『距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
距離
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.12.2 藍
なぜと思う程距離ができるのだろうか
人はどうして人の幸せを認めて挙げられないのか
例えばそれが家族であってもだ
人の幸せを壊すぐらいの不幸にするなら
壊して不幸にした人も距離をとるべきだ。
空に帰ってた父親は言って言っていた
私もそう思うだって恋愛も仕事も自由なのだから
離れて。距離をとることをさみしい、と思ってしまうのだから、まだこの生活は肌に馴染んでいないんでしょう。一人で生きられる者同士でなければ二人で生きられない、なんて宣ったまま冬になりました。手が悴んで、凍えてしまう。手編みのマフラーは時間を手渡すのと一緒ですね。首のところが重たい。これに締められて、極楽浄土へゆきたいです。
指先の温度がしなくなってから屋根の中に入るのが怖いですか。痛みよりも痒みのほうが耐え難いらしいじゃありませんか。手が真っ赤になってしまっていますね。我慢した分だけ我慢できなくなっていくとしたら、って考えたことがありますか。ロールプレイング・ゲームを信じ込んだらいけませんよ。人は擦り減る生き物ですから。本当は、距離を置くべきだと思いますよ。
『傑なんて嫌いだ…!』
ついカッとなって思いもしないことが口から滑り落ちた。
俺…今なんて…?
サーッと血の気が引いて頭も体も冷静になっていく。
傑はとても驚いたような顔をした後、どんどん目が虚になっていき、最後に、はぁ…と小さくため息をついて俺の手を離した。
『傑っ…あの…』
俺は慌てて取り繕ったが、それが傑の耳に届く前に
傑は座っていたベッドからすっと立ち上がり何も言わずに部屋を後にしてしまった。
地下迷宮四階層『光源洞窟』
「どーすんの、これ」
「どうしようね、これ」
パラパラと舞い落ちる埃に、不自然に形を取り戻していく天井を二人で呆然と見つめる。
強制的に一階層下に落とされる超古典的な罠、落とし穴に引っかかったのである。二人して。
そろそろ昼食を、と焚き火の用意をしていた仲間には当然申し訳が立たないが、今はまず合流することを考える方が先決だろう。
そこで問題となるのが、階層の行き来を阻む外敵種である。しかも三階層と四階層を塞ぐ敵は、相性の悪い事に能力低下耐性を持ち合わせている。
過去の戦闘でも、特に足でまといだったのを覚えている。
「取り敢えず、階層付近まで行こう。戦うかはそこで決める」
地図を広げて、その場へ向かう。それほど遠くもない距離が、今は異常に遠く感じた。
「距離」
あなたとの微妙な距離感
このままでもいいと思っても
もっと距離を縮めたい
自分でもどうしたいか分からなくて、ずっといまのまま
結局、いまのまま、キレイなまま
が、1番しあわせなのかもしれない
近いような遠いような、あなたとの距離
きっとあなたにとって私は特別
でも恋愛とは違うのかもしれない
考えても仕方がないことを
悶々とずっと、考えている
今日も銀杏の蝶々が降る公園に自転車を停める
2人で並んで座ったベンチの約30センチメートル
縮めてもいいのかどうなのか
そこのところ、早く教えてよ
『距離』
#118 距離
図書館をぶらぶらしていると、
第1巻の無いシリーズ物が、やたらと目につく。
付き合い始めたのが8月。
それから3ヶ月ほどで、
翌年4月から遠距離恋愛になることが決定した。
理由は、私の就職。夢を叶えるため地元を離れることにしたのだ。
「月に一回小旅行に行けるようなもんだね」
年上で既に社会人をやっていた彼の前向きな言葉が、私の背中を押してくれた。
じっと見ていたら、
そんなことを思い出した。
この本たちは、どのくらいの間を遠距離で過ごしているんだろうか。
少しだけ 足をのばして なんとか市
月旅行にも 匹敵するの
「おじさ……」
吐息も、鼓動もはっきり聞こえる。
腕の中にぎゅうと収められ、息が止まりそう。急にどうしたのか、と聞きたいが心当たりがないわけでもない。
「すまない、急に」
腕の力が緩められた。顔を上げ、彼の顔を見てみる。いつもの涼やかな顔ではなく、色気を滲ませる大人の顔をしていた。横に流して固めていた髪も、降ろしている。
「お前が卒業するまでは、線引きをすると決めていた。だから、今日までは我慢していたんだ」
隣に座ることはあっても、触れることはしてこなかった。そういうことだったのか。
「けど、もういいだろう。お前に寂しい思いをさせてしまったし、私もそろそろ我慢の限界だ」
軽々と抱え上げられ、行き着く先は彼の部屋。捲りあげられた服からは、筋肉質な体が見えた。
着崩して、開けてる首筋に目が行く。
「そう見られると……恥ずかしいが、お前なら良いか。それにしても、本当に綺麗な顔だ」
目を逸らそうとしたが、彼はそうさせてくれなかった。端正な顔立ちに迫られ、私は目を閉じて身を竦ませるしかできない。
首筋に熱い空気を感じた。
「それに温かくて、気持ちが良い。このまま一緒に……な」
『熱を分け合う』
「距離」2023/12/02
今回のテーマ「距離」
惹かれていると自覚した。想ってしまった。
長年の親友なのに。過去も目標も共有した、大切な仲なのに。信頼の厚さをこんなにも悔やむことがあるなんて、思わなかった。貴方を裏切るのが怖かった。
なんでもないように過ごそう。
変わらずに接してくる貴方を止めるのは、不自然だから。
触れられて嬉しいとか、もっと一緒にいたいとか、思わず顔がにやけそうになっても、ちゃんと平然としていよう。そういうのは私、得意なはずでしょう?
「ねぇ、なんか最近へんじゃない?」
「何がです?」
「何かとかじゃなくて…違和感があるというか…」
こちらをのぞきこんでくる、端正な顔立ちが恨めしい。
くそ、かっこいいな。見つめるな。好きだから。
「はぁ、貴方が分からないんじゃ私も分かりませんけど…?」
「んー」
気をつけてるつもりなのに、もうバレたかな。
もっとうまく隠さなきゃ、貴方に勘づかれてしまう。
どんな風に一緒にいたっけ?相づちのタイミングは?歩く時の速さは?考えろ、考えろ、私、できるから。
あぁ、あれだけ気楽に隣にいたのに。
今ではこんなにも、貴方との距離が難しい。
#69 距離
触れようとしたら
急に遠ざかっていく気がして
怖かった
「テレビを見るときは、部屋を明るくして離れてみてね」
「え、うん」
彼女が突然俺の隣に座り、声をかけてくる。
「基本的に、寝る時以外は明るくする方がいいの」
「そうだね」
「それにね、何事にも適切な距離っていうのがあるの」
「うん」
急に饒舌になった彼女に相槌を打つ。
「もちろん、距離を離してはいけ無いときもある」
「今みたいに?」
「そう」
俺の問いに、彼女は間髪を入れず答える。
そんな彼女の様子を見て、オレの心に悪魔がささやく。
ちょっと彼女に少し意地悪をしてみる
「でもさ、こういうときって暗いほうが雰囲気でないか?」
「!」
彼女が、お前マジか、という顔をする。
「それにさ。距離だって近すぎたら集中できないだろ」
「…集中できなくてもいい」
彼女が、唇を尖らせて拗ねる。
「駄目だよ。集中出来ないなら距離を取るよ」
「くっ。痛い所を…」
「でどうする?」
「集中するから、このまま」
そう言って彼女は俺の腕にしがみつく。
「じゃあそろそろ…」
それを聞いて彼女はビクッとする。
「どうしても見なきゃ駄目?」
「駄目です。罰ゲームなんだから。さて、電気を消すか」
「それは絶対にさせない」
彼女はしがみついている腕に、さらに力を込める
どうやら電気を消すのは諦めた方がいいらしい。
「分かった。じゃあ明るいままで」
彼女は、当然だ、と言わんばかりの顔で頷く
「じゃあ再生するぞ」
そう言って、俺はデッキに入ったDVDを再生する。
そして本編が始まり、彼女は恐怖に顔を歪ませる。
そう、俺たちが見ているのはホラーである。
そして彼女はホラーが大の苦手。
話が進むにつれ、俺の腕がどんどん締まっていく。
終わる頃には俺の胸に顔を埋めていた
もはや見ていないのだが、指摘するのは酷と言うものであろう。
「終わった?」
「終わったよ」
そう言って彼女を抱きしめる
俺たち二人にとって、いつもの風景。
世間の恋人たちもそうしているであろう、ありふれた光景。
俺たちは毎日、様々な試練を乗り越えて、心の距離を近づけていくのだ
距離
──『距離』が重要だ。
私はそう考えた。
いま目に見えている敵は、本体ではない。おそらく、一定の射程範囲内に侵入したものを自動的に迎撃するシステムのようなものだ。射程に入らない距離を保ちながら、通路を突破しなければならない。
奴は当然、通路の出口を塞ぐ形で鎮座している。出口から引き剥がすには……囮が必要だ。
私は奴に始末されたのであろう、打ち捨てられていた死体に術を掛けた。奴に向かって真っ直ぐ歩かせる。反応は……ない。
死体には反応しないのか。確かに奴の足元にはいくつもの死体が転がっているが……単に動くものに反応するのではなく、生きているか死んでいるか判断できるのか。……いや。
私は死体を一度戻らせ、火をつけた。肉の焦げる酷い臭いが通路に立ちこめる。私が再び術をかけると、死体は頭から煙を上げながらのたのたと敵に向かっていった。
生き物か否かを判断するのに手っ取り早い方法の一つは体温の有無を確かめることだろう。果たして、当たりだった。敵は燃える死体に光線を放ち、死体は吹っ飛んだ。まだ火のついている死体の破片を追って動き始める。
私は更にもう一体、死体を燃やし、出口と反対側に向かわせた。死体の破片を追っていた敵の射程圏内にもう一体の死体が入ると、敵は更にその死体を追って攻撃を続ける。
死体が充分に敵の距離を稼いだことを確認し、私は素早く通路を抜けた。扉を閉めると、ひやりとした空気に包まれる。
私は呼吸を整え、さらに続く道を睨んだ。本体との対決が迫っている。
君との距離は毎日毎日遠くなってゆく。
近場じゃないから会えないし、
君は夜勤だから寝落ち電話も出来ない。
君との距離は毎秒離れてゆくばかり。
遠くなっていく君を追いかけることも出来ない。
近くに居たい。でも出来ない。
君とは離れたくない。でも行けない。
だって、君の居場所は―
誰にも分からないから。
119テーマ【距離】
ずっと気になってたけど、
書くタイミングがなかったので、
今書きました。結構いいのになったつもり。
居間に、夏に出す机は長方形で大きい。広く使えて便利だけど、対面との距離があってちょっと不便。
その点、冬に使うコタツは正方形で、コンパクトにまとまっている。
どことも距離が同じだ。
どんな関係性であっても
距離感は大事にしたい
近すぎず、遠すぎず
ただ
感情が入ってしまうと
そうもいかない
好意を持ってしまえば
もっと、もっと、と
近づいてしまう
後悔した時はもう遅く
人生
そんなことの
繰り返し
果てしなく離れている、
でもそばにいる。
毎日、距離をなくしていけたらいい、
切れない糸がきっと見えるようになるから。
#距離
近づいてみないと分からないこともある。
怖いから、知らないから、不安だから、傷つきたくないから。いろんな理由を盾にして、大切な自分のこころを守ってきた。
私を脅かすものからは、離れて、全力で逃げて、「どうせまた」と決めつけて、そうやって守ってきたの。
繊細で、敏感な、脆いこころには、
愛が眩しすぎて、離れたくなる。
愛されたいのに、愛されることを恐れて、
愛されない、愛されないって泣いてるの。
優しい手も、暖かな温もりも、慈しむ愛も、たしかにあるのに。
自分を守っていた盾は、いつしか自分を傷つけるための矛になっていたね。
遠ざかるほどに孤独は感じるけれど、近づいたから感じる暖かさもある。
近づくほどに目を瞑りたい光もあるし、遠く離れるほどに見える星もある。
どの距離が一番いい心地よいのか分からなくて、
分からないまま、振り子みたいに行ったり来たり。
私が見えて、貴方を感じられる距離が、きっと私たちを大切にできる距離感だよね。
距離
我是個不祥的存在。
圍繞在我身邊的只有一切黑暗與詛咒。
我猜這是天生的,有點類似體質吧。
所有靠過來的人都會遭受不幸。
我最無法忘卻的,
是當年穿越馬路向我奔來的你。
行人綠燈亮著,那輛車卻飛快的駛了過來,
然後,你走了。
那是意外,或許吧,
錯在駕駛者而不是我,或許吧。
可是如果當時站在那裡的不是我,
如果你奔向的人不是我,
那輛車是不是就不會衝過來了?
離我太近會遭遇不幸的,
要是我早點對你這麼說就好了。