々々

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『秋色』

街は、変わらぬビルと変わらぬ日常が過ぎていく。
グレーが目の前を埋めるだけだ。
電車に揺られて町をばずれてしまえばそこは別世界。

夏の嫌な暑さが去る頃、その景色は顔を出す。
電車の窓から見えるのは、輝かしい紅葉。
秋色に染まる山々を目の前にして私は心を躍らせた。
自然に身を委ねて、今日だけはあの色のない世界に蓋をする。
だが寂しいことに明日からは、またグレーの世界へ戻るのだろう。

この美しく輝く赤や黄が去る時まで
今魅せてくれているこの色付く世界を私というフィルムに焼き付けて、これからも日々を過ごしていくのだろう。

9/19/2025, 10:05:30 PM