とらた とらお

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「蝶」と「花」が出てくる漢詩がある。
それは『感事(事に感ず)』だ。

天官賜福(天の祝福があらんことを)
まるで燕のように
花に戻ってくる蝶がただ1匹だけいた。

--- 感事(于濆)---
 花開蝶滿枝
 花謝蝶還稀
 惟有舊巣燕
 主人貧亦歸

花が咲くと蝶はその木の枝に群がり集まってくる。ところが、花が散ってしまうともうその枝には蝶は来ない。ただ前から巣を作っていた燕だけは、その家の主人が貧乏であっても、去年の古巣を忘れずにまた戻ってくる。

(世間の軽薄な人々は、富貴権勢の人のところに群がり集まるが、その人がいったん没落してしまうと、もう見向きもしない。ところが、厚情の人だけは相手が貧困になっても、深い交わりを結んでいる。)

花:富貴権勢の人のたとえ
謝:花が散り落ちることで、ここでは富貴権勢の人が没落してしまったことのたとえ
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伝えたいのは、ただそれだけ。

8/8/2024, 11:24:54 AM