々々

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『雪を待つ』

ふと空を見上げて、あの日を思い出す。
君はあの日消えた。忽然と。

街の人々は寒そうにしている。
雪が降りそうなほど凍てつく寒さに僕は肩をブルっと震わせて
ポケットに手を入れて歩き出す。
僕は未だに君の姿を探して、また目の前にイタズラな笑顔を見せて何事も無かったかのように現れるのを待っている。

現れてはくれないだろうか。僕はいつまでも待っている。
雪が降るのを待つように。

12/16/2024, 2:06:24 AM