『逃れられない呪縛』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼に心を奪われてから
私の心は彼に雁字搦め
四六時中、頭から離れない
鳥かごの中の鳥みたい
彼に心を奪われてから
私の目は無意識に
彼を追い、彼を探す
誰かの瞳に映る彼を想像して
勝手にショックを受ける……
彼と同性の友達にすら嫉妬する
彼に心を奪われてから
私の耳は
彼の声に反応してしまう
街の雑踏にまみれても
彼の声だけを拾うマイクみたいに
彼に心を奪われてから
私の頭の中は
彼のことでいっぱい
些細なことで
妄想は発動するし
ドキドキ忙しくなる
胸も苦しくなるし
ご飯が喉を通らなくなる時だってある……
これらは全て
好きになったら発動する呪縛──
(2023.05.23/逃れられない呪縛)
逃れられない呪縛。
それはきっと、自分で自分にかけたもの。
かけたはずの自分さえ気づかないくらい、
すごく自然に、巧妙に縛られている。
日に日に少しずつキツくなるその呪縛。
それなのに、それを自分の信念だと履き違えて、
自分で自分をさらに縛り続ける。
自分で自分にかけたことさえ気づかないのに、
ましてや呪縛から逃れるなんて想像つくはずがない。
私は今もきっと逃れられない呪縛の中に生きている。
十種影法術があるのも
無下限術式があるのも
俺が術式に恵まれてるのはよく解る
でも
最悪なことが起こった
それは
宿儺の血が刻まれているということ
これは呪縛と言っても過言ではない
それと、宿儺の血が刻まれているということは呪霊にも少し近いということだ
でも
母親と父親はそんなのに関係ないと思うし
姉ちゃんだって関係ない
なんで
おれは
こんなにも
呪われているんだ
力が欲しかった。
誰からも一目置かれ、畏敬される騎士になりたかった。
たとえ、闇に堕ちてでも。
だから俺は闇を眷属に従えた。人の心を喰らう魔物。一度取り込めば後戻りできないことなど全く意に介さなかった。俺なら使いこなせるという自負があった。
強烈な一撃を喰らって臓腑に熱が迸る。
地面に強かに打ち付けられると、激痛に意識が飛びかけた。もう顔を上げることすらできなかった。
「二度と俺の前に立つな」
遠ざかる足音。俺はなすすべなく夜の空を見ていた。
埋まらない力の差。歴然たる実力差。まるで敵わない。勝てる気がしない。
俺は、間違っていたのか。
そんな疑問がよぎって体が砕けそうになる。
視線を下げると、闇に侵蝕された右半身があった。
あの時の自分が下した、決意の呪縛。
じわじわと蝕む呪いがすぐそこまで来ている。
もう逃げることはできない。
俺は血の涙を流し、やがて意識を失った。
「本当にお前はかわいくない」
「女らしくないねえ」
「もうちょっと娘らしくしなさいよ」
シャーロットが目を開けると、そこはいつもの部屋だった。ここ数カ月、住み込みで働いている食堂の二階にある部屋である。
「久しぶりに見たな」
それはシャーロットの故郷の夢だった。女性にしては背が高く体格も良いシャーロットはいつもそんな風に父と母から溜息を吐かれていた。
そこから連れだしてくれたのは旅の仲間で、今は別々に過ごしているけれどシャーロットにとっては大事な大事な恩人だ。
そして同じように大事な人たちがいた。食堂の店主であるアリス・ケリーと同じく住み込みで働くカイ、そして店の経理を担うフィン。
三人も旅の仲間と同じようにシャルロットを大事にしてくれる。女なのにとか、かわいくないとか、そんなことは絶対に言わない。
「シャーロットは働き者ね」
「もう終わった? 仕事が早いなあ」
「僕も一緒に鍛えさせてよ」
そんな風にシャーロットは受け入れられていて、ややもすればドライにもみえるけど、湿っぽい田舎に辟易していた彼女にはそれが心地よかった。
そんな中で見た夢は不愉快でしかなかったが、シャーロットは首を振って忘れることにする。
呪縛はそう簡単には解けない。けれど折り合いをつけていくことはできる。
それを彼女は身を持って知っているから、大丈夫。
貝殻は海の聲を聞いていなければならない
波と戯れていようが
水底で眠っていようが
静かな場所などどこにもないのだ
貝殻は嫌気を起こしてカルサイトとなり
海の旅人たちを導く羅針盤となった
それでも海の聲は聞こえる
永久に。
#逃れられない呪縛
君がお腹に宿ったのを知った時
ママは君に出会うために生まれてきたんだと
本気でそう感じました
人間として未熟な私のお腹に
小さな君がきてくれたこと
本当に本当に嬉しいのです
私にできる精一杯で君を幸せにしたい
君を護りたい
そしていつか
君がママから離れる日が来たとき
ちゃんと手を離して
君の幸せを信じて見守れる親になれるように
そう願ってやまないのです
僕はいつも自由を求めて、
焦って、空回って、
自分の限界に気づかず、
自分で自分の首を絞める。
〝自由〟という名の
〝自分〟という名の
逃れられない呪縛に
かかっているのかもしれない。
【逃れられない呪縛】
#28
ファンタジー。勇者と魔王。500字。
暖かな呪縛
山間の小さな村に奴はいた。
「お久しぶりです。あの後、王国に帰って王女と結婚するはずが行方不明になったと聞きましたが」
「お前を討ち漏らしたことに気が付いたからな」
王国を混乱に陥れた魔王が、こんな辺境で学校の先生をしていたとは。
「貴方の剣は間違いなく私の急所を貫きましたよ。崖から落ちて、この村に流れ着き、村人の手厚い看護を受けなければ死んでいました」
奴がポットを傾け、カップにお茶を注ぐ。
「それで……ここで魔王軍の復活を企んでいるのか?」
「そう見えますか?」
俺に一つカップを渡し、もう一つを啜る。
「まあ、反省したといっても信じられないですよね」
「先生!」
子供達が教室に入ってくる。
「先生、あのね、あのね」
「ねぇ、先生!」
「先生達だけお茶飲んでずるい!」
子供達が奴を囲む。
「私はここから逃げません。始末するなら、この子達のいないところでお願いします」
小さな声で頼んだ奴を、彼等はきょとんと見上げた。
「先生、始末ってなあに?」
「裏の枯れ木が危ないから切ってくれと頼まれたのだよ」
茶を飲み干して俺は立ち上がった。
「僕も手伝う!」
「私も!」
確かに、この呪縛からはもう逃れられないだろう。
「ありがとうございます」
お題「逃れられない呪縛」
お題
『逃れなれない呪縛』
好きすぎる
あの人が好きすぎる
もう誰も好きになれないよ
これが青春の1番の呪いなのかもしれない
1度限りの呪いだね。
何度離れてもだめ
何度触れてもだめ
何度消し去ってもダメ
日を置いてもダメ
何をしてもダメ
あー辛い
見られたらやばい
引かれたくない
誰かを頼りたいけど
頼ったらやばい
なんでこんなことしちゃったんだろ
「エロい広告に釣られて広告タップしなきゃ良かった、、」
みんなウイルスには気をつけようね!
逃れられない呪縛!?
・正直、このタイミングでこのお題が出るのは驚いた。
昨日、まさしく呪いとエクソシストに関する特集をテレビでやってたからだ。数十年間苦しめられて、エクソシストによりようやく解放された人の話を聞いたときは衝撃的だった。非科学的なものである呪いは、本当に存在するのか、と。
非科学的なものとはいえ、今の科学は発展途上なので解明できていない現象は多々あるだろう。呪いもまた、科学で未だ解明されていない現象の一つだ。
・とはいえ、どれだけ科学が進歩しても解明できないものも、恐らくあると思う。
言霊は、解明できないのではないだろうか。言ったことが現実になったり、周りに影響を与えたりする不思議な力。言葉自身に力があるのは勿論だが、それを唱える皆にも力があり、操れるのだ。
・とある人は言った。神様はいるし、悪魔もいる。ただ、それを創ったのは人間だと。
八百万の神様も人間が考えたもので、神々は与えられた役割を果たしている。
悪魔もまた人間が考えたもので、同じように与えられた役割を果たしている。
悪い偶像を創造すると創造者自らの首を絞めることになるため、悪魔という存在を考え出すなと、その人は怒っていた。
・そういう意味でも、呪いを創造し、唱えるのはやめるべきだ。その力が災いし、結局は創造し唱えた者を束縛してしまうから。逃れられない呪縛に掛けられたくなければ、最初っから呪いという言葉や存在を創造しないことだ。
お題 「逃れられない呪縛」
私はスパイ。
今は敵のアジトに潜入してるの。
でも、もう用が無くなったから潰した。
その組織は呪術という怪しい術に手を染めていたけど、関係無い。
最後に「お前を呪ってやる!」とか言ってたけど、どうでもいいよね。
でも、そこから私の人生は変わった。
任務は失敗ばかりで、とうとうそういう仕事も掛け持ちし始めた。
そして、変な幽霊も見え始めた。
「呪ってやるぅ~!呪ってやるぞぉ~!!」ってずっと言ってる。
始めは無視してたけど、あいつだと信じざるを得ない事件が起きた。
私、事故にあったの。
あいつと同じふうに、爆弾で。
背骨を折っただけで済んだけど、体を動かせなくなったの。
病室で天井を見てるとあいつが話かけてきた。
「お前も道連れだぁ~!」とね。
その後、私は死んでしまったの。
「逃れられない呪縛」
ふとした瞬間によぎるあなたの顔。そのせいで、新しい恋に踏み込みきれないの。10年近く一緒にいて、すれ違った日もあるけど、いつも最初に思い出すのはあなたの笑顔。長い間溜め込んだこの気持ちを伝えたこともあったけど、のらりくらりはぐらかされて、ちゃんとした答えはもらえないまま、違う道を歩み始めて数ヶ月。
新しい場所で心惹かれる人に出会えた気もするけど、いつもいつもふとした瞬間によぎるのはあなたの顔。
もう私はどうしたらいいのか分からないの。あなたのことがまだ好きなのかも、心惹かれる人を好きになったのかも、そんなことすら見失ってしまったのよ。
ただ、ひとつだけ分かっていること。それは、あなたが私の「大切な人」だってことだけ。その思いがあるから、あなたのことが忘れられないまま、この気持ちを抱えたまま日々を歩むの。
逃れられない呪縛。と聞くとホラー思い出すな。
ホラーとかミステリー好きなんだよね。
今もカバンにホラー短編小説を従えてる。
ところで呪縛って聞くと自分は、本人の心の様子を思い浮かべる。
呪縛って言葉怖い響きだけど、実際
目に見えるもの見えないもの、大小様々な呪縛に囚われてると思うぞ。正直なところ。
可視化したら、すごい数のアクセサリーを身につけてる人みたいな。
調子が悪いと重い金属の重りとか、ついてそう。心が視野狭窄の時なんか、そう言ったものでダルマになってそう
逆に言えば気分の波によって、軽くなってそう。
あまり重いとだんだん辛くなってくるから、気づいたら自ら取り外せるようにしたいものだ。
それこそアクセサリー感覚に思えるようになったら、呪縛から解き放たれるかも。
逃れられない呪縛
なんでなんだろう
こんなくだらないことで
眠れない夜を過ごす
物語の終わり
エンドロールが流れてる
ここにある思いを
すべて残して
時が過ぎるを待つ残酷
午前2時の呻き声
沈黙のノイズが襲う
夜空の色の風
顔を上げる理由には
ならないままに
風に乗る術を知らず
逃れられない沈黙
罪のようにのしかかる
呪縛のように
囚われ続ける心
【逃れられない呪縛】
砂時計が、いつまで経っても落ち切らない。
まるで、永遠と今をループしているみたいだ。
何度も、何度も見た光景。
いつになったら抜け出せるんだろうか。
わたしを縛り付けて逃してはくれない。
償っても、償っても償い切れない。
ぜんぶ、わたしに覆いかぶさっている。
全身が重くて、重くて、鉛みたいで。
もう、赦してよ。
私はあいつがここまで恐ろしい人間だと思わなかった。過去の自分が聞いたらそんなわけ、と呆れて話の続きを聞こうとしないだろう。これほどまでにあの頃に戻りたいと願ったことは無い。しかし、悔やんでも時間は戻りもしないんだから私はアイツの言いなりになるしかないのかもしれない。今はただアイツの怒りをかわずに過ごすことだけを考えよう。それが最善の選択だと言い聞かせ今日も淡々と過ごす。
標準偏差以内の人生
表情殺して腐った品性
気づけばまた。只々過ぎ行く日々
黒く澱んだ水槽にうつるのは微笑だった
私は
『ジャックポットサッドガール』
メッセージを開いた途端、私は呪いにかかった。
早くしろ!早くしろ!
重い空気に追い詰められて、どんどん心拍数が上がっていく。
何食わぬ顔をしてつくろってもその呪縛からは
逃れることはできない。
けれど、私はまだ逃げるしかない。まだその時は来ていない。
返したくても返せないんだ!
そんな状況を分かって!あとで必ずさせてくれ!
長時間の既読スルーの言い訳を、、、
「逃れられない呪縛」