『街の明かり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題:街の明かり
あなたは街の明かりを背に人混みとは逆の方向へと歩いていった。
「ねえ?どこへ行くの」
そう私は言ったが、あなたは私の方を一度も振り返ることなく消えてしまった。
ただあなたに愛してほしかっただけだった。
「愛してる」って言って欲しかっただけだったのに。
あなたは他の女と生きていくことを選んだ…
あなたの為だったらなんでも出来た
苦手な料理だって、家事だって、あなたの笑顔を見るために私なりに頑張っていたつもりだった。
でもそれは『つもり』であっただけであなたには通じていなかった。
仲の良い女友達に私は泣きついた。
「私のどこがだめだったの…」
って。 女友達は言った。
「【私】ちゃんは悪くないよ!悪いのは捨てたあいつだよ!ほんとに可哀想!」
って女友達は言ったんだ。
じゃあなんでお前は私の彼をとったの?
『可哀想!』だなんて虫唾が走るw
なぁ?気づいてないとでも思ってたか?
彼が浮気してたことなんてとっくの前に気づいてた。
でもいつかは私のことだけをみてくれると信じてた。
だって彼は「好き」っていってくれたんだもん。
でもその「好き」は私の求めてる「愛してる」じゃなかった。
外見は好きだったかもしれないけれど、内面は、私の性格は愛してはくれなかった。
ねぇお願い言ってよ。どこがだめだったのか。
全部全部直すからさ…
この街が明るいせいで
目に映る少しだけ綺麗な夜空を写真では上手く写せなかった。
なんだかほっとした。
これで君を誘う口実ができた気がした。
私の住んでるところは田舎で、街の明かりなんて、ほとんどない。家から見えるところは全部真っ暗で星ばっかり、たまに、旅行とかで街の明かりを見る。
すごい、こんなに人がいるんだ、あの光はお店?車?なんだろうって思ったりしながら見るけど。
暗くても、明るくても、孤独を感じるのは無くならなくて。
暗いと、私の価値ってなんだろう。どんなに頑張っても、それは頑張りに入らないのに、何を評価して欲しいんだろう。みたいなマイナスな気持ちになるし
明るくても、あぁ、こんなに人がいてこの中には一緒に居てくれる人がいる人達とかも居て、なのに、私はずっとひとりで、周りには誰もいない。
そんなふうに思って、街の明かりは私を、少し悲しくさせる。
夏の夜。
ひんやりした風に当たりながら、車の窓から見る、埠頭の灯が懐かしい。
街の灯りが消えかける頃、埠頭の灯りは美しさを増していた。
私は運転しながら、横目にそれを視界に入れる。
これ、夏の夜だから余計に良いよね!
なんて話しながら。
そういえば、東へ出かけた時は仲良く帰宅していたけど、西へ出かけると、何故か帰りは不穏な空気になっていた気がする。
そう、最後の夜も西から帰った日だった。
西と東では、目に映る灯りのイメージが違っていたからね。
人の心も何かが変わるのかもね。
本音を引き出された西の灯りと、本音を隠された東の灯り。
どちらが悪い訳でもないか。
どちらも良くなかったと言う事か。
そんな事は、もはやどうでも良い。
埠頭の灯りが見せたマジック。
その一瞬は美しくて忘れられない一瞬である事に変わりはないが、もしまた見る事があっても、あの頃とは違う色の新しい色で塗り替えたいと思う。
あ、着いた。久しぶりだな。ここに来るの。
俺は元カノからの連絡があり地元まではるばる五時間かけやってきた。
「早く着きすぎたな」
時計を見ると11時、お昼集合なのにやけに早くなってしまった。やっぱ焦ってんのかな。俺。最悪な別れ方したしな。
「久しぶりだね、ゆう」
え、そこには彼女と一緒にいる元カノがいた。
「街の明かり」
宇宙から見る街の明かり
先進国ほど強い光を放つ
それは奪った資源から放たれる明かり
“街の明かり”
目線の少し下、ずっと遠くに街の明かりが瞬いている。まるで日中の太陽の光を海が反射してキラキラしている様に、夜空の星々の光が反射して見えているみたいだ。
七夕は昨日だったけれど、まだ夜空には天の川も流れていて織姫星も彦星も天の川のすぐ側にいる。七夕が終わると、刹那の逢瀬を終えた二つの星は夏の大三角として夜空を彩る様になる。二人の逢瀬を側で見ていた夏の大三角のもう一つであるデネブはどんな気持ちなんだろうか。ふと思いついたことのくだらなさに笑いが漏れた。一人で消化してしまうにはしょうもなさ過ぎて今大急ぎでこの場所へ向かっているだろう相手に急かすメッセージを送る。
相手が到着するのを待ちながら、さて先程のしょうもない質問をしたらどう反応するのだろうかと考える。
ロマンチストな一面もある彼女はもしかしたら意外とデネブの感情に寄り添った解答をしてくるかもしれない。純理系の彼の方は、星に感情なんてあるわけないだろうと白けた顔をするんだろうな。最後に二人してそもそも神話なんて人間が勝手に後から思いついた夢物語だろうと一蹴して終わりそうだ。
数分後、送ったメッセージに既読が付いたことを確認してから画面をオフにした。右上に時間だけが映し出された黒いロック画面にはどこからどうみても幸せそうな俺の顔が映し出されている。
デネブだってきっと、幸せなはずだ。
急かされたことへの文句を垂れ流しながらこちらへ向かってくる織姫星と、それをなんとか宥めようとあたふたしている彦星に軽く手を振りながら、俺はそう思った。
街の明かり
仕事を終え、外に出ると
いつだって暖かな街の明かりが
出迎えてくれる
今日はどこに行こうか
行きつけのお店のママの顔を見に行こうか
それとも新しいお店を開拓してみようか
街の明かりはいつだって
明るすぎてきらびやかでまぶしくて
分不相応なのではないかと
そう思うこともある
だけど同時に
この街の明かりだけが
疲れ切った俺を癒してくれる
そんな気もしているのだ
屋上で2人並んでタバコをぷかり。
“みんな夜更かしだなぁ”
“あ、彼処が消えた”
“--仕事だな”
““おやすみ。良い夢を””
灯りの消えた部屋の主へと瑞夢をお運び致します。
#街の明かり
エジソンが、真昼の群衆その誰かに見せつけるために設置した私達の脳髄の灯は
きっと昔からアスファルトや君達を照らしている。
黄金の魚群の移ろいながらも絶えず巡るように
きっと彼等がすっかり満足して棺に眠ってもずっと。
蝿と蛾と、語り明かす蒸し暑い夜の街灯
「大丈夫。」
そう言って微笑む彼女。ごめんね。
「暑い〜。」
そう言って顔を顰める彼女。季節は7月。
「そんなに言うなら、長袖辞めればいいじゃん。」
「嫌だよ。長袖は私のトレードマークだよ。」
そう言ってクルクル回ってみせた。スカートから見える、無数の包帯。俺は何も言えなかった。
「こんな夜に呼び出してごめんね〜。」
「良いよ。暇だったし。…何かあったの?」
彼女は何も言わない。
「警察に言った方がいんじゃない?」
俺がそう言うと、彼女は少し震えた。彼女の親は、彼女に対して暴力を振るっている。彼女は体についた、無数の痣と傷を隠すために、常に長袖と包帯を巻いている。そのせいで、クラスで孤立していた。
「大丈夫。」
「大丈夫じゃないだろ。お前が言わないなら、俺が。」
「警察に言っても、何も解決してくれなかったよ。」
俺は初めて、彼女の泣き顔を見た。
「もう良いよ。助けなんて求めない。自分で何とかする。最後に君と会えて良かったよ。」
彼女はそう言って、俺の目の前に現れることはなかった。
数日後、彼女の死体が発見された。彼女の家族と共に。
あーあ。もう全部面倒くさい。全部が煩わしい。彼女を助けなかった、警察も、先生も、クラスメイトも、僕も。あの時、俺が彼女を救えたら現状は違っていたのか?
「彼女の選んだ道は正しい。そう思うのが俺の使命か。」
俺は丘の上で、彼女を殺した街の明かりが消えるのをただ眺めていた。
街の明かりに照らされながら歩く私達に何故か人々の視線が集まってくる
少し恥ずかしい気持ちもありながら認めてもらえているような気がして嬉しく歩く
街の明かり
が遠ざかる
田園風景が広がる
のどかな場所に
電車でやって来た
街の明かりが
ないと
淋しく感じた
とても
夜に出歩く時に
明るいの本当にありがたい
日本で良かった♪
【町の明かり】
お前と歩く夜は嫌いじゃない。
いつも一人で歩いては街頭の少なさに文句を言いたくなるような道だって、的確にお前を照らし出す豪勢なステージに化ける。
そんな戯言を抜かす俺に「バカじゃないの」なんて言って笑うお前の姿だけが金色に浮かび上がって、そしてまた闇に沈む。
俺たちはあと何度この道を歩けるのだろう。お前はあと何度光を浴びるのだろう。
こんな寂れた道では光に当たれないような俺を、お前がやがて見限るのはいつだろう。
胸の奥底に燻る感傷は丁寧にしまい込んで、今日もお前とただ歩く。
夜にしか生きられない俺に、ほんの少しだけでいいから光を浴びさせてくれ。お前の行く道に太陽が昇るその日まで。
【街の明かり】
夜道を歩いていると
不安に駆られる
得体の知れないものが
闇の中から現れないか
おかしな人がおかしな気を起こして
襲ってこないか
さまざまなことを考えるのだ
そんな時
街灯が点いているとホッとする
ぼんやりとした頼りない光だが
真っ暗闇よりはずっといい
仕事で疲れた日も
夜景を眺めると癒されるし
こうして帰り道には
私を少しだけ安心させてくれる
街の明かりは
いつも私を勇気づけ
何も言わずにただ見守ってくれている
真夜中でもこの街の明かりはカーテンの隙間からびかびか入り込んでくる もう放っておいて
とん、たん、ひとけのない街灯の下に足音が響く。
ととん、たん、ふわり。白いスカートがオレンジ色に照らされて揺れる。細い腕を伸ばして羽ばたくように下ろす。右足を軸にしてくるりと回り、軽やかに裾をはためかせる。
深夜二時。コンクリートの地面にぽつりとたった一本の街灯の下で、その子は踊っていた。青い柱の街灯はあまり光が強くないようで、灯っていてもどこか心許ない。辛うじて灯りが届く古びたベンチに落ちる影はどこまでも暗く、まるで深淵がこちらを覗き込んでいるようだった。
ジジ、ぱちぱち、プツ、カンカン。電灯は古いのか、時たま音を静かに響かせる。それは時にあの足音と絡み合い、不思議なメロディーを奏でていく。
暫くして目が慣れれば、色々なものが見えてくる。
赤い自転車。小さな花壇。遠くに見える小さな明かり。
どこかの窓の、どこかの家の、まだ眠らない人の営み。
とん、たん、ぱちぱち、たたん。
軽い音と、古い音が重なっては離れていく。
――夜が、いっそう更けてゆく。
「あかり」
街の明かり(2024/07/08)
夜は暗くて怖かったあの頃。
明かりを見つけるとホッとした。
闇に慣れた今日この頃。
明かりを見つけては遠ざけた。
親が頑固だと子が苦労する。僕の家はその典型だ。一面田畑の田舎から、さらに山を登った林の中。切り拓かれた少しの空間にポツンと立つ山小屋が僕の家。獣臭漂う山小屋には、歪んだ机と椅子に石造りの台所、それとこの田舎でしか信仰されていない山神様の狐と狸の像が壁際少し高くなったところに置かれている。食事は大体狩猟で狩った鹿とか猪、そこらに生えてる山菜ばかり。変わり映えのない味にもう飽き飽きしている。
それでも学校に行く時だけは解放される。全校で二桁ギリギリいくかぐらいの田舎学校だけれど山の中に比べればびっくりするぐらいに文明が発達しているのだ!
家にはほとんど形ばかりにしか引かれていない電気水道がしっかり通っていて、比べようもないぐらい快適。何よりもトイレが流れるのがいい。それと電波、これは僕の家には通ってない代物だ。なんでもみんなが持ってるスマホっていうので色々するのに必要な何からしい。当たり前のことなんだって。
おとーさん、僕もスマホほしい。ねだってみたけどスマホって何?だし電波もないからもちろん買っては貰えない。おかーさん、僕この家嫌だ。山の外で暮らそうよ。そう言っても、この家から出ていくことはありませんなんて頑固だ。
小学校も中学校も、朝早くに家を出て、学校に行って、放課後遊んで、でも友達よりちょっと早めに家路について、暗い山道を駆け上がって帰っていく。小さい頃は当たり前だったけど、中学にもなればそれはおかしくて、不自由で、もう嫌だって思いだす。
だから高校には勝手に受験してやった!
いつも通ってた田舎には中学までしかないから高校からはもっと大きな街通いだ。流石に山から通えないから引っ越すしかない。僕は高校から一人暮らしをしてやるのだ!
邪魔されないようにこっそりこっそり準備した。稼ぎ先はわからないけど親はお金をたくさん持っててお小遣いもいっぱいくれていたから質素なアパートを借りるぐらい十分。僕が街に行く時間は取れなかったから友達に手伝ってもらってなんとか生活できるようにして、それで引越し当日に、街で一人暮らしするからって言った。
案の定怒った。勝手なことをするなってぶたれた。猪を仕留めるような手で人を殴るな!僕も人生で一番反抗して、椅子をぶん投げ机を割ってやった。狩用の鉈を持ってくるな!こんなに反抗してもダメダメ言ってくる親にもう嫌気がさして、全部が馬鹿馬鹿しくなって、いつも丁寧に飾ってあった山神様の像もバキッと折って家を飛び出した。
あれから半年。僕は引きこもりである。ホームシックだ。あんなに威勢よく飛び出してきたせいで帰りづらいから我慢していたが、辛い。引きこもるぐらいには辛い。
田舎のさらに上位互換の暮らしを舐めていた。街とは勝手が違いすぎる。人は多くて酔いそうだし、食べ物は総じて味が濃い上に不味い。野菜は薬の味しかしない。何より街の明るさがキツかった。朝から夜まで何かしらが光っていて、しかも赤やら青やら色付きで光っていたりするのである。山の暗闇に慣れた目には眩しくて刺激が強くてたまらなかった。
一度家に帰ろう。半年経って漸くその決心がついた。あの家でこの先も暮らしていくのは断固拒否だが、少しづつ慣らしていかないとどうしようもない。
古びて色落ちしたバスに乗って一時間と揺られれば見慣れた田舎の景色が見えた。たった半年だがどうも懐かしい。バス停を降りた先で声をかけられる。あ、友達。街暮らしの手伝いをしてくれた大親友だ。
「久しぶり!街暮らしはどうだ?」
「久しぶりー、全然慣れないよ」
「わかるわー、何でもかんでもガチャガチャしてるもんな。にしてもここに来るなんてどうした?親父さんらは?」
「え?いや実家に顔出そっかなって。とーさんなら今頃狩猟でもしてんじゃないかな」
「は?」
「なんだよ」
「お前、昔の土砂崩れで家無くなったから街に引っ越したんじゃん。あそこだったろ?」
「、え」
知らない場所だった。友達が指差した土に埋もれてほんのちょっと瓦の見えるあの場所なんて知らない場所だ。僕の家は通うのも面倒な山の中で、嫌だ嫌だって散々愚痴ったじゃないか。一人暮らしするから手伝ってくれって頭を下げたじゃないか。
何年も通った山道はもう目をつぶってだって家の場所にたどり着ける。木々を切り拓いた木漏れ日さす空き地。この先。家が、ない。
ぽっかりと空いたその空間には家もなければその痕跡もない。悪い夢でもみているんだろうか。全てが消え去ってしまっていた。呆然として、同じはずなのにやけに広く見えるその空き地をフラフラと歩く。確かにここは僕の家だった。
━━コツン
足先に何か当たった。割れた狐と狸が落ち葉に埋もれるようにしてそこにあった。
唐突に、すべてを理解できた気がした。そうか今までの全ては、ああそうかそうだったのか!知らずに涙が溢れる。なんだって理解した気がするのに、なんだってわからなくて、わからないから涙だけが溢れた。
泣いて泣いて泣き伏して、割れた狐と狸は今や一つとなってしまった帰る場所に持っていくためにそっとポケットに仕舞い込む。山を下ってバスに乗って山から遠ざかっていく。もう夜も更けてきた頃だが街はギラギラと眩しかった。
バスを降りれば待ってましたとばかりのちょうど良さで葉っぱが一枚頭に乗って、気の抜ける音と共に視界が暗くなる。
僕はこれから、この街の明るさの中を生きていくしかないのだ。
アパートには割れ目の残った狐と狸。僕の顔には黄色と茶色のシマシマフレームでダッサいサングラスがそれからずっと置かれているのである。
『街の明かり』