『逃れられない呪縛』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題の文章が思い付かないので、最近書いた物語を載せます。
―優しい貴方―
貴方は、昔から優しい人だった。誰かが、困っていたらすぐさま駆け付けて助けに行く。彼は、そんな綺麗事が出来る人だった。
けど、そんなあなたを見ていると怖くなるの。
優しい事をしているのに、優しい笑顔で何でも相談に乗ってくれるのに。
私がおかしいのかな?
こんな変な考え事をしている私に、貴方は優しい笑顔を向けてくれるの。
だけど何だか、心は笑顔じゃない気がするの。
貴方が言った。
「どうしたの」って
私は、「大丈夫だよ」って言おうと思ったけど、違う言葉が出た。
「大丈夫?」
そしたら、貴方は悲しい顔しながら慟哭した。
私は、初めて貴方の泣いた顔を見た。
沢山、溜まってたんだと思いながら私は、貴方に我がままをしていたことに気づいた。
そして優しい貴方は、知らない内に沢山の事を背負っていた。
(フィクション)
見てくださり、ありがとうございました。
物語に出てくる
棘まみれの茨のような。
足先に根が這って
土に取り込まれるような。
目の前から光を奪う
閉ざされた巨大な壁のように。
もう、過去になったハズの
トラウマが、時に忍び寄り首を絞める。
自責の念、自己嫌悪。
どこまで、わたしは私を許せるのかな。
時には、大丈夫だよと
背中をさすって欲しくなるよ。
ただ、弱々しさも見せられぬ
ジレンマが…本当の呪縛かもしれない。
【お題:逃れられない呪縛】
「ただいま。遅くなってごめんね。お腹空いたでしょ?」
行儀よく背筋まで伸ばして、彼女が帰って来るのを待っていた。彼女はそんな俺を見ると、愛おしそうに頬を撫でて微笑む。俺はそれに答えはせず、ただ今日も彼女を見詰めるだけ。彼女の慈愛に溢れた瞳と、優しい声色。それだけはずっと変わっていない。
「今日のご飯はカレーだよ。ふふ、大好きなお肉いーっぱい入れたの作ってあげる」
彼女は持っていたビニール袋の中身を俺に見せていた。中に入っているのは新鮮な食材だ。彼女は俺の顔を覗き込む。
「…これなら、今日は全部食べれそう?」
「……………。好きなだけ食べていいからね!元気つけて明日も頑張ろう!」
「それから、にんじんもちゃんと食べること!分かった?」
彼女は答えない俺に話し掛け続けている。
料理中も、俺は何も答えられないというのに、今日あったことやら何やら沢山の話題を振られた。相変わらず、賑やかで楽しい人だ。時間があっという間に感じる。
今頃、出来たてのカレーの匂いや他のにおいが混じって部屋の中に充満しているのか。換気でもしようものなら、きっとこのアパートには誰も寄り付かなくなるだろう。
真っ白な皿に白米とカレーを盛り付けて、彼女は自信たっぷりな様子で俺の前にそれを運んで来た。
「はい、あーん。」
出来たてのカレーライスが一口分、スプーンで掬われた。白い湯気が浮かんで消えていく。
べちゃり。
「…美味しい?えへへ、作った甲斐あったなぁ。おかわりもあるからね」
母さん。
はやく、夢から醒めてくれ。
望まない呪縛から、本当に逃げたいと思っているのは誰なのか。
母の幸せそうな表情を見ても、俺の空洞が埋まることは無かった。
___ 1 逃れられない呪縛
怖いとか、不安とか、嫌だとか、そういう感覚すら全部、わからなくなるんです。自分は確かにここにいるはずなのに、ここにいる自分をもう一人の自分が外側から見ているような、行動しなきゃいけないのに、頑張らなきゃいけないのに、どんなに俯瞰した自分が命令しても、動いて欲しいはずの自分は動かなくて、それでは駄目なのに、動けないんです。それが堪らなく苦しいのに、立ち向かえないんです。・・・・・・僕は、勇気を出せないんです。
私の目の前で椅子に座る青年は、長々とそう吐き出したあと、いつしか俯いたまま涙を流していた。
私はそんな彼を見つめながら、彼の内側から漏れ出るような嗚咽を、ただ黙って聞いていた。
泣いたからといって、彼の抱えた生きづらさが解決されるわけではないが、それでも。
それでも今だけは、重くのしかかるような彼の憂いが、少しの間だけでも軽くなればいいと、そう願う。
人は誰しも逃れられない呪縛を背負う。それは仕方のないことだ。それが、人間というものだ。
僕には願うことしかできないけれど。
呪縛は解かれるためにあるのだと、そう信じて、僕は彼と向き合いたい。
【逃れられない呪縛】
『逃れられない呪縛』
ただいま、ダイエット中です。
てか、万年ダイエッター。
でも今回は一粒万倍日からスタートしたし、万全のはず、多分。
自炊をしない自分なので、晩御飯には炒めたモヤシの焼きそばを連日食べております。
つか、米ぐらいは炊けよ〜とかも思うけど。
まあ、モヤシやソバぐらいは炒められるので。
でも!
ウチにはお仏壇があります。
お仏壇と言えば〜!
そう!
お供物が必要。
そして、お供物と言えば〜!
そう!
甘いモノに決まってんじゃんねぇ。
違うの!
違うんです。
私は別に食べたい訳じゃないんですよ。
でも、ほら、何も供えないっていうのも何だし。
そして、私は一人暮らし。
供えたモノは、腐らす訳にもいかないし。
でしょ?
自分の為には甘いモノは買ってこないけど、お下がりモノは仕方無いじゃん。
ということで、これが私の『逃れられない呪縛』でした。
What?
あれは、まだ私が幼い頃の記憶。
親戚の方が亡くなった。すぐ近くにいた親戚。
朝方だったのを憶えている。あまりの出来事がその時は理解できなかったが、その晩は悲しんだ。
葬儀当日。多くの方々が参列しているなか、私は前から三列目の左から5、6番目辺りに座って葬儀を聞いていた。
葬儀が始まって15分は経っていただろう。
足が痺れてきて動けなくなっていた時だ。
葬儀場の左右にある隅のスピーカーから急に
『ABCのうた』が流れ始めた。
私は足の痺れに耐えながら、何故今ここでこの音楽が、と思いながら隣に座っていた弟に顔を向けた。
弟も気がついていたようで二人で顔を見合わせながら笑いを堪えて葬儀を聞いていた。
周りを見回したが、参列している方々はお経に集中しており全く気がついていない様子だった。
必死に笑いを堪えながら痺れた足が治まるまでの時間は長かったような気がした。曖昧だが今でも忘れられない。
葬儀終了後に両親に音楽の事を話したが、耳に入ってきておらず、誰も知らないと。
何故『ABCのうた』だったのかは謎であり、本当に不思議な出来事だったし、不可解だったのは事実である。
テーマ:逃れられない呪縛 #191
恋人になったら逃げられない呪縛にかかったように、
相手に言いたいこと言えなくなってしまうの?
それなら恋人なんていらない。
恋愛なんてしたくない。
そう思う。
我慢して話す、
一緒にいるのが苦痛でしかない相手とは話したくない。
こんな私も年を取ったら、
結婚して、
恋人ができて、
我慢しなくちゃいけないことも増えるのかな。
それならずっと子供のままでいたい。
逃れられない呪縛になんてかかりたくないから。
5/23 お題「逃れられない呪縛」
巻き付いた鎖が重い。
誰に優しくされても、どんなに話を聴くと言われても、一瞥して視線を落とすことしかできない。
なぜ、心はこんなにも不自由なのか。―――そうあることを望んでいる、のだろうか。いつまで経ってももがく気力はない。
巻き付いた鎖が解けない。
あいつを、忘れられない。
(所要時間:15分)
あなたは強いね
そう言われる度、本当は臆病で弱さを見せられないだけの私の心は縮んで、
強がりが上手い仮面だけが丈夫になっていく
きっと最後にはもう、知らない誰か
『逃れられない呪縛』
「逃れられない呪縛」
それは美しくありたいと願う以上
いつの日か
そうではない姿を直視するということ
それは夢を見ている以上
いつの日か
夢は幻でしかないと諦めること
それはあなたを愛している以上
いつの日か
その形が変わるであろうということ
美しく生きようとし
夢を見て努力をし
あなたを一生愛すると誓い
雨上がりの虹に目を輝かせ
銀の満月に微笑みを映し
風に 雲に 花に そしてあなたに
世界が私を愛してくれていると
感謝をし 愛を返しても
生きた証が この惑星(ほし)に
ほしの記憶として残ってくれるよう
心からの祈りを捧げたとしても
いつの日か 誰の元にも平等に
その朝はやってくる
もう決して目覚めない朝が
それは生きている以上
いつの日か
鼓動を呼吸を止める日が来るということ
致死率100パーセントの
逃れられない呪縛
それは決して辛くないものだが
それはいつまでも僕のことを縛り付ける
もう遅かった
どれだけ足掻き、踠いても
助かることはない
*逃れられない呪縛
~逃れられない呪縛~
何をするにしても、あの人の言葉が頭によぎる。
「それは君には似合わないよ」
「どうしてこんな事もできないんだ」
言葉が聞こえてくるたびに、やりたい事も考えられなくなっていく。
自分で選んだ物は何もない。
一人でできる事も何もない。
「言う事を聞いていれば、苦しまずにすむよ」
いつもの苦しめる声で、優しい言葉をかけないで。
こんな夢を見た。
友人の首をロープで後ろからぐるぐるぐるぐる巻きつける行動をとっていた。
もちろん途中で目が覚め、これは夢であることに気づく。
が、ふと思うときがある。
「俺は、周囲や自分が気づいていないだけで、実際は何かとんでもないヘマをやらかしてはいないか?」と。
それ以来、俺は記憶というものに信頼を置けなくなった。
#逃れられない呪縛
『逃れられない呪縛』5/23
手が震える。
この一線を越えてはいけない。
しかし、此処で止まってしまっては
犠牲になった石に顔向け出来ない!
コンビニに行こう。
魔法のカードを、魔法のカードさえあれば!
逃れられない呪縛が私の足を掴んでいる。どれだけはなそうとして足を動かしても離れることがない。前を向けば私がどろどろにとけて倒れている。後ろを振り向けば笑顔で空へと落ちていく貴女が居る。この風景を見て気がついた。貴女を失った私に生きることは苦痛でしかない。一歩また一歩と進んでいくうちに私はどろどろにとけて最後には倒れるのだろう。今ついている呪いは外れることはない。もういっそ、諦めてしまおうか。
逃れられない呪縛__
今日も彼女が僕に呪いをかける。
朝、教室に入ると彼女が「おはよう!」と
元気よく挨拶をしてくれる。
それに僕は「おはよう○○ちゃん」と、
笑顔で返す。
音読の時間、彼女が必死に読み上げる姿を
横目で見ながら僕の口角は少し上がっている。
なんでだろう?他の人が読み上げているのを
見ていてもそうはならないのに。
彼女はすごいパワーを持っているみたい。
僕の目線は彼女を逃さない。
どうしてかな、呪いかのように
僕はずっと彼女の事を眺めている。気持ち悪いかな。
これが恋の呪縛なのかもしれない。
きっと僕は彼女に恋をしている。
そう気付いた頃には僕の心は彼女でいっぱいだった。
今日、僕は彼女に告白をする。
「ずっと好きでした。」
そう一言書いた手紙を彼女に渡すんだ。
頑張るぞー!
放課後、僕は彼女を呼び出し
手紙を渡す。
恥ずかしくて手紙を渡したらすぐに逃げてしまった
情けないなぁ笑
今、僕の心はドキドキしてます。
振られる覚悟で渡したものの、いざとなって
告白の答えがNoだった時僕は
立ち直れない気がする。
キーーッ
頭の中でその音が響いた時僕は
血塗れで倒れていました。
目の前がぼやける、痛い、意識が遠のいていく。
どうやら僕は死んでしまったみたいです。
答え、聞きたかったなぁ。
僕を轢いた人は居眠り運転だったみたい。
彼女が僕が入ってる棺桶の前で泣いています。
僕が彼女に渡した手紙を持って、泣いています。
泣いてくれてるってことは、
答えはYESだったみたいです。
悲しいです。
彼女をこんな泣かせてしまった僕は
男失格かもしれないです。
まだ、生きたかったです。
せめて彼女の答えを彼女の口から聞いてから死にたかった。
神様は意地悪です。
今日、私は彼に告白をしようと思います!!
「△△くん、!あのね!ずっと前から、!」
(僕以外を好きにならないでよ○○ちゃん。)
「あ、ごめん、やっぱりなんでもない。ごめんね!」
何だか彼に告白をしようとすると
彼が気持ち悪く見えます。私異常なのかな、?
僕から逃れられない呪縛。
生きとし生けるものは、誰しも死から逃れられない。
それは果たして不幸だろうか。いや、私にとってはこの上ない幸せだ。
私を待っていてくれる人なんて誰もいない。一心に思って理解してくれる人なんて現れない。それでも死は、私の全てを受け入れ何もかもを支配してくれる。
いつまでも迎えを待っている。あなたが来る日を、ずっとずっと。
勉強、バイト、部活、遊び
毎日毎日予定がいっぱいいっぱい
私の居場所
決められた環境
どこなの
わかんないよ
''ここは一体どこ''
自分で自分の首を締め付ける
少しだけ立ち止まってゆっくり考えて、予定を作ろう
自分で自分を支配しないで
【逃れられない呪縛】#06
逃れられない呪縛
疲れた時には甘いものを食べるといい、という。甘みが疲れた体に染み渡り、うっとり癒される経験をお持ちの方は多いであろう。
あの、甘いものを口に入れた瞬間の幸福感を一度知ってしまったら、そう簡単に逃れることはできない。いやむしろ、囚われてしまったといってもいい。
「……さんざん御託を並べてるけど、要はこれを食べたいってことだよね。そんなに疲れてないのに」
つやつやのイチゴが載ったショートケーキが二切れ、我々の間にはあった。さっき彼女が持ってきた差し入れである。
「疲れてる。とても疲れてるよ!」
「いや、めっちゃ声でかいし、元気だし」
「――今すぐ食べたいです。食べてもいいですか。お願いします、食べさせてください」
「最初から素直にそう言えばいいんだよ。ほら、さっさと食べて勉強しよう」
彼女はプラスチックのフォークを突き出した。
「せっかくのケーキだから、さっさと食べるのはもったいないなあ……」
「試験が終わったら、またケーキ買って、その時ゆっくり食べたらいいんだよ」
クリームの甘さを口いっぱいに感じながら、わたしはこくりと頷いた。
次はチョコレートケーキを、わたしが買ってこよう。
【逃れられない呪縛】
真っ白いキャンバスに、気の向くままに色を重ねていく。今日の気分は紫色の朝焼けだ。海に昇る朝日が薄暗い空を鮮やかに染めていく、息が止まりそうなほどに美しい記憶に色濃く焼きついた風景。
正直、今までに何度筆を投げ出しそうになったかわからない。見えない視界で絵を描き続けるなんてできるわけないと、心が折れそうになったこともあった。だけど。
『ねえ、君。いつか個展を開いてよ。私、君の絵のファンになっちゃった』
ある日突然病気で視力を失って、それまで当たり前に見えていたものが見えなくなって。もうこれを最初で最後にしようと、ほとんど泣きながら病院の庭で筆を走らせた。身体は筆使いを覚えているのに、自分の描く絵の全貌がわからない。その事実に打ちのめされながらもどうにか完成した絵画を見て、朗らかな声をかけてくれた人がいた。
約束だよと澄んだ音色で囁いたその人は、今はもうどこにもいない。鼻をつくような消毒液の匂いを纏った顔も知らない彼女は、花々の香りが強くなる穏やかな春の日に、彼岸へと旅立っていった。
筆を置こうとすると、いつも彼女の声がする。だから僕はこうして今でも、必死に絵筆を握り続けてこの場所に踏み留まっている。
貴女がファンだと言ってくれたから、僕は絵から逃げ出すことができなくなってしまったんだよ。なのに責任も取らずにいなくなるなんて、あまりにも狡すぎないかな。
逃れることのできない祝福(のろい)の言葉を遺して去って逝った貴女へと、何度目になるかもわからない永遠に届くことのない恨み言を心の中で呟いて、僕はただ絵筆を走らせた。