『誇らしさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【誇らしさ】
どんな時も誇り高くありなさい、そう言い聞かされて育ってきた。たとえ命を落とすことになろうとも、お家の誇りだけは決して汚してはならないと。
「けどさぁ、誇りじゃ食べていけないだろ」
ごろつき崩れに混じって用心棒業なんてしていたことが両親に知られ、恥を知れと怒髪天を衝く罵倒とともに座敷牢へと放り込まれた君はふてぶてしく吐き捨てた。態度を改めるつもりなんてさらさらないと言わんばかりに畳に寝転がり、唇を尖らせている。
「まあね。でもあの人たちにその理屈は通用しないよ」
深くため息を吐き出せば、君の視線が僕を射抜く。闇夜に浮かぶ白刃よりも鋭利なその煌めきが、昔から少しだけ苦手だった。
「兄貴はいつまで、父さんたちの言いなりになってるつもりなわけ?」
君の瞳が映しているのが僕の手首だと気がつき、なるべく自然な動作で着物の袖を引いた。まともに食べ物も買えないせいで、すっかりと痩せ細ってしまった自分の腕。君が稼いできたお金は君が使うべきもので、いくら渡されたって自分のために使おうとは思えなかった。
「とにかく、父上には僕からとりなしておくから。今度はちゃんと、上手く隠れてやりなよ。なんなら家を出たって良いんだし」
言いおいて踵を返す。さて、どう騙くらかして君を座敷牢から出す許可をもらおうか。思考を巡らせる僕の耳朶を、君の怒声が震わせた。
「っ、おい! 父さんたちと心中でもする気かよ! 家を出るならあんたも一緒に……!」
振り返らずに歩を進めた。僕はこの家の嫡男だ。その責任は果たさないといけない。お家の全部を捨て去れるほど、僕は自由気ままには生きられない。
(誇りなんてクソッタレだって堂々と口にして、自分の力で生きていける君が、少しだけ羨ましいよ)
お家の歴史なんかより、君の存在のほうが僕にとってはよほど自慢だ。なんて口にしたら、君はたいそう立腹するのだろうけれど。
男のような口調で、荒くれ者の男たちの中に混ざって実力だけで力強く生きるたった一人の妹への誇らしさを胸に、僕は父上たちのもとへと向かった。
#誇らしさ
僕は人を助け続けた。
あなたの自慢の息子であるために。
あなたにとって僕は装飾品。
最期に聞かせてください。
僕は、あなたにとって誇らしい息子でしたか?
『クリームパンが好きすぎる』
糖分の聖域の中にいる 今、たった今 あの形が恋しいのだ あの坂道のパン屋まで一直線 後ろめたさはとうに忘れた 太陽も月も 置いてきた 3時のおやつはまだあった
誇らしさ
ひとつ。壁に掛かったモノがある。
額に入れられ、埃が被ってもなお、その誇りを失わない。何年も掛けてやっと手に入れた勲章は、褪せず、今も思い出と共にある。
私の場合は、こんなことを言うと恥ずかしく思うが、ひとつと言っても、ひとつでみっつぶんなのだ。分けて保管すれば良いものを、不精からか枠を惜しんでなのか、重ねて保管している。そうすると決めたときの思い出は些細で、吹いて飛んでしまったが。
本当のひとつは、看護師免許証。額の表の顔だ。
記憶に新しく、1年半前に取得したモノだ。教育期間を終え、紆余曲折ありながらも、苦しんでなんとか手に入れた、幼稚園から持っていた夢のカタチ。
内にあるふたつ目とみっつ目は、習字教室の賞書と幼稚園時代に描いた絵の佳作賞。
習字は小学校の間、ずっと習っていた。誰も何も言わなかったが、自分的ヒステリーを起こして、先生に見せる前からダメだろうと、直しても直しても棄てて評価に飽いていた時期の鮮烈なイメージが強い。先生のおかげと思うが、呉竹賞から始まり、額の中に入れた最後の市賞まで、順繰り拝命戴けてとても貴重な時間を過ごした。
やれば、やり続ければ認めて貰えるやりがいはあった。やっても、上達は亀みたいで実感が足りなかった。
振り返ってみて、仕事がいくらやってもできないと評価を受け、療養している今を鑑みると、上達しての評価だったのか、複雑さが残る。誇りは埃みたいに、時間を掛けて積もって、分かりやすく隅に固まって、ふとした時によく目につく。
幼稚園児にして、顔体手足があるので、兄より上手く描けていると自負していた。我ながら、子憎たらしい内心のある子供だったんだな。胴体を描くのは難しくて、ピンクのワンピースということにしたんだった。食べ物の好みは分からなかったが、色の好みは自分で決めていてピンク色が好きだった。きっと他の人より、好きが自分のモノになるまで、えらく時間が掛るから、今でも何が好きか選んでいる感覚がある。元を辿れば、好きもなりたいも他の人の借物だと思う。その頃に、やはり世間知らずなまま、看護師の夢という借物を母から貰ったのが夢になった。七夕の短冊に書く夢ってモノだ。間違っていたとは思いたくないけども、挫折しているのが心苦しい。
どうやら、誇らしさはそれを得るまでの決して楽でない道のりを思い起こさせるようだ。上手く人の目に留まると良いね。
寄り集まっている種を守るために
その背を丸めている
胸の奥であなたは
太陽の世界に敵うしたたかさを欲して
ぐっとこらえている
たとえるならそう
手足のように伸びやかに
多くのものに触れるけれど
同時にあなたを孤独にする舞踊をはらんでいる
それを愛と呼ぼう
わたしはそれを間近にして
わかると言えば
嘘になり
背を丸めれば
しっかりと立つ姿を観る
まるで無限の鍵盤をさらけだし
感情のすべてと補い合い
円な螺旋をかけ上がり
花びらのひとつになる日に
あなたが待っていたものになれるように
わたしのなかにもあるもの
いまは、誰にもあげない
#誇らしさ
世の中にはいろんな形の誇らしさがあるらしい。
何かに対して誇らしさを持っている人間は、それだけで良い顔をしていた。
自分にとってはどうだろう。
これが自分の誇らしさだ! と胸を張って言えることがあるだろうか?
こうやって一生懸命毎日を生きているだけで、頑張っている! と胸を張ってもいいだろうか?
昔、毎日死にたいと膝を抱えていたこともあった。
そんな日々を乗り越えて、今、どうにか毎日を生きている。そう。それだけで、自分が誇らしい。
加えて、あともう一つ言うなら。
毎日文章を投稿すると目標を立て、こうして実践できていることが誇らしさかな(笑)
『誇らしさ』
【誇らしさ】
自信とかいうやつは、昔は持っていた覚えがあるけれど、ボコボコに打ちのめされて今や見る影もない。
価値など、とうの昔に暴落した。
そのくせ何の根拠もないプライドだけは高くて、自分以外の人間は全員頭が悪いと思っているくせに、その人達より優れた部分なんて自分の中にひとつもなくて、心と名前のついているだろう場所が馬鹿みたいに重くなってそのままどこまでも沈んでいきそうになる。
世界に小さく小さくなった自分の塵ひとつ残さず消滅してしまいたいけれど、生きてきて何ひとつ遺せない自分が虚しくて哀しい。
夜雨は、自分のことはよくわかっている。どれだけつまらない人間であるのか、日々実感しながら過ごしている。
それなのに。
春歌は夜雨を見つけた途端、咲くように笑って駆け寄って来たりするから。
その瞬間だけは、自分がとてつもなく素晴らしい人間だった気がして、誇らしさすら感じてしまって。
苦しい。
私にとっての誇らしさは、他人に自分の意思を歪められる事なく、自分の決めた事を成し遂げる気高さや、自分の事をしっかり褒め讃え、肯定できる自我など、とても強い意思や感情から生まれた強い心意気だと思っている。
蒼のままで
私は、青井ありすです。アニメが大好きです。
でも、なりたい夢は、小説家。
アニメのfree!のような物語が書いてみたいな〜。と、夢みています。
二次元だけど、free!の世界に入りたいと、ずっと願っていた。
夏祭りのイベントで、七夕だけど、『1日だけfree!』の世界に行きたい〜!!と、書いて頑張って一番高い枝に吊るした。
もちのろん、青い短冊でーー。
その夏祭りをおもっいきり家族で楽しんで帰ってすぐ寝たのだ。
『ねえ〜、ありすちゃんだよねえ〜』と、カワイイ声した男のコに声をかけられた。
『ハイ、そうです。が、ここは何処ですか?』
『アニメfree!の世界だヨ^_^』と、カワイイ笑顔で、返された。
『でも、夢の中だから、ネ♫』と、男の個は、言った。
『え〜、もしかして、渚君ですか??』
『そうだよ、ありすちゃん。』
私は、夢をおもっいきり楽しむこにした。
『ずっと、会いたかったです』と、私は、渚君を見てい泣きそうになった。
『ありがとう、みんなもいるよ。ほら、彼処にいるのが怜ちゃん』
『知っています、怜ちゃんは、何時もクールだけどもみんなのことを大切に想っているんですよねえ〜』
『まだまだ、泳げないんだけども、努力家なんだヨ』と、ニコリと、また、笑顔で渚君は、言った。
私は、うんうんと、何度も頭を振った。目の前に、怜ちゃんがいるはと、想うとジーンとした。
『渚、サボるな〜』と、真琴君が声をかけた。
『はじめまして、ありすちゃんと、ゆっくりしていって下さいね。』と、真琴君らしい柔らかな声で私を歓迎してくれた。
そして、まっすぐにコースに視線を向けて真琴君は泳ぎ出した。
『それから、あれが、ハルちゃんだよ〜』と、渚君は、言った。
只管に、水と向き合っていた。水の妖精だ〜。
水泳が、大好きなんだ。ーー息をするように、ハル君は、そういう存在だったよね。
渚君は、『ありすちゃんは、何かが好きなの?!』、『もちのろん、水泳のfree!のみんなが大好きです!!』と、私は、大きな声で宣言した、
『ありすちゃん、ありがとう』
と、渚君は、笑顔で言ってくれた。
『ありすちゃんは、僕らは、水泳が大好きなんだ。ありすちゃんは、何が他は好きなの?』と、渚君は、言った。
『私は、小説家に、なるために勉強をしています❢』と、恥ずかしくて俯いたけれども、渚君は、
『それが、ありすちゃんから、聞きたかったんだ〜。』
私は、言葉をなくして、泣いていた。
『でも、自信がないの〜。』『大丈夫、怜ちゃんだって僕だってまこちゃんとだってみんな頑張っているんだから、ありすちゃんも前に一歩進めたらいいヨ^_^』と、ダメ押しのスマイルだ~。
『世界が違うけ、ありすちゃん、一緒に頑張れろう〜、ネ』と、渚君は、プールに飛びこんだ。
水しぶきがわなかかった。夏の暑さが調和したような感じで、嬉しかった〜。
『私、みんなと会えてよかったです。ありがとうございました〜!!』と、叫んだ。
ハル君が手を上げてくれた。
ジリリリン♫と、めざまし時計が、なつた。
もう一度、神社へ行ってお礼を言ってから。ちゃんと前に私も進もう。
旧暦の七夕さま素敵な夢をありがとうございました💙ペコリ。終わり
ある日突然、思い切って全部やめた。
体の不調が続くのは、気付かぬところで無理や我慢をするからだ。
もう一本たりとも、大切な体に針を刺したり傷つけたりしたくない。
ならば無理や我慢は全てやめる!
そう心に決めた。
しなくてはならないことはとっとと済ませ、それ以外の
やって当たり前の些細な事
私がしないで誰がするのという事
別に大した事じゃないしという事
形だけでもやっといた方がという事
何か知らんけどノリで延々続けてた事
そういう事は本当に全部やめた。
いろんな反発が起こったような気もするが、知らん顔で「我がまま」を続けた。
そのうちに、そういうことは全部無理、ホントはしたくない、とハッキリ分かるようになった。
もちろん最初は困った事も起きたが、表面上のことばかりで、どうにかなった。
まだ何をしたいのかまでは思いつかないが、近いうち必ず思い出す、ということは解る。
いつの間にか体はすっかり元気になり、軽いという形で返事をしてくれるようになった。
なのであの時、思い切って全部やめた自分に、誇らしさを感じる。
我が家のルール、それは「誕生日は家族で過ごす」こと。
娘が生まれた時に、今は亡き夫が決めたルール。
今日は娘の誕生日。遠方に住んでいる娘が、ルールに則って弾丸日帰り帰省の予定だ。
仕事が忙しいだろうから無理して帰ってくることはないのよと伝えてはいるのだが、毎回律儀に帰ってきてくれる。どうも、このルールがお気に入りらしい。
ルールを決めた夫は、彼岸で喜んでいるに違いない。
今回も無事帰宅。バタバタと慌ただしく入って来た娘は開口一番「ママ!ありがとう!四半世紀を無事に過ごすことが出来ました!」と言いながら抱きついてきた。
ああ、なんということでしょう。こんなに幸せなことがあるだろうか。返事をすることも溢れる涙を止めることも出来ず、ただただ娘を抱きしめた。
娘と一緒に夫のお墓参りへ行く。
あなた、見てた?と語りかける。わたし、この子に抱きしめてもらったのよ。羨ましいでしょ?わたしたちを置いて、早々と逝ってしまうからよ。残念ね。彼岸で悔しがるあなたの顔が目に浮かぶわ。ねぇ、あなた。わたしたちの娘は、本当に本当に素敵な子になったわね。
―――ワタシの誕生日[母]
#44【誇らしさ】
とりあえず、今、息をしている。
深く深く、腹の底から息を吐き出す。
周りから褒められることをした訳では無いし、反対に幾人もに被害を及ぼすような甚大な失敗をした訳でも無い。何も無く、ただ疲労を背負い込んだだけの一日だった。
だが、ああ。今ここで自分は息をしている。
この厭世観に、この疲労感に、この自己嫌悪に別れを告げずに不思議とここに立っている。
楽な方へ、易きに流れてばかりの自分が、何故か不思議とそうとは選ばずに、ここに居る。
「⋯⋯あ、明日、漫画の最終回だっけ」
ただ生きているだけの自分を、自分だけは、褒めてやりたい。
誇らしさ
あなたが誇らしい。
そう言うのは簡単だし、心から思うのだって難しいことではないだろう。
一番難しいのは、自分が誇らしい。そう、心から思うこと。
きちんと自分を誇っている大人は格好良い。そう感じているからこそ二十代までのカウントダウンに焦ってる。
勉強をひたすらする。褒められることかもしれないけど、正しいことだろうか。真面目なだけで自分を誇れる大人になれるだろうか。
僕にはまだ分からない。
「…分からないって言ってる間に人生終わっちゃいそう。」
ベッドに沈んで溢した低い声は反響もせずに宙に消えた。
誇らしさ
テストでいい点をとるより、可愛いって言われるより
あなたの隣に立てることが何より誇らしいのです。
誇らしさ
誇らしさ、とはなんだろう?
お金持ちだということ?
有名人であること?
親が有名人やお金持ちであること?
自分は勉強していなくとも、成績がいいこと?
友人が多いこと?
私は、誇らしさとは
自分が自分であること。自然と周りに優しくできること。また、人の悲しみに寄り添うことが誇らしいと思う
多くの人々が行き交い、生きるこの地球の上。
自分の存在意義さえ見失い、
お金持ちになることや有名になること。
また成績によって格差が出るこの世の中で、
他人を思いやる気持ちこそが誇らしいと思える。
他人を蹴落とし、揶揄して、自分が上であることを示す
そんなことになんの意味がある?
ただ単に、他の人を傷つけ、時にはその命さえも失わせる。
そんな世の中で生きること、その考えに染まることは果てして誇らしいのだろうか?
少なくとも、私はそうではない。
その中で生きなければならないのなら、
その色に染まらなければいけないのなら、
私は喜んで人の輪から、この世界から消えるだろう。
人の未練さえ残さずに…
だからあなたも、自分にとって何が誇らしいのか考えてみてほしい。
その先が、理不尽な未来につながらないことを願う。
母にあなたはみんなに愛される存在だよって言われたとき、自分を誇らしく思えた。
どんだけ傷をつけられても、私は愛される人間なんだと、嬉しかった。
僕は自分に誇らしいと思う
それは何故かって
そう、僕は学校のみんなに何を言われようとずっと笑顔で受け止めるから。
でも、なぜ僕はずっと笑顔で受け止めるかって言う理由に関しては長くなるけど書く。
僕の性格はみんなを心配させたくないという気持ちが1番強いと自覚している。
だけど心はすごく弱い、それも自覚している。
いつもはみんなに言われると笑って『僕は大丈夫。言われても大丈夫だよ!』みたいな感じでみんなの声を聞いている。だけどそんな感じの僕だけど言われるのはすごく辛いし泣きたくなる、たまに笑顔でいる自分が嫌いになる。素直な気持ちを出せない自分がダサいから
素直な気持ちを出せない自分がダサいのではなく
嘘をついている自分がダサい
中学の卒業式。母は泣いた。あなたも大きくなったねぇ、と号泣した。まだまだこれからだよって苦笑した。「〇〇高校行くなんて、流石のお子さんですね」と言われる母を見て、わたしはずっととびきりの笑顔を浮かべていた。
高校の卒業式。わたしは泣かなかった。これからどうするつもりなの、と母が責める。もう、わたしはお荷物であった。「うちの自慢なんです〜」なんて言ってくれる母はどこにもいなかった。努力不足による出来損ないを、母は必要としてくれなかった。
#誇らしさ
ある時は叫びたくなる
青く澄んだ空の下、どこまでも見渡せそうな丘の上で
ある時は王冠をかぶる
立派な玉座にちょこんと乗って、周りを見下して
ある時は与えられる
自分も知らなかった自分のすてきなところを
一番大切なひとに褒められて
ある少年は言った
「僕は、今は刑務所にいる父のことを誇らしく思っています」
彼にとっては、父親はたった一人の理解者だった
誇らしさ
誰にだって、自分にしか無いものを持ってる。
もちろん僕もね。
その強みが、誇らしさに変わる。
でも、その誇らしさが少しずれるだけで
自慢になる。
誰だって自分が一番でありたいものだ。
自慢されていい気分になる人は少ないだろう。
そのすれ違いで
「誇りを汚された」
と勘違いしたり、されたりすることを忘れずに。
ー誇らしさー