『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鐘の音が響き渡る。
たくさんの羽を休めていた鳥がその音に驚いて飛び立っていった。
リン、ゴーン。リーン、ゴーン。
部屋中に。耳に頭に響く。それもそのはず。鐘のすぐそばに間借りして暮らしているのだから。
はじめは心臓が止まりそうに、というか音が体中に響いて痛いほどだったが、もう慣れた。
おれの暮らしはここの手伝い。
朝の掃除、炊事、洗濯に家畜のエサやり。何でもする。
服を着替えながら、おれに似たような暮らしのプリンセスの話をつい先日聞いたことを思い出した。
(ああでも、あれはまだプリンセスじゃない頃だっけ?灰かぶってた時か)
羨ましいとは思わない。
おれには魔女の手助けなんていらないからだ。
誰かの手を借りて幸せを掴むくらいなら、おれはこの暮らしのままでいい。
幸せは、自分の手で掴んでこそだ。
靴紐を結んで、割れた鏡の破片で髪の毛の乱れを直した。
おれにとってこの鐘の音は、一日のはじまり。
早くここを出てやるという意志の再確認。
背中を押してくれる音だ。
「よっし、今日もやりますか!」
/8/5『鐘の音』
サイボーグ009の主題歌
「誰がために」
歌の後半で鐘の音が聞こえるよ。
なんかNHKのど自慢の鐘二つっぽいけど。
当然みんなまだ、免許も持っていなかったり車も持っていなかったから、だいたいの子は自転車を買ってた。私の同室の子たちも揃って自転車で出掛けてたから、ますます私は部屋で独りだった。
それを知ってなのか、サカイは自分の部屋に呼んでくれるようになって。同室の子やサカイが仲良くなった男の子数人に混じって、男の子たちの話、聞いてたなぁ。どんな音楽が好きとか、地元でどうしてたとか。
居場所を作ってくれてありがとね。サカイだけじゃなくて、そこにいた子たちも私がそこにいることを当たり前に受け入れてくれてありがとね。
その頃に、薄ーっくて水っぽいインスタントコーヒーの味覚えたよ。寮の部屋にはコーヒーメーカーしかなかったから、とろろ昆布にお湯だけ入れたあんまり味のしないお吸い物も作ってくれたよね、忘れない。
5月20日
大型スーパーついでに昼ごはんを食べに
家族とドライブに行った
昼ごはんは焼肉屋によったけど
食べ放題めっちゃ美味かった
我が故郷では、朝8時の鐘の音と共に
唱歌ふるさとが流れる。
ありきたりな風景だと思っていた。
しかし、故郷離れて◯年。
今ではなんでもない時に
唱歌ふるさとを聞くと、涙ぐむお年になっていた。
特に2番の歌詞。
如何にいます父母
恙無しや友がき
のところは
涙腺が緩むポイント。
実際に帰りたいわけではない。
もう帰る家もない。両親も亡く、知り合いももう。
私は思い出の中に帰りたいのだと
思っている。
夜半
ジャンジャンジャン
けたたましい音がする
ジャンジャン
ああ、五月蝿い
ジャンジャンジャン
暗がりで目を開ける
ジャンジャン
外が騒がしい
ジャンジャンジャン
"山火事じゃ!皆早う逃げろ!"
ジャンジャン
カーテンを開ける
ジャンジャンジャン
人々が逃げ惑っている
ジャンジャン
裏山の上の方に赤い炎が見える
ジャンジャンジャン
雷でも落ちたか
ジャンジャン
それにしても今時、
ジャンジャンジャン
〇〇で知らせるって珍しいな
ジャンジャン
ああ、逃げなきゃ
ジャンジャンジャン
足がもつれる
ジャンジャン
前方へつんのめる
ジャンジャンジャン
壁へ頭を打ちつけて意識が遠のく
ジャンジャン
ジャンジャンジャン
ジャンジャン
…
目が覚める
壁に投げつけられた目覚まし時計が、変な鳴り方で鳴り続けている
ああ、夢か
カーテンを開けて裏山を見る
緑豊かでどこも燃えていない
ホっとひと息ついた瞬間、ふと思い出した。
そうだ、あれは半鐘、半鐘だ。
半鐘の記憶を夢に見たのだ。
―――鐘の記憶
#33【鐘の音】
気だるい午後の授業中。生ぬるい教室の空気を、扇風機がぐるぐる掻き回す。そんな何気ない日の事。
突如、鐘の音が響いた。チャイムとは違う、まるで教会にある大きな鐘が鳴ったような音。
クラスはざわめき、何人かは辺りを見回す。
おかしい。まだ授業は途中な上、ここの近くには教会など、ましてや鐘を鳴らせるような施設は無い。
鐘の音は鳴り続けている。
誰かが悲鳴をあげた。
「空!!空が!!!」
その声に一同が窓を見る。
息を呑む声。
夏を象徴する空の青色はそこには無く、代わりに黄金色にまばゆく輝いた雲がどこまでも広がっていた。
聖書か何かでありそうな光景に、クラスメイトは呆然としている。
鐘の音は鳴り続けている。
「あ、あは、あははははは!!!」
突然、先生が笑い出す。
「終わりだ!!この世の終わりなんだぁあぁ!!」
あとはもう、理解できない事を叫びながら先生は教室の窓に手をかける。そうしてそのまま、その身体は重力に従って。
べちゃ
一連の出来事は、教室を混乱させるには十分すぎた。
阿鼻叫喚。
泣く者、怒る者、絶望する者、中には同じように発狂して飛び降りる者。
鐘の音は鳴り続けている。
そんな中、隣で少女がくつくつと笑っていた。
「世界の終わりみたいだね」
僕は思わず呟く。
すると少女はふと笑うのをやめ、
「終わるんだよ」
真面目な顔で僕を見つめた。
「いつか世界は終わる。それが今日だったってだけなのに、何をそんなに焦ってるんだろうね」
静かだ。この世界にはもう、僕らしか残っていないような、そんな気分になる。
「『天界の崩壊』
……起きちゃったんだから、しょうがないよね」
彼女はいつの間にか窓辺に移動していて、
「一緒に来る?」
そう言ってこちらに向かって手を伸ばす。
鐘の音は鳴り続けている。
僕は、彼女の手を取った。
「行こうか」
彼女の言葉を最後に、意識を失う。
目を閉じるその寸前、彼女の背中に白い羽根が見えた気がした。
帰りましょうの合図が鳴って
迎えに来た死神さんが
私には天使のように見えたの
題:鐘の音
鐘の音が聞こえた。
私の周りには色んな国の人がいた。
お年寄りの方が多かった。
私はここがどこなのか分からなかった。
お年寄りのほとんどは右側の扉の中に入っていった。
まだ若い人達は左側の扉の中に入っていく人が多かった。
身体中に傷がある子が居た。
15歳くらいかな。
その子は右側の扉に行った。
扉の上には、「このまま進む」と「やり残し」が書いてあった。
「このまま進む」が右で
「やり残し」が左だ。
さっきの女の子は「そのまま進む」に入っていったんだ。
私は見ていて涙が出てきた。
……ちがう。そーじゃない。まず、えっと。
なんで私がここにいるんだろう。
ここって多分死んでしまいそうな人達の集まりだよね。
私がここにいる理由はなんだろう。
手首に傷がある。
よく分からないから「やり直し」の方に進んだ。
鐘の音がした。
すると。。。
見覚えのある家の中に居た。
私の手にはカッターがあった。
手首を切る寸前で状況を理解した。
手首を切るのを辞めた。
次の日、その次の日、そのまた次の日。
1週間が過ぎた。
その間、私は辛かった。
鐘の音がした。
目を開けると見覚えのある部屋にいた。
扉が2つ。
「そのまま進む」と「やり残し」があった。
私は腕を見た。
手首に傷があった。
私はよく分からないから「やり残し」の方に進んだ。。
鐘の音がした。
鐘の音は私の中では、除夜の鐘。
信仰はしてない。
近所にあるのが、お寺だけだから。
聞いたからって、何か起こるわけではない。
でも音がすると、あっ!って思う。
一年は早いな。
鐘の音。
アラーム音は鐘の音にして。
いつもより起きやすくなるから。
2度寝もしやすいけど。
鐘の音は静かな時も騒がしい時も聞けば落ち着く。
鐘の響く街。鐘の響くお寺どこまでも響くような澄んだ音色。
なんだかあなたに会いたいな。
夏が始まり、蝉が鳴く朝も夜も厳しい暑さが続く中、
みんなはどうしているのかな、、、
時々雨、最近は風が強く、台風が近くなってきた
毎日午後6時にどこからか鐘の音が鳴り響く
聞こえてきた瞬間、小さい頃の思い出が何故か浮かび上がる
昔みたいに、 戻れたらいいな
なんて戻れないことはわかっている、だから、
前に進まなければならない
今年の夏は厳しい暑さでもあり、
厳しい生活の始まりでもある。
鐘が鳴る 鳩が飛び立つ
そう歌詞がある合唱曲が好きだった
大人になってから、歌詞の解釈を調べた
平和への思いが込められた歌だった
合唱コンクールで歌っていた、学生当時にこそ
知っておくべきだった気がしてならない
「鐘の音」
綺麗な音が聞こえてくる。
この音はきっと祝福の音だろう。近くで結婚式でもやってるのかな…と思ったら自分の結婚式だった笑
綺麗な景色で婚約者が俺の右腕を握ってこちらを微笑みながら見ていた。
何回見ても可愛い…俺幸せすぎ…!
「お互い支え合うと誓いますか?」
と誓いの言葉が来るので勢いよく、
「はい!」
と、裏声も少し混じった声で言ったら、周りが笑っているではないか…。
恥ずかしい…………
婚約者も笑っている…
なんて恥ずかしい…。
そして、婚約者も…
「はい」
そして誓いのキスをし、結婚式はおわった。
今回は中途半端かもしれない~!!
だけど、幸せ物を書いたので満足です😆
最後まで呼んでくださると嬉しいです!( ´∀`)
楽を悪だと
はき違えた奴らが
ガランガラン
ガランガラン、と
あなたの後ろで
喧しいと思いますが
風鈴の音で
お昼寝をするのが好きならば
そちらを大切にしようと誘います
[チリンとひとつ、涼を誘う]
[頭の悪い根性論の暑苦しさよ]
-----------------------*○・
リンドンリンドン
1番力強くて
1番悲しい鐘の音が
広島と長崎にあると思うのです
世界が分かっているふりしかしないので
忙しく鳴らし続けらければいけないことは
大変虚しく果て度もないことですが
みなで代わる代わる
いつまでもいつまでもそうしていきましょう
[広島発の平和宣言は飾り物ではない]
僕は生まれたときから広島とは縁もゆかりもない人生を送ってきた。それでも、毎年この日になると、どこからか鐘の音が聞こえてくる。他の誰にも聞こえないようだが、僕の耳にははっきりと聞こえる。美しい瞳を持つ妻は、そんな僕を見て、
「あなたには平和を紡ぐ才能が備わっているのね」と言う。
理論的には、僕は生まれつき目が不自由だから、それを補うために他の人より聴力が発達し、他の人には聞こえない音が僕にだけ聞こえてくる、ただそれだけのことなのだろうが、毎年妻が言う言葉に悪い気はしないのだった。
僕は今年、最近家に戻ってきた娘に連れられて初めて広島へ向かった。本当は妻も一緒に来たかったのだが、彼女は今高齢者施設で寝たきりの状態だから、今回は土産話をたくさん持って帰ることで許して貰おう。広島から帰ったら娘とともに一番に彼女に会いに行き、「君の瞳の色が今でも一番好きだよ」と伝わるまで何度でも伝えよう。そして、──今では彼女が意味のある言葉を発することはないけれど──世界の平和と幸せを、ともに祈ろう。
─広島原爆忌─
(鐘の音)
チェス
二人の男が席に着く
一人は老人、もう一人は中年の男性
そしてお互い向かい合って座る
テーブルの上にはチェス盤
なにやら言い争った後、老人がコマを動かした
周りの人は見てみぬふり
それでも二人の様子を慎重に伺っている
次々とコマは動き出す
その過程で死ぬコマも出てくる
老人が反則をして、倒したコマを味方にした
コマを捕虜にしたんだ
たちまち周りの人は彼を批判する
でも誰も実力で止めることはない
チェス盤の上では血が流れている
真っ赤な血は水溜まりのようになる
遠い異国で実際に起きていることだ
どちらかがキングを討ち取るまで戦いは続く
キングを倒したところで何が得られるのか
失ったものの代償にはならない
これが単なるゲームなら誰も傷つかない
傷だらけのチェスゲーム
晩鐘が聞こえる。
数多の鐘の音が重なりあって、
私の鼓膜を劈いた。
ああ、だから、私は東京が嫌いなのだ。
突然だが、私には特殊能力がある。これは生まれ持ったものではなく、友の死をきっかけに発現したものだ。
その能力というのは、『魂の晩鐘』
簡単に言えば、死ぬ人間が分かる…いや、正確には死のうとしている人間が分かると言った方がいいか。私には自殺する人間が死ぬ間際に発する、最期の慟哭が聞こえるのである。これは、他人の耳にはまったく届かない。私にだけ響く鐘の音だ。
初めてそれを聞いた時、私はまず脳外科に行った。待ち時間の長さのわりに短時間で終わる診察が終わると「異常はない」と告げられた。次に精神科にも行ったが、これもまた同様だった。その後もありとあらゆる病院巡りを繰り返すこと十数件。私はようやく悟った。これは医者が関われる案件ではないのだと。もっとオカルトチックな、スピリチュアルな現象なのだと。
それからは、自分で法則性を探り始めた。何の前触れもなく鳴る鐘の音だと思ったが、ある時それは人のいるところでしか鳴らないことに気が付いた。さらに調べていくと、これは人から出ている音で、それを鳴らす人たちは、等しく死相が出ていると知り合いの占い師が言っていた。ある朝テレビを見ていた時、アイドルからそれが聞こえた。翌日彼女は事務所で自殺した。すべてが確信に変わった瞬間だった。
そもそもどうして、平々凡々な私にこんな力が宿ったのか。ライトノベルの主人公でもあるまいし。もし私がそれだったなら、もっとチート能力を宿してほしかったものだ。
この力は、私に何をどうしろというのか。
自殺者数が群を抜いて世界一となった我が国には、新たな法律が出来た。自殺による保険は一切おりず、自殺者が出た家族には罰金を課すというものだ。自殺者対策として国が行っているのは、さらに彼らの首を締めるものでしかなく、苦しみ抜いた自殺志願者は、こぞってレジャーに出掛けた。海や山での事故を装うために。夏休み、眩しい太陽の下、楽しげに遊ぶ親子の足元には、数多の屍と怨嗟が積み上がっている。
神は私に救世主にでもなれというのか。死ぬ人間が分かったって、カウンセラーでも為政者でもなく、ましてや社会人としての地位すら危うい私が、彼らに一体何をしてやれるというのか。
私は引っ越した。山の中のど田舎に。周りにはお年寄りしかいない過疎地域だ。人の集まる娯楽施設など一切ない。とはいえ、ライフラインは辛うじて保たれている。私は此処にに来てから、鐘の音を聞かなくなった。
田舎というと、都会より面倒な人付き合いや古きおぞましき悪習を想像して身構えていたのだが、此処の集落の人たちは、私に何も強制しなかった。集まりには気が向いたら来てねと言われ、「若者なのだから」という言葉をナイフに私を脅すこともない。この歳で結婚していないわけも、根掘り葉掘り聞いてこなかった。……あまりに、年寄りらしからぬ。
私は、人を優しく騙して食べる鬼の集落にでも来てしまったのかと青ざめた。令和の時代にも鬼は存在するのかと、いたく住み良い環境に驚きを隠せずにいた時のことだった。唐突に友が私の家を訪ねてきたのは。
彼女は、高校からの付き合いのある友だった。私はその日、久しく聞いていなかった鐘の音を聞いた。自分が鬼の集落に暮らしているなんて馬鹿げた妄想は、鳴り響く鐘の音がまるごと飲み込み、私は焦りを悟られまいと必死に笑顔の仮面を貼り付けるのだった。
ゴーン、ゴーン。鐘の音が鳴り響く。今日のこの日を私は待ち望んでいた。
「行こう、皆待ってる。」
「…ええ。」
差し出された腕に私の腕を絡めて扉を開ける。外には私たちを祝福する声でいっぱいだった。
「結婚おめでとう!」
「お幸せにー!」
そう、今日私たちは結婚する。夢にまで見た白いウエディングドレスを着て今ここにいる。
嬉しくて嬉しくて涙が零れる。
鳴り響く鐘の音は幸せな私たちを祝福してくれている様な気がした。
『鐘の音』
ぼくが小さい頃、母がたまに大きな教会へ連れていってくれた。もう10年以上も前の事だからあまり多くは覚えていないけれど、2階にたくさんの楽器が置いてありそれを自由に弾くことができたことだけは今でも鮮明に覚えている。
思い返せば、今のぼくの音楽好きはあの時身体に刻まれていたのかもしれない。曲も弾き方も何もわからないなりに適当に音を奏でるのはとても楽しく、気持ちが良かったのだ。
引っ越した今でも街で教会を見かけるとあの楽しかった楽器演奏や綺麗な鐘の音を思い出す。