『街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
青く晴れた木曜日、段々と暑くなって来た初夏。
僕は学校をサボる事にした。電車を乗り継ぎ当てもなく知らない街でおりた。まだ街は日常へと向かう人達がそれぞれの道へと進んでいる。そんな中僕だけが逆流していく。知らない街、知らない道、知らない…サボり方。どうしようか。…歩いているとふと普段なら興味なんて湧かない筈なのに妙に心惹かれる店を見つけた。今思えば暑さから、目的のある人々から隠れたかったのかも知れない。自然と店内へと入っていた。
本。右も左も本だ。少し古い、そして独特の匂い。何とはなく広くない店内を見回る。太宰治、芥川龍之介。僕でも知っている名前。その隣には武者小路実篤…読めない。知らない。そもそも漫画くらいしか読まない。どうしようか?
「いけないんだ〜。学生さんなのにサボり?」
急に後ろから声がして驚き振り返る。少し気だるげな女性が満面の笑みでこちらを見ている。どうしよう学校に言われる?怒られる?
「太宰治、読みなよ。坂口安吾もいいよ?」
「え?」
「これ、貸してあげる。読まなくてもいいけど、読んだら返してね。」
スッと棚から太宰の本が抜き取られ僕の目の前に突き出される。訳もわからず受け取ってしまった。
「人間失格もいいけど、他のもいいんだ。合わないなら違う話を読みな。」
「え、いいんですか途中でやめて違うの読んで?」
「いいの。分かる時と分からない時があるんだよ本は。つまらなかったり分からない時はまだの時だからまたいつか読むの」
作った落とし穴にターゲットがはまるのを待つ子供のような笑み。不思議と本を読んで見たいという気分になっていた。
「ありがとうございます。絶対返しに来ます!」
「うん。気をつけて帰りなね?」
手を振る彼女に僕は振り返す。腕時計を見ればまだ11時43分。今から行けば午後の授業を少しはできるだろう。駅へと走っていた。
「ということがあってね。」
「え、それで先生は国語のせんせーしてんの〜?」
少しクラスでも素行の悪い彼女は僕の教え子だ。ケラケラと笑っている。箸が転がってもおかしい年頃なのだろう。
「太宰治で先生になるなんて、せんせー変。」
おや?前言撤回。そういえばこの子は授業もまともに受けないし、素行も悪いが僕の所に来ては小説を借りて読んでいたな。
「僕も不思議だよ。けれどそのお陰で今君や3Aの皆と過ごせているから太宰治さまさまだ。」
正確に言うなら太宰治と本屋の彼女だが。
「…書を捨て町へ出ろと言う言葉がある。一方で本は人生を変えるという言葉もある。僕はあの日どちらもをいっぺんにしたんだよ。意図せずね。…君ももし何かあった時はしてみたらいいよ。おすすめだ。」
「ふーん。じゃあいつかなんかあったらやってみる〜。あ、チャイムだ!やば!!!」
気のない返事に苦笑すれば彼女もケラケラと笑うもすぐにチャイムの音が聞こえれば嵐のように去っていった。
次の日、彼女は学校にこなかった。そそのかしてしまったようで罪悪感を感じつつ確認のため保護者に電話をすれば困惑していたが、夕方あたりに帰ってきたとの電話が来た。…はは。彼女は果たしてどんな街に出会いどんな本に出会ったのだろう?きっと、明るく誰とでも仲良くなれる子だ。僕よりも多くの物と出会ったのだろう。
翌日、いつも通り早く来て授業の準備をしていれば、ふと気になり窓の外を覗いてみた。少女が走ってくる。彼女だ。キラキラと輝く瞳と溢れんばかりの笑みに良い経験が出来たのだと知り僕も自然と笑っていた。
彼女が準備室の扉を開けるまであと少し。麦茶でも用意してやろう。
【街へ】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/29 PM 1:35
ハーフタイムになり、ベンチに戻った
選手たちが、休憩を取りながら
顧問の話を聞いている。
後半戦へ向けての作戦会議だろう。
「12点差か。追い付くのがどの位
大変な差なのかピンと来ないな」
バスケは体育の授業でやったことが
あるだけで、ほとんど知識がない。
観戦していて感じたのは、授業レベルとは
選手のスピードがまるで違うということ。
「あと2Qあるから、逆転出来なくはないよ。
宵の強みは、バテてくる後半になっても
シュートの精度が落ちないことだから」
宵のポジションはスモールフォワードと
いうらしい。
古結(こゆい)が《流川くんのポジション》と
分かりやすそうな漫画で例えてくれた
ようだが、残念ながら俺が知っているのは
『あきらめたらそこで試合終了』という
名言だけだった。
あの名言に関しては、全てのスポーツに
通ずると思っている。
真夜(よる)の説明はもう少し具体的で、
3Pシュートで得点を稼ぐことが多いけど、
リバウンドやスティールで守備もこなすし、
サッカーならミッドフィールダーに
近いんじゃない、と言われて合点がいった。
「でも、これ二試合目なんだよな?
こまめに選手交代してるとはいえ、
スタミナかなりキツそうだな」
「そうだね~。それでも、負けないと思うな。
だからね、天明(てんめい)くん。
勝ったらわたしたちと一緒に
街へ繰り出して、宵ちゃんの勝利を
お祝いしてくれる?」
「勿論」
真夜も古結も、宵のいるチームが
勝つことを疑っていない。
だから、俺もただ信じることにした。
◇街へ
穏やかに吹く風がふわりと髪を遊ばせる、そんな気持ちの良い天気。生い茂る木々に、さくさく踏みしめる土。旅は順調、天気も好調。空に悠然と輝く太陽に、本当にいい天気だと腕を伸ばした。
「順調に行けば明日には着くかな」
木々を抜け、街道を歩いていけば見えて来るはずの王都に一体どんな所なんだろうとわくわくさせながら一歩一歩地面を踏みしめていく。
「街へ着いたら何しようかな」
人はどんなに多いんだろう、どんなお店があるんだろう、優しい人がいるといいな、早く街を見て回りたい、頭の中に次々と浮かぶ王都への憧れを胸に、気持ち早くなった足を動かし進むのだった。
街へ
その場所の名前なんか知らない。
ただの住宅街、特にお店などある訳でもない、でもこの街が好きだ、理由は自分でも分からないがとにかく好きだ、それは君が住んでた街だからかもしれない。もう君が居ないことなんか分かってるのに。君との思い出がこの街に溢れてるから、もうこの街を出よう、周りの人達がこっちを見てる、
あぁ、どうやら僕は泣いてしまってるようだ。
あなたとの待ち合わせ
初めてだね。駅前なんて。
やっぱり早く着きすぎちゃった。
あなたと歩く街はどんな感じなんだろう。
はやく逢いたい
どうしようもない孤独に襲われた時ふとどこかへ行きたくなる。地名すら知らないどこかへ目的もなく。
今日は何故だか憂鬱な気持ちに襲われ全てを投げ出したくなった。仕事も人間関係も全てに嫌気がさして現実から逃げ出したくなるそんな衝動。
幸いにして休日な今日は,迷惑をかけない限りどんな行動をしようと指図されるいわれはない。タンスの中から服を選び着替えてハンガーからコートを外し財布を掴んで駅に向かって,来た電車に飛び乗ろうと誰にも何も言われない。
ゆっくりと加速する列車の中から見つめる見慣れたはずの景色は嫌にちゃちなミニチュアのように思える。
遠ざかる町並みはやがて認識できない程のサイズにかわり消えてゆく。一瞬で現れては消えるを繰り返す似通った景色。そんなものをただぼんやりと眺めていれば時間は流れ,聞こえてくるアナウンスが伝えるのは知りもしない地名。
ゆっくりと減速した小さな箱から降りたのは,丁寧にしかし猥雑に詰め込んだおもちゃ箱のようなその街並みが目に付いたから。
人にあふれる賑やかな駅を眺めながら適当にただ歩みを進める。行先などなくふらふらとさまようように,されど風を切るように歩を進める。
ふと立ち止まり眺めた空は赤みを帯びた紫に染まり,街が夕闇に覆われる直前であることを伝える。時間すら把握しないままの旅においては空の色は時を知る唯一の指標でもあった。
「忙しない場所」
通り過ぎていく誰もは足早に急いでどこかを目指す。小さな端末にだけ目を向け人を気にせず,立ち止まりもしない。
入れ代わり立ち代わり様々な人が,けれど皆同様にして何かに急き立てられるように先を急ぐ。その波に逆らうようにまた適当にただ歩く。
そうして辿り着いたそこは明るさだけを無理に集めて煮詰めたような,そんなアンバランスな煌びやかさを放つどこか。
「妙に明るい」
黒に染まるはずの場所は艶やかな光にさえぎられ,その眩さを引き立てる。赤青緑黄色青紫白 様々な色が乱雑に散りばめられたそんな世界。
いっそ毒々しく禍々しいほどにただ明るい。人工的な異物に塗れ空元気で持って保たれているかのような眠らない都市。
「.......なんか怖いな。人間みたい」
疲れ切ってそれでも笑う見知った笑顔を連想させるそんなところ。誰もが夢見心地のようなそんな恍惚とした表情を浮かべるそんな路。
得体の知れない恐怖を与えるそこは,けれど人に優しくて 少しだけ冷たい空気を放っていた。
テーマ : «街へ»
街の歌声が聞こえる
春を迎えたカフェテリアで
学生たちがさえずっている
甘い香りとせわしない視線
揺れる花びら
すべてがあなたを誘ってる
書いてた話がアプリを切り替えた間に消えてしまった。それなりに頑張って書いたのでショック;;
そういう訳でお暇頂きたく存じます。探さないで下さい。
……そうだ、町へ行こう。(唐突)
私の出身は所謂第三の都市です。東京、大阪に次ぐ北海道だか、名古屋だか、博多や京都、仙台も?出身者がそれなりに地元愛をもっているが故に論争が起きるアレです。
そして今は大学近くで田舎一人暮らしライフを満喫中。このときになにが困るかと言うと、イベント関係です。徐々に現地イベントの開催が戻ってきていて時たま東京へ行くのですが、田舎から一番近くのJR駅までにかかる時間とJR駅から新幹線で東京の現地までにかかる時間が同じなのが辛い所。今までの倍以上の時間がかかるようになった。気軽に行けぬ……。
札幌から知床?だったか地図で言う右上の土地まで行くのに東京を経由する方が早いという話を聞いて文明パワースゲーと思うばかりです。
あと、最終バスが早い!街灯無くて怖い!初めて街灯無しの道を帰るとき泣きそうになるぐらいには闇って怖いんだなって分からされた!スマホのLEDライトが闇に吸い込まれて返って来ない恐怖。後普通に蛇いるし。田舎に人呼びたいならそこら辺から何とかしてくれ~
街なんか人が多すぎて行きたくねぇよぉぉだ!
#街へ
私はいつも違う視点から世界を見る。
逆さから見たらどうだろう横から見たらどうだろう
そう考える日々が絶えなく好きだ
違う視点から見る風景はいつもと違う世界に私を引きずり込む。
違う角度でいつもと違う日々を過ごすことで理想に近ずきその理想が私たちを引き寄せ繋ぎ合わせるのかもしれない。
私はそう考えた。
そうすれば少しでも彼に近ずけると思ったから
私はとても哀れで醜い人間なのかもしれない。
【街へ】
何年漂ったのか、俺にはもうわからない。
数えるのをやめた時すら覚えていない。
いつの日か神様に出会えると信じて、無限の暗闇に身を投じた。それは間違いだったのか。
そう思うことに疑問を感じなくなってしまった。
「いっそこのまま…」
弱音を吐こうと何か変わるわけじゃない、時は残酷だ。
「ー!」
一筋の光が見えた、円筒状でクルクルと回転するそれは、まるで希望への道筋に見えた。
「あの先へ行ってみよう。何かあるかもしれない、いや、何かないと俺はもうどうすれば良いかわからない。」
先にあったのは街だった。大声あげる神々と沢山の玩具、その精巧な姿に思わず感嘆の声をあげた。
「神様にやっと会えた!俺はついにやったんだ!」
咆哮を上げたそれを光が包み込んだ。
それは皮膚の焼ける苦痛に悶え、大きな水滴を零しながら息絶えた。
『街へ』
様々な思いが錯綜する街
【メトロポリス東京】
誰もが己の承認欲求を満たそうとするこの群雄割拠の街に、強い思いを持った人間が一人降り立った
様々な思惑をその鍛え上げられた拳一つで解決してきた生粋の武人
強い奴はだいたい友達、頭の中まで筋肉で出来ている天下無双の女武者
心配性の親から持たされたお弁当と、お守りと、ハンカチと、ポケットティッシュと、チェーン付きのマジックテープ財布を詰め込んだリュックサックを背負い
今、この東京の中心で吠える……!
東京がなんだってんでぃ
メトロポリスだかメトロポリタンだか知らねぇが、こちとら今をときめく女の子じゃ!
美術館育ちのもやしっ子なんかにゃ負けはせんっ!
「死にてぇ奴からかかってこーいっ!」
ザワザワ……ヒソヒソ……
「……お母さん、あの人なぁーに?(超大声)」
「シッ、見ちゃいけません!(超小声)」
……ここに新たな伝説が幕を開けた
(※続きません)
右を見ても左を見ても
見慣れたシャッターには
臨時休業の文字はなく
すれ違う白髪まじりの母たちに
あの頃の面影を見つけたくて
立ち寄るのはあの洋菓子屋
煤けた看板を掲げながら
並ぶ数多の宝石たちに
過ぎ行く制服たちも足を止め
懐かしさを背中に残して
夕暮れが暖簾を出す頃
増えるのは履き古した革靴
ぽつりぽつりと彩って
零れる灯りへ耳を向ければ
集う仲間の笑う声と
響く演歌の声高らかに
この町の朝は遅い
この町の夜は早い
この町は生きている
人知れず、時に働き時に休み
日常はみんな町と共にある
さあ行こう私の町へ
―――街へ―――
今日も新しいことを求めて街へ出る、新しい出会い新しい景色新しいもの、そんなロマンチックなものを求めて今日も街へ出る
『街へ』
「ねぇママ、あの煌めく景色が街なの?」
真夜中の山で、そう囁く子狐に
「そうよ、きれいでしょ
だけども、絶対にあそこへ行ってはいけないよ」
と、母狐は強い口調で釘を刺したのです。
「ちぇー、そんなのつまんない!
あんなにキラキラしててきれいなのに!」
翌日、子狐は街へ下りました。
たくさん怖い事がありました。
命からがら、山へ帰りました。
「おかえり!だから、絶対に行ってはいけないと
言ったのに!でも無事で良かった!」
と、母狐は泣いていました。
「煌めく景色は煌めく景色のままでいいんだよ。
近寄ると、見たくないものまで見えてしまうから」
子狐は小さな声で「ごめんなさい」と言いました。
母狐は、その声を聞き、子狐が生きて帰ってきた安堵と喜びで、ワンワン泣きました。
つられて子狐もワンワン泣きました。
君のことを世界でいちばん幸せにするし、つらいとき、悲しいとき、そんなときに隣で支えたい。
幸せな家庭を築きたい。
だから僕とこの街で、一緒に暮らしてくれませんか?
私はいつも夢を見る
とっても楽しい時もあればとっても怖い時もある
その日見た夢を私は日記に書く
覚えていることは全て日記に記憶させる
日記を始めたのはほんの数ヶ月前
最初の頃は面倒くさくて書かない方が多かったけど、最近は楽しくて毎日書いている
今日は一体どんな夢を見るのかな
ー街へー
ちょっとおしゃれな
ショッピングバッグを肩から下げる
テンションあがっちゃって
いろんな物を買っちゃった。
店員さんに絆されてさ。
これいつ着るの?って
家に帰って後悔したりして。
今日は、お菓子がいっぱいの街へ来た
建物が全部お菓子で、流れている川はジュース!
クッキーにチョコレート、キャンディー……
歩いているだけでもお腹が満たされた
その次の日は、お花がいっぱいの街へ来た
辺り一面が全部お花で囲まれてるの!
チューリップにひまわり、コスモス……
季節はバラバラだけど、とてもきれいだった
――さて、明日はどんな街へ出るのかな?
たくさんの人がいて、いろんな高い建物が並んで、どこか息苦しいあの『街』には、どうか出ないでほしい。
自分が嫌だから。
だから、もう少し、幻想を見させてほしいな。
〜街へ〜
私は絵を描くのが好きだ。自分の好きなものを描いて好きな色で染める、絵を描くまでの私には何もなかった全てがどうでも良く汚らわしく思えた
そんな時家の押し入れの中から出てきた水彩パレットと一本の筆、何故か絵が描きたくなってきた硬い筆を水でふやかし窓の外の風景を描いたその瞬間私の周りに色が着いた
素敵だった、世界がこんなにも色鮮やかだなんて思ってもいなかった!だから私は絵を描くのが好きだ。
今日も絵を描き「街へ」行く。
街へ