『蝶よ花よ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
蝶よ花よ
原典を忘れてしまったのだが、いつぞやの宮中で足を開けっぴろげて寝ていた猫に、はしたないですよ。と注意をする話を読んだことがある。
蝶よ花よと大切に育てられるのも幸せかもしれない。しかしそれが本人に向いているのか、猫の本分が自由気ままであるようにその子に合う別の接し方があるのではないかと。
子育ては難しい。正解などどこにも無く、子どもは移り行くように変わり育っていく。前回の対応が今回も上手くいくとは限らない。
それでも模索し日々進んでいく保護者の方々に敬意を
蝶よ花よ
と育てられた覚えはないけれど
それなりに大切に
育ててもらったんだろうな
と思っている
父と母に感謝
これは偏見である。
蝶よ花よと育てられたと評される方にかぎって、
処世術がうまい。
人当たりの良い人間の振る舞いが上手い。
要領よく立ち回り、美味しいところを掻っ攫っていくのだ。
花のようにたおやかに振る舞いつつ、蝶のようにひらひらと世を渡っていくのだ。
これは偏見である。
#蝶よ花よ
蝶よ花よ
君は何処に行くんだい?
花から花へ渡り歩いてひらひら舞う
花の香りに導かれ何処までも飛んでいく
側にいてほしいのに離れていかないで
僕の声も届かない…
蝶よ花よ…君は自由で羨ましい
蝶よ花よ
その花は大事に育てられた。
とても綺麗で、誰もが目を止めた。
その蝶は大事に育てられた。
とても華やかで、誰もが目で追った。
綺麗な花に、艶やかな蝶がそっと止まる。
捕えることさえ、恐れ多くてできない。
誰があの花を手折るのだろう。
誰があの蝶を捕まえるのだろう。
きっと、それは自分ではないことだけは確かだ。
#18 蝶よ花よ
[蝶よ花よと言うけれど]
貴方は、こんなに優しい人ですもの。
蝶よ花よと両親に育てられたんでしょうね。
世間話で、よく言われるセリフだ。
残念ながら親しい人は、
キレイに見せかけた毒花に見えるという。
人は見かけによらぬもの。
表面だけみてもわからない。
他人の評価なぞ、みる視点一つで
ガラリと変わる。
だから、
蝶よ花よと育てられたように見えたとしたら、
その分優しい人と思われているということ。
今日も他人に優しくあれて良かった。
蝶よ花よと育てられても
しっかりと礼儀などをしつけられる
親がいなくても立派に生きていけるように
まだまだ親には足元には及ばないが
しっかりと生きていきたい
いいよね、あんたは自由で。
現代には珍しい、古臭い家の長女として生まれて17年。
“蝶よ花よ”と、それはそれは甘やかされて生きてきた。
何をねだっても何を嫌がっても、望み通りにしてくれた。
小さい頃はそれでよかった。
好きなことを沢山して、嫌なことを避けて、いい事しかないと思っていた。
だけど、そんな都合のいいことではなかった。
高校生にもなったというのにどこへ行くにもGPSが仕込まれていて把握され、友達との連絡も筒抜け。その友達も両親に言われた人達。バイトも部活もできない。恋愛なんて以ての外。食べる物も、着る服も、全ての私の行動は、あの人達が選ぶ。
― 過保護
この言葉が何度も頭に浮かんだ。
ほんと、うざったい。
枕に顔をうずめて、小さい“つ”にできる限りの力を込めて呟いた。
話はずれるが、私には極々身内の人間だけしか知らない双子の妹がいる。
双子は縁起が悪いだのなんだので、生後間もない頃、当時まだ子供のいなかった叔母夫婦の養子にされたそう。
17回目の誕生日を迎えたのが昨日。
魔が差して妹達の住んでいる住所を特定したのが昨晩。
初めてあの人達に内緒で出かけたのが今朝。
幸いにも私達は一卵性双生児で顔がそっくり。
改札を抜け10分程で妹と思わしき人物をみつけた。
妹は、楽しそうに、恋人と歩いていた。
ぷつん、と何かが切れる音と、鈍器で脳を直接殴られたかのような痛みが走った。
は?え?笑
なんであいつは笑ってるの?
口から漏れ出た「…は?」が自分でも驚くほど震えていた。
ズカズカと歩み寄り、自分と同じ顔をした妹の、ぽかんとした表情を無視して、憎いこいつの胸ぐらを掴んで、酷く歪んだであろう顔で、叫んだ。
「っあんたなんかだいっきらいっ!!!!」
【蝶よ花よ】
テーマ「蝶よ花よ」
うちの犬はとってもかわいがられている。
わがままだろうとやんちゃすぎだろうと
かわいいものはかわいいのだ。
あのあどけない顔を見ると悪さをされても許してしまう。
とにかくかわいいのだ。
もちろんイライラすることもあるが…
まだ子犬なのだ、しかたないと許してしまう。
これが蝶よ花よと愛でられる存在といえるだろう。
蝶は自由に羽ばたいて花の密を吸いにやってくる。
私の宿題も花の上においてそのまま消えたらいいのにな。
踏み潰された蝶の死骸に、蟻が群がっている。
道端に咲いていた花は、気付けば枯れていた。
車が、人が、知らない顔で過ぎてゆく。
信号は三色を繰り返し点灯させ、
太陽と月は、かわりばんこに空を塗り潰す。
皆、無関心に生きて、中途半端に交わって、
そんな風にして今日も正しく地球は廻っている。
「蝶」と「花」が出てくる漢詩がある。
それは『感事(事に感ず)』だ。
天官賜福(天の祝福があらんことを)
まるで燕のように
花に戻ってくる蝶がただ1匹だけいた。
--- 感事(于濆)---
花開蝶滿枝
花謝蝶還稀
惟有舊巣燕
主人貧亦歸
花が咲くと蝶はその木の枝に群がり集まってくる。ところが、花が散ってしまうともうその枝には蝶は来ない。ただ前から巣を作っていた燕だけは、その家の主人が貧乏であっても、去年の古巣を忘れずにまた戻ってくる。
(世間の軽薄な人々は、富貴権勢の人のところに群がり集まるが、その人がいったん没落してしまうと、もう見向きもしない。ところが、厚情の人だけは相手が貧困になっても、深い交わりを結んでいる。)
花:富貴権勢の人のたとえ
謝:花が散り落ちることで、ここでは富貴権勢の人が没落してしまったことのたとえ
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伝えたいのは、ただそれだけ。
蝶よ花よ宿題がなくていいな全く。
私がもし生まれ変われるなら花になりたいなぁ…。
「ただ可愛がられたいだけなら簡単だよ」
「気に入られるとなると少し難しくなるかな」
「頼りにされるのも、信頼関係を築くのも少しずつ難易度は上がっていくの」
「だってほら、あなたもそうでしょ」
そこに1輪の花を持って立っているだけなのに目が離せない。きれいとか、かわいいとか、そんな俗物的なものじゃない。初めからそこにあったかのように溶け込んで、それでも尚失われない個が立っている。
夏の影を映した縁側に1人、陽射しを受けて光る花が1輪。それぞれの写真を切って貼り合わせたかのような視えない境界が1人と1輪の間にある。
「あなたは上手くやれてるよ」
そんな訳ない、そんな訳ないんだ。
だってここは貴女の場所であって私の居場所なんてどこにもない。だから隅の方で小さいままだったのに。
そんなふうに、簡単に、手折るなんて。
『うれしい』
貴女のおかげで私が輝ける。
仮死したそれはあと数日も保たない。
でも私はこれからずっと立っていられる。
――だから、私を、折らないで
【題:蝶よ花よ】
世界に光が満ち満ち触れてくる
蝶蝶も花もあなたの権化
惜しみなく甘やかされた幸せを
子どもたちに渡せる幸せ
♯蝶よ花よ
「おかあさん、これなあに?」
娘の翔華が、赤い花を指差して言う。
「それはね、チューリップって言うのよ」
へぇ〜、と笑顔で呟く我が子を見ながら、もうこんなに大きくなったんだなと気付く。
「あ! ちょうちょ!」
翔華の指さす先には青い綺麗な蝶が。
「綺麗だね! でも、どこで名前覚えたの?」
私の記憶の限りでは、蝶の名前を教えた記憶はない。
「おうちにあるほんにのってたの!」
子どもの成長は、想像していたよりもずっとはやい。
娘は、夫と2人で考えた名前の通りに育っているみたいだ。
“華が咲くように、未来へ羽ばたいて育ってほしい”
夢見鳥 吸うのは甘い蜜ばかり
/お題「蝶よ花よ」より
【蝶よ花よ】
蝶は花を愛してる
果たして花はどうだろうか
蝶から身を守る為
必死に身体を強くしている
まぁ、花も蝶を愛してるんだろうな
蝶よ花よ…
亡き父。亡き祖父母たち…
私にたくさんの愛情を注ぎ大切に慈しんでくれました。
今はもうその溢れる愛を肌で感じ取ることはできないけれど
私が今息子たちに愛を与えることができるのは
たくさんを受け取ってきたから…
再会できるのは何十年も先かもしれないから
家族に囲まれ幸せな笑顔の花を咲かせていますから
蝶になって私に会いに来てください。
命短し恋せよ乙女 はいつの時代なんだっけ
蝶よ花よの乙女たちよ
若さにだけしがみついているのなら
若いから綺麗 は実はそんなに大事じゃない
日々のお手入れは それなり で
綺麗 に若さは要らなくて
思考が若さを創るから
怖くないよ嘆かないで
自分自身を深く見つめて その時時の歳を重ねて
✼•┈┈蝶よ花よ┈┈•✼