呼吸をやめない猫

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「雪」

雪、それは幻。
はるか昔住んでいた札幌では日常だったのに、
今現在住んでいる東京隣県では非日常。

雪という単語を見て思い浮かべるのは積もった雪でもないし、雪の結晶でも雪を使って作った雪だるまでもかまくらでもない。

雪にはしゃぐ人々と雪に嘆く人々、ただそれだけだ。

北海道から越してきて雪を見なくなった冬、雪のない冬は冷蔵庫にいるような感覚だった。

寒さの原因がはっきり見えない感じ。本当の寒さの正体が雪だなんて誰も教えてくれないのにそう思っていた。

雪はすぐに溶けてしまう。でも今の方が北海道にいたあの頃より内心でははしゃいでいる。








1/8/2023, 2:20:56 AM