『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『雪を待つ』 190
綺麗な葉っぱが枯れて散る。
死体となったそれら葉は、地面の上に積み重なって、土塊となって還るのだろう。
茶色くなった体には、虫食い穴が散見される。
生前の輝きはそこに無い。
人々はそんなものに目もくれず、頭上の綺麗な葉っぱを想う。
落ちぶれた綺麗な《汚い》葉っぱ等は、そこから見える景色を眺めて、いったい何を願うのか?
落ちぶれた汚い《綺麗な》葉っぱ等を、見えないように隠しておくれと、そんなふうに願うのか?
また一枚枯れる。
また一つ重なる。
想いが枯れて願いが重なり、纏う重さが冷たくなる時、望みが叶うことだろう。
わざわざ待ちわびるほどじゃないけど、降るとなんかちょっと嬉しい。
(雪を待つ)
【雪を待つ】
僕の恋人は冬が苦手らしい。
そんな恋人と冬に出かけると手を握ってくる。
去年雪が降った日出かけたら抱きつかれた。
だから今年も雪を待ってしまう僕がいる。
ポツポツザーザーと雨が降る、今日も雪は降らなかった。 今年こそはとウキウキして最終的に来ないことはいつもの事である。 しかも雪が降る時に限って私はいつも不在だ。 まともに遊べたのは一度きりな上その時は暗かったので少ししか遊べなかった。 今度こそは満足出来るまで遊べるだろうか、そもそも雪が降る時にその場に居合わせる事が出来るだろうか。 いや、そんな事を考えてもしょうがない。 次は思いつく限りの雪遊びをする事は決定している。 後は天任せだ。
「兄ちゃん、雪が降ってきたね」
「そうだね」
廃墟で暮らしていた僕たちが、雪が降ることを恐れていた僕たちが、こうして降る雪を家の中から見る時が来るなんて夢のようだった。僕たちを拾ってくれた恩人様には感謝しないといけない。
弟は窓ガラスに鼻がくっつくほど熱心に外を眺めている。雪に触ってみたいと前から言っていたけれど今年は出来るだろう。
……この子は理解しているのだろうか。雪が降ってきたということは、あのスラム街にも冬がやってきたことを。頼りないシートを使って寒さに耐える人がいることも。
僕たちはたまたま運が良かっただけで、この雪で苦しむ人がいることも、知っているのだろうか。
「また、お兄ちゃんは何か小難しいことを考えているね?」
後ろから両肩に手をぽん、と置かれた。思わず振り返ると、僕たちを拾った恩人様がニコニコ笑って立っていた。背の高い人が怖いのか弟はまだこの人のことに慣れないようで、窓から離れて僕の袖をぎゅっと握って背中に隠れた。
「雪が降っているんだね。今日は冷えそうだ」
「はい。たくさん、降っています」
「へえ! それは良いね。僕は雪が積もった景色が大好きだよ。出張で別の国に行った時に見たんだ。辺り一面が真っ白になって、いつも見ている景色が見えなくなった。本当に面白い経験だったよ」
話しながら、恩人様も窓に近付いて外を見た。雪はまだ降っていて、真っ暗な空から落ちる白い塊がよく見えた。
「でもここは比較的温暖だから、あれくらい積もることはほとんど無いんだよね。せいぜい靴底が埋まる程度だよ。いつか君たちにも、本物の雪景色を見せてあげたいな」
弟は早々に寝てしまった。あたたかい毛布と柔らかいベッドの中で安心した顔で眠っている。
考えることや思うところはあるけれど、弟が雪を楽しみにしているなら僕はそれで満足だ。いつか、こうやって溶けて水になる雪じゃなくて、今日聞いたような積もった雪も見せてあげたい。
雪はまだ降っていた。僕も眠ろうとして、隣にいる弟を抱きしめた。
お題:雪を待つ
雪を待つ
来る日も来る日も
ただ待ち続ける
そんな日々に
もう嫌気が差して
振り向かずに進むんだ
肌寒い空気に両手をすり合わせる。暖房の効いた学校から出たばかりの僕には十分に寒いが、今年はこれでも暖かい方らしい。毎年雪が降るこの地域だが、今年の雪は年を越してからになるだろうと聞いた。だからどうと言う訳でもないが。
大人になれば、昔は好きだったものに興味が無くなることは往々にしてある。僕にとっては雪もそのひとつだ。それを言えば、隣の彼女は眉を吊り上げて否定するのだろうけど。
「寒いねぇ」
「そうだね」
「でも息は白くならないなぁ」
「あれは空気が綺麗な時はならないからね」
「え、ほんと?」
「しらない」
聞きかじりの豆知識を披露して、いつもの道をちんたら歩いた。これだけ寒いと自転車を持ってこれば良かったかと考えてしまうが、隣の彼女は学校の通学手段に自転車を登録していないから、仕方ない。
「雪が降ったらさ、一緒に雪だるま作ろうよ」
「恥ずかしい」
「えっ、何が?私が?」
「うん」
「辛辣!」
もこもこの手袋で肩を殴られる。もこもこな上にコートを着ているので全く痛みは無い。が、大袈裟に吹き飛ばされておいた。
「じゃあかまくら作ろう!それか雪合戦!」
「…………」
「今それも恥ずかしいって思ったでしょ」
「言わなかったんだから見逃してよ」
もう、と怒ったポーズをとる彼女をいなして家路を急がせる。こんなことを言っていても、どうせこの幼馴染は約束だなんだと僕を引っ張り出すのだろうけど。僕もそれがわかっているから、安心して軽口を叩けるのだ。
ぶすくれる彼女を横目で確認して、少し緩んだ口元をマフラーで隠した。彼女が鈍くてよかった。
雪の降る日、誰よりも早く僕を誘い出す彼女を期待して、今年も僕は雪を待つ。
『雪を待つ』
次の雪の日
必ず会いに来るからと
残した言葉を抱えて今日も
雪を待つ
雪を待つ
雪は待ってない。
いや、待ってる人もいるだろう。
スキー場関係の人とか。
子どもの頃、北海道に住んでいたので、
冬の外遊びは楽しかった。
あの頃は、雪を待っていたのかも。
子どもの頃って、雪しかないのに、
いつまでも遊べるんだよね。
いつから、雪が降ることに溜め息が出るように
なったのかな。
いつから、雪を待たなくなったのかな。
paki
冬が大好きで、
特に雪が降る時期が一番好きだ
今日もいつもと変わらないところで
雪が降るのを心待ちにしている
クリスマスには雪が降る。と、ホワイトクリスマスになる事を願った子供時代だった。
だが、生きてきた中でホワイトクリスマスになる事は数少なく記憶に残るのは1、2回な気がする。
雪が降らなければ、サンタさんがソリに乗って来れない。そう思い、「どうして雪は降らないの?サンタさんがトナカイさんと来れないよう!」と泣いて母を困らせた。
そうすると母は、「大丈夫。サンタさんはいい子にしてたら必ず来る。あなたはいい子よ。早く寝なさい。サンタさんが来れないわ。」
母はそう言って、私を寝かしつけた。
必ずクリスマスの朝にはプレゼントが枕元に置いてあり、それを持って喜んで両親の元へ行った。
「わたしがいい子にしてたからだね!サンタさんきたよー!」
大人になった今でも、実はホワイトクリスマスに憧れ、こっそりクリスマスに雪は降らないものかと思っている。
ねぇ、サンタさん今年はどんなクリスマスになる?
トナカイさんと一緒にソリに乗って雪をかき分けて子供にプレゼントを配るのかな?
雪を待つ____
2023.12.16
雪を待って
君と雪だるまをつくって
帽子を被せてあげた
もう直ぐでクリスマス。
「あー彼氏欲しい、彼女欲しい。」と言って恋人を求めて世の中の男女は焦っているだろうな。もしくは、友達とクリスマスパーティーの予定を立てているか。
誰か一緒にその日を過ごしてくれる人を待っている。
特別な名前を付けただけの一日に、なぜそんなにもこだわるのか。
一日一日の価値は変わらない。
いつだって名前の付いた特別な日に変えられる。
ならば・・・
誰かを待つよりも、
限られた時にしか現れない『雪を待つ』
好きな人との帰り道。
もう12月で流石に寒さがこたえる。
(今、雪が降ったらいいのにな〜、、、
好きな人と一緒に雪を見たい、)
なかなか降ってはくれない雪。
ロマンチックな展開を期待している
私は、こうして今日もまた雪を待つ。
#雪を待つ
#5
雪を待つ
厚い灰色の雲が暗く垂れ込めて、
底冷えする空気が、指先と頬をじんじんと凍らせる。
今年、初めての雪になるかな。
天気予報を思い出して、そっとつぶやく。
久しぶりの雪の気配に、心が浮き立ってしまう。
子どもじゃないのに。
そ知らぬ顔をしながら、雪を待つわたし。
ときめきにも似た心地で。
#120
今日は、私の志望校に入っている憧れの先輩から
「おすすめだよ」と言われ勧められた、
参考書を買ってきました( ᴗ ̫ ᴗ )♡
めちゃくちゃわかりやすいし、復習しやすかったの!
私、地理・歴史が特に苦手で😧💦
1・2年生のころはまったく受験や将来のことを考えていなくって、、のほほんと授業を受けてしまっいたんです😾💢
1・2年生の頃の自分を恨む。。
けど、何とか頑張って勉強しなきゃいけません!
と、先輩に言われちゃって😿笑
せっかくなので今日、先輩から勧められた参考書を使って、地理・歴史の勉強をしようと思います(՞ ܸ. .ܸ ՞)"
冬も近い、十二月の中頃、
今年は、暖冬で地方もなかなか雪が降らず、過ごしやすい気候が続いている。
長野、浅間山の低地帯も同様である。
今朝は雨が降ったため、突き上げる山脈に霧の海ができていた。木々には朝露が滴り、冬とは思えぬほどの暖かさである。
その山の中、ある木々の集団があった。
まっすぐに伸びた枝の端々に、齧られ、皮を垂れる実が一つ、二つ、三つと並んでいる。
不意にぽとりと木の実が落ちると、下にあった落ち葉の山が小さな渦を作って散りぢりになった。かつての小山は崩れ去って、一匹のヤマネが残った。
薄灰色の毛、背中に筆で塗られたような一本の直線が頭から尾にかけて続いている。
彼は背中を曲げ、尾で顔を覆って眠っていた。
時が経ち、葉の隙間から陽光が差し込んでくる頃に彼は起き上がった。
しばらくは呆然とし、動きは緩慢であったが、果実に気づくと憚ることなく齧りついた。そうして彼は体の熱を取り戻すと、は背後の木へ飛びついて、森の中へ姿を消した。
粉雪の降る。一月の暮れ、
雪が辺りを覆いはじめ、木々は装いを失って、代わりに白く染まっていた。
その森を一匹、走るヤマネの姿があった。
彼は枝から枝を飛び移り、何度もあたりを見渡し、食糧を求めていた。
しかし、既に冬は深まり、葉も実もどこにも見当たらないのである。
仮に何層にも積もった雪道を、当てもなく掘ろうとも、既に痩せていた彼には些か厳しいことであった。
とうとう彼は動きを止め、枝の頂点に座ると、ただ呆然と空を眺めた。
そこに太陽はなく、鬱蒼とした雲ばかり、
無情な雪が彼の顔に注がれるのだった。
彼は木を降り、生きるために駆け出した。
一心不乱、何度も雪を穿ち、食べ物を探した。それはまさしく、灯火が消える間際の蝋燭の如く、命の懸命たるあがきであった。
いつしか雪は吹雪となった。
彼は辛うじて見つけた
ドングリを口に目一杯頬張ったまま、木に張りついていた。
ますます強くなる暴風は、彼を無情にも吹き上げた。寸前、彼は祈りを込めるように、体を折れそうなほどに丸まった。
轟々とした雪や枝すら吹き上げる竜巻の中へと彼の体は消えていった。
朝が来た。吹雪は止み、陽が空に浮かんでいる。影がしばらくそれを見つめていたが、
木から落ちた雪の音に驚き、すっかり樹洞に隠れてしまった。
陽の当たる雪原は、淡く反射して輝いていた。
『雪を待つ』
「雪、まちょたでへぇ~い!」
…と雄叫びをあげながら、業務用練乳を両手に雪国万歳の外へと飛び出した姉さん。
庭のテーブルに置いといた土鍋に積もった雪へと、盛大に練乳をぶっかけ、その甘い雪をなぜかしゃもじで、一心不乱に食べている…。
そんな季節ゴタゴタ姉さんを見ると、やっぱモンスターなんだな。…と感じるオレです。
さてさて、といった具合でテイちゃん(兄)も外に出て来て、屋根に積もった雪を眺めてから、オレを見て、首を少し傾げた。
「うん、観たい!」と応えるオレ。
テイちゃんは喋れないのだけど、何を伝えたいのか、オレは解る。
でもテイちゃん、オレもう大きいから、おんぶは……嬉しいけども。
屋根に飛び乗り、雪が80cmは積もった村の家々を見回し、テイちゃんの瞳が紫色に光ると、ウチを含め全ての家の積雪が一瞬で蒸発した。
かっこいぃ…♡。そんなテイちゃんを見ると、やっぱモンスターなんだな。…と感じるオレ、
モンスター姉弟末っ子でした。
「雪を待つ」
僕の地元では雪は降らない。
降ったとしても、みぞれ程度。
特に冬の時期が好きだという訳でも、みぞれが好きという訳でもなかった。
それでも、小さい頃はみぞれが降るとワクワクして外に出た。
ただめずらしい。それだけの理由だったと思う。
それから大人になった僕は、今でもみぞれを見て少しワクワクするし、雪が降った時は寒いけど外に出たくなる。
僕にも子供っぽいところがあるんだなと思うし、まだまだ人生を楽しめてるなと感じる。
雪を待つ
──最近少しずつ寒くなってきた頃。
もう12月なのに雪が降る気配はなく
彼女は窓辺に座り、雪が積もったら何をして遊ぼうかと外を眺めていた。
白い息を吐きながら外を歩いていると街はクリスマスの飾りで彩られている。
暖かいコートを着ても寒さが身に染みるけれど彼女は小さく笑う。
ふわりふわり…
真っ白な妖精のようにふわりふわりと私の手に落ちて手の平でとけた。
「ふふ、不思議だなぁ」
あの日も今日みたいに雪を待っていた時
街道でお母さんが言ってたんだ。
「ねぇ、雪はね真っ白な妖精なんだよ
街の人達や私を見てごらん、みんな幸せそうだよね
ほら、あなたも暖かい気持ちになったでしょう?」
その時花びらが落ちてるように雪が降ってきた。
お母さんがにこって微笑むから私も暖かい気持ちになったんだ。
今はお母さんは遠くに行ってしまったけれど
今もここに居たかのように暖かくて。
何処か寂しいと感じるけど大丈夫、
これからは貴方がそばに居てくれるから。