『街の明かり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「街の明かり」
街灯やライトアップが増えたせいで星が見えづらくなった、なんていつぞやのお題に愚痴混じりにぼやいたけれど、実際ちょっと寂しさも覚えたのだけれど、いざ街灯を減らされたら結構不便だ。現に痛感してる最中である。
これを綴っている人はあちこちを回る転勤族なので、短期間でいろんな場所を回っている。一緒に回ってる人と話してからやっと気づいたのだけれど、いま住んでいるところはそもそもの区画の問題なのか、街灯が少なすぎる。前も似たような感じだったかとふも思ったが、いままで渡り歩いてきたなかでも断トツに少ないぞ。
道路を隔てた向かい側に、自販機の明かりがぼうっと光ってるのは唯一の救いだ。道路もあるんだけど、ちょっと行った先のコンビニぐらいしかほかに明かりがない気がする。
この暗がりに乗じて誰かが潜んでいるかもしれない。
その誰かとは、果たして人間じゃないナニかかもしれない。
そう思うと、かつての人々が暗がりに怯えつつも、独自の解釈で立ち向かっていたいわゆる「怪異」というのが、ちょっと愛おしくも思えたりする。
自論なんですが、怪奇現象とか妖怪とか怪談って、認知する人がいなければ成立しないと思ってます。もっというと、人がいなかったら存在しないものだと思っています。そう考えると、途端に愛おしく見えて……来ないかも。
好きなくせにビビりなので、怖いものは怖い。幽霊っていう存在というか概念はいると思っているけど、実際に遭いたくないし、見たくない。聞くだけで満足するに限る。安全圏から認知したい。なんてわがままなんでしょう。
いつも小説を書いていたけど、別に好きに綴っていいんだからたまには思ったこと呟こうと思った次第。
なんだかんだ言ったけれど、街灯、いつもありがとう。この地域、できれば増えてくれたら嬉しいな。
しんどい
苦しい
疲れた
やっと家に帰れる
電車の窓に顔を寄せながら
今日1日を振り返る
今日も朝から頭が痛かった
いつも敏感な耳が余計に音を拾って
どんどん悪化した
部活が始まるともっとぐわんと響く
やっと終わったと思ったら
まだまだ暑い夕空の下を
ゴングがなる頭を抱えて歩き
今に至る
体調が悪いだけでもマイナスなのに
どんどんと不幸が積み重なっていった
駅まで頑張った自分を褒め称えたい
ふと窓に目をやると町の夜景が見える
きれいだ…普通に
なんだか疲れも頭の痛みも
少し和らぐ気がする
明日も…頑張るか…
「街の明かり」――普遍的な語句であるので、例外は考慮に入れないことにしたい。
例えば街の地下……地下鉄や地下鉄駅は、街の明かりに含まれるだろうか?
例えば昼の太陽……春や夏や秋や、強弱関係なく降り注ぐ自然の陽射しは、街の明かりに含まれるだろうか?
基本的には含まれない、ということを考慮すると、街の明かりは夜間で地上に限定される。
高層ビルの聳える都会は「街」と言えるだろうか。
過労死ラインを抱える人々の、眠ることのない夜を抱える建物自体、穏やかな味わいを持つ「街の明かり」に該当するとは思えない。
信号機の光やネオン、電車の揺れ動くもの、カンカンと鳴り響く踏切、電柱の光、街路樹を照らす光。
これらは街の明かりを構成するかもしれないが脇役でしかなく、明かりの主役にはなり得ない。
音という雑音が含まれ、テーマにそぐわない。
駅前やバスロータリー、観光地特有のイルミネーションなども、季節ごとに応じて色を魅せているが常設的な明かりではない。特にコンビニは24時間営業、人工物だ。
そうなると、街の明かりに該当するのは郊外である。
街の明かりとはすなわち、室内の光が漏れ出たものの集合体に思える。
マンション、一軒家、賃貸物件、昭和特有の団地、営業時間中の店内照明……居酒屋。
内包されるのは人の住処の象徴であり結晶である。
さて、室内光を考えるにあたり、特に重要なのはカーテンの有無だろう。次点で窓の種類だ。
中学校で用いられる顕微鏡には、「しぼり」と呼ばれるものがあった。
反射鏡で吸光・反射し、その量をしぼりを使って適切に調節する。光が強すぎると観察すべきプレパラートが見えなくなる。この機能がそのままカーテンに由来する。
元々電気というのは外で――発電所で作られ、高電圧で送電されて室内で消費される。ある種反射されて供給されたということである。
それがカーテンという「しぼり」を通して光が絞られ、外に漏れ出て街の明かりとなる。
次点で窓の種類だと先に述べた。
これは曇りガラスなど透過する窓の種類によって明かりに変化をもたらすからである。これも「しぼり」と呼んでもよいだろう。
こうやって漏れ出た「街の明かり」は、しかし、第三者からの目線により価値を失ってしまう。
具象から抽象へのマクロ的変貌。
小さな価値の集合は、大きな一つの新たな価値にラベリングされる。
「しぼり」の存在は無視される。
例えば「百万ドルの夜景」といった具合に大半は無視される。
街の明かりがポツポツと
夜が日を跨ぐ頃には消えてゆく。
部屋中の電気を消して
生温い、夏の夜風に吹かれながら
その明かりをアテに
缶ビールを飲む。
街の空は、どんよりしていて
夜でも濁って見えるのは何故だろう。
星ひとつも、見えないこの場所は
今夜もまた微かに
サイレンの音が聞こえる。
忙しない街。
昼間ですら、彩りを感じない。
ただ、帰る場所の無い俺には
ちょうどいい街。
【お題:街の明かり】
明るい、それは都会の方が多い。
田舎、そこは明るさは少ない。
高齢化もあり暗い。
だけど、明かりはある。
・4『街の明かり』
その気になる女子と一緒に歩いていた人(お姉さん?)
が彼女のことを「テンちゃん」と呼んでいた。
テンちゃんか……
ほんとの名前はなんて言うんだろ。
あっテンちゃん!流れ星だよ!
二人と少し離れてしまったがお姉さんの声が聞こえた。
こんなに街中が明るくて見えるんだろうか?
というか星なんて見えない。
うーーーん、どうにかしてお近づきになりたい。
なれますように。
と、見えない流れ星に願った。
上を見ても街頭の灯りが眩しかっただけだった。
【おわり】
♪都会の灯りが
きらめきを 増す頃に
♪ふいにこころを
横切る 面影
♪どこにいるのか
どうしてるのか
あなたは今頃
♪若さで
傷つけた日々が 辛い
【MEMORY OF SMILE】
作曲:大野雄二 歌:山田康雄
都会の街明かりを背景に、懐旧の情に浸るビターテイストのチューン。
酸いも甘いも噛み分けた大人の色香。
日々悲喜交交を織りなす街の夜景。
燦然と輝く成功も、地を這うような失敗も──そこにはある。
良いお酒を用意して聴きたい一曲だ。
街の灯り
時としては神々しく、時としては迷宮摩天楼の様に灯りは刻一刻と変貌している
それは自身の気持ち次第で見る景色はまるで変わる
ひたむきに頑張った今日は、眩しく綺麗な灯りであって欲しいその願いは明日への活力にもなり力の源泉にもなり得るのだ
願わなければ叶うことはなく、自身の心労にはなにも得ることもない
少しでもいいから周りを見渡してそっとひと呼吸
その灯りはあなたにはどう映っていますか
街の明かり
海の街?
山の街?
どっちでもええで
駅の改札を出て階段を降りている途中、いつもの場所に立っている父の姿が目に入った。父の隣には愛犬のリュウがちょこんと座っている。
「ただいま。」
「おかえり。」
リュウがしっぽを振りながら私に飛びついてくる。父からリードを受け取ると、リュウが勢いよく家の方向に向かって歩き出した。
「もう迎えに来なくていいのに。」
「うん、でもリュウが散歩に行きたがるから。」
あれは半年前のこと。駅前でオートバイと接触して私は軽い怪我を負った。それ以来、何時だろうと私を駅まで迎えに来るのが父の日課になった。
母に聞かされた話なのだけれど。事故の知らせを聞いて、父は心の底から心配したらしい。半年前に離婚して出戻った私が、思い余って道路に飛び出したんじゃないかと思ったそうだ。
リュウが前を歩く父を一生懸命追いかける。
「お父さん、私ね。」
父が少し歩調を緩めた。
「もう一度挑戦してみようと思うんだ、税理士。」
会社員時代に税理士を目指していたのだけれど、結婚を機に夫の仕事を手伝うために税理士の勉強から離れていた。
「うん、やったらいいよ。がんばれよ。」
こちらを振り向くことなく、父はひたすら歩き続ける。その後ろを追いかけるリュウと私を、街の明かりが照らしていた。
#街の明かり(2024/07/08/Mon)
まどからの光が温かく映る
ちっぽけだけど そこかしこに溢れている
のきに灯るのは「おかえりなさい」の光
あなたを包む 光
かえっておいでと 呼ぶ光
りんりんと 鈴のようにまたたく光
【街の明かり】
優しく足元を照らしてくれる、黄味がかった蛍光灯。
だったのが……目覚しく光る白色のLEDに変わった。
眠たい夜の時間を邪魔しない、体を包み込む温かさ。
だったのが……道の見通しが良い冷たさに変わった。
田舎の街灯には虫が集まっていて
あなたは学校の街灯みたいな存在で
周りにはいつも人がいて、
話づらいけど、目が合うとニコってしてLINEをしてくれるあなた。
そんなところが好きなんです。、
#街の灯り
#街の明かり
夕日が沈んで
月が浮かび
私は1人
闇夜を歩く
あぁ
なんだか寂しいな。
あぁ
なんだか苦しいな。
月が死んで
朝日が生まれ
私は1人
夜明けを歌う
あぁ
なんだか楽しいな。
あぁ
なんだか慣れないな。
闇夜を照らす街灯も
街を包む朝焼けも
どちらもきっと温かい。
花魁道中って知ってるかい?
それはもう
夜を彩る花のような美しさだったんだとさ。
歌舞伎町って知ってるかい?
それはもう
月を蝕む雲のような場所だったんだとさ。
街って知ってるかい?
それはもう……
それはもう、
今の私たちだったんだとさ。
街の灯り
誰にも汚されたくないから
アタシの世界は
誰にも理解されなくていい
アタシの世界は
アタシだけのもの
街の灯
フワフワと あてもなく
街を 彷徨く
どんなに嫌なことがあっても
そっと灯る 深夜の 街灯に
心が 浄化される
なんてことない 街灯
なのに
一人で 見上げていると
励まされてる気がしてくる
何故だろう.......
こういう都市に住んでいるけれど、素敵な場所を見つけた。折角なら一緒に見たいんだ。
そう思って、仕事帰りにと彼女を誘った。
仕事関係で仲良くなったビルのオーナーから許可をもらって、ビルのエレベーターに乗っていた。
「この建物に入ったのは初めてです」
「俺も初めて」
顔を合わせて笑い合う。
エレベーターが止まると、青年は教えてもらった階段に向かい昇って行く。
「こんなところ、登っても大丈夫なんですか?」
「大丈夫、許可はもらってあるんだ」
「そうなんですね」
青年はしっかりとした扉の前に立つと、彼女に手を差し伸べた。
「この先は危ないから、手を繋いでね」
「はい!」
しっかりと手を繋ぎ、青年は扉を開けた。
風が強く吹き抜ける。そこはヘリポートだった。
「わあ……」
瞳に写るのは、夜空と都市に住んでいる生活の光。
建物や、信号の動かない光。車や電車の動く光が混ざり合い、高いところから見る街の明かりはキラキラとして眩かった。
「凄いでしょ」
「はい、きれい……」
うっとりと街を見ている彼女を、青年が見つめる。
「この前、このヘリポートに夜来てさ。ヘリから見た空が凄く良くて、君に見せたくなっちゃった。ちょっとズルしちゃったけどね」
「でも、こうやって見せてくれるの、凄く嬉しいです」
先程の表情より、嬉しそうに微笑む彼女。
青年の人間関係を駆使しまくった甲斐があるというものだ。こんな可愛い笑顔が見られたのだから。
おわり
お題:街の明かり
一つ、決め込んだ夜は
一人で嗜好品を味わう
今さら光自体に見惚れることはない
夜に溶け込む姿を見てからは
暗がりが素敵だと考えるようになった
少しずつ近づいて来る
服が揺れる音だけが響く
輪郭だけは、気付けたけれど
気付かぬ振りをして携帯を見る
闇になれていない目で
声かけられるまで待っている
*
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街の明かり
夜が更ける頃、街はいっそう明るくなる。それは明るくありながら何処か闇を抱えている。
薄暗い部屋の角、ベッドの上で重なり合う影。
「……ほんとに良いの?」
「うん……𓏸𓏸にして欲しい」
𓏸𓏸は震える手で××の細い手首を握る。そしてゆっくりと顔を近づけた。
街が更ける頃、街はいっそう明るくなる。明るさの裏には得体の知れない不気味さがある。
「××、一緒に」
「……ごめんなさい。逃げられないの」
××は𓏸𓏸の手を解く。ごめんなさい、と繰り返しながら××は明るい夜の街へ消えていった。
これで何人目だろう。誰も共に朝日を迎えてくれない。自分は悪くない、そう言い聞かせて新しい誰かを探しに闇へ消えた。
『街の明かり』