『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雪を待つ
雪は好きだけど寒くなるし移動の邪魔になるしで生きていく上でデメリットしかない。
ただ雪が降るくらい寒い日の精神が研ぎ澄まされるような感覚は好きではある。でも水道凍ったりしたらめんどうだから降らないでほしいのよ。
しかし最近ストレスと寒さからまた食欲を抑えられずに暴食している。このままじゃまた太る。
解決策はちゃんとあすけんをつけて食事制限をすればいいという単純なものだ。問題はその単純なことが俺にはできないというただ一点。
あすけんつけるのめんどくさいし食べたいしで結局怠惰なほうへ流され生きている。腐ったような人生を歩んでいる。
これはだめだと毎日思っているのに一向に改善できない。ほんとどうにかしないとな。
雪を待つ
寒いのは嫌い。すごく嫌い。だけど雪が降る光景は美しいと思う。
雪深い街で暮らすのは無理だが、年に1度か2度ぐらいなら、降ってくるといいなと思ってしまう。庭の樹木や、二階の窓から見える、家々の屋根に積もっているのを見ると、掛け値無しに美しいと思う。降る雪には詩が有る。物語が有る。
雪国の人に叱られそうな贅沢な話だが、敢えて言う。一冬に1度か2度の雪を待ちたい。
「白き雪となり、君のもとに帰ってくる」
赤い封筒を握りしめた夫の言葉は、未だ耳にはり付いている。
空を見上げれば、広く暗い空。
いつになったら雪は降るのだろう。
いつになったらあの人は帰ってくるのだろう。
私は今日も、灰色の空を見上げながら夫の帰りを待つ。
一粒の雪と、空が青く澄み渡ることを、願いながら。
『雪を待つ』
今年の積雪は遅い。
もう12月も中旬なのに、少し降っては溶けてを繰り返している。
私は雪が積もるのは憂鬱だが、愛犬のハスキー、イオが雪を待ち侘びている。
いつもの散歩時間はおよそ1時間程度。
雪が積もると2時間。それ以上の日もある。
イオは外が寒くなってくると、ソワソワし始める。
「イオ、雪はまだだよ(笑)」
私がそう声をかけると、少し寂しそうにクゥーンと鳴く。
イオと家族になるまで雪が憂鬱だった私だが、イオと過ごすようになってから私も雪を待つようになった。
また雪が積もったらいっぱい遊ぼうね、イオ。
「雪を待つ」
「なんなわけ? ただの白いノートやし」
ミスズはサチが取り出した『雪待ちダイアリー』を手に取り、不思議そうに眺めている。
雪待ちダイアリー。雪が降る季節を待つ人たちのための日記帳、というコンセプトで発売された真っ新なノート。本紙には白色度が高く雪原を思わせる真っ白な紙を使用している。
「雪を待つ間の想いをひたすら綴るノートなの。いま色んな人がSNSに上げてて、バズり始めてるんだわけ」
ただの白いノートだが、このコンセプトが知られるようになると徐々に販売数は伸びていった。
冬の寒さが増してきても、降り出さない雪を待つ心情に、会うことのできない人への想いを忍ばせて書くのが「切ない」「深い」と多くのリプライを集めるようになった。
冬の初めが最も売れ行きが上がるシーズンではあるが、雪解けの時期から書き始めても、去ってゆく恋人への想いに重ねる人もいた。
「でもここ沖縄やさー。待ってても雪降らんし」
「そう、そこがいいんやさ。見ててよ」
サチは細長い紙の箱と青いインク瓶を持ってきた。そして箱を開けると、中から鮮やかな模様のあるガラスのペンを取り出した。
「でーじキレイ。なにそれ? ガラスペン?」
「琉球ガラスの職人さんが作ったガラスペンさ。いまから雪ぞめ式をやるわけ」
真っ白な紙に初めてインクを入れることを雪ぞめ式と称する流れもこの商品から始まった。「#雪ぞめ式」で検索するといまでは10万件以上がヒットする。一般的にはボールペンで書く日記だが、映えを意識するユーザーは万年筆やガラスペンにこだわって、最初に雪を染める色にも頭を巡らすようになった。
「これはなに色?」
「琉碧(りゅうせい)。沖縄の海の色」
そしてサチは、ガラスペンにインクをつけ、雪を染めた。決して来ることのない憧れの人を想う詩とともに。
雪待ちダイアリーと琉球ガラスペン。この組み合わせで投稿された画像は、一気に世界を駆け巡った。
こちらでは
まだ雪は降っていない
朝晩は かなり寒く
いつ降ってもおかしくない
これまでに
いろいろな雪を見てきた
重い雪 軽い雪
みぞれかかった雪
ちぎれた綿菓子が
ゆっくり落ちてくるような
はかない雪
空の寒さを
地上にもたらす
雪を待つ
『雪を待つ』
ふと空を見上げて、あの日を思い出す。
君はあの日消えた。忽然と。
街の人々は寒そうにしている。
雪が降りそうなほど凍てつく寒さに僕は肩をブルっと震わせて
ポケットに手を入れて歩き出す。
僕は未だに君の姿を探して、また目の前にイタズラな笑顔を見せて何事も無かったかのように現れるのを待っている。
現れてはくれないだろうか。僕はいつまでも待っている。
雪が降るのを待つように。
ふれ ふれ
ゆきよふれ
あの子の体力をタダで削ってくれるゆき
ああ、まぶたがおもい
はやく ふれ ふれ
ゆきよふれ
嫌いなんて言ってごめん
都合がいいと思うけど
はやく ふれ ふれ
ゆきよ……
自分という存在に嫌気が差す
メイクを落とさずソファで目覚めた朝は、何もやる気がしない
肌が呼吸困難で絶不調なのが分かる
ただ惰眠を貪りたい
ただ雪に埋もれて正体を無くしたい
そんな空想で目を反らす
現実や未来から
雪に埋もれたら、キレイになれる
そんな気がしていた
#雪を待つ
【雪を待つ】
雪や砂を挟んで形を作る玩具がある
百均で見付けたそれは
妻がやたらと喜ぶ物の形
雪が降ったら
妻の車に積もった雪を
コレで埋めつくしてやろうと思い購入し
見つからないように自分の車に潜ませていたが
昨年はそれが出来るほど積もらなかった
今年は1回くらい積もるだろうか
1年間妻の目に触れないように隠し続けた玩具
ソフトクリームの上だけみたいなその形を眺め
雪を待つ
雪を待つ
私は雪が好きだ
雪はすぐに消えてしまう
物凄く儚くて
切なくて哀しさを感じさせる
でも、そんな雪を見ていると
何故だか心が落ち着く
雪は儚すぎるイメージが強いけれど
雪の結晶は物凄く美しい
それに色々な形があって面白い
だから私はそんな雪が好きだ
冬が来るといつも待ち遠しい
雪が降るのをずっと心待ちにしている
「雪を待つ」
早く雪が降らないかなぁと僕は、雪を待つ。
【雪を待つ】
雪がひらひらと空から降ってくる。
まるで花びらと見間違うよう。
それは私の体の上を覆い隠すように。
あの人は私を選んではくれなかった。
他に好きな人が居たからだ。
それは私の親友。
私の恋をずっと応援してくれていた。
それなのに。
幸せになってね。
嘘でも言いたくはなかった。
あの日。
あの人とあの子は私を裏切り二人だけの幸福を望んだ。
あの二人の幸せそうな笑顔を見ていたら私の心は暗く滲んでいく。
私は二人のためにブーケを作った。
真っ白な雪のように儚く美しい。
スノードロップのブーケ。
二人は泣いて喜んでくれた。
その隠された意味にも気付かずに。
どうか、幸せに。
本心を隠し、私は嘘で塗り固めた笑顔でそう言った。
雪よ降れ
どんどん降れ
私の心にとめどなく降り積もれ
いつしか心の奥底に折り重なるように鎮座してしまった忘れ去りたい記憶の数々を、
跡形もなく覆い隠しておくれ
そして清らかに平らかに
心を鎮めておくれ
雪よ降れ
しんしんと降れ
私そのものを風景の一部にしてしまっておくれ
「雪を待つ」
やっとこの時がやってきた。珠樹はこの時を一年待った。沙織に会うのが楽しみだった。毎年、明日の1月1日と明後日との2日間しか会えないからだ。珠樹は新年は親戚で北海道にある別荘に集まることになっていた。そこには3世帯ぐらいで集まるのだが珠樹と同年代の子供は沙織しかいなかった。
最初は全く打ち解けなかった。お互い顔見知りてだけで話したこともなかった。仲良くなったのは3年前で別荘の周辺には毎年雪がよく積もるのだが珠樹は父と雪だるまを作っていた。そこに沙織がやってきたが何やら様子がおかしかった。顔はくしゃくしゃに歪んで鼻水がだらしなく垂れている。驚いた父がティッシュで顔を拭きながらどうしたのか聞くと母にこっぴどく怒られたそうだ。そこで父は沙織ちゃんも雪だるま作ろうと誘い一緒に作ることになった。
珠樹はしばらく黙々と作業していたが理由が気になり聞いてみた
「何して怒られたの?」
「沙織がね、料理お手伝いしようとしたらね怒られたの。包丁で指切ったら危ないって。沙織、英会話教室で料理したことあるのに」
「え、英会話教室通ってるの?」
「そうだよ」
「へーすごいな、珠樹も行くか?」
父が茶化してきたが無視した。
「何か喋れる?」
「マイネーミーズサオリタマシロ。ナイストゥミートゥー」
完成した雪だるまは不細工だったが楽しい時間は続いた。それから沙織と雪だるまを作ることが恒例行事になり、珠樹は中三になった。中学生になっても雪だるま作りは続いていてもちろん今年もするつもりだった。しかしこの年沙織は来なかった。受験の勉強で忙しくて来れないそうだ。仕方なく今年は室内で過ごした。沙織がいない北海道は何もすることがなくつまらなかった。珠樹自身、受験シーズンなのだが北海道まで来て勉強する気にはなれなかった。
そして何もせず2日間は過ぎここに来るのはまた来年。沙織は来るだろうか、そんなことを考えていた。来年は何もないのだから来るはず、でも来たとしてちゃんと喋れるだろうか、会えたとしても2年ぶり彼氏とかもできてるかもしれない、もう一緒に雪だるまなんか作ってくれないかもしれない。この答えがわかるのも一年後、もどかしいが仕方なかった。沙織に会えたらそれでいい。また来年雪が降る時期を待とう。
ごめん。
たったその一文だった。
携帯の画面に表示されたメッセージを見て、なぜかホッとする。
何に謝っているのだろう。
二人の時間を作れなかったこと。
こちらからの連絡に何日も返事をしなかったこと。
デートの約束をすっぽかしたこと。
もう、私のことを大切に思えなくなっているということ。
「ごめん」の三文字で終わってしまう関係だったのだなと、マフラーに顔を埋めた。
ガタゴトという規則的な揺れと、足元の暖房が心地よい。乗客はまばらで、皆が思い思いのことをしていた。
誰もがこちらに興味も関心もない状況に、私も日常の風景の一部なのだと頬が緩んだ。
彼とは五年付き合った。趣味も嗜好も似ている私たちは恋人であり、親友のような関係だった。ぬるま湯のような、そんな心地よい関係に甘えていたのかもしれない。
しかし、セーターにいつのまにかできている毛玉のように、小さな綻びに気がついた時にはもう遅かった。
いつのまにか会う時間は少なくなり、未来を語ることもなくなった。
それでも彼が好きだった。どうしようもないくらいに。
冷え切った関係だと分かっているのに、さよならも言えなかった私はズルい人間なのかもしれない。
だからホッとしたのだ。「ごめん」と彼が言ったとき、「ああ、やっと大切な人に辛い思いをさせずにすむ」と心が軽くなった気がした。
携帯を取り出し、メッセージを送る。
ガタゴトと電車は変わらず揺れている。
きっと駅に着いたら、冷たい風が私の頬を撫でるだろう。
窓の外は暗く、遠くの街の光がぼんやりと光っている。
もうあの人に会うことはないだろう。
私が愛した人。大切だった人。
この悲しさも、悔しさも、寂しさも全て真っ白に覆い尽くしてはくれまいかと、ゆっくりと瞼を閉じた。
雪を待つ
雪を待つ
あなたの心は、今、何を見ていますか?
あなたの目の前の私は、見えていますか?
今は、暑い夏、あなたと見た雪景色を
今年は、一人で見ることになるのでしょうか?
汗をかきながら、あなたと見た雪景色を
私は、今、見ています。
目の前のお庭には、向日葵が咲いています。
でも、私の目には、あなたと見た白い綿帽子を被った雪景色が見えています。
あなたは、今、何を見ていますか?
【雪を待つ】
早朝のキンと冷えた空気の中
うんと、背筋を伸ばして大きなあくびをする
鼻から冷たい空気が入り込み、肺の中まで冷たくなった
吸い込んだ空気から、もうすぐ雪が降るとわかった
脳裏に降り積もった雪原の絵が浮かぶ
あの中を思いきり走り回り、雪の中に顔を埋めて雪を撒き散らす
考えただけでワクワクした
早く降るといい
あなたは寒いのが苦手で、冬の散歩は苦手のようだ
少し申し訳なく思うが、雪の中散歩に行くのは楽しみなので我慢してほしい
あなたが来た
散歩の時間だ
嬉しくて鼻を鳴らす
待ちきれず、足踏みが止まらない
首にリードを着けたら、さあっ散歩に出発だ
あなたは白い息を吐きながら空を見上げた
今夜は雪かな?
その通り!嬉しくて、私はワンと鳴いた
あるところに、雪柳の君と呼ばれた、
高貴な血を引く、さほど家格の高くない生まれの女性がおりました。
彼女の事を良く云えば、凛々しく聡明な御方、
悪く云えば、手厳しく気強い御方でした。
彼女は、成人して間もなく、かつての財閥家の男性と婚約。
大学院を卒業後、弁護士となり、かの男性と婚姻しました。
彼女の手腕により、わが家を後に再興させるに至る、
きっかけと基盤を作ったと伝わります。
現在において、このような形容は好ましく無いとは思いますが、
女性でありながら、わが家を再興させるに至る、
きっかけと基盤をお作りになった功績は、
何時の世においても、素晴らしいものだと思われるでしょう。
それが、私の祖母だと言うのだから驚きです。
私のおばあちゃんは、今では普通のおばあちゃんです。
私を含め、孫たちには皆優しくて、いつも温かく迎えてくれて、
たくさんの食べ物を勧めてきます。
旅行に行く時のお土産や誕生日プレゼントを贈るときなど、
私が「何が良い?」と聞くと、いつも決まってこう言います。
「お茶っ葉(おちゃっぱ)が良いです。」簡潔に丁寧に応えてくれます。
私は、その誰に対しても丁寧さを忘れないところ、
そのいつも迷いの無い簡潔な回答が大好きで、
分かっていても、欲しいもの尋ねる際は必ず聞きます。
例え、孫の前でもデレない、自慢のおばあちゃんです。
いつも、アフタヌーンティーにお友達を招待して、老後を愉しんでいます。
最近では、大人になった孫たちを一人ひとり誘ってくれます。
今日、私も初めて誘われました。
おばあちゃんのアフタヌーンティーに、
ひとりで誘われると大人になったと認められたような気がします。
本当に嬉しく、愉しみです。
それでは、また、お会いしましょう。
最後まで、お付き合い頂き、ありがとうございました。
かしこ
受験の季節、私は初めて受験勉強に本気で取り組んだが、第一志望にはいけなかった。これまで英語だけは誰とでも戦える力があると自信があったが、今回の敗因は英語の面接であると考える。私は英語で普通に喋ったが、先生によると英語がネイティブ並みにペラペラな人が多かったらしい。高校3年間自分がしてきたことを振り返り、後悔しかしていない。私は高校受験も失敗している。今回受けた大学には私が落ちた高校の生徒が多くいた。入れなかった高校の生徒に英語で負けてしまったこと、悔しいし、自分の無力さを実感した。今は、夜遅くまで毎日受験の対策をしてくれた一人の先生に感謝の気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいだ。そして、賢くなりたい。これから私は将来の夢に向け毎日勉強をする。これまでの自分の甘さを恨み、周りに流されない強い気持ちを持ち、人として成長したい。変わりたい。
来年の今頃、私は今よりどのくらい成長しているだろう。