距離をゼロにする魔法効果のあるネット社会。
とある小説投稿サイトを利用しているわけなのだが、そこでは閲覧数は見えない仕組みを取っている。
最近、インプレッション数とか、閲覧数とか。
そういった意味のない数字に夢中になっているネズミが多いと聴く。
僕もそのネズミになりかけて精神が不安定になったので、「もう一人にしてくれ」と、閲覧数が非表示なサイトに引っ越して、淡水湖みたいな海辺でゆったりとしている。
……はずだった。
最近、というよりか数年前からか。
今どきの小中学生は、デジタル教科書に切り替わったことで、学タブというものを持ち始めた。
知らない人がいるかも知れないから書くけど、学生用タブレットのことである。
僕もよくは知らないが、たぶんデジタルだからアプリみたいに教科書を切り替えることができるのだろう。まさに「指一本で自由に」というやつだ。
だからだろうか、学タブの操作者にもそれが表れる感じになってきた。粗暴というか、遠慮を知らないというか。
学タブの略称が学生用タブレットなのか、学校用タブレットなのか、よくわからないが、ほとんど混同してミキサーにでもかけられたように、目的意識が凝固化せずに溶解してしまっている。
いつしか普通のネットの海に航海を始め、学タブは無料体験の境界線を越えて沖合にまで勢力を拡大中。
わりと海賊みたいな船乗り気取り。
無人島暮らしでゆっくりしていた僕目線では「目障り」だと思えてしまうくらいだ。
有名マンガのように、何を勘違いしたのか、世界一周することが夢であると豪語している。
国としては野放しとなっており、無法地帯や野放図になりつつある。
小説投稿サイトを「SNS」と言い始め、チャットサイトのように使い始めて僕は目を覆いたくなる。
バカとハサミは使いようというが、バカはハサミというものを知らない。指一本で二次元を操作できるからだ。
彼らに小説などというものは書けない。
読書感想文もまともに書けず、ト書きレベルを小説という始末。
本当に少子化なのか? と、疑問になる。
単純化思考になってしまうところだった。
ネットの海は広大で、距離感がつかめない。
きっとネットの海で暴れている学生たちは一部なのだと思いたい。
SNSで時間を溶かしている連中も、大人の層からいえば、3%位しかコメントしないらしい。あとの97%は読み専なのである。
だって、仕事で1日の1/3を持ってかれ、睡眠時間で1/3を持ってかれ、あとの時間はプライオリティなプライベートなやり取り。僕はYouTubeの動画を見てたらあっという間に就寝時間。
SNSでバトルをするような、時間を捨てることはしない。
まずは音から汚染されるのだ。
今見ているネット上の光景も、音から。
名残惜しそうに耳栓をし、あるいはワイヤレスイヤホンをして、シャットダウン。
12/2/2024, 9:56:28 AM