『君の声がする』
遠くから君の歌う声が聴こえる。
校舎の窓から空を見ながらその声に癒されている。
君の声は僕を魅了していく。
君の声がする度、僕は君に恋をする。
君の声が、歌が、僕はとてつもなく、胸が苦しくなるほどに好きなんだ。
『やさしくしないで』
やさしくしないで。
期待をしてしまう。もっと優しくされたいと。求めてしまう。
そして、その優しさを失うのが怖いとも思う。
やさしくしないで。
縋ってしまう。その優しさがないといけないと依存してしまう。
優しさが消えた時の傷がどれほど苦しいかを私は知っている。
優しさに触れることで傷つきたくは無い。
だから、どうか私にやさしくしないで。
『寂しさ』
僕は君の前ではよく泣く。
喧嘩した後、デートの後解散する時、お泊まりが終わった後。
寂しくてつい泣いてしまう。そしたら君は甘い声で
「おいで」「泣かなくていいよ」「寂しいんだよね」
って語りかけてくれる。
「めんどくさくないの?」って聞いたら
「めんどくさくないよ」って。
そんな君が僕はとても好きだ。優しくて暖かくて。
寂しいけど、泣くのは苦しくなる時もあるけど
好きだ。大好きだ。愛している。
『雪を待つ』
ふと空を見上げて、あの日を思い出す。
君はあの日消えた。忽然と。
街の人々は寒そうにしている。
雪が降りそうなほど凍てつく寒さに僕は肩をブルっと震わせて
ポケットに手を入れて歩き出す。
僕は未だに君の姿を探して、また目の前にイタズラな笑顔を見せて何事も無かったかのように現れるのを待っている。
現れてはくれないだろうか。僕はいつまでも待っている。
雪が降るのを待つように。
『心と心』
私の心と貴方の心では色々と違うみたいね。
繋がっているようで繋がっていないのね。
目に見える距離が、感じる距離が、ものすごく遠くて寂しくて虚しくて。
私の心は貴方を欲しているけれど、貴方はそうじゃないのね。
求めて縋って欲してはくれないのね。
貴方は誰の心を求めているのかしら。
私の心よ強くあれと願うばかりよ。
強がりな私の弱い心。貴方の心が欲しいわ。