『言葉はいらない、ただ・・・』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私はある家の長女として産まれた。
上に兄が1人居たが病気でお星様になってしまった。
そんな兄は、私の9つ上で私が小学生の時は荷物持ちとかさせられないように途中まで一緒に登校してくれたり、悩んでる時は夜中でもメールやLINEの返事をくれたり、調理師免許を持ってることを活かして特性のお子様ランチを作ってくれたり…とにかく優しい兄だった。
ただもう兄はいない。
私と兄は、父親が違う。いわゆる異父兄弟
母親は同じ。
でも、そんな両親に私は必要とされてない
母親には存在を否定されることを昔から言われ続けて、兄がいなくなってしまった時は「兄ちゃんの代わりにあんたが…」というような母親。
父親は、暴力を振るう男。
兄がいた頃は、父親からも母親からも兄が守ってくれていた
「兄貴へ
今はもう話すすべもないし、会うことも出来なくなっちゃったね。ただ、そっとそばで見守っていてください。強くなってみせるから」
テーマ:言葉はいらない、ただ…… #289
言葉はいらない、ただ……
愛が欲しかった。
ごめんなさいとかそういう言葉じゃなくて。
私の手を握って笑ってくれたり、
絵本を読み聞かせしてくれたり、
歌を一緒に歌ってくれたり、
料理を一緒にしたり……。
それがなぜ、
他の子にはあって、
私にはないんだろう。
そう何回考えただろう。
それは私が悪い子だから?
それは私が『お荷物』だから?
それは私が……嫌いだから?
私が何が悪いことしたなら、
私はごめんなさいって謝ります。
でも、そうじゃないんだったら。
私は愛が欲しかった。
言葉はいらない、ただ……
それだけだから。
言葉はいらないの。ただ、
きみからの愛情が欲しいの。
きみだけに求められたいの。
わたしで妥協して欲しいの。
きみだけがそばにいて欲しいの。
きみだけは離れないでいて欲しいの。
きみはどんなときでも眩しいわたしの太陽。
でも、
きみからすればこれは執着でしかないんでしょ。
わたしなんて必要ないんでしょ。
言葉はいらない、ただ…
ううんなんでもない。
やっぱり君は知らないままでいて。
さようなら。きっと次は…
言葉はいらない、ただ…
冷たい風が熱っていた体を冷ましていく。二人揃って、ベランダに出て、ぼーっと薄暗い空を見つめた。
長い沈黙。カロンっと音を立てて、棒付きの飴を舐めるキミを横目に見た。遠くを見つめる姿は、思わず見惚れてしまう。
短い黒髪に毛先の部分だけ青に染めていて、耳につけている銀色に光るピアスはよく似合っている。
ふと、目が合った。喉の奥で笑うキミは、僕の頭をまるで犬のようにわしゃわしゃと撫で回す。
「わっぷ、何?」
「間抜けな顔、してんじゃねーよ」
「えっ、してないよ」
思わず顔をペタペタと触る。その仕草を見て、余計に笑うキミ。
僕は恥ずかしくなり、咳払いをした。
「笑いすぎだよ、もう」
「いいじゃん、可愛いんだから」
「可愛いと言われると複雑なんだけど」
「んー、可愛いは可愛い」
またわしゃわしゃと頭を撫でる。やめてと小さく言っても、撫でるのを止めない。
仕方がなく、撫でられるがまま。キミが満足いくまでだ。
顔を見ると優しい表情。僕だけに見せる、この表情が好き。
他の誰にも見せない。いつもどこかつまらそうな、心ここに在らずの表情。
そんなキミに僕は興味を持った。だから、近づいて仲良くなったのだ。
「ここまでの関係になるとは思ってはいなかったけど」
ぼそっと呟くと、キミは耳をこちらに傾ける。
「何か言った?」
「ううん、なんでもない。……あっ、朝焼け」
僕の声に前を向くキミ。空が綺麗な色に染まっていた。
冷たい風が吹いて、身震いをすると腕をグイッと引っ張られて、あっという間に抱きつかれる形に。
「あったけぇー。流石、子供体温」
「ねぇ、バカにしている?」
「褒めてんだよ、バーカ」
喉の奥でまた笑う。そして、飴をガリっと噛んだ音が聞こえた。
「寒くなってきたから、部屋に戻ろうよ」
「んっ、そだな」
キミはふわーっと大きな欠伸をすると、部屋の中へと戻って行った。
その背中を見つめながら、僕は胸に手を当てる。
「言葉はいらない、ただ……僕はキミのそばにいたいんだ。それが叶わない世の中なのは、わかっている。いずれは、終わりが来る。でも、まだ……まだこの時の幸せを感じさせて欲しい」
言葉はいらない、ただ・・・
愛してほしいの、
抱きしめてほしいの、
隣で泣いたり、笑ったりしてほしいの、
それだけでいいから…
言葉はいらない…ただそばにいて欲しい
私だけを見て欲しい
好きになって欲しい
「言葉はいらない、ただ‥‥‥」
見つめ合う二人、四畳半にキッチントイレバスシャワー付き。何方とも言わず寄り添う二人。井抱き合い、頰寄せあって、情熱的なキスが始まる。
さあ、これから少子化対策がはじまるぞ、と言う正にその時、彼女が、ぷー、彼も負けじと、ぷー、お前、昨晩、何食ったとばかりの放屁大会が始まる。
噴き出した笑い声と、そのたびに強烈な臭いにむせび合う二人。恋は同情、似た者同士、止め処なく、へをこきあう二人、愛は忍耐、言葉は要らない、ただ二人のオナラのにおいが、立ち込めるだけだった。
徳博
「愛しているとか、尊敬しているとか、嫌いとかそんな言葉はいらないの。表面上の言葉なんて誰でもいえるから。私、言葉を信じてないの。ただ、行動で示してくれない?それが一番手っ取り早いでしょ」
あなたの心を行動で表して。よろしく。と言って去っていった、彼女はいままでで一番、俺に影響を与えた人かもしれない。
今まで付き合ってきた彼女たちは、言葉で何度も好意を確認してきた。だから、声かけを怠らなかったのに、彼女は必要としていなかったみたいだ。
家の都合といえば、良いかもれしないけれど、俺と彼女との間には恋愛感情はない。家の繋がりを得るために互いの利益を追求するために、結婚したのだった。仕事をバリバリやってきた彼女は、物事をきっちりとこなして、真っ直ぐな感情を俺に向けてきた。
でも、何を考えているのかは、よく分からないけど。ひとつだけ言えるのは、彼女は俺を愛していないってことだけ。でも、義務感とかでは絶対になく、俺は彼女を大切に思っているし、きっと彼女も俺を大切なパートナーくらいには思っているだろう。
ちなみに男女の営みなんて、やっていない。最初の方こそやるのかなー、と思っていたけれど、結婚初日から彼女は規則正しい生活で、寝室に俺がいった頃には熟睡しているから、ここ二年間やっていない。
客の対応もとても丁寧で、こなれている。女主人としての役割も十分果たしている。俺が望むことは、他にはない。
俺は、商人気質なところがあって、金のニオイがすると、すぐに飛びついては、良い商談をしてくる。失敗はない。そのおかげで、かつては、貧困を極めていた俺の家は名を世に轟かせるようになっていた。
俺の中の一番は、金だ。金があって困ることはない。金があって初めてこの世界は回っていくのだから。そしてもう半年ほど、家を空けて、家の切り盛りは彼女に任せて、遠いところを飛び回っていた。
いつくかを拠点にして動いていた俺の元には、毎日何かしらの連絡が入ってくる。忙しくて、でも忙しいのが好きな俺は、彼女のことなんて忘れて仕事に耽っていた。
ある時、こんな電報がきた。
「あなたの大事なものをいただきに参ります。時間は十日後の十二時に」
気にすることもない、ただの連絡だと思った。自分を好まない人が勝手にやっているだけだと。無視していたのだが、数時間ごとにその連絡が入ってくる。一体誰が出しているのか分からない。しょうもないと分かっていたが、念のため、俺は今まで稼いできた金が盗まれないように、信頼できる警備員を用意して、その時を待った。
結果は、特に何もなかった。
「そうかそうか、こちらの構えにびびって計画を中止したんだ」と手を叩いて笑った。
そして今日、約八か月ぶりに家に帰ってきた。
ただ、いつも出迎えてくれる彼女がいない。家の中ががらんとしていて、埃の溜まった家具たちだけが、物寂しく目に映った。
え、彼女はどこにいるんだ。
家のなかを探しても、どこにもいない。連絡を取る手段もない。彼女との再会を期待するのは望み薄だった。
彼女がおかえり、と言ってくれるのを心のどこかで待っていたんだと、気がついた。いつもは、ああ、とかで終わらしていた気がする。
彼女がいなくなって、改めて彼女の存在が必要だったかを知った。何をするにも彼女を探してしまっている自分がいる。
彼女の部屋に勝手に入ってみると、置かれているものがほとんどなかった。帰ってくる気がさらさらないのだと思い知らされた。元からあった楠木でできた机の上には、綺麗におりたたまれた彼女らしい几帳面な字で書かれた手紙があった。
「お帰りなさい。突然ですが、私は盗人さんに盗まれてしまおうかと思います。もともと昔馴染みなので、何も問題はありません。離縁届けは書いて提出しました。あなたの字を真似て。勝手にするのはいけませんよね。でも、これが良いと思ったのです。あなたがいつ帰ってくるかも分からないし、近況報告もなく、私を気遣った行動がないので、きっとあなたは私のことが嫌いなのだろうと判断いたしました。愛し愛される関係を望んだのではありません。しかし、尊敬し思い合える関係にはなりたかったです。仕事柄仕方がないことですが、あなたはほぼいらっしゃらないし、なんでしょうね、上っ面でなければ会話もしたかったのです。最初のあなたの愛しているので言葉は、感情がこもっていませんでしたから、それがなければ、したかったのです。きっと私の努力も足りなかったのでしょう。
他人が羨ましくて仕方がなくなりました。一応、盗人さんに連絡をあなたに入れてもらったと思います。内容は全て任せてしまいましたが。あなたと別れると決めた十日後の十二時までは、ダメとその人に言われたので待っていましたが、どうやら時が来たようです。
さよなら。お世話になりました。 」
良い関係を築けていると思っていたのは、俺だけか。
大事なものって、お前のことだったか。確かに大事だ。
今なら、本当にわかる。無くしてから後悔するなんて、馬鹿だな俺。ごめん。ごめん。何度言っても蔑ろにしてしまっていた事実は覆らない。
ごめんな。本当に。
きっと君は俺の元に戻ってくる気持ちはもっぱらないだろう。
ならば、また彼女に許してもらえなくとも、彼女が幸せになれることをひっそりと願っていたい。
「言葉はいらない、ただ・・・」
おそらく、言葉はいらない。それは本能なのだと思う。海を渡る蝶がいるように、私達の遠い遠い祖先である原人も海を渡った。いまなら、いくらでも移動手段はあるけれど、何故、海を渡ったのだろうか?
疫病や急な環境変化、人口増加による食料不足、他民族との争い、原人たちが海を渡った理由は、いくらでも想像できる。それ以上に、この海の向こうには、何があるのだろうという好奇心かもしれない。
ただ、いまは国籍の問題がある。原人の頃のような自由さはない。それでも遠くへ行きたい。できるだけ遠くへ。それは私の中に眠っている原人の遺伝子なのだと思う。さらに、自然と調和した私でありたい。
海や山や、ジャングルや、そこで生きている動物や植物、そうした写真やテレビ番組が、どうにも好きでたまらない。人と関わるより自然と向き合う生き方がしたい。できれば、この地球環境を守っていきたい。
わたしに花をくれたのは、あなたがはじめてだった。
幼稚園の帰り道、道端に咲く花が帰宅したテーブルに置いてあった。
うれしかった。
ただ、ただ言葉に出来なかった。
中学生になったあなたは、私に似合うだろうとほんのりと色づく、オレンジのリップクリームを買ってきた。
絶対似合うと思って、とか、かっこいい綺麗なの目指してるって言ってたから、とわくわくするあなたに、気づいたら微笑んでいた。
なめらかに、薄い唇をなぞったリップクリームは。
私の一番の色になった。
いいねこれすごく、と言う私に、満足気に息子は笑った。
これは私の、幸せの色だ。
永遠に私を導く、女神の後光だ。
「言葉はいらない、ただ……」
言葉はいらない、ただ…そこに猫がいるだけだ。
布団に入って目を閉じると、鈴の音が近づいてくる。
頭と壁の間を、何かが通る気配。
やがて左手に頭突きをされる感覚。
脇を開けてやると、腕と胴の間でどさりと何かが倒れる音。
そして二の腕を揉みながら、ちゅぱちゅぱと肉球をしゃぶる音。ごろごろと鳴る喉。
それを聞きながら、とても満たされた気持ちで眠りにつくのだ。
言葉なんて、いらないだろう?
僕はこんなにも幸せなのだから。
どんなものにも、答えなんて言葉はない
ただ、そう教えられた、使い勝手がよいから
それだけ
…
言葉はいらない。
ただ……。
『♡もっと読みたい』さえ押してもらえれば。
まともな言葉がないのにもっと読みたいなんて押せないって?
そりゃそうだ。すみません。
『言葉はいらない、ただ・・・』
幼い頃から何度も告げられた
「相変わらず背が高いね 少し譲ってよ」
、、返す言葉が見つからない
何が正解なのか,
どう言えば満足してくれるのか,
、、笑って返す事が正しいのか、、
言葉はいらない、ただ、、
、、(貴方の求める正解をください)。
以上で終いとしようか
〜完結〜
カタカタ…カタカタ
名前 住所 電話番号 メールアドレス
「これで大丈夫かな?」
ポチッっと押すと
ERROR表示が映し出された
「もう一回初めからやり直して下さい」
音声ガイダンスにブチ切れた私
言葉はいらない、ただ…パスワードのヒント教えてください!
一時間前から何回もこのやり取りして
解約手続き終わらないよ〜
黄昏時の浜辺は、海の水が空に照らされて光って見えた。足が砂浜に埋まっていく感覚と、心地よい波音がただ脳内に記憶されていく。
「見つけた。」
後ろから低くて聞き馴染みのある声がした。
気づいた時には温かいぬくもりに包まれていて、
なぜか、涙が溢れそうだった。
「え、っと……」
過去のことがフラッシュバックされそうで、なんだか怖くて、言葉に行き詰まった。
「言葉はいらない、ただ…」
"君に逢いたかったんだ"
無意識のまま、私は、
「私も」
と答えた。なんでだろうね、どこか心が満たされていく感覚がしたよ。
言葉はいらない、ただ…
あ、と思ったときにはすでに視線はそらされていた。
今、目が合ったよな。
たぶん。おそらく。高確率で、お互いのブラウンの視線はかち合っていたはずだ。いや、そんな気がしただけだろうか。逡巡していたためにわずかに伏せられていた視線を上げて彼女を探す。が、見える範囲にはすでに彼女の姿はなかったし、足音など大勢が歩き回るなかではひろえるはずもない。
「しょうがないか」
そうごちて俺もすべきことを探しはじめた。この町での滞在は今日までだ。団のですべきことはたくさんある。俺は頭を切り替えて、手近で仕事をもらえそうなメンバーのひとりに話しかけた
結局あの人はあれから見かけなかったな。どうも他のところ行ってたらしいけど。
夜。割り当てられた部屋のベッドで俺は思い出していた。一瞬視線が交錯していたと思ったのだが、何度も思い出そうとしたために、その真偽はもう分からなくなっていた。
でも、なぜだろうか。どうしてそんなに気になるのだろう。視線などいろんなところで、いろんなシチュエーションで、何度でも交わしている。
――理不尽だな。
自分の感じているこの不安なのか不満なのかよく分からないものが。ああいうかたちで、俺はすでにあの人のそばにポジションを得ているじゃないか。いきなり失うものでもないだろう――そう自身の納得を引き出そうとする。もっとも、それが成功しようのない試みであることはすでに分かっているのだが。
しかし不安を呼び水にした思考は止まらない。気づけば月が夜中を意味するあたりまで上ってしまっていた。ランプの油も尽きそうになっている。
理不尽だ。とんでもなく理不尽だ。
もう諦めて寝なければならない。でなければ明日に障る。そんなことはとっくに分かっている。だというのに、俺はまだまだ折り合うことはできそうになかった。
翌朝、結局ほとんど眠れなかった俺は小隊のリーダーに咎められ、少しのやりとりのあと、今日は馬車の中で休まされることになった。
「おい、どうした。すごい顔だな」
「あ――」
落ち込んで馬車の荷台に上がろうとしたそのとき、睡眠不足の原因が現れた。すぐ後ろで、いつになく上機嫌の彼女が笑って立っている。
「僕は、それが欲しかったんです。言葉でなく」
その素っ気ない声と、興味を引くものを求める視線が。
ようやっとそれだけ言葉にして、俺は荷台のへりによりかかった。
突然の君の訪問。
「嫁にしてください」
「は?」
背負っていた大荷物を下ろして三つ指をつこうとする鶴野を慌てて止める。
「玄関先でやめてくんない?」
「ところで機織り機あります?」
「現代日本の一般家庭にあるわけないだろ」
「おっけーです。持ち運び用の簡易機織り機あるんで」
「どういう需要があって存在すんのそれ」
大荷物からそれを取り出して見せてくる。いや知らん。
「家訓なんで。助けてもらったら嫁いで機織りせぇって」
「なんて厄介な」
『言葉はいらない、ただ……』2023.08.29
俺の奥さんはどこにでもいる奥さんだが、よく俺たち家族をまとめてくれていると思う。
俳優だなんて、どっちに転ぶか分からない仕事をしている俺を気遣ってくれるし、やんちゃ盛りの息子二人の相手をしているし、そのうえ、産まれたばかりの娘もあやしている。
全国公演や地方ロケとなると家にいない俺にかわって、我が家を護っているのは彼女だ。
だから、家にいるときは家事全般を引き受けているし、母の日には毎年贈り物を贈っている。
彼女は弱音を吐かない強い人だ。俺の悩みはもちろんのこと、同じ演劇ユニットのメンバーの話もよく聴いてくれる。うちの最年少のアイツなんて、彼女のことを「ママさん」と呼んでいる。
ことさら懐いていた彼を、彼女もかわいがっていた。
トラブルに巻き込まれた彼を、誰よりも心配していた。
「元気にしているかな」
と寂しそうにこぼしている。
だから、彼が空に行った「ほんとう」を知ったとき、彼女はたいそうショックを受けて寝込んでしまった。
二十年越しに開かれた「お別れ会」に、彼女も出席した。祭壇に飾られた彼の姿は、最後に会ったときの若々しいまま。記憶に残る、彼だった。
「うちに来てくれたらよかったのに」
彼女は、それを強く強く後悔した。
助けてだとかつらいだとか。そんな言葉はいらない。
ただ、うちに来てくれるだけでよかった。