『落ちていく』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
気がついたら空中にいて
あと数分で地面に到達
背中を確認するとパラシュートはない
全身に風が刺さり この速度のままだと衝突死
ぶつかる直前思い出す 手を広げれば空中で止まる
そのひらめきも間に合わず 地面に落ちテイク2
すかさずシーンが切り替わりまた空中
今度は素早く手を広げ 空中停止しほっと一息
わけのわからない夢の中
なんの疑いもなくわけのわからない思考をしている
思考さえも夢の中 受け入れている自分が怖い
『落ちていく』
暗い、昏い穴をオレは落ちていく。それはまるで永劫とも思えるように長い。
途切れつつある意識の中、オレはさっきまでの出来事を回想する。
まさか、青銅の小僧なんかにこのオレが負けるとはなぁ。しかも、黄金聖衣には逃げられた上、丸裸の相手に、オレの縄張りでやられたときたもんだ。言い訳のしようもねぇ。まったく、末代までの笑い者だぜ。
――ま、このオレにゃ相応しい末路だったかもしれねぇがな。
オレは今でも自分の行いが間違っていたとは思っていねぇし、やってきたことに後悔も反省もねぇ。だが、自分の行いが到底褒められたモンじゃねぇことぐらい自分でも分かってる。だから、自分の行いが回り回って自分に返ってきた、因果応報だと言われても、はいそうですねとしか言えねぇ。
それに、オレ自身畳の上で死ねるとか、ましてや極楽に行けるなんかこれっぽっちも思っちゃいねぇ。望んでこの手を血に染めたオレには、地獄が相応しい。
あとは、オレに青臭い説教をしてきたあいつがこの先どこまで行けるのか。その結末を見られねぇのはちょっと残念だな。
ともあれ、オレは一抜けだ。じゃあな、シュラ、アフロディーテ、それにサガ。先に地獄で待ってるぜ。
「奈落」と書いてある紙を拾いました。太いゴシック体の文字でした。手のひらの半分に収まるくらいのちいさな紙でした。
途方をなくしてしまったようで、つまりは大人でも迷子になるんですね。いつもなにか苦しそうだった。解答欄の空欄は埋まりましたか。
果てまで行くの。って君が言うから内心困った気持ちになりました。果てなんて無いのに。宇宙は光より早く拡大していて、人間たちがどれだけ走ろうと追いつきようもない。電車を追いかけるより無謀です。あるいは、もしかしたら、やさしい眠りにつくよりも。
とはいっても、君は電撃を駆け上っていって、それで、一体どこまでいくの。君のために、小さな町を作ってあげますよ。作るのはパン屋さんが好きだけど、君は食べるのがあんまり好きじゃないね。よだかではないのだから、どこまでもいけるわけじゃない。仕方がないから、帰っておいで。
言葉というのは文化の副産物のようなもので、つまりは届くとは限らないんですね。底が抜けたコップには、いくら注いだって意味をなさない。奈落は君の名前だったかもしれません。最後に小さな町も、君の奈落に落としておくね。
[落ちていく]
コロコロ、コロコロ転がって、
ストーンと落ちていく
コロコロ、コロコロ転がって、
ストーンと落ちていく
ああ、楽しい
あ〜たのし!
落ちていく
恋に地獄に
落ちていく
彼が結婚してるだなんて
知らなかったのよ私
結婚指輪をしてたでしょって
指輪、彼指輪なんてして無かったわ
ほんとよ
嘘なんて言ってないわ
あなたと会う今日まで知らなかったのよ
こうなったら私彼に地獄を見せてやるわ
いいえ私も地獄に落ちないと
ほんとにごめんなさい
─────『落ちていく』
木の葉が
落ちていく
刻々と
冬の訪れを待つように
散る瞬間まで人々を魅了するのに
地べたに足を置けば踏まれて終わり
人間なんかに花を語る資格なんてない
#110 落ちていく
あの時の悲しみに
落ちていく
部屋の隅っこ
膝を抱えて
目は見開いて
それでいて
何も映さず通り過ぎていく
体は現実の中に生きているのに
頭の中のイカれた8ミリフィルムが
ふざけた走馬灯を作り出す
見たくないと思うほど鮮明になっていく
アリジゴクの罠に嵌ったように
戻らなければと藻搔くほど
落ちていく心、止められず加速して
---
悲しみの記憶は『思い出す』行為を繰り返すほどに強固に定着していきます。
牛の反芻と一緒ですね。戻しては噛み砕いて心に吸収させているんですから、辛くて当たり前です。
滑稽に見えるかもしれませんが、本人は飲み込めば消えると信じて必死なんです。
#落ちていく
なにかから落ちていく夢
最近見なくなった
あれは何だったたのか
日々のストレスから
もしくは責任感
肩の荷でも降りたのかな
落ちた。
深い深い穴へ、転げて落ちていった。
僕は何の為に生まれてきたのだろうか。僕は、僕の生きる意味を見つけたかった。少なくとも、きっとこの今の状況に陥る為ではなかった。そんな、考えてもどうしようもないことを考えてしまう。
そうやって、永遠とも思えるような長い闇の中を落ちていく。
どうしようもないことはわかっている。でも、本当はこんなところで諦めたくない……。
深くて暗い底まで落ちた。
……そう、これ以上下なんてなかった。
視界が開けた。
そこには、思っていたよりも綺麗な世界が広がっていた。
穴の中では綺麗な歌声が響いている。
ふと見上げると、僕が落ちてきた穴から、僕を落とした張本人が落ちてきた。
そいつも、この状況を見て驚いていた。
「ねずみ!?」
そこはねずみの世界だった。
「おじいさん、おむすびをありがとう」
ねずみはおむすびである僕を捕まえた。そして、僕はちゃんとねずみに食べてもらえた。安心した。
僕を落とした張本人のおじいさんは、僕をねずみに与えたお礼に、なんか小槌を貰っていた。
それ、1番体を張った僕が貰うべきでは? まぁもう食べられしまっているし、僕自身の役目は全うできたからいいんだけど。
僕はわかった。
諦めたらそこで試合(?)終了だ。どんなに闇に落ちようと、その先には素敵な未来が待ち受けていることもあるんだと。
僕は役目を果たせて。ねずみは僕を美味しいって言って食べて。なんかおじいさんも幸せになったみたいだし。
めでたしめでたし。
『落ちていく』
紅葉の綺麗な道で
堕天使に会った
空から落ちてきたとか
天国とか地獄とか運命とか
そんな話を聞いていたら
上も下もよく分からなくて
高所恐怖症になった
羽のない人間が宙を舞うなんて
変な表現だ
なんて呟いたら
地面の中に引きずり込まれた
ずっと深く
落ちていく
このままどこまで行くのだろう。
浮遊感が不快
光も差し込まない
そんなところで夢から覚めて
ジェットコースターが嫌いになった
『落ちていく』
落ちていく
周りが見えなくなる。
それしか考えられなくなる。
気持ちが沈んでいく。
落ちていく
それは
環境を変え、
行動を変え、
思考を変え、
『転換する時』のこと
落ちていく
今日も貴方の沼に落ちていく…貴方と同棲して早二週間…今までよりも毎日毎日、好きが溢れていって、どんどん貴方の沼に落ちていく…そして、どんどん貴方の虜になっていく…貴方が好きだ!ずーっと、この先何年経っても!永遠にこの気持ちを大事にしたい!これからも永遠にそばにいたいです!これからもこんな私のそばにいて下さい!それとも、今のままの私じゃ、駄目…ですか…?
君を止められなかった。僕は君がこんなにも思い込んでるなんて気づかなかった。彼氏失格だね、ごめんね僕はきみの事をなんも知らなかったみたい、謝りに行こう。君に…「今会いに逝くよ」
[落ちていく]#2
【落ちていく】
客引きたちのやかましい声。けばけばしい蛍光色のネオンの明かり。歓楽街の喧騒にもいつしかすっかりと慣れてしまった。
ボロアパートの一階の角部屋が、今の僕たちの棲家だ。生まれ育った古くさい因習に雁字搦めになった村を君と二人、手を取り合って逃げるように飛び出して。そうして流れ着いたのがこの街だった。
「ただいま」
小声で呼びかければ、君の健やかな寝息が聞こえる。起こさないように足音を殺して畳へと上がり、薄いせんべい布団にくるまった君の横に膝をついた。
あの村にいれば村長の子供と土建屋の社長の子供として、僕たちは不自由なく成長することができただろう。だけどあの頃の僕たちはそんな未来を望まなかった。
生活費を稼ぐために犯罪スレスレの仕事に手を出す今の生活は、確かに心身を疲弊させていく。まるで底なし沼にどこまでも落ちていくように。それでも閉鎖された村で飼い殺されるよりはずっとずっとマシだった。
(君と二人なら、どこまで落ちたって構わない)
確かな決意を胸に、眠る君の頬へそっと口付けた。
『落ちていく』、私は君の世界に落ちていく。
落ちていく、甘くて暖かい卵焼きとうどんが空っぽの腹の中に落ちていく。
落ちてゆく。
⋯ことがすべて、
良くないこととは思わない。
貼り付けられたピカピカのメッキは
剥がれてしまえば、見てくれは悪くなるけど、
あとはずいぶんと軽くなる。
落ちて落ちて落ち着いて、
たどり着いたその場所からなら、
違う景色も見えるでしょ?
何も無い場所に立てば
何も背負わない自分になれば、
シンプルに思考も回る。
だからこそ言えることもある。
だからこそできることもある。
落ちるだけ落ちたなら、
あとは登るか、
そこで眠るか。
選択肢はそう多くは無いはずだから...。
「誰でもいいわけないでしょ、貴方だから。」
その言葉をまた、言えずに終わってしまった。
青白く、酷く薄い自分の身体が嫌いだ。
愛らしい顔に似合わない声も嫌いだ。
傷痕を上書きするようにつけた手首の線。
俺が俺だから、これを“女々しい”と呼ぶのだろう。
ズタボロの腕をなんの遠慮もなく鷲掴みにして欲をぶつける貴方が好き。
言えるわけないな。
異常、って言うんだって。こういうの。
でもきっと、お互い様なんだろうな。
日に日に濃くなっていく隈を見て胸が痛くなって目を背けるのは、俺だけじゃないから。
異常なのは、貴方も同じ。
思えば、どうしようもなく退屈で生産性のない人生を、消費するように生きてきた。
その穴を埋めるように、答え合わせをするように、自分という人間が居ることを確認するように、肌を重ねた。
始まりは惰性だった。全て。
どうでもいいから寝て、どうでもいいから食べて、どうでもいいから、“寝る”。
三大欲求のままに。人を変えて、場所を変えて。
それなのに何故だろう、不自由で変わり映えしない毎日だった。と、今となってはそう思う。
人は違うのに最期には寂しさと虚しさを抱えて眠りにつく。
身体の痛みと引き換えに、ほんの少しの愛情と、溺れるほどの金。
どうしようもなく、どうでもいい人生。
くだらなくて、愛しい人生。
そして、貴方に出逢ってしまった。
希望でも光でもない、俺以上に不安定な貴方。
見ているこっちが不安になるような寝顔が少しでも健やかになればいいのに。この先、目が覚めたときに少しでも目覚めてよかった、って思ってくれたらいいのに。
そして、そのとき隣に居るのは俺でありますように。
最近、そんなことばかり考えてしまう。これが所謂、“母性”ってやつだろうか。
貴方に触れようと伸ばした手は、思っていたよりもずっと重かった。
あぁ、駄目だ。瞼が持ち上がらない。腕ももう上がらない。
最期に一目、焼きつけて。
明日からも息ができるように。
貴方と一緒に、おちていく。
そいつに言わせると、恋愛はゲームなのだそう。
目には見えない好感度をより効率的に上げて、相手を自分の虜にさせる。そんなゲーム。
かくいう自分もそのゲームに負けてまんまと恋に落ちてしまったのだけど。
「初めましてこんにちは。今ちょっと時間いいかな?少しでいいから君の時間をわけてもらいたいんだけど」
人目を引く華やかな笑顔に、控えめなようでいて有無を言わせない言葉選び。
「…運命だって思ったんだ。なんて言ったら、君は困るかな?」
さりげなく添えられた手と濡れた瞳で見上げられた上でこの一言。
第三者として聞くと陳腐でしかない言葉なのに、何故こうも容易く落ちていくのか。
今日もゲームは続いていく。
そいつが飽きるまでのインチキ恋愛ゲームが。
僕はいつかあなたの恋人になりたい。
眼鏡で髪型もボサボサ、服もよれている。
いわゆる陰キャラな僕だけど、そんな僕にもこの間春が訪れた。
授業終わり消しゴムを落とした時拾ってくれた。
ただそれだけが嬉しかった。ちょろいのはわかっているでも好きになってしまったから仕方ない。
僕は君のために変わると決意した。
とりあえず服を買いに行って、美容室にも行ってこよう。体も鍛えるのもいいななんて考えながら
夏が過ぎか秋が来始めていた。
君のおかげでたくさん趣味が増えた。友達も増えた
本当にありがとう
これからは君に僕に落ちてもらえるように頑張るから覚悟しておいてね。