『雪を待つ』 190
綺麗な葉っぱが枯れて散る。
死体となったそれら葉は、地面の上に積み重なって、土塊となって還るのだろう。
茶色くなった体には、虫食い穴が散見される。
生前の輝きはそこに無い。
人々はそんなものに目もくれず、頭上の綺麗な葉っぱを想う。
落ちぶれた綺麗な《汚い》葉っぱ等は、そこから見える景色を眺めて、いったい何を願うのか?
落ちぶれた汚い《綺麗な》葉っぱ等を、見えないように隠しておくれと、そんなふうに願うのか?
また一枚枯れる。
また一つ重なる。
想いが枯れて願いが重なり、纏う重さが冷たくなる時、望みが叶うことだろう。
12/16/2023, 9:25:34 AM