『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
使えないものなんてあったって意味が無い。
折れてしまった翼なんて邪魔なだけだからもいでしまえと背に手を回したけれど、最後のところで力を込められなかった。
だってこの翼をくれたのは貴方なんだ。
飛べなくても、みっともなくても、手放す事なんてできないよ。
『飛べない翼』
飛べない翼
青い空、遠くの雲
飛べない翼、思い描く夢
仲間の鳥は次々と羽ばたく
羽ばたけぬ鳥は地に足をつけ
空の彼方、眺めてはため息
届かぬ高み
羨望の視線、空を仰ぐ
だけど心は
遥かなる未来への希望で満ちている
切り捨てられたらいいのに
こんなもの
賞賛という嵐の中でそれは酷く黒ずんでいく
使えもしない翼をただ飾り立てれば
周りはお世辞ばかりだ
なにがいいんだ?こんなもの
美しいから?目立つから?好きだから?
知らない 知らない 知らない!!!!
いらなかった…こんな翼
#飛べない翼
「ねえねえ、その翼に僕を乗せて!」
「この羽はね、あんたと一緒で傷だらけになっちゃってて、もう飛べないの。まあでも、あんたが大人になったら考えてあげるわ」
ぼくはリリーの綺麗な羽が大好きでした。リリーの羽はとてもきらきらしていて、見るたびに嬉しい気持ちになりました。
「羽の生えた人間がいるらしいぞ、きっと良い値がつく。」
リリーは、ある日の朝突然いなくなりました。ぼくは今でもずっとリリーを待っています。でもリリーなら強いから、絶対、今もどこかで元気に暮らしています。
大人になったらって言ったくせに、リリーのばか。
【飛べない翼】11月12日
私は鳥。鳥だと思う。
あってるよね、鳥だよね?
鳥類じゃなかったっけ、鳥の仲間でしょ?
なんで私鳥なんだろう。
空なんて飛べないよ?
羽なんてないよ?
ほかにも分類されるべき種類あったと思うんだよね〜。
でもね動物園とかでみんなに可愛いって言ってもらえるから、飛べなくても私が好きなんだ♡
そんな私はね
氷の上のバレリーナ
ペンギンだよ^^
#4
飛べない翼
「君は、まだそこに居るのかい?」
羽を、揺らしながら 仲間の鳥は、言った
僕は、鳥籠の中から 嘴を上に向けて言う
仲間の鳥を見上げた。
「もう 怪我は 治ってるんじゃないのかい? いつまで、飛べないフリをして、
人間の側に居るつもりだい?」
僕は、聞こえないかの様に ぷいっと
横を向く
「放っといてくれ」
その 不貞腐れた 僕の様子を
見て 仲間の鳥は、馬鹿にした様に笑う
「よっぽど 飼われるのが 気に入った
みたいだね!」
そう言って 仲間の鳥は 羽を旋回
させて 僕の前から 飛び立って行った。
そう、本当は、僕だって 分かってる
もう僕の羽の怪我は、すっかり
治って居る事を....
あの大空にいつでも 戻れると言う事を...
だけど 僕が 巣から落ちた あの日
痛くて 寒くて 悲しくて
もう二度と空には、戻れないと
死を覚悟した時 君の温かい手が
僕を救ってくれたんだ。
「大丈夫?」優しい 光を注いで
くれた 君の言葉
そんな君の側にずっと居たいと
思うのは、当たり前で 普通の事だ。
馬鹿にされる事じゃない
僕は、空を飛ぶ事よりも大切な事を
見つけたんだ
だから....
「ただいま!」
君の笑顔を迎える為
僕は、甲高く
「ピィ」と鳴いた。
飛べない翼
いくら飛べなくても
それは君自身の
翼だから
飛べるようになるまで
自信を持って自由に
君らしく生きてね
飛べない翼
やりたい事は沢山ある。皆んなとカラオケに行きたい。可愛い服を着てみたい。アイドルのコンサートに行ってみたい。友達の家に泊まって、朝までワイワイお喋りしたい。そして、恋がしたい。
私は翼があるのに、その翼は飛べない翼だ。
翼の下はアザだらけ。お酒に酔った父から、毎日のように殴られる。父が怖い。
でもあともう少し、高校生活もあと3ヶ月。高校を卒業したら、寮のある会社で働く事になっている。
そうしたら、この飛べない翼は大きくなって、大空を羽ばたいてくれるだろうか?きっと大丈夫!
私を助けてくれる。
父が私の翼をもがないうちに、、、。
私はじっとその日を待つ。
飛べないなら翼は、意味がない
ちっちゃいときからあったこの翼どうしたらいいのだろう
飛べない鳥
作者 新田るな
僕はみんなと違う。生まれた心も生まれた場所もみんなとは違う。だから、よく差別というのをよく鳥の住民にされています。だけど、僕は気にしない僕がポジティブ発想っていうことではない、ただただ神様に選ばれし者なのだと思っているからだ。親が僕に言う口癖がそれだ。でも、ある日僕の親は誰も知らない路地で息がなくなっていた。二人仲良く空想な手を繋ぎながらだ。僕はその真ん中に入りながら僕も息を無くしたかった。でも、人間というめずらしい生き物に石を投げられ痛くて真ん中に入れずに羽だけが一つずつなくなっていた。そう、死ねなかったのだ。鳥の住民のみんなにはもっと酷い目で見られてしまった。
「なんでこんな奴がこの村にいるの気持ち悪い」
と言われて七年が経った。僕は耐え続けた。僕のことを褒めてくれる人すらいないから悲しいと心が静かにいつもいつも囁やいている。体全身にだ。あぁ〜。そろそろ僕も死のうかな。僕は誰にも大切にされていない。そういえる根拠、自信もたっくさんある。僕には羽がない。飛べない。こんな奴が生きてて良いって言えるか。病んでる僕は路地をずーっと探している。親と同じ路地で死んだらまた、石を投げられると思ったからだ。
「あった。路地。」
とっても嬉しかった。やっと死ねるからだ。親と同じ場所に行けると思った。でも、その時
「何してんの?可愛い小鳥ちゃん?」
大人な美人な女が目の前にいた。僕はどっかでこの女の人間を見たことがあった。その瞬間、僕はこの女の人間に憎しみが湧いた。そうこの女の人間は僕に石を投げた少女だったからだ。
僕は女の人間を翼で殴ろうと手を伸ばした時
「ごめんね。小鳥さん?七年前君に似た小鳥に石を投げちゃったのその小鳥さんは鳥の親と一緒に亡くなるのかなぁ〜って思っちゃったから石を投げちゃったの。ごめんね。私のおばあちゃんは死のうとしている生き物はなんでもしていいから助けなさいと言われているの。でも、やりすぎちゃったよね。ごめんね。本当に。」
そう言って女の人間は優しい温かい手で僕のことを涙目で見ながら撫でてくれた。僕の憎しみはどんどん薄れていった。僕の心は少しだけ固まった。考えているのだ。
羽がなくても心はある一つなくしたってまだすべてはある。僕は女の人間に学ばされた。今では、人間に飼われています。僕の名前は「飛べない鳥」
【飛べない翼】
私はマンガや小説が好きで、飛べない翼と聞くと
次のようなラノベの文章を思い出す。
「人は変われるっていうけど、ホントにそうかな。
飛びたいって強く願えば、翼が生えるのかな。
違うと思うんだ。変えるべきは自分じゃなくて
飛ぶための手段じゃないのか?造るしかないん
だ。今のままの自分が空を飛ぶ方法を。
編み出すしかない。」
著:榎宮祐「ノーゲーム・ノーライフ」より
我慢しなくていいんだって元気もらったなぁ…
飛べない翼
人類は二種類に分かれている。翼のある有翼種とそうでない普通種だ。有翼種の方が人口の比率的には四分の一くらいと少し少なめで、多少は身体上の習慣の違いはあるけれど、私たちは平和に暮らしている。
私の幼なじみは、大きくて強い青灰色の翼を持つ有翼種の少年だった。彼はその翼を活かして数々のスポーツ大会で勝ち、将来を期待されていた。私は彼の飛ぶ姿を見るのがとても好きだった。
「飛ぶのは気持ちいい」
彼はよく言っていた。そういう時の彼はとても嬉しそうで、翼のない私はいつも羨ましく思っていた。
一度だけこっそり抱えて飛んでもらったことがある。危険行為になるので、家の二階くらいの高さに持ち上げてもらっただけだけど。
ふわりと静かに体が浮いたのはとても楽しい思い出。
しかしそんな彼は大学生の時、事故に遭い、片翼を切り落とすことになってしまった。彼に非は無かった。
片翼になった彼は落ち込んで、苦しみ、もがいた。本当に彼は飛ぶことが好きだったのに。彼は部屋に閉じ籠もり、私はそんな彼を見ていることしかできなかった。なぜ彼だったのか。私は彼の不運が悔しくて、支えになれない自分がもどかしくて、何度も隠れて泣いた。
一年ほど経ち、ようやく彼が落ち着き始めた頃、私はほっとすると同時に一つのことが気になり始めた。残された片翼はどうするのだろう。あの綺麗な翼は。
通常は有翼種が片翼になった場合、もう片方も切って、普通種として生きるのが一般的だ。
片翼では飛べないし、現時点では義翼(というのか?)はほとんど見た目だけの物でしかない。彼はどうするのだろう。
そんなある日、彼は落ち着いた声で言った。
「切ることにしたよ」
「……そうなんだね」
「飛べない翼など要らない。何の意味も無い」
静かな声がまるで悲鳴のように聞こえて、私はうまく返事ができなかった。何を言えばいいのだろう。本音を言えば、彼の背の翼をそのまま見続けていたい。私には世界一美しい翼だ。でもそんなこと言えるはずがない。一番つらいのは彼なんだから。
それでも意味が無いなんて、言わないで欲しかった。
確かに飛べない。では意味が無いのか? 私の心はそうじゃないと叫んでる。でもこの気持ちを彼にうまく伝えられる気がしない。少しでも言い方を誤ったら、歩き出そうとしている彼を必ず傷つける。私は黙っているしかなかった。
その後、翼の切除手術は簡単に終わり、今、彼は普通種としての生き方を模索しながら、前向きに生きようとしている。瞳にあの頃のような光が戻ってきた。きっともう大丈夫だろう。
彼の飛べない翼は、最後に彼の背を未来に押し出してくれたのだ。
彼は失くした翼の話はもうしない。私もしない。いつかできるかもしれないけれど、だいぶ先になるだろうし、それでいいと思う。
だからこれは私の心の中だけの想い。
私はあなたの翼を忘れない。空に吸い込まれそうだった大きな青灰色の翼。その翼で風に乗って自由に飛んでいる姿を。そして飛べない翼でさえ、私を魅了していたことを。
#85
飛べない翼
飛べない翼は必要です
みんな飛べるのに
私だけ飛べなくても
翼すらない存在に
なりたくないのてす
飛べなければ意味がない
そうかもしれないけど
翼がないよりはいい
飛べるふりして
まだ本気出してないだけ
そんな立ち位置でいる
最低じゃない確約
なかなかに厳しいけど
誰かと比較して
誰かを羨んで
そうしながら
自分の立ち位置を知る
自他との比較は
やむを得ない
飛べない翼を大事に抱えて
今日も飛べるふりをする
そして立ち止まっている
今日も今日とて、落ちてた鳥の羽根を集めて作った翼で
飛ぶ練習をしよう。
高さが足りないから羽ばたく回数が稼げないんだよな。
よし、思いきってあの崖の上からチャレンジだ。
下に都合よく池があるから失敗しても大丈夫だろう。
意気揚々、崖っぷちにたたずむ。
手作り感満載の二つの翼を両手に持ち懸命に羽ばたきながら
飛んだ--
いや、池に落ちた。
なんとか池から上がったが翼は無くなってしまった。
あ~あ、また羽根を集めなきゃ。
やっぱり崖っぷちでジャンプしてからの方が…
などと考えてたら、池の上に女神っぽい人が現れた。
「私は泉の女神、あなたの落としたのはこの飛べない翼?」
あ、泉なのかと思いつつ、飛べない翼と言われたことに
がっかりした。
「ごめんなさい、ではこちらの飛べる翼を差し上げます。
ただし、あなたの両腕と引き換えになります」
…迷わず飛べない翼を返してもらった。
【飛べない翼】#11
「飛べない鳥は、ただの鳥」
そんな言葉があるように、飛べない翼は、ただの翼だ。
「飛べない翼なんて、翼じゃない。要らない。」
と思う人も多いはず。
僕もそう思っていた。
俺は生まれつき背中に翼がある。
でも、飛べないし、邪魔だし、何より、
色んな人にバカにされる。
飛んでみろよ。って言って、階段から
突き落とされたりもした。
だから、毎日、
明日には翼が無くなってますように。と願って寝る。
でも、そんなある日、1人の男の子と出会った。
その子はこう言った。
「翼、綺麗だね!かっこいいなぁ、!」
ああ、この子も、この翼が飛べると
思ってるんだろう。
「ぼうや、この翼はな、飛べないんだぞ??」
「かっこよくもない。ただの翼だ。」
男の子はびっくりした顔をする。
やっぱり、飛べるのかなってとこに
興味を持っていたのだろう。
「いいじゃん。いーじゃん!僕はおじさんの翼、好きだけどなぁ??」
その子はそう言った。
俺はびっくりし、すかさず聞き返す。
「え?なんで??飛べないんだぞ??」
「飛べなくても、別にいーじゃん!」
「翼は飛べるだけがいいところじゃないよ??」
「それに僕、おじさんの翼見ると、なんだか安心するんだ〜!」
「そう、、なのか、、??」
意外な返答が帰ってきた。
なんだろう。
この子の言葉、俺の胸にすげー響く。
俺は、生まれてから、31年間、ずっと
翼はいらない。と思っていた。
でも、この翼で、人を安心させることが
できるんだな、と思ったら、
この翼があってもいい気がしてきた。
「ぼう_」
「あ、僕お母さんに呼ばれちゃったから行かなきゃ!」
「ばいばい!」
「ぼうや、、、ありがとう。」
いつの間にか、俺の目に涙が溢れそうになっていた。
ぼうや、安心したのはぼうやだけじゃないぞ。
ぼうやの言葉で、俺もすごく安心できた。
今日は、いい気分で寝れそうだ。
某ゲーム二次創作
飛べない翼、狩人にとってはただの〝肉〟である。この世の非情な現実だ━
塔の最上階、竜の子は項垂れていた。
《ボクハトベナイ…》
「大丈夫だ、君はまた飛べるようになる。」
傍らの青年が励ます。
竜の子は母竜と共に空を飛んでいた。
しかし刹那に沸き起こった積乱雲に巻き込まれ強風に煽られ墜落した時に翼が折れてしまった。
墜落した竜の子は散々母竜を呼んで鳴いていたが何故か来たのは竜語を解するこの青年ノエルだった。
当地は今は危ない状況というので別の空間に一時避難することになりノエルに連れられ竜の子は塔の最上階に来た。
こうして不安の中迎えを待って夜の風に吹かれている。
《ココニイタラ…ボクハタベラレル?》
「大丈夫、これから迎えが来るよ。」
ノエルは縮れた雲に爛々と街光に照らされているまばらな星空を見上げた。
竜の子が墜ちたこの地は━今、危険に満ち溢れていた。
「アルファ!ブラボー!チャーリー!標的はあの塔に逃げた!」
「デルタ了解!」
アサルトライフルを装備した人影は長い螺旋階段を素早く駆け上がっていく。
「すげーよ、この〝あんしスコープ〟って奴は暗闇でも遠くのものまで良く見える性能ガチだぜ!」
「モノクロ世界から解き放たれたってだけでもう十分よ!」
「この世界の〝肉〟を食べたらどうなるのか。最上層に熱源反応、近いぞ。」
「一番上ね!GOGOGO!」
上空の星空が歪に歪み始める闇夜に射し込まれる神々しい光と共に一体の霊獣麒麟が出現した。
麒麟は空間と重力を操る。
その力で全ての世界の行き場の無い子ども達を自らが作った世界で見守っている。
竜の子が狙われているというので急遽保護にやって来たのだった。
麒麟はその意で竜の子を地面から空中へふわり舞い上げる。
「行き場の無い子どもは私の世界へ、さあ行きましょう。」
《アリガトウ…》
「良かったな、後でお母さんに会えるように取り計らうから。」
「ちょっと待った〜!私達の獲物なんですけど!」
金髪の女が塔の下から直接〝飛んで〟きた。
〝肉〟を追う者達の一人でサイキック能力を使う。
女の前にノエルが立ち塞がる。
「やれやれ君たちは〝肉〟が関わると目の色を変えてこちらの話を聞きやしないな。」
「〝肉〟を食べたいって子がいるの、皆好きでしょ?」
「今回は無理な話だ、お取り引き願えないなら私も容赦しません。」
傍若無人な狩人の挑戦にノエルは膨大な闇の力の一端を開放する。
「う…流石に一対一じゃ…。」
「よっしゃー!」
「間に合った!」
「お待たせ!」
塔を階段から登ってきた3人が合流する。
「ワオ!グッドタイミング、あちらさんガチギレだよ〜!」
「いくよ令和最新装備!」
「とりまバズーカ撃っとくか?」
「援護は任せろ!」
一人対四人緊張の瞬間━
「こぉらあ〜!いけませんっ!!!」
一つ目の黄色い小柄なスライムが背後から物凄い勢いで走ってきた。
「せんせい!」
「やべ…!」
「うす!」
「どうするよ?」
「この度は生徒達がとんでもないことを…!」
「本当はこちらも私闘を禁じられていますので…。」
せんせいは小さな身体に大量の汗をかきながらノエルに謝る。
振り返りキッと四人に向けられた大きな瞳には呆れと悲しみと怒りが満ち溢れていた。
「キミたちっ!!この世界の〝肉〟は食べられないの!」
正座した四人を前にせんせいの怒涛の説教が始まる━
ヒトの性が起こした騒動はこうして決着した。
「本当にんげんって愚かね!それで?竜の子はママに会えたのかしら。」
ロックブーケは心底呆れはてた表情をしながら兄を見る。
「会えたよ、傷も癒えた頃だし今は同じ空を飛んでるだろう。」
ノエルは雲一つ無い晴天を見上げ同じ空に生きる竜の子を思いやる。
「飛べない翼」
翼って飛ぶためにあるのに飛べなかったら何に使うんだろう。「とべないつばさ」なんてあるのかな
飛べない翼
飛べている=良い意味。
みたいに例えることが多いけど、
いつまでも飛べるワケがない。
飛べない時は、翼を休めた方が良い時。
と捉えたら良いではないか。
飛ばないで歩く事だって出来るしね。
飛べなくても良いから、欲しいな。翼。
背中につけて、バサバサしてみたいな。
paki
僕の背には生まれながらに白く大きな羽根がはえている。
けれどそれだけだ。
僕は生まれてから一度だってあの広い空へ飛び出したことがない。
僕の羽根は生まれながらに動かない。
つまりこの羽根はただの飾りだ。
飛べない翼に何の意味があるのだろう。
ずっとそう思っていたけれど。
ある日出会った小さな子供が言った。
「すごいね。こんな綺麗な羽根見たことない。また見に来てもいい? お兄ちゃんの羽根を見ていると、僕、すごく安心するんだ」
ある日出会った彼女が言った。
「あなたが飛んで行かないで、ずっとここに居てくれたから、私はあなたと出会えたの」
──ここに居てくれて、ありがとう。
そうか。
そうだったのか。
僕は僕のままでいいんだと、いつの間にか僕は飛べない翼を嘆くことをやめていた。
【飛べない翼】
誰にでも翼はあると思う。
目標を持っている者。何かに熱中する者。夢を叶えた者。そういう人たちが所謂「飛べる翼」を持っている者だと思う。逆に「飛べない翼」の持ち主もいると思う。平凡な、目標もなく、何もかもが普通な俺みたいなやつ。すごいやつを見ればいいなとかアイツみたいになりたいとか思わない訳じゃない。でも、結局諦める。俺みたいなやつには無理とかそれらしい言い訳を考えて。まぁ、努力もしないやつがすごいやつになりたいとかチヤホヤされてみたいとか烏滸がましいってもんだよな。
でも、やっぱり、、、
もし、もしも、努力をしたのなら、
俺も「飛べる」だろうか。