そいつに言わせると、恋愛はゲームなのだそう。
目には見えない好感度をより効率的に上げて、相手を自分の虜にさせる。そんなゲーム。
かくいう自分もそのゲームに負けてまんまと恋に落ちてしまったのだけど。
「初めましてこんにちは。今ちょっと時間いいかな?少しでいいから君の時間をわけてもらいたいんだけど」
人目を引く華やかな笑顔に、控えめなようでいて有無を言わせない言葉選び。
「…運命だって思ったんだ。なんて言ったら、君は困るかな?」
さりげなく添えられた手と濡れた瞳で見上げられた上でこの一言。
第三者として聞くと陳腐でしかない言葉なのに、何故こうも容易く落ちていくのか。
今日もゲームは続いていく。
そいつが飽きるまでのインチキ恋愛ゲームが。
11/23/2023, 6:25:56 PM