そんなにして何を願ったんだ?」
「なんだと思う?」
「質問返しはずるいだろ…好きな子と仲良くなれますようにとかか?」
にやにやしながら聞いてみれば呆れたような顔をされる
「んなわけないじゃん。おじさんくさいなぁ」
「おじさんだと…?!!ピチピチの20代じゃこちとら」
「もうおじさんの一歩手前じゃん」
なにも言い返せない自分に悲しくなる
「でも、最後に会えたのが兄ちゃんで良かったよ」
「最後って、お前なに言って」
「ありがとう!いつかまた100年後ねー!」
「あ、おい!俺はあと100年も生きられねーぞ!!」
そうやって去っていった少年の背中を見送れば、いつの間にか日は暮れていて、本格的にお祭りが始まりだしたのを肌に感じた
「おっちゃん、遅くなりました。あとこれ梯子」
「おーそんでとれたんか、風船は」
「あぁとれたよ、そんですぐ空に飛ばしていったわ」
「そりゃあまた球紙鳶さんみたいだな」
「??たまだこさんってなんだ?」
「知らんのかい、まあ昔のことだかんなー」
そう言っておっちゃんは話を続ける
「球紙鳶さんってのは一種のお伽噺だな。昔々あるところに、体の弱い男の子がいた。そいつはいつも寝てばかりだったんで外に強い憧れがあったんだ」
「ある日、その子のとこにある外人さんがやってくる。まあ男で病弱なのを育ってるんだからいいとこのお子さんだったんだろ。んで、あるもんをあげるんだ。それが」
「たまだこってやつか?それって風船の別名なんか」
「そうさ。そして外人が球紙鳶に願いを込めて飛ばせば叶うとその子に言うんだよ。で、それ信じた男の子は自分が元気に外で遊べますようにって願って球紙鳶を飛ばすんだ」
「そんで引っかかるのか、木に」
うむ、とおっちゃんが強く頷く
「それでその子が動かない体頑張って動かして木に登って球紙鳶を掴んだんだ。たぁだ、そん時にバランス崩して球紙鳶ごと落ちちまった」
「それって」
「残念なことにそのままその子は死んじゃって、その拍子に球紙鳶がどこか飛んでいっちまった。そうして、その球紙鳶はまた別の木にひっかかる。そんでまたそれを見た子どもが球紙鳶を取ろうと木に登ってって…まあそんなことが続くもんだから、球紙鳶さん言うてずっと病弱な男の子が元気に動ける子を遊び相手にするために攫ってちゃうとまあそういう話だ」
俺はしばらく何も言えなかった。というか言おうにも言葉が出てこなかった
「まあ最後の攫うなんだは後から糊付けされたような眉唾もんだがな。俺の考えは違う」
「おっちゃんは、どう考えてんだ、」
「俺はな、その子はきっと、ずっとその球紙鳶を飛ばして欲しかったんだと思ってる。だが、自分の力では飛ばせんから他の子に変わりにお願いしてたんじゃないかってな。どうか、どうか」
「「飛ばしてくれますように」」
半ば無意識に呟く
「でも、きっと自分自身で飛ばさなきゃ意味がなかったんだ。その子自身で飛ばさなきゃ」
おっちゃんは火をつけた煙草を一息にふかす
「………その球紙鳶は、黄色だったそうな。太陽と同じくらい飛んでいくようにって。その子が球紙鳶を手に持って死んじゃったときは奇しくもその太陽が地面に落ちる夕暮れだったって聞いたことがある」
「…………………」
「ちゃんと、昼間に風船は飛ばせたか?」
おっちゃんの声がお祭りの喧騒がすべてかき消されるほどにはっきりと頭に残る
「…飛んでったよ、太陽に届くくらい高く、高くね」
2024-10-15… 【 高く高く 】
涙があふれる とめどなく
キミの魂が今あの青空に羽ばたき舞い上がる
青い翼を羽ばたかせながら…離れていくこの地を
ワタシの元を
高く高く 太陽よりも高く 広い宇宙へ
この胸の痛みは今だけ…そう、今だけ
悲しみに浸るのも今だけ今だけ…許してね
大丈夫、だってまた キミに逢えることを
ワタシは知っているのだから
悲しくはないよ、もう
キミは自由だ
✡ 黒猫ブルー ✡