雪を待つ
──最近少しずつ寒くなってきた頃。
もう12月なのに雪が降る気配はなく
彼女は窓辺に座り、雪が積もったら何をして遊ぼうかと外を眺めていた。
白い息を吐きながら外を歩いていると街はクリスマスの飾りで彩られている。
暖かいコートを着ても寒さが身に染みるけれど彼女は小さく笑う。
ふわりふわり…
真っ白な妖精のようにふわりふわりと私の手に落ちて手の平でとけた。
「ふふ、不思議だなぁ」
あの日も今日みたいに雪を待っていた時
街道でお母さんが言ってたんだ。
「ねぇ、雪はね真っ白な妖精なんだよ
街の人達や私を見てごらん、みんな幸せそうだよね
ほら、あなたも暖かい気持ちになったでしょう?」
その時花びらが落ちてるように雪が降ってきた。
お母さんがにこって微笑むから私も暖かい気持ちになったんだ。
今はお母さんは遠くに行ってしまったけれど
今もここに居たかのように暖かくて。
何処か寂しいと感じるけど大丈夫、
これからは貴方がそばに居てくれるから。
12/16/2023, 7:05:23 AM