『貝殻』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
故郷には海が無かった。
だから若かった私たちは自転車で、制服のまま湖を目指し、浅瀬ではしゃいだ。
何してるの
ふたりでみずうみー
濡れないように携帯で他の子達に話しながら、片手で水中を探る。ちらりと友人を見ると、けらけら笑いながら楽しそうにこちらに水を飛ばしていた。
暑さも、日差しも、透けて見える水中も。
光る水飛沫も、いつも見ていた笑顔も。
思い出に、なった。
tu eres mi media naranja と聞いて、思い出したのは、ずっと一緒だったきみだった。
まるで、ふたつでひとつの貝殻だったように。
いつまでも、一緒だと思っていた。
またね、が永遠に来ないなんて
「貝殻」
題:貝殻
貝殻ってね、
割れてるものもあるし
綺麗な形のままのやつもあるの。
綺麗な形でも色が鮮やかじゃなかったり、
割れちゃってるけど色が鮮やかなやつもあるの。
これは汚いから要らないって捨てたやつを
他の人が綺麗だと言って手に取るかもしれない。
貝殻と人間を一緒にするなって思うかもしれないけど
一緒だと思ってもいいと思うよ。
あなたを捨てる人が居ても
あなたを欲する人がいるかもしれない。
だから大丈夫。
大丈夫だよ。
貝殻
「貝殻とゴッホは似てるんだよ」
空を見ながら天気の話をするように彼女は言った。唐突に意味のわからないことを言うことがよくある子だけど、今回は群を抜いていて怪訝な顔をしてしまった。そんな私なんかを気にかけず淡々と語り始めた。
「貝殻ってね貝が死んだ後に残るものなんだ」
「生きてる間は中のウネウネが気持ち悪いって言われるのに死んじゃったら綺麗って言われるようになるの」
「ゴッホも生前は一枚しか絵が売れなかったんだって」
そこまで話して彼女は私の方を向いた。
「そこにあったものは変わらないのに評価が変わるなんて変だと思わない?」
この顔は私の反応を楽しんでるだけだ。別になにか良い答えを期待しているわけじゃない。それでも意趣返しがしたくて5秒くらい考えた。
「でも生きてる間だって同じだよ。同じことをしても同じ様には評価されないことばっかりだよ」
そこまで話して彼女の意図にようやく気づいた。彼女は涙が出るほど笑った。
「そっか! じゃあ生きてたほうがいいね!」
流石に分が悪くなって私は屋上の縁からひらりと着地した。今日も勝てなかった。
「もう遅いし帰ろ!」
ようやく日誌が書き終わった時と同じ笑顔でドアへ向かい始めた。嬉しさが滲み出る背中を見ながら思った。実のところ死にたがりは私の方で、変人だと思われてる彼女に毎日生かされてるなんて誰が信じるだろうか。もしかしたらバレてるかもしれないし、一生誰も気づかないかもしれない。でもそんなことはどうだっていい。
この歪な関係だけが私を生かしてくれるのだから。
貝殻といえば、貝。貝といえば、しじみやアサリ。
私は山生まれ山育ちだから海に行った事もほとんどないし、波の音がする貝殻なんて実際に触った事も拾った事もない。だからといって別に今も拾って是非波の音とやらを聴いてみたい!なんて気持ちもない。私の中では貝は食べる物、美味しいものというイメージの方が強いのはその所為なのか否か、、。しじみとアサリのお味噌汁が食べたい23時30分。
#貝殻
貝殻というと、子どもの頃は写真立てに張り付けた覚えがある。
海辺ではお皿代わりに使ったり、他にもなにか再利用して使われているのでは-と思い、ググってみた。
すると、太古から装飾品として飾ってきたというのもあれば、意外にも化粧品や肥料、洗剤などにも使われているという。
ホタテの貝殻に限るものであったりするのだが、なるほど これも昔からのSDGsといっても過言ではない。
まだまだ可能性はたくさんありそうだと思わせてくれるし、貝殻は中身だけでなく、海からの贈り物なのだと思う。海にも感謝である。
地球にとっての人間は何のためにいるのかは分からないが、それでも人類の進化、それも地球が少しでも長く生き残っていくためには人間が頭を使っていくことなんだろうなと思う。
貝殻
手の平ぐらいの帆立貝のからを乳バンドにしてたのは人魚だったかビーナスだったか?常磐ハワイアンセンターの踊り子だったか?ハワイのダンサーはココナッツを二つに割ったやつだったか?
いろんな絵があると思えるがビーナスはお化け貝の殻に乗って両乳を片手の肘から先で隠してパンツが帆立貝の殻だったか?
海坊主とか人魚はジュゴンで胸あたりに貝殻がくっいて、人魚の髪は海藻が乗っかっていたとか!そう思うと夢がない。人魚もビーナスも実在したと思いたい。深海では大クジラと大ダコが格闘しているらしい。人工衛星から見えるらしい。400年も生きてるクジラがいるらしいし!
法螺貝は山伏や戦国時代の戦の時に使われた。
螺鈿細工は鮑の貝殻の光沢のある方を使った漆工芸の装飾技法だ。
砂浜でいろんな種類の大小色とりどりの貝殻を図鑑を見ながら収集するのも楽しい。これは毒があるとか無いし食べたら美味しいとか言いながら。特に子供の時には。
子供の頃高級赤貝(身の詰まった毒有り注意)二俵くらい採った 徳博
□貝殻
貝殻というお題で ぱっ! っと私の頭に思い浮かんだもの。
螺鈿細工…。
なんで螺鈿細工だったのか?
それは子どもと歴史博物館みたいなところで
ちょっとした螺鈿細工体験をやったから。
娘が一生懸命作ってた姿が印象的。
息子は火おこし体験を必死にやってた。
その次に浮かんだものは ホタテと牡蠣とはまぐり…。
私の食べたいものなんだろうな。
じゃあその後は…。
貝殻で金儲けできないかな…。
アホですね。
なんか40に近づくに連れて、生きるって大変だなとものすごく感じているのだが、このお題で連想したものがこんな感じになってしまいまして…。
考えるって大事だけど、思いついたことを即アウトプットしてみたら、アホな自分を認識でき、悩まないで行動した気分にもなれて、なんかちょっとスッキリ。
このアプリ、楽しいね♪
幼き頃、海は苦手だった。日が強く照りつけ、わたしの白い肌では火傷していまう。日が照りつけると、黒いマントを着る。此れが、とても暑いのだ。だから、海と船にはあまり行きたくなかった。
でも、夜の船旅は好きだった。夜空は、地上よりずっと広くて綺麗だった。
そして、海をずっと東に渡れば、わたしの思い出の地が在る。その国には、もう訪れるは叶わない。でも、大好きな国だった。幼きわたしに多くの世界を見せてくれた。大好きなお世話になった人々が、暮らす国。平和で、貧しくとも困らぬ国。
彼らの教えは、今のわたしを模っている。
師に連れられ、訪れた。海は、わたしの故郷とは全く別物だった。この国の砂浜を彩る、貝殻の美しきことに驚いた。流れ着いた大きな貝殻を耳にあてると、海の音が聞こえた。
人生で初めて感動した瞬間だった。
又、いつか…あの国に訪れ、大好きな人々と再会を果し、礼を言いたいものである。
…願わくば、叶えたい。戦の世に、無謀とも云えるこの夢を。
指先に乗るほどの
小さな貝殻を、夏が終わり
静けさを取り戻した浜辺で見つけた。
今夏も、暑過ぎて
真夏の海を訪れることは
出来なかった。
体力は、吸い上げられるように
日に日に奪われ
点滴が、ポタポタと落ちる
あの光景が、夏の思い出だなんて。
少し悲しくて
夏の名残惜しい気持ちを
残したくなくて、海に来た。
ただ、実際に来てみれば
波のぶつかる音や、海風は
そんなちっぽけな感情を吹き飛ばして
くれるほど、力強くて
素晴らしかった。
そっと、小さな貝殻を浜辺に戻して
もう少し歩く事にした。
人生は、何が起こるか分からない。
見たいものは、見るべきだなと
水平線を横目に…思った。
【お題:貝殻】
貝殻 砂浜 海の音
細波 焚火 火の鱗粉
海は深く 耳は重く うねる螺旋の
奥深く 深海 青暗く 呼吸は泡に
反響する 薄膜の 殻は硬く
砂に潜る 音を聞く 月下の
小さな雑音は殻の外を通り過ぎた
砂の粒は数多に吹きすさび彼方に入れ替わる
永遠は渦の底に伸ばす手はない
隙間に見上げる月光陽光
粒を呼吸を泡を言葉を
閉じて聞こえるさざめきを
「なんでさあ」
「?」
「貝殻を耳にあてると、波の音がするの?」
「さあ…」
「なんで?」
「…世の中には、説明しないほうがいいことがあるんだ」
「ちぇっ、インテリ気取り」
「正確な答えかはわからないけど、仮説とか推論とか聞きたい?」
「るっせえな!お前こそいちいち理屈っぽいの直せよ」
(うっ…)
「別にそう言われたら聞きたかねえし。…でも思ったんだよ。なんでかなって」
「ふーん…」
「『ふーん』?ああそう、ふーん、『ふーん』ね、ふーん」
「…そういうこと考えるの苦手なんだよ」
「?」
「でも、たまにはそういうのもいいかもね」
「よくわかんないけど、お前にもわからないことあるんだな。じゃ、とりあえずAIにきく?」
「だからそういう話じゃねえ!!」
「あのー、なんで貝殻を耳に当てると波の音がするんですか?」
「あああああ…」
詩情と理の間に挟まれながら、愉しく、揺蕩うことの難しさよ…。
「あのさー」
「…」
「ボタン長押ししてたら変な画面が出てきたんだけど…、これどーやんの?」
「………」
「うひっ、つべてえ」
「貝でも取って帰るか…」
*「貝殻」
『貝殻』
を海に行くとどうしても探してしまう
その後持ち帰って洗って干してしまい込む
そしてしばらくしてから
引き出しの中をごそごそしている時に
「こんな所に貝殻あったのか」
と思い出したように出してくるのがいつものパターン
海辺は本当に色んなものが落ちている
それを拾ってはどんな物語がこの中に詰まっているのか
想像するのが密かな楽しみだ
貝殻
僕も自分を出したら
終わってしまうのかな。
人の居なくなった砂浜を歩く。サンダルを脱いで、サラサラの砂を踏みしめながら。
横を見れば夕陽が海に沈もうとしていた。昼間は蒼く輝いていた海が、今は橙色に染まっていてとても綺麗だ。
「…ん?」
コツン、と爪先に何かが当たった。しゃがんで見てみれば、何処からか流れ着いた巻貝だった。
「そういえば、これを耳に当てると波の音が聴こえるんだっけ。」
どっかの誰かから聞いた話。子供の頃はその話を信じて、あらゆる貝殻を拾っては耳に当てていたっけ。懐かしさに目を細めながら大人になった私も、その貝殻を耳に当ててみた。
「…今年も夏が終わるなぁ。」
貝殻を通して聴こえる小波の音がどこか寂しげで。耳元から離した貝殻を海へと投げると、ぽちゃんと音を鳴らし消えていった。
「またね、」
貝殻と夏に、別れを告げて。
私は海を後にした。
『貝殻』
小学生になりたての夏に幼馴染からもらった
“貝殻のネックレス”は
純白なハート形で可愛らしい。
目を瞑り額に当てると
眩しいほどの潮が満ちてはひいて
数匹かのカモメは楽しそうに会話する。
しばらくして目を開く。
手に包まれたそれはたいそう小さく見えた。
【貝殻】#37
貝殻
子供の頃から、泳げないけれど、海は大好き…砂浜の波打ち際で、貝殻を拾っては、沢山集めて満足していた…大きな貝殻を拾うと、耳に押し当てて、波音を聞こうとしていた…小さな貝殻は、綺麗なものが多く、まるで宝石を手にしたようで、嬉しかった…今でも、砂浜を見かけると、つい貝殻を探してしまう…
貝殻
夏休みにあった海への旅行。
箱の中に綺麗に並べられた貝殻たち。
その一つ一つに思い出がつまってる。
来年もまた行けたらいいな。
夏の匂い、海の音。
浜辺に流れるたくさんの貝殻。
私は海に行くと、毎回一つだけ貝殻を持って帰る。
四つ葉のクローバーと目が合うように、特別な貝殻と目が合って。
それがその日の宝物になる。なんだかとっても素敵じゃないかな。
海にはたまにしか行けない。
だから貝殻を探すことは楽しみであり、出会いのひとつにもなっていく。
今年も海、きれいだったなぁ。
#貝殻
君がくれた 小さな貝殻
ただの貝殻
なのに見るたび浮かぶ 君の笑顔
これはただの貝殻 君がくれた
ただそれだけで 高鳴る鼓動
気づいてしまった
君が好き
~貝殻~
俺の趣味は浜辺で貝殻を拾うことだ。汚れてもいい格好で砂浜に寝転び貝殻を探す。たまにシーグラスも見つかるんだ。休みの今日、浜辺で寝転び、貝殻を探すこの至福の時間。少し離れた砂浜に自分と同じように寝転んで探している人がいた。話しかけたかったが、邪魔しては悪いと思い話しかけはしなかった。
次の日、昨日自分が貝殻を拾っていた砂浜です死体が見つかったとニュースで聞いた。