『赤い糸』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
赤い糸
「俺、彼女出来たんだ」
「……部活のマネージャーの子?」
「うん、そう」
そっか、それなら良かった……。
「おめでとう」
俺はホッとして、そう言えた。
「うん、ありがとう」
目の前の彼は幸せそうに笑うけど。
俺は知っている。
その幸せが長く続かないことを。
俺には、運命の赤い糸が見える。
自分のも見えるし、彼のも見えていて。
俺のも彼のも、誰に繋がっているのか、その先はわからないけれど。
でも、少なくとも。
最近付き合い始めたという、マネージャーの子と彼の赤い糸が結ばれていないことは、見えていて知っている。
そして、俺と彼の糸が繋がっていないこともわかってる。
もし、彼の糸と繋がった運命の相手が現れて。
彼に幸せそうに紹介されたとしたら……。
俺はその時も笑って、おめでとうと言えるのかな。
俺に運命の赤い糸が見えるだけじゃなく……切ることも出来るとしたなら、俺は。
彼と結ばれた、運命の相手の糸を引きちぎってしまいそうで怖いんだ。
それで、彼が幸せになれなくても。
俺と彼が絶対に結ばれないとわかっていても。
俺は君を愛しているんだ。
こんな身勝手な俺にも、赤い糸が繋がった運命の相手は、ちゃんといるのだろうか。
だとしたら、どうか。
早く現れてほしい。
俺が、彼の幸せを断ち切る、なんて愚かな罪を犯してしまう前に。
End
運命。そう言う事を考えてしまう言葉、赤い糸。
切ってもきれない親子関係とかとはまた違う宿命のようなものなのかも。
片思いの人。なかなか相手に思いが伝わらないもどかしい気持ち。ある時、ふと手が触れたとか目があったとか意図していない偶然にこれこそが赤い糸で、きっと私たち通じてる。そう思ってしまう。
赤い糸がもたらした数々の奇跡で、恋人になったり家族になったり。赤い糸。素敵な響き。良いね!
赤い糸のワードでうかんだのは、縁と言う言葉
赤は、血を連想する 糸で繋がれているご縁
深い結びを感じる
「赤い糸」
赤い糸。
私達は、恋人同士。
私は、君と赤い糸で繋がっている。
それがすごくうれしい。
ああ、まさか君があの時の娘だったなんて。僕たちは運命だ
額の傷を見て放たれた一言に、
体中に憎悪が駆け巡った
赤い縄が繋がった相手が、貧しく貧相な娘と知って殺そうとした相手によくもぬけぬけと運命などと
でも確かにこれは運命か
再びこの男に巡り会えたのだから
忘れない
忘れられない
あの頃の恨み
この赤い縄をおまえの首に巻きつけてあげる
『赤い糸』
目には見えない赤い糸。
見れたら幸せになると思う?
赤い糸が見えていないからこそ
赤い糸で繋がれた相手にで会う時
今までよりもっと幸せになれるんだろうね。
─────『赤い糸』
赤い糸と聞いて
すぐに特別なものを連想するのは
よほど大事と刷り込まれてきたのか
人が生まれながらにもつ感覚なのか
誰かとの特別なつながりは
生きるための力なのかもしれない
No.45『赤い糸』
私とあなたは赤い糸で結ばれてはいないのかもしれない。
だってあなたとの間には幾つもの障壁が立ち塞がっているから。
でも、私はあなたと結ばれたい。
だから私は立ち塞がる全ての障壁を壊して、あなたの薬指に赤い糸を結びに行ってみせる。
どうかその時は私を迎え入れてね。
【赤い糸】
今にも消える
か細い線を
辿ってみたら
導火線
赤い糸…
魂の伴侶へ繋がる赤い糸 あなたへの糸は何色 リリー
リリー(猫)へ
赤い糸
天から地獄へ降ろされた糸は罪を犯しながらも、たった一度、小さな蜘蛛を踏み潰さずに見逃した事によるものだった。でも、後から登ってきた罪人に憐れみをかけなかった為に手元からブツリと切れてまた果てしない罪への呵責を受ける事になった。
運命の赤い糸というのは近いものかあるのではないか?
我欲にまみれれば糸は手繰れない。いや、手繰り寄せた糸の先にあるものを自己都合で放棄したり、無理矢理他の人へ回したりする。違う!これは私の理想ではない。
まったく自分の現状を理解していないか、とてつもなく高い理想と意志があるのか。
どうしても関わらなくてはいけない時は何度拒絶してもやってくる。これは?次へのステップと思うべきか?
それを赤い糸と認めた時はもれなく試練つきか?
待てよ。赤い糸ってそういうオプションつき?
きっついオプション選んだら生まれ変わらなくてもいいとかあるのか?自覚しないように生まれる時にしているとしたら、正しく生きているのかわからなくなる。
神様の視点は違う。荒療治されないとわからないなら
まとめてドンとくる。
この場合は人類の集合意識が引いた赤い糸の結果で
綿密に組まれた計画の一環かもしれない。
その中で個人が赤い糸引くって複雑。
もう理解できる範囲じゃない。
赤い糸
赤い糸。運命で結ばれている。
よく言われること。でも、赤い糸は見えない。
見えたらわかりやすいのに。
赤い糸
想像出来るのは、
『恋人』だろうか?
私は、運命そのものが
赤い糸で繋がっていると思う。
あなたの中に流れている
『赤い血液』こそが赤い糸だと私は思う。
赤い糸
学生の時から使っている鞄。ところどころ傷みはあるが、まだまだ十分使える。大事な相棒だ。
朝。ファスナーを開いて準備する。
万年筆。手帳。ハンカチ。
水筒。文庫本。
ナイフ、はいらないな。
涙、も置いていこう。
鞄を閉じ靴を履いた。
今度こそ、赤い糸を見つけられるようにと願いながら扉を開く。
ナイフなんかじゃなく、自分の手でまやかしの糸を切り裂いて。
大丈夫。自分ならできる。
涙は置いてきた。もう見間違えることはない。
一本じゃなかった
切れたらまた見つかるし
なけりゃ自分でつけたらいいよ
赤い糸で編むミサンガが私は大好き
色んな赤で編むのがいい
真紅とか紅葉とか茜もいいね
いろんな色で編んで絶対にちぎれないように
大切にするの
1本1本が一人一人に見えて
ミサンガが出来上がった時私はそれを見て
皆が皆を支えている様で
とても幸せな気持ちになる
見えないけど、きっと繋がってる。じゃなきゃこんなに目が合うことないって。
でもいつになったら伝えてきてくれるのかな。こっちはいつでもオッケーなのに。何をそんなにためらってるんだか。奥手なのは分かるけどさ、こんなに毎日見つめ合ってるんだから、そろそろ、良くない?
「あの、乃上さん」
きた。とある日の休み時間。私の席の前に一人の男子生徒が立った。もう、いつ来るのかって首を長くして待ってたわよ。長くしすぎてキリンになるとこだった、なんちゃって。
「はい?」
白々しく声を作って私は返事をする。ちょっとだけ困ったような顔をして私のことを見つめてくる彼。さあ、言いなさいよ。私のことが前から好きだった。付き合ってください、って、その手をこっちに差し出してくれればあなたの役目は終了よ。あとは私がその手を握るだけ。そんな展開になるんだと信じて疑わなかった。なのに。
「一之瀬さんのことで相談があるんだけど」
「……は?」
「ほら、君といつも一緒に帰ってる子だよ」
「うん、それはわかるよ。わかるけど……なんで」
言葉を切った私に、彼は半歩歩み寄る。私達の間には机があるけど、すごく近い。彼は身を屈ませ、そして私の耳元に顔を近づけてきた。ちょっと何する気――
「好きなんだ」
「……うん」
「一之瀬さんのことが」
「…………………………は」
最後の言葉で一気に冷めた。沈黙すること数十秒。大きな深呼吸をひとつした。なるほどそーゆうこと。目が覚めて、全部理解して、私は史上最強の勘違い女だと気付いた時、彼の手を掴んでいた。
「え、なにどうしたの」
「小指、折っていい?」
「え?はっ、え?」
「……なーんてね」
糸は見えないから、もし万が一この人の赤い糸が私に絡まってちゃまずいと思ったけど。まかり間違ってもそんなことあるわけないか。なんだなんだ。全部私の思い過ごしってやつね。はずかし。
「いいよ、何が知りたいの?あの子のこと。協力してあげる」
「……本当に!?」
嬉しそうに彼が笑う。そういう顔、私だけに向けてくれる人現れないかなあ。赤い糸ってどうして見えないんだろう。でも、見えなくて良かったのかもしれない。簡単に運命の人を見つけられたら、なんのドキドキも生まれないもんね。
いつかは本物の赤い糸に巡り会えますように。
「この空に飛び立つことが出来ればどれだけ楽になれるんだろうね」
彼女は良くこんな事を言っていた。飛び立つとは一体どういう事なのか私は分からなかった。翌日彼女は自宅のベランダから飛び降りたというニュースが流れた。幸い命は繋がったようだが意識不明との事だ。
「若いのに恥ずかしいわね。あんたはこうなったらダメよ」
獣を見るような目でテレビを見る母が言ってきた。彼女の思いを無下にした母は彼女よりも獣だろう。その時ようやくあの言葉の意味が分かった。
ースズメが鳴く頃にー
私と彼女は中学生の時に初めて出会った。クラスメイトに虐められている彼女を助けたことで私を好きになったようだ。
「ありがとう。私は清本渚。貴方の名前は?」
渚は赤く腫れた顔を抑えながら微笑んだ。虐められてるのにタフな女の子だと思いながら私は答えた。
「葵花楓」
名乗るのは余り好きじゃない。葵、小学二年生の時だったか、良く葵のせいで空が青い。なんてギャグが流行ったから。
放課後。オカルトやミステリーを研究する部活に入っていた彼は、部動をする為、部室へとやって来た。
いつものように扉を開けると、中から何か赤い物体が素早く飛び出してきた。
「うわっ!?」
その何かは開いた扉ををすり抜けて、そのままどこかへと行ってしまった。
「な、なんだ?」
「行っちゃいましたー」
「何だったんだ? 今の」
部室にいた後輩の女子に尋ねる。
「部活に来たらいたんです。謎の赤い生き物が。それで、私の指に何かを結びつけた後、丁度先輩が入って来て、入れ替わりに出て行った感じですね」
「指に何かを巻き付けたって――?」
見ると、指に赤い糸が巻き付けてある。そして、気付けば自分にも。
顔を上げて、目の前の後輩女子を再び見る。なぜか途端に彼女がかわいく思えてきた。いや、今までもかわいいと思っていたけど。
「あ、あの――」
「え?」
「先輩って……かっこいい、ですね……」
「えぇ!?」
彼女から初めてそんなことを言われた。
真っ赤になりながら、急いで返す。
「俺だって君のこと――」
「遅れてすまない」
ガララと大きな音を立てながら、扉を開けて部長が入って来た。
「……何かあったか?」
先輩男子は真っ赤になりながら固まった。
「なるほど。それは妖怪赤い糸結びだな」
こんな部活に所属しているせいか、この中で誰よりも不思議な状況に出くわしてきた部長は驚くこともなく、話を聞いてそう言った。
「妖怪赤い糸結び!?」
「適当なこと言ってないか!?」
「いやいやこれは本当のことだ。適当な年頃の男女の小指に赤い糸を巻き付けて去っていく。この赤い糸をつけられた二人は想いを寄せ合うようになる。その赤い糸を外す為には、二人が結ばれないといけない――だったかな?」
「結ばれる!?」
「つ、付き合うとか、そういうことか!?」
部長の言葉に二人が慌てる。
「結ばれるがどの程度のことを指しているかはわからないが――」
「でも、結ばれるしかないんですよね……」
後輩女子が恥じらいながらそんなことを言う。
「だ、ダメだ! その妖怪赤い糸結びとやらを探して、どうにかこれを解いてもらうぞ!」
先輩男子がそれを遮った。二人が驚いた顔で彼を見る。
「でも、君――」
部長は何かを言いかけて止め「そうだな」と微笑んだ。
「では、妖怪赤い糸結びを見つけるぞ!」
「おう!」
「はい!」
紆余曲折あり――。
三人はなんとか妖怪赤い糸結びを見つけることができた。
気付けばもう最終下校時刻である。
「もう帰る時間になってしまったし、この糸を外してもらうぞ。妖怪赤い糸結び」
「キキィ!」
真っ赤な毛玉に手足が生えたような姿をしたそれは、部長に捕まって鳴いている。もがくように身動ぎするが、部長は離さない。
「キキッ…………」
諦めたのか、悲しそうに項垂れると、二人の赤い糸を解く。
「――外れた!」
「もう悪さするんじゃないぞ」
二人が無事なのを確認し、赤い糸結びを離してやる。
住処なのか、赤い糸結びはトボトボと裏にある林の方へと向かって去っていく――。
「こんなことするのは、何か理由があるのか?」
部長がその後ろ姿に声を掛けた。
「キ……」
赤い糸結びは振り返った。
「キィ、キキィ。キイィ……」
「ふむ。なるほど」
部長が頷く。
他の二人にはキィキィという鳴き声にしか聞こえず、頭の上に「?」をいっぱい浮かべていた。
「部長、何言っているかわかるんですか?」
「いやまぁ、なんとなく? どうやら、この妖怪が大人と認められるには、この赤い糸で誰かを結ばせる必要があるようだ」
「なぜわかる」
部長はしばらく考えると、赤い糸結びに向かってこう言った。
「俺の小指に結ぶんだ」
「え!?」
「ぶ、部長!?」
「で、もう一本の赤い糸をおまえ自身に結ぶんだ」
「どういうこと!?」
赤い糸結びも戸惑っているようだ。
「つまり、俺とこの妖怪が結ばれれば解決だろう?」
「だ、だめです!」
後輩女子が慌てて止めようとする。
部長は気にせず笑っていた。
それを先輩男子はただ眺めていた。胸が少し痛む。
知っていた、彼女の気持ちを。だから自分達が結ばれる方向じゃなくて、赤い糸結びを見つけることでこの問題を解決したのだ。こんな形で結ばれたくない。きっと赤い糸が解けてしまったら、彼女はショックを受ける。結ばれるなら、ちゃんと好きになってもらいたいんだ。
「とにかく、俺と君に赤い糸を結ぶんだ」
赤い糸結びが部長に言われた通り実行する。
すると、部長の頬が赤く上気した。
「かわいいな。妖怪赤い糸結び――」
「部長……」
(なんか別に普段と変わらない気もするが)
オカルトやミステリー、そういったものが好きだからこそ、この部の部長をやっているのだろう。この様子はいつも通りとも言えた。
それでも後輩女子にとってみれば、この状況は悲しかった。
部長が赤い糸結びに軽く口付けをした。
すると赤い糸が溶けるように消えていく。なんだかそれが、とても幻想的だった。
「キィ! キィキィ!」
赤い糸結びが嬉しそうに鳴いた。
「さて、これにて一件落着。めでたしめでたしだな。――どうした? 大丈夫か、二人とも」
様子のおかしい二人に声を掛ける。
先輩男子も、後輩女子も、なんとも言えない複雑そうな表情をしていた。
「いや、大丈夫――」
「はい。大丈夫です……」
「あまりそうは見えないが」
(いつかちゃんと好きになってもらいたいな。ま、難しいだろうけど……)
(部長のく、唇がぁ……。いいなぁ……。私もいつか……)
二人の様子は少々心配だが、ともかく――
「これで事件解決だ!」
かくして、妖怪赤い糸結び事件は解決したのだった。
『赤い糸』
大勢の 赤い糸 で結ばれた連中が
当たり前の不幸を伴うしあわせをダラダラと演じ合う中
決してマイノリティでない大勢の
赤い糸いつの間にかほどけてた?
或いは そもそも結べて無かった連中が
リアルなしあわせを求めて嬉しい破局を実行した、している、する、を嫌と言うほど見て来た。
やっぱり 赤だけじゃダメだいっしょに
白い糸も結ぼう。