織川ゑトウ

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『死生観ストリート(しせいかんすとりーと)』

街行く人々を眺め、今日も煙草で一服する。
「ふぅ……」
廃れた街だ。煙草に酒の匂い、女と甘ったるい男の声。
街中ゴミだらけで、業者も来ねぇ。
怒号から喘ぎまで、様々な声が聞こえてくる。

「ちょっと、どこ行くのよ!!」
「うっせぇ。ついてくんな!!」

殴り合う、女と男。
ここじゃ珍しくは無い。
喧嘩なんて数秒に一回。犯罪なんか、日常茶飯事。
治安は悪いが、色んな人が見れて面白い。
たまに親子も通ったりする。

「パパー今日ね、テストで百点とったの!」
「それは偉いなぁ!今日の夜はごちそうだな!」

こういう奴も通ると、本当に世界の狭さを感じる。
人間なんてすぐ死ぬ生き物だが、醜い部分も美しい部分も含めてここには生きてる。

今が楽しいければいいって奴と、将来の方が大事だって言う奴と。
どちらも間違えてはいないが、お互いの生き方を否定している。

親の為に生かされてる奴、行く場もなくさ迷う奴、途方に暮れて眠る奴。
楽しく生きて頑張ってる奴、帰る場所があって笑顔する奴、明るい未来が待ってる奴。

世界とは本当に狭いもんだ。
こんなにも違いすぎる奴らを混ぜて何がしたいんだか。

人には人の幸せが合って、それを邪魔しちゃいけねぇ。
でも、危害が加わった場合にゃ仕方がねぇ。

いわば、正義と正義のぶつかり合い。
善も悪も、混ざり合いすぎて判断がつかねぇ。
もはや同じなんだろう。
自分から見てそれが善なら''善''
自分から見てそれが悪なら''悪''

それならば、こうやって勝手に見定める俺も誰かにとっての悪なのか?


お題『街』

最近脳死で書きすぎていい作品があまり出来ませんね。早くスランプ抜け出したいです。
そういえば、全国的にそろそろ梅雨入りでしょうか。体調にはお気をつけ下さい。


6/11/2023, 12:24:32 PM