『閉ざされた日記』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「これ、誰?」
君は、そういった。
「その人は高校で同じクラスの人、たまに遊びに行ってたんだよ。三人で,」
言えなかった。君の恋人だよって···
その人はもういない。でも記憶がない君はその人が君の恋人だってこと、もういないことを知らない。
二人の交換日記、あの人から私に任された最後のお願い。
日記を燃やして君の記憶から恋人を消す。
日記はもうない。記憶にも、もうない,
閉ざされた日記は開かれない
持ち主は帰ってこないから
埃の積もった日記
誰かに開かれる音がした
閉ざされた日記
押し入れから段ボールを引き出す。なんの印も付けていないので、いつのものが入っているのか分からない。しかし、何重にも貼られたガムテープを剥がして中を見れば一目瞭然だった。
しわくしゃのプリントや表紙の擦れたノート、なぜ残そうと思ったのか不明なあれやこれやが、懐かしさというより子供のあどけなさに対する慈しみに似た感情を起こさせる。まるで他人のようだ。転がっていたガラクタや書き込まれた文章を見ると、ところどころ古い記憶と結びつきはするのだが、セピアのベールというかアクリルの壁が彼我の間にあって、不思議と手触りがないのだった。
そのまま乱雑な箱の中を物色していると、文庫本くらいの大きさの手帳が見つかった。日記帳だ。そういえば昔、まめに毎日記録していたのだった。
どうして書くのをやめたんだったか、と思い出そうとしつつ手帳を開こうとする。が、表紙だけめくれて以降がめくれない。本文部分は全ページくっついていて、板のようになっている。よくよく見ると、部屋の蛍光灯を反射しててらてらと光っており、どうやらのりで固められているようだった。
中身を見るにはどうしたものかと考えかけて、ぞくりとした。かびたミカンに触れてしまったような、思いがけない嫌な感触が背筋を走った。なぜ、と思う。何も心当たりがない。しかし、手帳をこんな状態にしておいて何の心当たりもないことが、最大の恐怖だった。
我に返って、段ボールの中身に視線を落とす。つい先程までごみくずに見えていたあれこれが全て、生臭いなにかを包み隠しているように思えてくる。
わけがわからなかった。頭の中が真っ白だった。一刻も早く封じ込めなければならないという焦燥に駆られるままに段ボールに詰め直し、ガムテープで徹底的に封をした。その段ボールを押し入れに仕舞い直しながら、その光景の既視感にぞっとした。
前に取り出したのはいつだったか。
その段ボールは、知らぬ間に親が捨てるかなにかしたようで、もう行方はわからない。
2023/01/19
短い小説 『閉ざされた日記』
一度だけ、恐ろしい日記を見たことがある。
他所さまのペットの世話をするバイトをしていた時のこと。
何回か行っているが、少しばかりやんちゃな性格で毛や排泄物が所々ついており、なかなか大変であった。
ある日、部屋を掃除している時、タンスにぶつかり、中のものが全部出てきてしまった。
一つ一つ拾い、戻していると、落ちたものの中から高価そうな日記が出てきた。
日記は鍵付きだが、鍵は掛かっていなかった。
飼い主さんの日記…?
少し興味が湧き、中を見てみた。
“○月○日、
ウチに可愛いコがやってきた!
緊張してるのかな?ぷるぷるしてて可愛い~💠
名前何にしようかな?超可愛い名前にしよ!”
最初の数日間は微笑ましいことが書かれていた。
だが、日記のテンションは徐々に下がっており、絵文字も少なくなっていた。
その後、筆圧が強すぎたのか、一部破れており、殴り書きで書かれているページがあった。
そのページは、読みにくかったが、こう書いてあった。
“✕月✕日、
誰も分かってくれない。
誰も気にかけてくれない。
私のことがどうして分からないの??
分かってくれない奴らは皆まとめてツブス”
まだページはあったが、これ以上は見なかった。
帰ってきた飼い主さん。ニコニコしているが、よく見ると髪が乱れていた。
飼い主と少し雑談したが、多分私の声は震えていたかもしれない。飼い主さんは終始ニコニコ。このニコニコが本物だとしたら、あの日記は嘘か他の誰かの日記だろう…。そうであってほしいものだ。
今はバイトを辞め、接点も完全になくなった。
あの家のペットの世話は他の人がやっているようだが、あの飼い主さんは幸せに暮らしているだろうか。ぜひとも幸せであってほしいものだ。
2023/1/19
閉ざされた日記の中身はいたって平凡だった。しかしこの日記の持ち主の人となりは平凡なのかいまいち判断できない。日付、天気、その日食べた物、予定等。ほぼ毎日書いてあるが持ち主の感想は全く書かれていない。何のおかしみもない。日記と言うよりは備忘録に近い気がする。
ちなみに
私は今その日記の中にいる。そして先客であった紙魚が案内をしてくれているのだが、「いやぁ、結構いるんですよ。ここに迷い込む人って。」「はぁ。」「でね、いつも出口まで案内役を買って出るわけでして」「はぁ。」「まぁ、楽しんでいって下さいよ」「はぁ。(アトラクション感覚?)」この紙魚がよく喋るのだ。矢継ぎ早に話すので相槌を打つぐらいしか出来ない。日記の持ち主の残像を横目にページを進んでいく。「字が…綺麗ですね。」「あ!人間の方も分かってくれますか!?」「はい。」「この日記の中身が淡泊すぎて味はいまいちなんですが見た目が頗る良くてですね」紙魚の感性に触れたのか息継ぎなしでまくし立てられた。「字に癖があり過ぎてもなさ過ぎても…」「ええ。」「すみません。熱くなりすぎました。」若干引き気味の私に気が付いたのか我に返ってくれた。「ああ、あれが出口です。」「?」出口はハガキであった。栞がわりだったのか、単に投函を保留にしていただけかもしれない。日記の字よりもややかしこまった感じがする。「ハガキ?」「そうです。宛先が書いてあるので道しるべになってくれるでしょう。」ここで案内は終わりとばかりに紙魚は身をひるがえして戻っていった。
この日記には鍵がかかっている
そのありかは誰も知らない
この日記に鍵をかけた本人でさえ
開けることはできないかもしれない
日記には持ち主が諦めたいと、みにくいと
思った心が記されている
秘めた思い、見せたくない思い
そんな思いをのせた日記を胸にだいて
持ち主は今日も閉ざされた"心"を
その内を、その"日記"の存在さえも
隠すようにして笑うのだ
閉ざされた日記
日記って感情を吐き出せるし記録になるから、何度か書こうと思ったこともあるけれど、1度も続いたことがない。
だって、もしも誰かに見られたら?
私の本性が思わぬ人にバレてしまったら?
考えただけで恐ろしい。
なら、見られてもいいような内容の日記を書けばいい。
そう思うでしょ?
出来なくはない。
けどそれはもはや私の日記ではなくなってしまうし、なんの意味もなくなってしまうの。
私の日記は、頭の中にしか置いておけない。
だけど、本当は誰かに見せたいとも思ってる。
私の日記を見て、なかなかダークだけど悪くないねと笑って言ってくれる人がいるのなら、頭の中の隅っこに隠している、この閉ざされた日記を見ていって。
母が残した日記を読んでもよいか、家族会議が開かれる。その日記には鍵が付いてあり、重要なことが書かれているんじゃないかと、残されたわたしたちは思っていた。
会議の結果、読む派4、読まない派1という圧倒的多数で読むことになった。ちなみに読まない派は末っ子のわたしだけだ。わたしだったら、読まれたくない。
しかしマジョリティの力に屈し、父が鍵を開けることとなった。
閉ざされた日記が開かれ、父がパラパラとページをめくる。なんにも書いてないなあとつぶやいて、最後のページをみんなに見せた。
「続きはWEBで」
いまのところ、そのURLをアクセスしたいものは、いない。
わたしを除いて。
息子を殺した。
助けられなかった。
夫が遺してくれた最後の希望だったはずなのに、私は何もしてあげられなかった。
アレは母と祖母が言っていた力なのか。
冷たくなる息子は光として溶けていった。
見つかれば私は終わりだ。
ドアを叩く音がする。
行かなきゃ。
私の家族の分まで生きて、彼らに償いをしなければ。
『ある女の走り書き』
お題
「閉じられた日記」
閉ざされた日記
持ち主がいなくなって
誰にも読まれなくなった日記は
この世にどれだけあるだろう。
私は日記用の手帳を二冊持っている。
一冊は小学1年生から中学までのもので
特別な日のことだけが書かれている。
もう一冊は高校から書き始めたもので
日々の出来事を綴っただけあって
人に見せるのは恥ずかしい黒歴史と化している。
もし自分の死期が近いと分かったら
後者は絶対に存在すら知られないように
確実な方法で処分するだろう。
ここまで考えて、
私は今までかなりのリスクを冒して日記を書いていたのだと気づいた。
人はいついなくなるのか分からないわけで、
そもそも日記はいつでも書けるように机の上に置いてあって隠してすらいない。
つまりそれはいつあの日記を家族に見られても
おかしくはないということ。
それでも日記を書くことは続けていきたいと思う。
書くことも、あとで見返すことも楽しいから。
ただ、黒歴史の部分のページは
読むだけでも辛いので隠そうか少し迷っている。
どうしようもない時、ノートを開いて心のままを書き綴る。
自分の思いが届かない時、本当の気持ちを考えてみる。
涙が溢れる時、素直な思いを綴る。
でも、誰も見てはいけないノート。
私の心のノート。
そして、何年後かにその思いにケリがついた時、そっと片付けた。
私には最愛の夫がいる
私は小さい頃に両親を亡くした
小さい頃で記憶がなかったけど聞いた話によると
両親は何者かに殺された風だったらしい
しかし何故か私には怪我1つも無くて街の人からは
死神と言われ避けられていた、、、
そんな私が15の頃夫に会った
夫だけは私のことを避けずに愛してくれた
そんな夫が私は大好きだった
私はある日夫が仕事に行った時に
ずっと気になっていたこの家に住み始めた時から
入ってはダメと言われていた部屋に入ってみた
私は夫が何を隠しているのか不安だった
もしかしたら浮気、、、???
そう思って中に入って
机の上に置いてある
しっかりと誰にも読まれないように
閉ざされてある日記を読もうと開いた
すると
私の小さい頃からの写真が
日記全体に貼ってあった
________________________解説
分かった人も居るかもしれませんが
私の両親を殺したのは夫ですね
夫が私の小さい頃に両親を殺すことが
出来るということは夫が人では無いのは
明らかですね、、、
では私が夫のことを愛したのは、、、
街の人達が私を死神と言って避けたのは、、、
私の小さい頃街の人達には避けられ
記憶が無いのにも関わらず
何故両親が死んだ理由を知っていたのか、、、
________________________ある人達の証言
「あの子と喋ろうとすると何かが、、、
自分の中の何かが壊れる気がした、、、」
「あの子を好きになった理由???一目惚れです」
閉ざされた日記
ずっと一行日記を書いていた
最初は小さなメモ帳に、
後で読み返すと、たかが一行でも、鮮明にその日のことが蘇る
1日分が2センチ角くらいのスペース
3冊目くらいに、もうちょっと書ける様にと、スケジュール帳に変えた
がしかし、書く事はそれ程増えず、
また、小さなメモに戻った
多感な時期に書き綴った日記
読み返すと、その時の行動や感情が思い出された、もし誰かに読まれても大丈夫な様に、あまり細かくは書いていないが
自分だけにはわかる様に暗号の様な書き方だ
でも、なぜ辞めた?
それは思い出したくないことが起きたから
書かなくても何年もたった今でも、たまにフラッシュバックする
もう日記は書かない。
まばゆい光を
たくさん浴びた
いくつもの珠を
つづった日々よ
かえっておいで
初投稿
冬真っ只中なのにあまりにも天気が良くて昼休みと買い出し中にサーフスケート
遠くに見える雪山がめちゃくちゃかっこよくて感動した。
昨日届いた妻のYONEXの板をメンテナンスしなければなのでレッドブル飲んで夜に頑張ろうかな。
普段飲まないから効きすぎて夜眠れないとやだな。
今日のおこぼれは炒飯と唐揚げ
今日の炒飯は上手くパラパラになって美味しかった!
いつか何かで知った卵とマヨネーズを混ぜたものをご飯に漬け込んでから炒めた。
あとはラードたくさん使った。
身体には良くなさそうw
唐揚げも衣ゴツゴツ系で美味しかった!
お店で食べるレベルと自負しました(笑)
そのホコリをかぶった書物。
手を伸ばすと丸いドアノブが浮かびあがり、開けると吸い込まれるように世界に入っていく。
そこは木造の家のリビング。暖炉の前のロッキングチェアにお婆さんが編み物に励んでいる。
こちらに気づくと、立ち上がり歓迎してくれた(^_^)/
ふとお腹が鳴って思わず顔を見合わせる。するとお婆さんは笑い、キッチンに向かってじゃがいもや玉ねぎを刻み始めた。
今夜はシチューになった。
終始談笑しながら、お婆さんと語らった。外は吹雪いていたけど、暖炉の火は暖かくて心まで暖まった。
眠気がおそってくると、お婆さんは毛布を掛けてくれた。
目を開けると…母が。そういえば、母の部屋の整理
をしていた途中。
それは生前の祖母が書いていた日記。母が祖母の亡くなった後に引き取ったものだった。
あれは夢…それとも?
閉ざされた日記を再び開く時
モノクロだった私の過去が色づき始める。
しかし、これは閉ざされた日記であり
閉ざした日記ではない。
自分自身で再び開く事は叶わないだろう・・・。
鍵付きの 日記帳が ほしかった
あのころ鍵垢 なんてなかった
Twitterが日記帳になってる。
-閉ざされた日記
閉ざされた日記、埃が被っている。
年期が入っているのか、それとも、その日記の存在を忘れていたのか。
中は何も書いていない。
最初から最後までめくっても何も書いていない。
不思議に思った。
表紙に再度目を通してみる。
それは日記ではなく、勉強用のノートだった。
なるほど、だから頭が悪いのか。
(՞ . .՞)
日記を付けるのが旅行後の日課だった。
どこのお店が美味しかったとか、どこから見た景色が綺麗だったとか。
そしてもう一度行く時に気に入った場所には行って、新しいところを開拓したらまた日記に追加していく。
一緒に旅行に行った人がいたら何を話したのが印象的だったとか、その人が好きそうだったこととかも見つけて忘れないように日記に記録していた。
「マメだね〜、私だったらそんなことできないよ」
「でもさ、私忘れっぽいからさ笑覚えておきたいのに覚えていられない人だからこうやって書いておくの。そしたら忘れたくても絶対に忘れないでしょ。」
「忘れたいって思うのに忘れられないの?それはしんどいと思うよ」
「そうかな、そんなに忘れたいって思うことなんてきっと人生の中でないよ笑どんな事でも私は覚えておきたい」
高校生のときだっただろうか、幼なじみに言われた言葉がまさか現実になるなんて思ってなかった。
しかもこんなに早く。
全部忘れてしまいたかった。全部夢であって欲しいと願った。事実も感情も何もかも破り捨ててしまいたい
いつかもし幼なじみが言うように忘れたいことがあるのなら、その部分だけを破り捨ててしまえばいい、そう思っていたのにどうしても破り捨てることが出来なかった。こんなことになるなら日記なんてつけなければよかったと過去の自分を恨んだ。
目につく度に嫌になる。思い出してしまってどうしようもなく苦しくなるのに、部屋の外に追い出すことも燃やすことも破ることが出来なかった。
あれから少し時がたった。
旅行に行くことはあったけれど、ずっと日記は閉ざされたまま部屋のすみにおかれている。
荒れ狂い自分でも手の付けようのなかった感情は薬によって幾分か収まった。時たまどうしようもなくなる時はあるけれど、前みたいに全く手をつけられないという訳ではなくなった。
そのページだけ、破り捨てればいいのに。
燃やしてしまえばいいのに、それが出来ない。日記帳を開いてしまえば思い出してしまいそうで、怖くて出来ない。けれど表紙を見るだけでも不思議なことに思い出してしまう。
いっその事日記帳を捨ててしまおうと思った。
それも出来なかった。
高校生の死にたくて消えたくてしょうがない時期、弾丸で大阪で行って出会ったおばちゃんのこととか、覚えていることだけじゃなくて忘れてしまった感情も全部そこに詰まってるから
開くことも読み返すことも無く、紐で縛って絶対に開かないようにして今でも部屋の隅に置いてある。