『街』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『街』
−ウルトラマンオーブ外伝−
紅の街
・数百年前・
夕焼けが街を包む。
2人の男の影ビルの屋上に立っていた。
何かの口論をしていたのか、2人の影は掴み合いをしていた。次第に辺りは暗くなる。空にはまんまるの月が上がり、満天の星空。
夜が来た。
2人の男の影は無くなっていた。
−現在−
人々が慌ただしく行き交っている中、心地の良いメロディーと手拍子が聞こえる。そちらを見ると異彩を放つ男を取り囲んだ集団があった。その男は、黒いハット身につけ、黒いジャケットを羽織り、楽しそうにギターを弾きながら歌っていた。そこに1人のスーツを着た男が詰め寄った。「ガイ、何やってるんだ」ガイと呼ばれた青年はバツが悪そうに「ごめんごめん、少しやってたら楽しくなっちまった」ジャグラー、とギターを片付け、彼を取り巻いていた人々に手を振りながら歩きだす。ジャグラーと呼ばれた男が口を開く。「お前からのお誘いなんて珍しいな」声をかけたのはガイの方からだった。「お前さんと見ておきたい景色があるんだ」彼らは各々、旅をしていた。どれだけかわからない旅を何十年、何百年、何千年。目的があるのかないのか、その土地で出会う人たちと交流を深めては去り、を繰り返している。「ここのビルが取り壊されるみたいでな」ガイは指を指す。その先には都市再開発と書かれたポスターが貼ってあり、その付近を責任者らしき人物がと建設業者のスタッフが取り囲んでいる。その光景を見ると、どこか寂しげな気持ちが込み上げてくる。ジャグラーは目を細め、呟く。「形あるものはいずれなくなり、新たな命を授かる。まあ、風景に命があるとは言わないか」ガイはふっと笑い、答える「あるさ、たとえ無機物にもこの一瞬一瞬、どの瞬間にも命は宿る」そうこう言い合っているうちにビルの屋上に通じるエレベーターに辿り着いた。「どうぞ」エレベーターの中は1人の男がいた。進められるまま中に入ると、辺りは少しひんやりとした空気に変わった。男は振り返り、ふっ笑い、「不用心だな、ウルトラマンオーブ」男の姿が赤い光に包まれ姿が変わる。「私の名前はナックル星人、トワイト。貴様を倒させてもらう。」トワイト、と名乗ったナックル星人は手をぱちんと鳴らした。エレベーターの中にいた3人は消えてしまった。チン、エレベーターの扉が開く。少年が一番乗り!っと駆け出し、後ろから少年の両親らしき人物が誰もいないエレベーターに乗り込んだ。
少し肌寒さを感じた。ジャグラーは蛇心剣と呼ばれる剣を出現させ、トワイトに切り掛かる。その姿は、スーツを着た紳士姿の男から魔神の姿へと変貌していた。トワイトの身は真っ二つに切り裂かれ、上半身が地面に崩れ落ちた。ガイが帰り道を探そうと辺りを見回した時、トワイトの上半身がぶくぶくと膨れ上がり弾け飛んだ。ジャグラーはガイを抱え、その場を離れる。2人はため息をつき、見上げる。トワイトの体が巨大化しのだ。ガイは右手に輝く神秘のアイテム−オーブリング−を出現させ、光を纏った。「唸る拳が天地を裂く!宇宙拳法、ビッグバン!」ガイは巨人へ−ウルトラマンオーブ−と変身した。
トワイトとオーブが睨み合い、拳と拳をぶつけ合う。それが合図だった。両者激しい打ちあいをする。お互いの拳がお互いの顔面に打ち付けられる。ジャグラーは、がっかりしたように項垂れた。
オーブの拳がトワイトの腹部を捕らえた。トワイトは膝をついたが諦めない。再び立ち上がった。これが最後と言わんばかりに右手にエネルギーを集中させる。オーブもすかさずエネルギーを凝縮させ−レオゼロビックバン!強力な炎を持ったパンチはトワイトの拳を砕き、彼の体は背後にあった岩石へ吹き飛んだ。オーブは彼のもとへとゆっくりと歩き手を上げた。トワイトは敗北を認め、最後の攻撃を覚悟した。両手を上げ目を閉じる。だがいつまで経っても覚悟した衝撃は来なかった。恐る恐る目を広げると代わりに差し出された右手があった。「お疲れさん。いい勝負だった」オーブが言う。トワイトが戸惑っていると、オーブは右手をさらに突き出す。トワイトは困惑したようにどんどん突き出される右手を掴む。ジャグラーはつまらない映画を見るようにコーヒーを飲んでいた。
「今度会う時まで、しっかり鍛錬するんだぞ!」オーブガイの姿に戻り叫ぶ。トワイトは、押忍!と返し、それでは、と左手を鳴らした。辺りが白く光る。ガイとジャグラーは目を閉じる。元の空間に戻る。ぎゅうぎゅう圧迫感を感じ目を開ける。そこは、人で溢れたエレベーターの中だった。満員を知らせるブザーが鳴る。乗客はどこから現れたか知れぬ彼らに驚きを隠せない。波乱の真っ最中、チンと音が鳴る。屋上です。エレベーターの扉が開き。2人は押し出された。
騒動を冷ますかのように吹く風は気持ちよかった。
赤い光が差す方へ歩きだす。「見ろよジャグラー」フェンスで立ち止まる。フェンスから見下ろした街は全体が燃えるような夕焼けに赤く染められていた。「…美しい」ジャグラーが漏れるように口にした。
ガイは口を震わせ、「この景色をもう一度見れて良かった」
一筋の涙を流した。
2人は地上に下り、ジャグラーは人々の雑踏に紛れ込んだ。ガイはぐび、とラムネを飲み、ハーモニカを構えた。その時、「あっ!」振り向くとガイがギターを弾いていた時、目の前で手拍子をしていた少年が手を振っていた。
ガイはくるりと紅く燃える太陽に向き直り、溶けるように歩き出した。「あばよっ!」ガイが咥えたハーモニカから心地の良いメロディーが流れる。
・数百年前・
「綺麗だなガイ、まるで街が燃えて炎に包まれているようだ。この夕焼けのように俺が全部燃やし尽くしてやるよ。」
「そんなことはさせない。お前さんも分かっているはずだ。この瞬間に生きる生命の尊さを。」
2人はぶつかり合った。「いずれ、お前の中に闇が宿る」甲高い笑い声をあげ、ジャグラーは立ち去る。ガイは、いつかあの夕日をお前と見に来る…そう胸に誓った。
辺りは真っ暗な暗闇に染まり、星空の中に月が浮かび上がる。夜が来る。
お題 街
街(まち) とは、都市の中のデパートや商店街、飲食店などのアーケードがあり、集客力の高い繁華街、もしくは商業地区をいう。往々にして、交通機関の駅やバスセンターなどの基点と重なったりする。
参考:Wikipedia
都会か田舎、どちらがいいと聞かれたら俺は、両方好きだと、こたえる。
正確に好きなのは、景色だ。とくに、左右対称で奥行きがある景色が特に好きだ。
それは、鳥居から本殿に行く道のような、風景だ。
街を歩けば、左右には大きなビル、先まで道なき道が続いている景色がある。
すれ違うかのように歩く人たちの流れ。
気持ちがいい。
まるで、ドラマやアニメ、漫画の主人公のように、1人たたずんでいる、感覚で気持ちがいい。
周りからは、中二病だと思うだろう。だから、どうしたと俺は、心の中で叫んだ。
主人公なんか、特定の視点から描かれ、注目された人物にすぎないのだ。
これは、俺がここで生まれて、俺視点なのだから俺が主人公で何が悪い。
むしろ、自分のことを主人公と思えない人たちが、勿体ない。
腕を伸ばしながら、考えていた。
すると、目の前で突然、事故が起きた。
突然で戸惑ったが、すぐに、携帯を使い連絡をした。
救助するために、俺は動いた。
貴方が愛した街を眼下に、貴方の眠る場所へと階段を踏み締めた。
//街
//またもや連想してしまった曲が頭から離れなくなった
街を歩いて、妄想に想いを浸す。
君に想いを向けながら
かろうじて幸せといえるぎりぎりのラインを
今日も生きる。
君がまた想いを保存するのは別の相手であることを
僕は知っているけれど
君が泣いている時に僕が笑顔にできるように
僕の記憶の中に全て混ぜ込んであげられるように
僕はいろんなことを経験する。
そうでもおもわないと
僕は溺れてしまいそうだから
お題
『街』
なんかさ、街ってお題の通知来た時ね、?
すっごいパリの風景が浮かんだの、なんでかはわからないんだけど、
ばっ!ってでてきた()
ここからは主の妄想で全く関係ない文章だから読まなくてもいーよ、後、意味分からないんで
↓↓↓
よぞらが綺麗
んー、気づいてくれてるかな?
でも、気づいてなくてもいいよ
くつを履いて
れんこん食べて
てを洗って
あさひを眺めて
りんごをかじって
がそりん入れて
とうがらしもかじって
うしを見よう
気づいたらハート押して
ばーい、
ハート=10
たくさんの人が何かに急かされるように右から左へ足早に歩いていく。
誰も僕のことは気にしていない、まるで見えていないかのように、存在していなかのように目も合わせることなく通りすぎていく。
たくさんの人がいるのに一人ぼっちで孤独を感じている。
真上に太陽があるのに僕だけ暗い世界にいるみたいだ。
でも、貴方が、貴女が、僕を見つけてくれた。
手を差し出して、声をかけて暗い場所から連れ出してくれた。
あんなにもこの街が大嫌いで憎かったのに、今では大切な場所に変わっている。
こんなにもこの街が明るいことに気づいた。
貴方に、貴女に、ありがとうって言いたい
僕が好きな街は、最近よくシャッターがしまったまま
開かなくなっている。
若い頃は君とよくこの街で遊んでいたのにね。
なぁ、
僕らは本当に幸せだったね、息子は立派に育ってくれて、
優しい孫たちにも囲ませて過ごせている。
こんなに幸せなことはない。
そうだ。新しい街を探しに行こうか、
僕と君が穏やかに過ごせる、そんな街。
大丈夫さ、どんなに時間がかかっても
僕は君を置いて1人で新しいところになんかいかないよ。
1人きりで過ごす街での時間は、とても長く感じるんだ。
「街」
[街]
この街はとてもにぎやかで多くの大人が楽しんで
いる。
逆に昼はとても静かで、この街は[夜]にしか
明るく輝けない街なのだ。
そう、すべてお酒のおかげ。
『死生観ストリート(しせいかんすとりーと)』
街行く人々を眺め、今日も煙草で一服する。
「ふぅ……」
廃れた街だ。煙草に酒の匂い、女と甘ったるい男の声。
街中ゴミだらけで、業者も来ねぇ。
怒号から喘ぎまで、様々な声が聞こえてくる。
「ちょっと、どこ行くのよ!!」
「うっせぇ。ついてくんな!!」
殴り合う、女と男。
ここじゃ珍しくは無い。
喧嘩なんて数秒に一回。犯罪なんか、日常茶飯事。
治安は悪いが、色んな人が見れて面白い。
たまに親子も通ったりする。
「パパー今日ね、テストで百点とったの!」
「それは偉いなぁ!今日の夜はごちそうだな!」
こういう奴も通ると、本当に世界の狭さを感じる。
人間なんてすぐ死ぬ生き物だが、醜い部分も美しい部分も含めてここには生きてる。
今が楽しいければいいって奴と、将来の方が大事だって言う奴と。
どちらも間違えてはいないが、お互いの生き方を否定している。
親の為に生かされてる奴、行く場もなくさ迷う奴、途方に暮れて眠る奴。
楽しく生きて頑張ってる奴、帰る場所があって笑顔する奴、明るい未来が待ってる奴。
世界とは本当に狭いもんだ。
こんなにも違いすぎる奴らを混ぜて何がしたいんだか。
人には人の幸せが合って、それを邪魔しちゃいけねぇ。
でも、危害が加わった場合にゃ仕方がねぇ。
いわば、正義と正義のぶつかり合い。
善も悪も、混ざり合いすぎて判断がつかねぇ。
もはや同じなんだろう。
自分から見てそれが善なら''善''
自分から見てそれが悪なら''悪''
それならば、こうやって勝手に見定める俺も誰かにとっての悪なのか?
お題『街』
最近脳死で書きすぎていい作品があまり出来ませんね。早くスランプ抜け出したいです。
そういえば、全国的にそろそろ梅雨入りでしょうか。体調にはお気をつけ下さい。
街
「街のネズミと田舎の~」って、童話がある
ゴミゴミした街を抜け出して、
田舎で温泉入って、好きな音楽ガンガン流して
BBQとかしたら最高だ!
で、街の便利さが恋しくなるんだろうな。
普段は街に住んでて
休日は田舎の別荘で暮らす、のが
ベストだと思う。
~乗り遅れ~~
やりたいこと
や ヤンゴンでバカンス
り リヒテンシュタインでバカンス
た タイタニック…は不安だから
ダイアモンド・プリンスのスィートでバカンス
い イタリアでバカンス
こ コート・ダジュールでバカンス
と トリニダード・トバコでバカンス
つまりはバカンス行きたい
派手なメイクをして同伴の男性客と歩く。
煌びやかなネオン、雑踏、雑音…
この街は、賑やかで孤独だ。
誰のことも応援してやくれない。
わたしはこの街で生きていく。
生き方が同じだから、安心するの。
街は生きている。
そう思うのは私だけだろうか。
でも、生きているのなら死ぬ瞬間もある。
それはきっと、そこから人がいなくなった時だと、私は思う。
その時、初めて街は死ぬ。
この街は、明日も生きているんだろうか。
お題「街」
【街】
僕は学校を目指していた。汗は頬を伝いシャツに影を作る。まだ六月なのに、ここまで暑いのは解せない。
電車を降り改札を通ると、友達の倉本が壁に寄りかかりスマホを触っていた。
「おーす」
「うぃ」
挨拶を済ませ、僕らは足を進める。
「なぁなぁ」
「ん?」
倉木が口を開いた。
「あのコンビニに例の新人がいたんだけどよ。さっき行ったら客ナンパしてたわ」
倉木は炎天下に目を細めコンビニを指差した。
「まじか。ムカつくな」
「なんでだよ」
適当な返しにも反応する倉木。優しい男だ。
駅前にあるコンビニは店員がコロコロ入れ替わる。そのせいなのかガラスにはバイト募集の文字が年中飾ってある。
未完
長い間ひとつの街にずっと住んでいました
その街の中で何度か転居しましたが
出たことはありませんでした
その街で育ち
結婚して子供も育てました
数々の喜びや悲しみ
成功や失敗を繰り返し
そこでわたしは
独りで朽ち果てるのだろうと思っていました
47年間お世話になった街を後にし
全く別の街へひょんなことから移り住み
今この街がわたしの全てになりました
幸せです
街
人混みの中、特にあてもなく歩く。
活気に溢れた街を歩くのは、嫌いではない。
大勢の人間が思い思いに歩いていて、
自分の存在を消してくれるから。
だけど。
活気に溢れた街を歩くのは、少しだけ苦しい。
道行く人々はみな笑顔で。楽しそうで。
自分一人が、取り残された気がするから。
自分の街はいつまでも好きでいたい
見慣れすぎた街並みをいつか懐かしみたい
明日もこの街と生きてくんだな
───────「街」
普段は人里離れた山小屋で、師匠と兄弟子と三人で引きこもっている。今日は、いつも市場へ行く兄弟子が気温差のせいか、めったにない風邪をひいた。そのため代わりにポーションの材料を買いに、そこから半日かけて山を降りた。
この間兄弟子の代わりに出てきたときは麓は少し冬支度には早い頃だった。今、麓はすでに日差しがきついころになっている。山の肌寒さに長袖を羽織ってきたことを後悔した。
暑い。
荷物になるけどしょうがないか。
厚手のボレロを脱いで、腰に縛る。たくさん買い物をするために両手は空けておかなくては。半袖になると今度は肌をじりと焼く日差しに悩まされる。
着れば汗ばむし、脱げば肌が暑い。どちらかしかないのかしらと思いながら、師匠発案の手に乗るサイズの冷風扇を取り出して胸元に下げた。帽子は一度脱いだが、頭が暑いのでかぶり直す。顔に張り付く髪がうっとうしい。
相変わらず人が多い。その中を師匠のメモを片手に市場のあちこちを巡る。
呼び込みの声や値切る声が飛び交い、売られている家畜の鳴き声がする。店に並ぶ目に鮮やかな果物の甘い匂いに、そろそろ出始める冷やされた色とりどりの果実水。
いろいろなものの中に混じって、遠く離れた東国の香辛料の匂いが、鼻をくすぐった。
この西の国で、故郷の香りと出会うのはいつぶりなのか。もう、ずいぶん前だというのに、頭の中には故郷の思い出が頭をよぎる。
いけない。
喜んで送り出してくれた両親の顔や、地元の村に住む友達の顔を思い浮かべて涙がにじむ。
もう少し学んで、知識を故郷に持って帰って広めること、その夢を叶えるためにここに来たんだ。
もう少しだけ頑張らなくちゃ。
そう言い聞かせ、私は首を振って気を取り直す。
そして、私はメモを見ながら、人ごみにもまれつつ買い物を続けることにした。
あの匂いは、他の匂いに紛れてわからなくなったけれど、それでも何のために学びに来たのかを思い出した。
あれから一度季節がめぐり、麓が初夏にさしかかる頃。
私はようやく独り立ちして、故郷へと旅立つ。
お題:街
だいすきなだったあの街のこと
それについて考えれば
それだけでしあわせで
呑気に歩いたこと
風や空気やすれちがう人のにおい
それが嫌なことよりも美化されて
わたしのこころの泉になって
記憶が柔らかな具象へと変化される。
その遠さが心地よくて幸せで
長い時間の中で1つまみや2つまみで
還る景色だからもっとも美しい。
わたしの歴史を刻んだ街は居場所じゃない時もあったけれど
わたしの形を形成した具象であることに変わりないんだね
街
日の差さない路地裏から、大通りに飛び出した。
ーそろそろかしら?
いつものように、決まった道順をトテトテ歩く。
さっき通った路地裏も、水が噴き出す噴火も、花壇に咲いた花も、日向ぼっこする原っぱも、
ーみんなみんな、私の大好きなもの。・・・それから、
「また来たのかい。黒猫のおちびさん」
大通りに面したカフェで、この時間この人はコーヒーを飲んでいる。
「ちょうどよかった。コーヒーのミルク飲んでいきな」
「ニャーン」
いつも私はこの人から甘いミルクをもらう。
ーーーこの人が好き。
私はあなたがいるこの街が好きだ。
「このクソ街から出て行けるとはなんと喜ばしいことだ、ははは!」
"もうこんなクソ街、早く出て行きたかった"
小学3年生の頃、この街はつまらないなと気づき、そう思いはじめてから早9年。
この街には人も少なけりゃ交通整備も整えられておらず、あることと言えば夜に鳴くカエルの鳴き声、くらいか。
とまあ、そんなクソ街で育った俺は大学へ通うことになり東京へ上京することが決まっていた。両親に伝えた時は、最初は驚いていたが、「あなたの信じる道ならそれでいいんじゃない?」と言ってくれた。
これで心置きなく東京ライフが送れるぜ!
途端、何故だかすごくさみしい気持ちが溢れ出した。なぜだ?こんなクソ街、いいところなんて1つも__
____いや、あった。ある。
うっとうしいカエルの鳴き声も、好きな子に思いを告げたあの木も、母さんの作った美味しいご飯を、家族揃って食べたのも、
全部全部。
そして、街から離れる当日。両親は空港まで着いていくと言ってくれた。
そんな俺は、母さんと親父に言ったんだ。
「…母さん、親父。俺、忙しいからって実家に帰らないつもりなんか、ないからな。安心して家で待っててくれ。それまでは、"またな"」
あなたの街にはどんないいところがありますか?
_2023.6.12「街」