当然みんなまだ、免許も持っていなかったり車も持っていなかったから、だいたいの子は自転車を買ってた。私の同室の子たちも揃って自転車で出掛けてたから、ますます私は部屋で独りだった。
それを知ってなのか、サカイは自分の部屋に呼んでくれるようになって。同室の子やサカイが仲良くなった男の子数人に混じって、男の子たちの話、聞いてたなぁ。どんな音楽が好きとか、地元でどうしてたとか。
居場所を作ってくれてありがとね。サカイだけじゃなくて、そこにいた子たちも私がそこにいることを当たり前に受け入れてくれてありがとね。
その頃に、薄ーっくて水っぽいインスタントコーヒーの味覚えたよ。寮の部屋にはコーヒーメーカーしかなかったから、とろろ昆布にお湯だけ入れたあんまり味のしないお吸い物も作ってくれたよね、忘れない。
8/6/2023, 6:02:07 AM