『風に身をまかせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
• 風に身をまかせ (脱線シチマウヨ)
誰から見てもサー。めんどくさがり屋でやる気が無くて、なんにもしてないとか、
…もしかしたら思われてるかもだけど。一応。こんなでもさー。頑張ってるんだよね。…見えない?
信じなくても良いんだけど。
…でも、限界がくるのが、他人より早いのかもしれない。力が、熱意が、足りないのかも知れない。飛ばされちゃうよ。……でもね、それは諦めじゃないよ。とか、正当化されてしまったら、とうとう、腐ると思うんだよね。だから、また、
イヤイヤだけど、……弱音を吐きはするけど。限界まで後回しにしてみたりしたりもするかもだけど…もっかいやってみるんよ。
……えらいって言ってほしい。
…言われるような事じゃ無いって分かってるけど。
たまに、ありがとうって思ったら、
言わなきゃ伝わらないし。
やめてって思ったら
言わなきゃ伝わらない。
そう言われる時あるけど、言い出せないもんだよなー。……自分だけかな?
まあ、何が言いたいかって言うトー、風っていろんな風があるしー、大変な時もあるし、流されるのも戦略だったりもするのかもだけど。
とにかく、みんながんばろ~。
風と共に旅をしたらどこまで行けるのだろう、?
あの丘の大きな木を超えて
きらきらひかる川も超えて
どこまでも広がる青い海も超えて
水平線の遠くの彼方まで超えていく。
私の知らない世界を風は見せてくれるのだろうか。
風に身を任せてどこまでもいけるのなら、
私はこの世界の美しさを風と共に見つけたい。
そんな私の夢みがちな願いを頭で唱えると、
風はそっと私の頬をなでた。
【風に身をまかせ】
それでいいじゃない、って時をつくるの。
大人になった私は、今日食べたいものを自分で決め、何時に寝るかも自分で決められる。
なのにいつの間にか、カロリーを気にして、翌日の仕事の心配をしながら夜更かしをする毎日だ。
満員電車に揺られ、お局に嫌味を言われ、ノルマが売上が営業力がと詰められる。
その度に私の周りの酸素が、1mlずつ減っていく。
いくら喘いでも苦しいばかり。
そんな生活がいつまで続けられるのか。自分でも分からなかった。
「今日で辞めます」
ポロッと口から出た言葉に、上司と同じくらい自分もビックリした。
ネチネチと、注意なのか愚痴なのか分からない小言を15分も聞かされ続け、今日締切の資料作成がまだ半分残っているのに定時まであと5分。
残業確定の中の無駄話にウンザリしていた時だった。
「え?」
「……え?」
まん丸の目をした上司に、私も同じ返事をした。
あれ、私。今辞めるって言った?
「え?ほんとに?」
上司がポカンと間抜けな顔をする。その顔を見てなんだか無性に腹が立った。
辞めるなんて言い出さないと思ったのか?定時ギリギリに、生産性の無い話を聞かされて。
そして明日には残業したことを怒られる。
しまいには、勤怠を切ってから仕事をするのが常識だなんて言い出す。
フツフツと沸いてきた怒りを抑え、一回深く息を吐き、「はい。辞めます」と無表情で伝える。
上司は慌てて取り繕うような言葉を並べ始めたが、私はそれを無視して私物を全部カバンに放り込み、社員証をデスクに叩きつけ、定時ピッタリに会社を出た。
まだ明るいうちに帰ることが出来るのは久しぶりだった。
初夏の風が爽やかに頬を撫でる。
強ばっていた身体が、その風に吹かれて飛んでいきそうなくらい軽く感じる。
そうだ。私は、何処にでも行けるし、何処で生きても許される。だって、私は大人なんだから。
背中を押す風に身を任せ、地下鉄のホームへ降りて行く。
この電車の終点は空港だ。
着の身着のまま、知らない土地へ美味しいものを食べに行こう。
風のように、自由に。
ふわふわ飛ぶ白いたんぽぽの綿毛。
風に身をまかせどこまで飛んで行くのやら。
思いもよらない場所に着地してしまった場合、やはり風に文句を言うのだろうか。
それともこれも何かの縁と前向きに捉えるのだろうか。
ふと思ったが綿毛界で一番の良いところとはどこなのだろう。
日当たりの良い場所なのか、ジメジメした場所なのか。
まあ草原とか道ばたでよく見かけるから、日当たりの良い場所が一番の良いところなのだろう。
……たぶん。
一年後
「冷凍保存した手作りジャムって、一年は大丈夫だと思う?」
「変な匂いがしなければ」
仕事から帰ると、テーブルの上には約一年前の日付が書かれたジャムの塊があった。いちごのようで、もう解凍が進んでジップロックに水滴が散っている。
弟が言うには、お隣からもらったようだ。
奥さんの一周忌が済んで一段落していた所、ふと冷蔵庫の中身を整理しようと思い立ち、そこに、弟が煮物のお裾分けにやってきた。
一年前、救急車やら葬儀屋やらで騒がしかった。その頃から私達はたまにお隣と細やかに交流している。
部屋に上げてもらってコーヒーを頂いていると、ダイニングテーブルに並べられた食品が目に入った。そのうちの一つが、そのジャムだった。
「だいたいは買った冷凍食品だったんだけど、これだけ奥さんの手作りでさー。腹壊すからやめとけって言われたんだけど…」
甘いものは好きらしいが、量が量なので処分することにしたらしい。燃えるゴミの袋に入れようとしたところ、無理やりもらったとのことだ。
よくやった。私でも同じ事をする。
「…念の為、パウンドケーキにして火ぃ通そうか。
まぁ大丈夫。普通に腹壊すか、生ゴミに出してバチ当たるか、の違いだね」
「その考え方、好きだわー」
そして、ホットケーキミックスでちゃちゃっと作ったジャム入りパウンドケーキ。
夕飯後のデザートとして食べた瞬間、衝撃が走った。
「「美っっっ味っ!!」」
「え、何コレ? ジャムの量、贅沢したからだけじゃないでしょ? 市販品なんて目じゃないって」
「生のレモンの皮が入ってる。あとラム酒? ほのかに匂ってる」
「あーだから保存状態良かったのか。丁寧に作ったんだなー、まるでタイムカプセルじゃん」
「これ捨てたらバチどころじゃなかったわよ。もったいない。…というか、さ」
もう一枚、とカットされたケーキに伸ばそうとした手が止まる。
「…良い物、作ってあげてたんだね。奥さん」
「……だな」
しんみりしてしまった。
ただのお隣で、挨拶しかしない、顔も碌に憶えていない人。
亡くなってから、会いたくなるとは。
束の間、静かになったリビングに、突如インターホンが鳴った。
弟が出ると、玄関にいたのは渦中の人だった。
「昼間はありがとう。でもやっぱり気になって……もう食べちゃったかい?」
振り返った弟は無言だったが、何を言いたいのはわかっていた。
確か、ノンカフェインの紅茶があったはず。
「上がってください。焼きたてのケーキがありますんで」
とりあえず、奥さんとの馴れ初めから話してもらおうか。
「俺、今度から料理のお裾分け持ってくの、怖いんだけど」
「精進あるのみ」
大きく息を吸うと肺に新鮮な空気が入り込む。
タコのように口を突き出して息を吐いた。
綿毛がふわふわと風に身をまかせて飛んで行った。
少し時間が経って、恋人が迎えに来てくれた。
彼の髪の毛に見覚えのある綿毛が付いていて、思わず笑ってしまった。
あの時、私が風に送った綿毛じゃないと思うけれど、それてもこんなことがあるんだと思ったら自然と笑みがこぼれたのだ。
でも私はその綿毛をつまんで、もう一度空に送り出す。
彼に付いていいのは私だけだから。
おわり
七二八、風に身をまかせ
「風に身を任せ」 #367
もしもあなたのところへ行けたなら
偶然じゃなくて運命だと思っていいかしら
まぁ、まかせられる風すら
吹いてないんだけどね
まずは、風を見つけないとね
<風に身をまかせ>
風に身を任せ、どこかへ行くなら
何処に行こうか
春の暖かい風と共に遠くへ行ってみたい
たんぽぽの綿毛のように
窓の隙間から入り込んだ朝の空気が、微睡んだ部屋の澱みをゆっくりとかき混ぜていく。
カーテンの端が力なく揺れる音を聞きながら、重い目蓋を持ち上げた。視界に映る昨日を想起させるシーツには、朝の湿度を含んだ重くひんやりした空気が染み込んでいた。そこには、騒がしい片割れの体温は残っていなかった。
仰向けになり、手足を広げてみても感触はどこまでも涼やかだ。まるで最初からいなかったように、痕跡はどこにもない。
重い布団を鼻先まで引き上げ、微かに残るかもしれない彼の残り香を探す。けれど、鼻腔をくすぐるのは冷ややかな朝露の匂いばかりで、思考はさらに深く、微睡みの淵へと沈んでいく。
とろけた意識は、無機質な金属音に浮上した。重い目蓋を、今度は意志を持って持ち上げた。朝の明るい光が廊下から一筋、部屋の床を切り裂くように差し込む。
「起きてたの?」
シーツの冷たさに浸食されていた静謐な時間が終わってしまったことを、ほんの少しだけ残念に思った。
「花に水やりに行ってたんだ。天気よかったから」
彼の纏う外の空気は、この部屋に入り込むものよりずっとあたたかい匂いがした。
「……おいていくなよ」
「え」
なんとなく癪だっただけ。べつに、それだけで。
ごめんね、と笑って撫ぜる指先は、朝露に濡れて少しだけ冷たかった。
風に身をまかせ
風に身をまかせ
フラフラと入って行った建物
たまたまやっていたイベントに
勇気を出して入ってみた
普段はそんなことしないのに
なぜかその日は行く気になった
それ以来楽しくなって
生きがいの1つになった
風は縁を運んでくれた
風に身を任せ、どこまでも。
辿り着いた場所で、いつまでも。
風に身をまかせ
飛んでいきたい
羽のように美しく
鳥のようにかわいく
紙飛行機のようにかっこよく
飛んでいきたい
どこまでも
No.86
毎日楽しく働かせていただきました。
こんな私とたくさん話してくれて嬉しかったです。
甘えてばかりでごめんなさい。
ありがとうございました^_^
なんつって
みなさまこれからも
よろしくお願いします
笑笑
一生懸命生きることに疲れた私は、風に身をまかせて余白のある人生を送りたいと思っています。肩の力を抜けば、イライラすることもなく、介護をするときも優しく接できます。これまでできていたことが徐々にできなくなるから、手助けしてあげたいのです。会社に尽くしても潰れてしまえば無意味なので、余白のある人生を選びます。
書く習慣:本日のお題「風に身をまかせ」
子供の頃の私は、風に身をまかせている場合ではなかった。
めちゃくちゃ風が強い地方なのだ。
春は春一番が吹き荒れる。春一番以外にもだいたい毎日、それも午前と午後と夜に強風が吹き荒れる時間がある。スギ花粉も飛び放題だ。窓ガラスも車も黄色くなるほど花粉が飛散している。「花粉が飛散」という字面を見ただけで鼻がむずむずしてくる。花粉症のパブロフの犬である。
夏は昼に謎に力強いドライヤーみたいな南風が吹いてくる。空気は動くが全く涼しくない。一方で夜になると、カエルの大合唱が木霊する田園地帯を北風が吹き渡る。夜風に吹かれようと思って出歩くと若干肌寒かった。現在は地球温暖化で毎晩熱帯夜になり、多少の北風ごときでは寝苦しさは和らがない。ただし、どういうわけか水道水はめちゃくちゃ冷えるので、夏だからと横着して給湯器をオフにしたままシャワーを浴びると普通に凍える。
秋の風が一等好きだった。ブタクサやイグサなどの秋花粉はあるが、昼間に吹く風の温度が下がって秋になった実感を得ると、なぜだか無性に嬉しかった。かすかに金木犀の香りがすると尚よい。
冬の風is most giltyである。毎年「ただでさえ寒いんだから風吹かすなよ!」と、心の中で風に毒づいていた。「身を切るような寒さ」なる表現があるが、本当に、なぜこんなに風が吹いてるのに誰もケガしてないのか不思議なくらい、木枯らしやからっ風は厳しかった。
それでも、私の地元は雪が少ない地方だからまだマシだ。
大学時代、アルバイト先の先輩が「学生時代、北海道で吹雪の日に外出してしまい、自宅から数メートルの範囲で遭難しかけた」と聞いて震撼した。
日本の長所として「四季がある」と言う人がいるが、相当恵まれた環境でお育ちなのだなとクソガキの僻み根性が顔を出してしまい、素直に四季の美しさを味わえない自分がいる。四季というか二季二難……語呂が悪いからいっそ「四危」?
春夏秋冬は今や「花粉、酷暑、花粉再来、極寒&大雪」になってしまった。花粉症じゃない人に時々出会うと、羨ましくてたまらない。「その人の鼻を食べたら花粉症が克服できるんじゃないかな」と、神絵師の腕を食べたがるオタクの邪念が顔を出す。
ところで、富山県で「花粉を出さないスギ」というのが開発されたらしい。少子高齢化の日本にふさわしい試みだと思う。
お題【風に身をまかせ】
『風葬』
ねえ、君は、風を見たことがあるかい。
あるわけないか。風は透明で、ただ肌を嬲る(なぶる)だけの、目に見えない悪意のようなものだから。でもね、僕には見えるんだ。あの、緑の匂いを孕んだ、生温かい、澱んだ夏の終わりの、空気の身悶えが。
君が「なぜ死にたいの」と、いつだったか木犀の影で聞いた。あのときの君の瞳は、まるで硝子玉みたいに無機質で、だからこそ、僕の胸をひどく抉った。
手紙なんて、時代遅れだね。でも、文字を指先で汚さなければ、僕は僕の輪郭を保てない。
「暑いね。」
あのとき、君はそう言ったっけ。
「そうだね。」
僕は嘘をついた。本当は、凍えていた。
「風が吹くと、少しだけ、楽になるよ。」
「どうして?」
「自分が、薄くなる気がするから。」
君は笑わなかった。ただ、僕の、汗で張り付いた前髪を、不器用な指で払った。あの指の、かすかな煙草の苦みと、乾いた皮膚の感触を、今でも舌の裏で覚えている。
自殺、という言葉は、実に下品で、即物的一般的で、嫌悪を催す。世間はそれを「命を絶つ」と呼ぶ。絶望の果ての、暗い穴への転落だと。
冗談じゃない。
あれは、溢れんばかりの、あまりにも過剰な、生への執着の、暴発なんだ。
生きたくて、生きたくて、完璧に、純粋に、美しく生きたくて、だけどこの肉体という入れ物が、あまりにも不純で、醜くて、耐えられないから、中身をぶち撒けるだけのことなんだよ。
死に向かうのではない。生の、究極の完成へ向かうんだ。
「ねえ、聞いてる?」
君の声。回想の中で、君が僕の袖を引く。
「聞いてるよ。」
「嘘。どこ見てるの。」
「風の、行く先。」
「また、それ。」
君は怒ったように、でも、どこか諦めたように、僕の手の甲を抓(つつ)んだ。痛かった。爪の形に白く残った皮膚が、赤く染まっていくのを見て、僕は自分が生きている人間であることを、ひどく恥じた。
人間は、なぜ、こうも歩く肉塊として完璧なんだろう。心臓が動く。血が巡る。飯を食えば、排泄する。そのおぞましい、規則正しい自然の営みが、僕を息苦しくさせる。
僕は、ただの風になりたかった。
誰の記憶にも残らず、境界線もなく、ただ世界を吹き抜ける、透明な、現象になりたかった。
「冷たいね。」
君が、僕の頬に触れたのは、いつだったか。
「僕が?」
「ううん、風が。」
「秋が来るんだよ。」
「寂しい?」
「まさか。嬉しいよ。」
嘘。寂しくて、狂いそうだった。秋が来れば、世界はまた、僕を置いて、整然と、冷酷に、次の季節へ進んでしまう。僕だけが、この、腐りかけた夏の澱みの中で、足をとられて、動けない。
君を愛していた。それは、本当だ。
でも、僕の愛は、君という個性を愛するのではなく、君を通して見る、世界の美しさを愛していた。
なんて傲慢で、利己的な、薄汚い男だろう。
君は僕のそんな、道化の裏の、冷徹な計算を見抜いていたね。だから、決して、僕の核心には触れようとしなかった。
「いかないで。」
君が、いつか、僕の背中に向かって、掠れた声で呟いた。
「どこへ?」
「どこか、遠くへ。」
「いかないよ。ここにいる。」
僕は、君の前に立っていた。でも、心は、もう何マイルも先の、名前もない荒野を、風に引きちぎられながら、走っていた。
言葉は、いつでも僕を裏切る。発した瞬間に、それは死んだ記号になる。
だから、この手紙も、君が読む頃には、ただの、インクの染みだ。
僕は、これから、風に身を任せる。
飛び降りるとか、首を吊るとか、そういう卑俗な儀式ではない。
ただ、僕という存在の、最後のネジを、そっと緩めるだけだ。
そうすれば、僕を縛り付けていた、この重たい自意識の皮膚が破れて、中から、純粋な、透明な僕が、吹き出して、君の髪を揺らすだろう。
ねえ、悲しまないで。
これは、敗北ではない。
生きることに、あまりにも真面目すぎた僕の、これが、唯一の、烈しい告白なのだから。
君が、また、僕を呼ぶ。
「ねえ。」
「なに。」
「風、止まったね。」
いや、今から、吹くんだよ。
窓の外で、ゴー、と、世界が鳴った。
僕の耳の奥で、血液が、最後のダンスを踊っている。
君の、あの、かすかに甘い、皮膚の匂いが、鼻腔の奥で、弾けた。
僕は、完成する。
さようなら。
お元気で。
もう、痛くない。
宛先不明。
_____________________
追伸『混凝土』
ねえ、君は、本当に風になれたのかい。
手紙が届いたのは、よく晴れた、酷く混凝土(コンクリート)の匂いが立ち上る、九月の火曜日だった。
郵便受けの底で、それは死んだ魚のように冷たく横たわっていた。君の、あの、右上がりの、今にも消え入りそうな、筆圧の薄い文字。
読まなくても、中身は分かっていた。
だって、あの火曜日の朝、僕の部屋の窓を叩いた風は、妙に粘り気があって、君の嫌いな安煙草の、あるいは、君がいつも隠していた、あの耳の後ろの、酸っぱい汗の匂いがしたから。
「死んださ。」
誰かが、僕の頭の中で、そう呟いた。
「知ってるよ。」
僕は、誰もいない台所で、冷えた麦茶を飲みながら、そう返事をした。
君の葬式は、まるで出来の悪い喜劇のようだった。
親族は泣き、友人(と自称する、君がかつて軽蔑の対象と呼んだ奴ら)は神妙な顔をして、君の繊細さを記号のように消費していた。
「可哀想に。」「生きづらかったのね。」
反吐が出る。
君は可哀想なんかじゃない。
君は、僕たちを見下して、僕たちの不潔な「生」を嘲笑って、一人で完璧な、美しい記号になりおおせた、最も傲慢な、勝利者だ。
「綺麗だね。」
棺の中の君を見て、誰かが言った。
「そうだね。」
僕はまた、嘘をついた。
君の顔は、おしろいで真っ白に塗られて、まるで出来の悪い蝋人形だった。
生きていたとき、あんなに僕を苛立たせ、愛おしく思わせた、あの人間らしい不完全さが、綺麗に、残酷に、抹消されていた。
僕はそれを見て、激しい怒りと、それから、どうしようもない空腹を覚えた。
葬式の帰り道、僕は駅前の暖簾をくぐり、脂ぎったカツ丼を、喉がかきむしられるような思いで、一粒残らず平らげた。
君の完成した世界の外側で、僕は、まだこんなに汚く、胃袋を動かして、生きている。
手紙を、もう一度、読む。
『死に向かうのではない。生の、究極の完成へ向かうんだ。』
相変わらず、酔っているね。自分の言葉に、自分の苦悩に。
君は、自殺の本質を生の暴発だなんて高尚に飾ってみせたけれど、それは残された僕たちに対する、最悪のテロルだ。
君が死んだせいで、僕の日常は、すべて君の不在という色に染まってしまった。
空を流れる雲も、街路樹の騒めきも、全部、君の「ほら、僕を見て」という、自意識の囁きに聞こえる。
君は風になったんじゃない。
僕という人間に、一生、消えない呪いをかけたんだ。
「ねえ。」
夜、ベランダに出ると、君の声がする。
「なに。」
「僕、上手に消えられたかな。」
「最悪だよ。」
僕は、手すりに腕を乗せて、夜の街を見下ろす。
ネオンが、君の好きだった、あの硝子玉のような色で点滅している。
君の言う純粋な生なんて、この世界には最初から、どこにもなかった。
あるのは、この、泥にまみれて、他人の目を気にして、道化を演じて、それでも明日を生きなければならない、みっともない「俗」だけだ。
君はその俗を拒絶して、神様の領域へ逃げ込んだ。
卑怯者。
でも、悔しいけれど、僕は今、君のその卑怯さに、どうしようもなく魅了されている。
君のいない世界は、驚くほど静かで、そして、退屈だ。
誰も、僕の前髪を払ってはくれない。
誰も、僕の皮膚の匂いを、そんなに烈しく求めてはくれない。
手紙を、ライターの火で炙る。
紙の端から、黒く、丸まりながら、文字が消えていく。
「さようなら」が、灰になる。
その灰が、夜の風に浚われて、僕の頬を、ちくりと刺した。
冷たかった。
でも、もう、騙されない。
君は、完成した。
そして僕は、また、明日を、汚く生きる。
風は、ただの空気の移動だ。
髪をなびかせ
スカートをゆらし
運んでいくよ
君の笑顔
たんぽぽです。
はぁ?と思ったそこのあなた。
正解です。
今私は太平洋の上をふらふら〜っと飛んでいます。
あ、あそこ。
あそこです、クジラが見えましたね。
クジラ肉って美味しいんでしょうか?
たんぽぽなので空気と水以外食べた事ないので少々気になってしまって笑
なんですか?私が誰かって?
だからたんぽぽ…あぁどこから来たかって?
それはですね?????
日本列島の
大阪の
なんかすごく人通りの多い道の
コンクリートの
ブロック塀の
一番下の段の
端っこの方
日陰の
誰の目にもつかないあの電柱の
真裏の…………って長くなりましたね笑
そうです。
私の故郷は日本。
気づいた時には黄色の花は綿毛になりました。
誰にも気づかれない、気づかれずに枯れるんだろう。
そう思っていたある日
小さな男の子が私の事を見つけてくれました。
「おかーさーん!!!!!たんぽぽー!!!!!!!」
ブチッ
無慈悲にも躊躇なく私は地面から切り離されました。
「ふーってしていい?」
「良いわよ?笑」
ふぅーーーー。
そんなこんなで私は風に身をまかせ、どこか知らない所へと向かっているのです。
次はどんな出会いがあるでしょうか