『雪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雪
雪やこんこ あられやこんこ
降っては降ってはずんずん積もる
子どもの転ば無邪気に遊んでたな。
大人になると嫌なものに変わってしまったけど、
心の少しの部分では楽しく思ってる
たまに降る雪はいいもんだ。
雪
とつぜん、ふってくる
冷たい、のかと思いきや、触れると意外に温かい。
でも、すぐ溶けてしまう。。
触れても触れても一瞬で消えていってしまう
また触れたいな
と思っても、次に会えるのはいつだろう
つもる想いだけ残して季節は次へむかってゆく
雪はべつにおいしくない
あなたは知らないだろうけれど
知ってほしくもないけれど
なんのために
この雪を
降らせるのですか
あなたのように
真っ白に
美しく生きられたら
そんな戯れ言を
口の端にのぼらせるのも
罪なような気さえして
このけがれなき白い雪を
ここに敷き詰めて
すべて隠してしまえたらと
雪よ降れ
わたしに
雪よ降れ
あなたに知られぬように
#雪
雪
駅の改札を抜け外を見ると、電灯に照らされて白いものがちらついて見えた。
雪だ。
外に出て見上げると、暗い空を背景に白い粒がはっきりと見える。画面全体を埋め尽くす白の点描が、この世のものとは思えないくらいにゆっくりと、絶え間なく迫ってくる。その雪片の動きをただただじっと見つめる。その間、気づくと呼吸を止めている。
雪は音を吸収するという。降雪は空気中の振動を吸収し、積雪があれば地面の音の反射も軽減される。
しかし雪の日が静かな理由は、それだけではない気がする。人々が雪に魅入られて息をひそめるから、でもあってほしい気がする。
2023/01/08
住んでいるところを尋ねられて答えると
それはさぞお寒いでしょうと言われる
確かに寒いは寒いのだが
この辺りは雪というものが一向に降らない
何年か前に膝の下のあたりまで積もった時などは
子どものみならず大人まで表に出て珍しがった
そういう土地柄だから
年がら年中バイクで走ることになるわけだ
今日も風は冷たく乾き切って
ナイフの刃のように鋭く頬を切りつけてくる
全く呆れるほどによく晴れた冬空で
ロマンチックな雪の結晶などかけらも見えない
あれは寒さといくばくかの湿り気があってこそだから
このからからに乾いた土地に降ることはない
冬の弱々しい太陽も黄色く万物を照らして
まことにのどかというほかない
私は雪を夢想する
空から次々に落ちてくる
白く柔らかく軽やかな雪片
風は止み
無数の、数えきれないほどの、そのかけらが
冬枯れの草も丸裸の庭木もブロック塀も包みこみ
夜にはしんと静まり返る
窓から漏れる暖かな灯りが白さに反射する
アスファルトには黒い轍……
ああ滑りやすいだろうな
車と違いバイクにはスノータイヤもチェーンもないので
雪なんぞ降ったらさぞ面倒だろう
ロマンチックな夢想は中断され
現実が押し寄せてくる
うう寒い
こんなに寒くてそのうえ雪まで降ったら
もうこんな仕事してられない
降らなくてよかったさ
負け惜しみのように
からりと晴れた空を見上げる
冷たい山颪は吹き止んだ
雪。雪の匂いがする。
土と水が混ざったような、鼻にツーンとくるような、そんな匂い。
雪が積もったら、雪だるまつくろ〜♪と歌いながら雪だるまを作る。アナ雪が流行る前はゆーきやこんこ♪だったっけな…?
これは大人になってからも変わらない。きっとこれからも変わらない。
昔は雪食べたこともあったなぁ…どれだけ雪好きなのかな。
真っ白な雪が降り積もる、あの場所に。
戻れたらいいのにな。
☃
小さい頃に、お父さんとかまくらを作った。
その時は、雪がたくさん降って積もっていたけど、今は少ししか積もらなくてちょっと寂しいな。
しかも、去年はホワイトクリスマスにはならなかった。白い聖夜…いつか見れるといいな。
「雪」
冷気はガラスのように鋭い。世界がそういう膜に覆われてしまっているみたいな、何とも言えない甘い絶望感。
ぼたぼたとした雪。
マフラーの隙間から白い息がぶわっと空気になじんでゆく。渡されたスープの入ったマグカップがじんと掌から内部にじんわり。
高い位置に座する我が家。
銀色に包まれた世界がよく見渡せる。
「んふ、こういうのがしたかった」
「……寒いのによくやりますね」
「あのね、付き合ってくれてありがと」
「ええ、まぁ」
べランダの手すりの雪を落とし、まるでスノウビュウの展望台。
はぁーっ、はぁーっ、と白い息を遊ばせて。霧散してゆくのが楽しいと何度も。
悴んできた手を結んでは開く。「さむい! くぴくぴする!」聞き慣れない表現をするあなたはとても楽しそう。
まるでこども。
浮遊する濃密な雪片の塊り――牡丹雪。
切れた雲間から陽が降りてきて、まんべなく白く見えていたのがうすら青を帯びている。キラキラと水分が遊色を放っているのは、純粋にとてもきれい。
腕や手に到着した雪をよくよく見れば、見事な六角形。
「見て! みてみて、顕微鏡なくても見えるんだね! すっご、イラストとかでぜんぜん見たことない形してる!」
「温度と湿度で種類が変わるそうですよ」
「え~、今から他のところ行って裏付けしたい」
「冗談を」
種類がぜんぶで121種類あるのは伏せておきましょう。……すべて見たい、と飛び出しかねない。
「あ、除雪車」
「融雪剤撒いてますね」
「もったいない」
「安全のためですよ。過ぎれば毒です」
「んー……ね、除雪されたところ、茶色じみてきれいじゃないよね」
「土とか汚れが雑じっているんでしょう」
「あっち見て。人通りがないから、雪かきされてないところ。真っ白で足跡もなくて、んふ、入っちゃいけない聖域みたい」
「すてきな語彙力」
大きな目を細めて、口角が上がったあなたのお顔。頬の筋肉がぷくりとして。寒さで赤らんだ肌が、まるで照れているみたい。
……あなたが羨ましい。こんなにも感情豊かに、それを表に出してしまえるなんて。うらやましくて仕方がない。
思わず潰してしまいたくなる。
「ちめたいッ‼」
大げさに仰け反る。
まだあたたかいスープのマグを頬に寄せた。「なんなのさ」、プギーと鳴いて。
「ふふ、あまりにも……いいえ、わたくしの秘密にしておきます」
「えー? きみにその感情あげたのはぼくなのに? ぼくに言わないつもり?」
「おや、わたくしの感情を手に入れたつもりで?」
「んふ、そうだよ」
へら、と笑うあなた。
「だからね、雪にもぼくの感情をね、あげるの」
「感情をあげる、ですか」
「うん。また降ってね、きれいだよ、でもこわいことはしないでね。って。そうするとね、ぼくも気づくの。雪に対してこんな気持ちなんだなぁって。それで、また好きになるんだよ」
愛おしそうに眺めるあなたの横顔。鼻のてっぺんが赤くなって、寒そう。けれど、耀うひとみはまばたきすら惜しそうに。
何を想っているのでしょうね。
わたくしも、何か言葉にしてみたくて――――やっぱりちょっと気恥ずかしい。
だから、ありきたりで誰もが言う言葉を隠れ蓑に。
「きれいですね」
雪の結晶がふわりとあなたのお顔にキスをして。
#雪
空から降ってくる、みぞれのひと粒が、耳元を通り過ぎる瞬間に言った。
「もうちょっとで雪になれたのになー」
その言い方が、じんわり暖かい。
「そりゃあ、雪にはなれないよね」と笑うと、みぞれはぼくの肩で水になった。
白く光る雪が綺麗
氷みたいなガラスの向こう側に
行こうかなという気持ちにさせてくれる
道路もバスも電車もない
一面白銀の世界
今日はなにしようかなあって悩める幸せ
「雪」
今日も私は歩いていた。真っ白い道のその先に何があるのか知りたいから。
ちょうど歩き始めて一時間ちょっと経ったとき、
小さな小屋の様なものが見えた。
そのまままっすぐ歩いて行くとその小屋は小綺麗な
見た目をしており、のれんに営業中と書いてあった
もう3日も誰とも会っていなかったし人恋しさから
入ってみることにした。
少しの期待を胸にいざ、入店。
カラン、カラン
久しく耳にしていなかった音を聞き安心感を感じていたら、いらっしゃいませと奇麗な声が聴こえた。それに続けて何かお探しでしょうか。と問いを投げかけられた。
無意識の内に店を見回してしまっていたのだろう。
それに返すように、長く人に会っていなかったものですから気になってしまってと言うとそうですか。
と随分と素っ気無い反応をされたが、きっと悪い人では無いんだろう。多分。
店は雑多に物が置かれていて、どれもこれも関係ない物だったが、みんな不思議と漂う雰囲気は同じに思えた。
ここはなんのお店なんですか?さっきの声の主に問うとしがない雑貨屋ですよ。と返ってきた。
今だに声の主がどこにいるかは分らないが何故か惹き込まれる様なこの店の独特の雰囲気はこの人から発せられていると思う程だ。というかそうなんだろう。
あまり長く居ても、ということで少し惜しいが必要なものを買い出ていく事にした。幸い品揃えがよく
食料なども合った。こんな何もない所にどうしてあるのか分らない程良い店だった、そしてまた真っ白い道を歩き出した。
「雪」
明け方、布団の中で目を覚ます。
部屋がキーンといつも以上に寒い気配を感じる。
カーテンのすき間から、うっすらと入る街灯の光のほかは、まだ真っ暗の時間だとわかる。
窓の外の音を聞く。
シーンと全ての音を吸い込んだ様な、静けさ。
ゆうべの天気予報。「今夜からは都心でも雪になる見込みです」
さて、天気予報当たっているのか、はずれているのか。
布団の中で当たった場合を、寝起きの頭をフル回転させ考える。
出発時刻は、バスと電車で行くなら1時間は、いつもより早く家を出る様になる。靴は何を履いていくか。お昼ごはんは買えるか弁当を作るか。作るなら、もうそろそろ起きないといけないのか?
普段雪が降らない場所の人間はこんなもんだ。あっ!電車動くのかな?不安になってきた。
新聞配達員のバイクの音が聞こえる。
ん?
布団から、精一杯の勇気を振り絞って起き上がり、カーテンを開けてみる。
あと、1時間半は、寝られるな。
『雪』
大勢に飲まれていればただの白だ。
でも近くで見ると一つ一つ素敵だよね。
君みたいに。
なんて言ってたけど良くわかんないや。
この白は冷たい癖に貴方を追えるようにしてくれた。
なのに、なのに、今日は、
貴方の足跡見えないし、追えないみたい。
あー、そうだ、
こんな日に離れぬ貴方は冷たかったな。
--《雪》
明るい光の中で
また逢いたいと思う
失ってしまったものたちを
呼び戻したいと思う
失われて行こうとするものたちを
呼び止めたいと思う
人にはなぜ、それが出来ないのか
願っても願っても
出来ないのか
ぐにゃりと視界が歪む。受け身を取ることも出来ずに、身体の軸は後ろへと傾く。
アスファルトの上に投げ出される──恐怖と覚悟で目を瞑った。
「……?」
恐る恐る目を開けてみると、柔らかな新雪に体を受け止めてもらっていた。安心感で緊張が解け、力が抜けた。
暁の空、夜の濃紺を朝の朱色が塗り替えていく。
雪が降り始めても、立ち上がるだけの力が入らない。それに、雪の感触が心地良いと感じていた。このまま降りしきる雪に包まれて、永遠の眠りにつくのも悪くはない。
眠気がゆっくりと体に覆いかぶさってきて、瞼の動きが緩くなっていく。
「大丈夫か」
彼の声がする。心地の良い低音。
私の体についた雪を払い落とし、起き上がらせるために手を差し出してくれた。
「!」
そんな彼の手を握って、私の方へ引きずり込む……が、思ったより動かなかった。彼は驚きつつ、ゆっくりと私を抱きしめてくれた。
「このまま、雪に包まれて眠ってもいいかなって」
「あぁ、それはそれで、綺麗だろうな。だが……それは、今じゃない」
ゆっくりと、はっきりと、彼は言葉を続ける。
「心配したんだ……ダメじゃないか、こんな時間に、一人で出歩くなんて」
覗き込む目には、怒りではなく憂いを帯びていた。私がいることを確かめるように、彼は頬を撫でてくれた。
謝罪の言葉を口にすると、彼の表情は柔らかくなって、言葉も声もより優しくなっていく。
「でも、雪に包まれてる姿も……すごく綺麗だった」
頬が熱くなって、声も少しうわずってる。
「███たちからすれば、人間も雪と同じようなものなのかなって……どんなに技術が発展しようと、私達の命に限界は存在するんだよ」
「そう、だな……否定はしない。だけど、今の私は、お前と同じ人間だ……これが終わるときまでは、この身体で共に生きていく」
軽々と抱え上げられ、視界が揺れる。
夜明けだ。雪が太陽の光を反射して、更に輝きを増している。
「写真撮ってもいい?」
「あぁ、携帯はここにある」
「持ってきてくれたんだ、ありがとう」
目を細める彼にカメラを向け、銀世界と一緒に収めておいた。
「……満足したか?あとで覚えておくんだな」
「えっ」
「酷くなる前に帰るぞ。危ないから不用意に動くな」
雪景色の外から一転、見慣れた寝室へと飛ばされる。服も着替えた状態になっていた。
ゆっくりとベッドの上に降ろされる。
それも、彼が寝ていた方に。
「芯まで冷えきっている。ん?私なんかで温まるわけが……全く、どこまで私を振り回せば、気が済むんだ」
眠ってしまった彼女に声は届かない。
人間は脆く儚い。死に深く関わる彼はそれをよく知っている。この身体を与えられてからはなおさら。
「本当に真っ白だったな……。そこまでして、彼女は見たかったのか?」
雪に身を沈めていた彼女の顔は、気持ちよさそうで、本当に幸せそうだった。
「流石に外には出られないが……ふむ、鍋でもつつきながら眺めるのも、いいかもしれないな」
『暁雪の戯れ』
お題
「雪」
「雪」
雪、それは幻。
はるか昔住んでいた札幌では日常だったのに、
今現在住んでいる東京隣県では非日常。
雪という単語を見て思い浮かべるのは積もった雪でもないし、雪の結晶でも雪を使って作った雪だるまでもかまくらでもない。
雪にはしゃぐ人々と雪に嘆く人々、ただそれだけだ。
北海道から越してきて雪を見なくなった冬、雪のない冬は冷蔵庫にいるような感覚だった。
寒さの原因がはっきり見えない感じ。本当の寒さの正体が雪だなんて誰も教えてくれないのにそう思っていた。
雪はすぐに溶けてしまう。でも今の方が北海道にいたあの頃より内心でははしゃいでいる。
雪が降ると幻想的な世界に変わる。
小さな雪の中にとても綺麗な結晶が
また幻想的な世界を引き出してくれる。
雪が人を隠します。
どれだけ冷えていることでしょう。
春になって、抜け殻だけでも暖めてあげられたら。
お題 雪
めずらしいね
「雪」
私の住んでる地域ではめったに雪は降らない
でも
東北地方では毎日のようにすごい降る
小さい頃はいいなと思っていた
物事を考えられる年になってから
雪のせいで命を失う人もいることに気づいた
わかったような気になっちゃいけない