あるところに、雪柳の君と呼ばれた、
高貴な血を引く、さほど家格の高くない生まれの女性がおりました。
彼女の事を良く云えば、凛々しく聡明な御方、
悪く云えば、手厳しく気強い御方でした。
彼女は、成人して間もなく、かつての財閥家の男性と婚約。
大学院を卒業後、弁護士となり、かの男性と婚姻しました。
彼女の手腕により、わが家を後に再興させるに至る、
きっかけと基盤を作ったと伝わります。
現在において、このような形容は好ましく無いとは思いますが、
女性でありながら、わが家を再興させるに至る、
きっかけと基盤をお作りになった功績は、
何時の世においても、素晴らしいものだと思われるでしょう。
それが、私の祖母だと言うのだから驚きです。
私のおばあちゃんは、今では普通のおばあちゃんです。
私を含め、孫たちには皆優しくて、いつも温かく迎えてくれて、
たくさんの食べ物を勧めてきます。
旅行に行く時のお土産や誕生日プレゼントを贈るときなど、
私が「何が良い?」と聞くと、いつも決まってこう言います。
「お茶っ葉(おちゃっぱ)が良いです。」簡潔に丁寧に応えてくれます。
私は、その誰に対しても丁寧さを忘れないところ、
そのいつも迷いの無い簡潔な回答が大好きで、
分かっていても、欲しいもの尋ねる際は必ず聞きます。
例え、孫の前でもデレない、自慢のおばあちゃんです。
いつも、アフタヌーンティーにお友達を招待して、老後を愉しんでいます。
最近では、大人になった孫たちを一人ひとり誘ってくれます。
今日、私も初めて誘われました。
おばあちゃんのアフタヌーンティーに、
ひとりで誘われると大人になったと認められたような気がします。
本当に嬉しく、愉しみです。
それでは、また、お会いしましょう。
最後まで、お付き合い頂き、ありがとうございました。
かしこ
12/16/2024, 12:10:54 AM