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【街】

 僕は学校を目指していた。汗は頬を伝いシャツに影を作る。まだ六月なのに、ここまで暑いのは解せない。
 電車を降り改札を通ると、友達の倉本が壁に寄りかかりスマホを触っていた。
「おーす」
「うぃ」
 挨拶を済ませ、僕らは足を進める。
「なぁなぁ」
「ん?」
 倉木が口を開いた。
「あのコンビニに例の新人がいたんだけどよ。さっき行ったら客ナンパしてたわ」
 倉木は炎天下に目を細めコンビニを指差した。
「まじか。ムカつくな」
「なんでだよ」
 適当な返しにも反応する倉木。優しい男だ。
 駅前にあるコンビニは店員がコロコロ入れ替わる。そのせいなのかガラスにはバイト募集の文字が年中飾ってある。

未完

6/11/2023, 12:15:05 PM