『遠くの街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
散歩が好きだ。家の近くではない、家から遠く離れた街をぶらぶら歩くのが好きだ。
知らない街を歩いている時は日常のことは完全に忘れる。もう一人の自分が散歩をするのだ。仕事のことなどは決して考えてはいけない。
ある作家が書いていた。知らない駅で降り、バスに乗り、知らないバス停で降りる。日々のことを頭から消し、全く知らない街を歩く。美味しそうな蕎麦屋があれば、蕎麦を食べる。良さげな古本屋があれば、中をちょっと覗いて見る。老舗の町中華があったら最高。
なかなか面白そう。今週末行ってみるかな。
まずは江東区。大島辺り。
遠くの街へ
誰も知らない街で、やったこともないような新しい仕事をして、
休みの日は街を探索して馴染のお店が出来たりして…
「最近引っ越して来たんですよー」なんて話して…
好きな家具をちょっとずつ買い揃えて、食器も作家さんの作品買って…
観葉植物置いて多肉植物コーナーあったり
夕飯はベランダでお酒飲みながらゆーくり食べる…
あー そんな暮らししてみたい…
「遠くの街へ」
いつの日だっただろうか。私は夢を見ていた。
小さくて素朴で、虹で彩られた街に行く夢。
そこには淡い色のステンドグラスでできた窓が輝く、いろんなお菓子を取り扱うお店があった。
なんとなく気になったので、「今日のおすすめはなんですか?」と店員さんに聞いてみると、「ソフトクリームとミルクシェイクです」と答えてもらったのでそれを買うことにした。
夢の中だから味を感じていたかどうかは覚えていないけれど、とても美味しかった。
「またここに来よう」そう思ったけれど、夢の中の街だからもう二度と行けないのかもしれない。
街の色彩も、お菓子の味も、二度と会えないこの寂しさも、いずれは夢とともに忘れてしまうのだろう。
いつか、また行けたらいいな。
誰も自分を知らない、遠くの街へ行こうと思い、出発する。
遠くへ、遠くへと進み、海を越え、山を越えた。
そして辿り着いたのは、元の住んでいた街だった。
うっかり1周してしまったらしい。
遠くの街へ
ここから、ずーっと遠くの街へ
飛んでいきたい、あの街へ私の生まれた故郷へ
そして消えたい、あの場所で
思い出詰まった、あの場所で…
ーーー
「帰病ですね」
医者はいう。
目の前の親は泣き崩れた。
しかし、隣にいる子供は虚ろな目をして、「帰らなきゃ…」と、呟いている。
帰病(キビョウ)2200年に現れた精神的な病気
心が傷つき、追い詰められた人に発症し、「どこか(自分が思う故郷だと考えられている)」に行って死にたいと思い、彷徨う病気である。
人に感染するようなものではないが、帰病にかかった人と関わりを持っていた人は、その事実が精神にダメージを与え、帰病にかかる確率が大幅に高くなる。
食事をすることがなくなり、栄養失調、または餓死により死んでしまう。また、家から出た帰病の人が山の中で落下死しているところも発見されている。
今のところ治療方はなく、治らなければ確実に死んでしまうため「不治の病」として、人類を脅かしていた
「こんにちは、YouTuberのハズミです。今日は✕✕県✕✕町にやって参りました。
この街は昔、銅山として栄え、沢山の人々が住んでいました。日本の近代化を支えた一方で…」
廃墟と化した住宅、草木に覆われて見えなくなった共同浴場など。
ノスタルジックな光景が所々に遺されている。
なぜ自分がここに居るのかもわからなくてなってしまう世界。異次元の入り口があるのかもしれない。
そんな昼下がり事件が起きた。
撮影者の男性の通報で、警察も動員され山中、川下を中心に捜索されましたが、それ以来ハズミさんは戻ってきませんでした。
【遠くの街へ】
遠くへ行きたい。
子供の頃に行った沖縄に懐旧の思いを寄せたり。まだ行ったことのない場所へと思いを馳せるのだ。
それは理想とは違う旅だろうけど、私の未だその思い出の場所と旅への羨望へと心を置いてきているのだ。
『遠くの街へ』
もうすぐ街に着く。お母さんとよく買い物に来ていた街で僕は今日お母さんとさよならをする。
僕の家にはきょうだいが6人いて、僕が一番年上で、昨日は僕の誕生日だった。お母さんとお父さんとが突然に話し始めた内容をあまりわかっていなかったけれど、わかって頂戴と言われたのをうんと頷いたからそうなってしまったようだ。
待ち合わせの場所にはぶっきらぼうなおじさんが立っており、こちらをじろじろと見てなにかの書類を確認すると重たげな革袋をお母さんに手渡した。ここに来るまでずっと泣いていたお母さんはその時にようやく泣きやんで、僕を抱きしめて僕の手を離し僕を見送った。
「これからどこへ行くんですか」
「……遠くの街だよ」
「僕、この街から先へ行ったことがないんです」
楽しみだなぁとつぶやくとおじさんはふ、と笑って歩き出す。おじさんの歩幅は大きく速く、付いていくのが大変だった。
遠くの街へ出かけてみよう
わたしたちが知らない場所がある。
傷心旅行にうってつけ。
何も考えないで、巣だっていける所がいい。
誰にも縛られない 場所。
今やりたいと思えるものに、出逢えたなら
それこそ、幸せな時間をつやしてほしい。
遠くの街へ。旅行も引っ越しもずいぶんとしてないな。もうそんな余裕はない。
立ち退きで引っ越しはほぼすることになるだろうけど結局どこか近くを適当に借りるだけになるだろう。
いい機会だからどこか遠くに引っ越したいと思ってたけど新しくバイトを探さなきゃいけないことを考えたら難しい。
なにか資格とか技術があればそういう行動も取れるんだろうけど結局無難な行動を取ってしまう。
というかまともに職がないと賃貸借りるのも難しいから実質選択肢がないんだよな。
今は人手不足らしいからドライバーとか建築関連とかガチればまともに生きることもできるかもしれないけどそこまでの情熱がない。
人生にそこまでの価値を見いだせない。もう生きて死ぬだけの人生でいい。
適当に小説を書いてだらだら生きれりゃそれでいい。それ以上は望まない。
どっか遠く街へ行きたい
ずっとぼやいてるけど
ちょっと難しくて
ごめんね
って自分に自分で言い聞かせる日々にうんざり
3ヶ月後でハイ決定ね混みそう?知るか知るか
何の為に行くの?知らねー行って考える
なければそこらへんの人にオススメ聞くわ
とりあえず美味しいもの食べたいね
小さい頃は
とにかくとおくへいきたかった
となりまち
よそのくに
ほかのほし
親も兄弟も友達も先生も猫も
だれもいないところに行って
ひとりでいたかった
今の私は
そのときのとなりのまちにすんでいるけど
よその国より
遠くにきたとおもう
いろんな別れ
いろんな出会い
いろんな自分との逢瀬を繰り返し
遠くに来たなぁとおもう
そんなに遠くに行きたいと
願わなくてもよかったのにね
とにかく遠くに行きたかった
あのときのわたしへ
あした、おとうさんのしごとのためにとおくのまちにおひっこしをするみたい
やだなぁ
だって、おともだちとももうあえなくなっちゃうし
ようちえんのせんせいだってあえなくなっちゃうし
おとなりのおばあちゃんにもあえなくなっちゃうし
やだなぁ
わたしだけここにいられたらなぁ
〝遠くの街へ〟
何処かへ行きたい。
そう思うようになったのは、いつからだったろう。
不自由しているわけではない、
やりたいことがあるわけでもない。
ただ、ここではないという疎外感を、
突きつけられている気がするだけ。
遠くの街へ行けば、何かが変わるわけでもないのに。
このまま、遠くの街へ行ってしまいたい。人間関係、進路、勉強。悩みが多くて頭が痛くなりそう。もう何も考えたくない。お願い、しばらく、1人でいさせて。
無事に高校一年生が終わって、春休み。
帰宅部に所属している私は、朝七時くらいに目覚めるとすぐに定量の宿題を済ませ、あとは悠々自適に過ごします。
自分の部屋で一日中ごろごろしているのは、さいこーに気持ちがいいです。
私の両親は、一昨日から母方のおばあちゃん家へ行っています。
ここから一〇〇キロメートル以上も離れた田舎にあって、私はお留守番しています。
おばあちゃん家や田舎が嫌いというわけではなく、昔の記憶にある、往路での出来事が忘れられないからです。
私は幼い頃、おばあちゃん家に行く途中にある二つ目の道の駅で、迷子になったことがあります。
そこにはたくさんの人がいて、両親と離れていたこともあって、見知らぬ誰かに誘拐されるのではないかとびくびくしていました。
もちろん、そのようなことに巻き込まれることはなく、しばらく経って両親が私を見つけてくれました。
安心したことで大泣きしてしまったのを、いまでも覚えています。
事故に遭ったのは、そのあとのことでした。
……いえ。父が、事故を起こしてしまったのです。
追突事故、でした。
幼かった私には、その事実しかわかりません。
いまでも、両親には原因を教えてもらっていないのです。
憶測にはなりますが、お昼ご飯を食べた直後だったので、居眠り運転をしてしまったのではないでしょうか。
幸い、向こう方に負傷者は誰もいないようでした。
車の傷も大したことではなかったみたいで、あとのことは順調に進んだと聞いています。ここは、両親の会話を盗み聞きしました。
それでも私には、あのとき揺れた車の衝撃が、身に染みて恐怖となっているのです。
以降、私は、車に乗せてもらっていません。
どこか遠くへ出かけるときは、自転車や新幹線を利用しています。
フェリーは船酔い、飛行機は墜落が怖いので、移動手段に含めていません。えへへ。
タイトル: 遠くの街に住む少女との出会い
高校生の直人は、夏休みになると遠くの街にある祖父母の家へ行くことになっていた。ある年、彼は出発前の買い物に向かっていると、遠くの街で一人の少女と出会う。少女は、彼女が暮らす遠くの街で、いつも本を読んで過ごしていると語った。
直人は、その少女の言葉に興味を持ち、彼女が暮らす遠くの街について詳しく聞き出す。そして、少女が読んでいた本も、自分が読んでみることにする。
やがて、直人は祖父母の家へ向かうが、自分の中で少女への興味は募っていた。夏休みが終わり、学校に戻った直人は、学校の図書館で少女が読んでいた本を探し出す。そして、その本を読むことで少女が住む遠くの街に思いを馳せるようになる。
直人は、遠くの街へ行き、少女に会いたいと願うようになる。彼は、少女の住む場所を特定するために、様々な手段を使って情報を集める。そして、彼は少女と再会し、彼女と遠くの街を巡る旅に出る。
二人は、遠くの街を旅する中で、様々な出来事に巻き込まれながら、お互いを理解し、惹かれ合うようになる。そして、彼らは遠くの街の魅力や文化、歴史を知ることで、自分たちの成長に繋がっていく。
遠くの街に住む少女との出会いが、直人の人生を変えるきっかけとなる。
昔馴染みの酔い客から極めて達筆で手紙が寄越せられる。
ランプの下でも分かるほど焦げ色の派手な顔をしていたあなたから、前略で始まりかしこで終わる文をもらうとは、思わなんだで戸惑っている。
もう何年も会えていないのは、触れてはいけない事情があるのかと思っていた。
嫁いだ先は随分とご立派で、目まぐるしい日々の中で、こうして束の間を見つけて文を認めてくれたのだね。
聞いたことないような風靡な時候をどこで覚えたの。
ほんとはあの馬鹿騒ぎは大嘘で、あたしを楽しませようとバカを精一杯担ってくれていたのだろうか。
でもね、御身お大事に、なんてこの仕事選んだ奴には掛けてはいけない心苦しいひとことだわよ。
御身お大事に、それは私があなたに伝える言葉です。
送り元を見るに決して遠くはないけれど、電車で20分の距離が今では外つ国のように遠いね。
束の間を邪魔しないように本題から入る手紙を返すことをどうか赦して。
あなたの好きな酒で濡らした切手を貼ります。
お代わりなければいいけれど。
遠い街で-
超暑がりな私。
縁もゆかりもない釧路という街に勝手に憧れてた。
全国の最高気温の表示を見て、ここは楽園に違いないと思っていた。
しかし去年の夏、25℃の予報を見てしまった。
そして過去にも30℃超えを起こしてることも知ってしまった。
ああ…。
私の安寧の地はもはや山の上にしかないのか。
(遠くの街へ)
遠くの街へ
眠っている冬の空
冷たい夜風が肌を撫でる
日が昇る前の街は雲という布団の中に潜っている
街灯もなくただひたすらに暗い道を彷徨った
am4:00 店のシャッターも閉まっている
静かになった街は人の愚かさを際立たせる
自分がやけにちっぽけな存在だと思えてくるのだ
足を進めるたび愚かに思う
街灯もなく湿っている道はより不安にさせてくる
誰もいない夜道を歩くという行為は誰かが言う普通とやらから外れている気がした
普通などとは誰も意味を知らない言葉であり
何かを型にはめていないと不安な人が作った言葉だ
基盤を作ることは物事には大事かもしれない
人を型にはめてみたところではまるわけがない
強制的にはめてみたところで苦しくなるだけだ
こう言い訳を重ねてみることで、また普通から外れていくのだ
脳内反省会をしていると
急カーブに差し掛かる
大きな橋と川が見える
角には写真館があり
家族が笑っている等身大パネルのようなものが一つ
まだ店の明かりもついていなかった
その顔も知らない家族たちは年中無休で笑顔なのだろう
店を取り壊さない限りは。
川を覗いてみた
ありふれた川だった
石が沢山あり流れに沿って水が流れている
川の近くに住宅街が立ち並んでいた
住宅街は嫌いだ
自分より高い建物と人混みが嫌いだからだ
高い建物があると空は見えず下を向くしかなく息が詰まる
市役所に通りかかった
市役所は夜空に照らされ
光の当たらない湿った雰囲気を醸し出していた
この市役所で働く自分を想像した
ここでも使えないと言われるのだろう
嫌われ者になるに違いなかった
アルバイトも出来るのだろうかという不安が拭えない
働けるのだろうかという不安が四六時中付き纏っている
また使えないと言われるのだろうか
自分のせいでまた嫌われるのだろうか
また無いものとして扱われるんじゃないだろうか
不安は膨張していくばかりだ
市役所から威圧感を感じた
黒く光る市役所は被害妄想の種としては中々なものである
市役所を通り抜けていくと
スーパーと小さい店が見えてくる
明かりもついていない老店舗が立ち並ぶ
和菓子や色々なものを売っていた
そのまま通り抜けていくと神社が見える
神社に続く長い階段
角にあるコンビニエンスストア
そこの街は新と旧が混ざり合っていた
特殊な字体のレトロな看板が次々に並んでいた
けれど街の人は旧の固い頭のままだった
今は古いだけでその当時は革新的な考えだったのだろう
右に曲がると警察署と会館がある
通り抜けていくと煙草の自販機と古い店がある
ずっと上っていくと駅がある
駅といっても少し廃れた駅だ
昔からある駅で駐車場が広い
駅の路地裏へ行くと制服姿の人影が並ぶ
無心で歩いていたからか時間を忘れていたようだ
制服姿の人影を通り抜けて何処かへ向かう
集団となって登校する制服姿を通り抜ける様はなんとも異質に思えてくる
私が私服だったのもあるだろうが
朝に制服姿と私服姿の自分が並ぶということは
自分が普通じゃ無いような気がしてならなかった
集団によって生まれた同調圧力だろう
明るくなっていく街にスクールバックと制服姿が並んだ
その集団から逃げる様に歩く私服姿の自分
普通じゃ無いというのを見せつけられている感じがしたのだ
同じ年代でここまで差があるものかと思った
それはどこかの誰かという恨んだ存在にも言われた言葉だった
普通じゃ無いと思った事はもう一つあった
駅で辞めた学校の先生に会ったこと
一方的に会っただけなので相手は気づいていなかった
辞めた学校の先生を乗せた電車が進む
廃れた駅の砂利が寝転ぶフェンス越しに見ていた
あの先生も私を嫌っていたか問題視していただろう
国語の担当の先生だった
この現実も詩的に飾ってみてはくれないかと藁に縋った
嫌われているのだろうし話しかけるのがまず無理だ
その先生を乗せた電車が進むのをずっと見ていた
過去を思い出した
過去は先生を乗せた電車の様に一瞬にして過ぎ去った
そこからまだ進んでいくと
通学路に並ぶ小学生達がいた
小学生は私を警戒していた
何もしませんよ。自分の人生を棒に振ることなどする元気がありません。と頭の中で呟いていた
小学生の女の子は後ろを振り返って私をじっと見た後
走って逃げてった
今はそういう犯罪も増えているところですし
警戒するのも分かります。
若くは見られない自分ですから警戒したのでしょう
ずっと通り過ぎて行っても自宅からの距離だけ離れる一方で焦燥感と辛さが混入したこの感情から離れる事は無かった
遠くの街へという題名だったが歩いたのは近場だった
まぁけれど近場は誰も通るであろう
近場を歩き進めたら遠くの街へ行くのだから
散歩はおすすめしない
すれ違う人の目線や仕草を気にしてしまって
どうにも上向いて歩こうどころではない
前すら見れないのに上など見れるわけがない
遠くの街へ