『逆光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ステージの光が強すぎて、彼女の顔は映らなかった。 ファインダーには、輪郭と影だけ、それでいいと俺は思った。 歌姫は光の中にいて、俺はカメラの後ろにいる。 その距離が、ちょうどよかった。 ライブが終わったあと、彼女は非常口の前に立っていた。 夕日が背中から差して、やっぱり逆光だった。
「ねえ」
声だけが、はっきり届く。
「正面から撮らないよね」
「どうして?」
少し間があって、彼女は言った。
「顔、見えないほうが安心するから」
その理由は聞かなかった。 次の撮影は、昼の屋上だった。 影は短く、光は逃げ場がない。
俺はカメラを下ろした。
「今日は、撮らない」
彼女は驚いて、それから笑った。
初めて、ちゃんと顔が見えた気がした
完成した映像の最後は、逆光のステージ。
スピーカー越しに拍手だけ残る。
顔は、最後まで映らない。
それでいい。 彼女は光の中にいて、俺はまだその輪郭を見てる。
「逆光」
恋をしている間は
好きな人が放つ光が逆光になって
その人の悪いところが見えなくなってしまう。
テーマ:「逆光」
→これで、おしまい。
夕日を背にして立つあなたの顔が見えなくてよかった。
僕の決心が濁らずに済んだ。
テーマ; 逆光
「逆光」
別れを告げる君の顔が、逆光で見えない。君は本当に私が嫌いになったから別れを切り出したのか、それとも何か別の理由があるのか。君の声に哀しみが滲み出ているように感じたのは、私が都合よく解釈しようとしているだけなのか。
もう何年も君と一緒に歩いてきたはずなのに、君の気持ちがこれっぽっちもわからない。
何も言えないまま、私は君の表情を隠す太陽を、眩しさもお構いなしに睨みつけた。
1月24日、僕は影髪町に引っ越してきた。
その日に公園に遊びに行き、近所に住んでる田中くんに会ったんだ。
田中くんは坊主、というよりはハゲって感じで髪の毛が生えていないんだ。
病気のせいでなったらしい。
でもそんなこと気にせず笑顔が素敵なやんちゃな男の子だった。
鬼ごっこやすべり台、ジャングルジムやカードゲームなどで遊んだ。
夕方になり、お互い家に帰ることになった。
僕の家と田中くんの家は公園から正反対の方角にある。
僕たちは互いに手を振り合い、帰った。
その時に、田中くんはちょうど逆光があたり、黒かった。
その黒いハゲ頭が、怖い影人間のようだと思った僕は、恐怖で足がすくんでしまった。
そのことに気づき、こちらに近づいてくる影人間。
彼は田中くんだ。わかっているんだ。でも怖いんだ。
思わず目をつぶり、数分ほど経っただろうか、そっと目を開いた。
そこには、心配そうな顔をした田中くんが立っていた。
安心して後ろを振り向くと、手を振っている黒い巨大な影人間がまだそこにいて、近づいてきてたんだ。
僕は泡をふいて倒れた。
あとから聞いたけど、その影人間は田中くんのお父さんだそうだ。
息子に合わせて、スキンヘッドにしているらしい。
田中くんには悪いことをしたな、と思った。
しかしその後、田中くんには会うことはなく、転勤族だった僕はその街をさっていった。
こうやって付けて
ウマイ!
背景の電飾が光り輝き
この世の存在を
0と1に
切り分ける。
逆光で
もはや
あの魔女の姿は
見えない。
“逆光とねるねるねるね”
逆光
店の中心で女が馬乗りになり俺の首を掴む。
初めて見る顔。
力が入りくぐもった声が勝手に出る
女は非力だが、締めるくらいは出来るんだな…漠然とそう思った。
綺麗なストレートの髪が床に落ちて俺を囲うと少し視界が暗くなる。
燦然とした空間に似合わないほどの周囲のざわめき。
俺の首を掴んだ女は逆光のなか歪んで、酷い顔をしていた
「逆光」 #257
逆光のあなたに口付ける
目が合わないように
表情がわからないままで
いくじなしの私には
知らないくらいがちょうどいい
あなたからは順光だから
バレバレかしらね
「おっぱいって、怖いね」
人気のない公園で、幼馴染を膝枕していた時の事だ。
彼女は、私の方を見てそう言った。
「ん、どうして?」
「だってさぁ……」
その小さな唇は、淡々と言葉の続きを紡ぐ。
「こうやって下からおっぱい見てると、太陽が見えなくなるんだもん。なんか……世界の終わりみたいじゃない?」
前から独特な奴だとは思っていたが、ここまで変人だとは思いもしなかった。
同性の幼馴染に膝枕をねだられて普通に許す私も、人のこと言えないかもしれないが……。
「よく分かんない」
「下になってみれば分かるよ」
彼女はそう言って、体を起こした。
正座をし、その手で『おいで』と言うかのように膝を叩く。
「んっ」
柔らかな太ももに頭を埋めながら、私は空を見上げた。
いや、空は見ていない。
こいつのデカパイのせいでほぼ視界が遮られている。
影が落ちたその胸は、まるで宇宙だ。
青いはずの空に、果てしない宇宙が広がっているかのような景色。
太陽が消えてしまった事によって、光の反射がなくなり地球を覆う空が壊れてしまったかのような、そんな景色だ。
「終末だね」
「でしょ」
その小さな手は、私の頬に当てられた。
何度かムニムニと揉まれて、すぐに離れる。
そして彼女は、にんまりと口角を上げた。
「おっぱいは宇宙だ」
去年、空になったあなたは「逆光に照らされて」私に会いに来た。
花好きの先生が
チューリップと菜の花は
太陽が大好き
置く位置に気をつけて
というアドバイス
茎がぐにゃぐにゃ
曲がるくらい
光を追いかけるらしい
チューリップの正面は
いつも光が当たってる
逆光になる心配は
なさそう
逆光でした。
光が近くて、とおかったです。
影がみぢかくて、暗くて眩しかったうしろが、はれでした。
おんなのこが手を差し伸べてくれましたがお顔が黒くて、くろ。しろがほしかったわたしは、はしりました。
しろ、しろ、しろ、しろ、ずっと白くて、まぶしかったです。眩しかったので前を向くことがむずかしかったのでわたしはうしろを向きました。
くろ。くろ。ながくなく。後ろをむくとおんなのこが座っていました。わたしはたてないのかなとおもったのでみぎてをのばしてとてもしんぱいそうなかおではいとてをさしのべましたがわたしは逆光でした。
逆光でなにもかも黒く見えたはずなのに、
君のことだけは
一目で分かった。
—写らなかったもの—
金閣寺が水面の上にそびえ立っている。
「一階のところ見てよ」僕は指差した。
「あれ、金が張られてないね」
グループのトイレ待ちで、僕は好きな人と偶然二人っきりになった。
「お金が足りなかったのかな」
彼女はそう言って、くすっと笑った。
「そうかもね」
僕も釣られて笑ってしまった。
「そこ二人ー、こっち向いてー」
偶然通りかかったカメラマンが言った。僕たちは、レンズに向かってポーズをとった。
——
先生から封筒を受け取って開けると、たくさんの修学旅行の写真が入っている。
その中にハレーションが起きた一枚の写真。
僕はそれを見て、一週間前の金閣寺を思い出した。
「その写真、買ったんだ。実は私も買ったんだ。なんかエモいよね」
後ろの席から顔を覗かせ、彼女は言った。
「うん、わかる」
彼女も同じ写真を持っている。
それだけで胸が熱くなった。
「でさ、帰ったあとに金閣寺を調べてみたの。一階に金が張られてないの、わざとなんだって。各階ごとに世界観があるらしいよ」
「そうなんだ。でも、ぜんぶ金にした方が絶対かっこいいのに」
僕がそう言うと、庶民の発想だね、と彼女に笑われた。
逆光で写らなかったものも、僕は今も、はっきりと覚えている。
その思い出が、まばゆいほどに輝いていた。
お題:逆光
太陽を背にしてカメラの前に立つ。
そしてちょっとカッコつけたポーズをしてみる。
シャッター音が聞こえ、わくわくしながら撮影データを見てみたが、そこに映っていたのはよくわからない黒い塊だった。
……うーん。逆光で撮ったら簡単になんかエモい写真が出来ると思ったんだけど、案外難しいなあ。
よし、日没までまだちょっと時間あるし、もう一回撮るぞー!
シャッターを切る。
小さな四角の中に、その一瞬の姿を仕舞い込む。
「あー逆光だよ、これ」
画面を覗き込むと、たしかに逆光になっていて、映してもらったはずの私の顔がよくわからない。
「でもまぁ、これはこれで味があるんじゃない?」
カメラを持った本人はどうにも納得いっていないようだが、私はこれで良かった。
だって、きっと、君に写真を撮ってもらえて、ものすごく浮かれた顔をしていたから。ふと我に返って、恥ずかしくなってしまったんだ。
『逆光』
逆光
うちのわんこ真っ黒なんだけど、
逆光だとますます真っ黒けっけ。
眩しい
君はいつもそうなの
君は私の先を歩くから
光の道を行くから
君の顔を見ようと
見上げても
逆光なの
たまには隣に来てよ
顔を見せてよ
私は君には届かない
眩しい君が憧れなのよ
逆光
光は自分から見るものだけど
影は映し出す鏡みたいに見えるものだから
安心するよね
【書く練習】
一日家にこもる
朝からだるくて
寝たはずなのに
躁の反動が久々で
心が固く動かない
何も面白くもない
何にも興味がない
いつか過ぎるものと解ってはいるけれど、
だからといってこの辛さがなくなるわけではない
もらった睡眠薬は役に立つかな
明日はどうなるか
わからない…
おやすみなさい