『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何か、大切なことを忘れている気がする。とても、とても大切なこと。
決して忘れまいと、心の奥底に仕舞った記憶。
なのに…今はとても朧げだ。
私は一体何を覚えておこうとしたのだろう?この足が向かう行先?この手に取る何か?それとも—。
……駄目だ、思い出せない。
『これだけは忘れてはならない』と、心に言い聞かせた筈だというのに。
目紛しく過ぎゆく時間の中で、私は大切な”何か”の記憶を忘れてしまった。
諸行無常だ。…いや、盛者必衰の方だっけ。どっちでもいい。
とにかく私は何か大切なことを忘れている。あんなに忘れるなよと自分に言い聞かせておきながら。
こう、喉元までは出かかっているんだ。頭にもぼんやりと『これは忘れちゃダメ』と記憶した何かが—…。
私はそう思いながら腰掛ける。
その瞬間私の頭に電流が走る。
パッと照らされたその単語が脳裏を過る。
「トイレットペーパー…!!」
空になったペーパーホルダーが悲しく乾いた音を立てる。深夜1時。コンビニまで徒歩5分強。
また明日にするか、でこうなった。明日こそは決して忘れまい。
私は苦い顔でそう誓った。
≪脳裏≫
「脳裏」
キミのため 全てのために 今ボクは
いつまでだって 動き続ける
ねえおねがい ずうっとボクと いっちょでね
おねがいだから あいちていてね
傷つけて 傷つけられて 闇を見る
脳裏に浮かぶは 誰の姿か
最後まで 貴方のことを 思ったの
でも最後まで 会えなかったわ
忘れられ 忘れ去られて 失った
全てを知って ぼくは眠れた
最後まで 全てを全て 愛したい
可愛いふたりを 愛したかった
†:.。.:+゚+:.。.:†:.。.:+゚+:.。.:†:.。.:+゚+:.。.:†
ここで書いている物語をイメージして詠んでみました。
難しい〜!!!・*・:≡︎( ε:)
きっと夢の中の出来事が
本当の気持ちなんだろうね
1 脳裏
今日も何とか生き抜けた
檻はところどころ錆びついてはいるものの、頑強だ。私程度の力ではびくともしない。
疲れに身を任せ横になると、冷たい床に体温をもってかれた。
脳裏に何か浮かんだが、すぐに煙のように消えてしまった。
私は誰なんだろう。どこへ行くんだろう。
明日も、明後日も
脳裏
「私とまた、付き合ってください」
優しい声が庭を包んだ。私の許嫁もとい同盟を結んだ王子が、悪女の姉に告げたのだ。
姉は悪女と呼ばれていた。メイドたちをいじめて、愛馬を虐待し、私を陥れ、王子にわがままを働いていた。
王子は堪忍袋の緒が切れ姉に婚約破棄をした。
同盟を結ぶために、代わりに私との婚約が決まった。
私は王子に長年恋煩いをしていた。
この気持ちは隠しておくはずだった。
だから、とても嬉しかったの。嬉しかったのよ。
姉様、あなたがある日、人格が変わったように善人にならなければ。
私には分からぬ、何かを思い出さなければ。
私が生まれたことで黒に染まったらしい姉はよく私に言っていた。
「あんたさえいなければ幸せだったのに。」
憎々しい顔が脳裏をよぎる。
姉様、良かったわね。私から全てを取り返せたわ。
悪行を挽回して、今じゃ王国一の善人なんでしょ?
あは、あはははは。こんなの酷い。私、悪くないじゃない。
「ハッピーエンドだったのよ。あなたさえいなければ」
きっと私、今脳裏に浮かぶ姉様と同じ顔をしているわ。
「会えない間に」
ちょっとくらい、いいかなぁ。
みんなやってるし。
ふと頭に浮かぶのは、あの子の声と怒った顔。
思い止まって、振り返る。
そこにいるはずないのに。
もう会えなくなって何年も経つあの子。
もう辞めてしまおうかな。
長く続けている習い事や勉強がうまくいかなくて放り出したくなったとき、あの子の声と笑顔を思い出す。
次に会ったとき、恥ずかしくない自分でいたい。
そう思って、何年も過ごしてきたんだ。
ちょうどそのころ、あの子も同じように頑張っていたことは、知らないまま。
────脳裏
お題 脳裏 (*´-`)
脳裏とは頭の中って意味らしい。
わざわざ言葉を作ったのすごいなぁ
日本語って言葉をたくさん作って伝える手段があって
素敵な文化だよね~
今回のお題難しいからなにも思いつかない笑
ずっと脳裏に残っている。
あのドラマのワンシーン。
すごく鮮明に覚えている。
どうしてこんなに脳裏に残っているのかは分からないけど、忘れようと頑張っても忘れることができない。
怖い。そう思う。
いまでも鮮明に覚えている。
あの日、あの子が言った言葉とドラマのワンシーンの言葉。
完璧に一致している。
その時からかもしれない。
忘れたいと思い始めたのは。
でもまだ、あの子の言葉、ドラマのワンシーン、
"ずっと脳裏に残っている"
23. 脳裏
身体はこれ程にちっぽけな存在だというのに、脳裏はどこまでも続いていく気がする。知覚できる範囲や感情の生じる範囲、想像や表現できる範囲にも。そしてこれからも広がったり形を変えたりするのだろう。
「やっぱ私、君のそういうとこ好きだなー!」
そう言って屈託なく笑った君の笑顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
君は多分、『友人として好き』とか『人間的に好き』とかそういう意味で言ったんだと思う。それはわかってる。ただ、君にそれ以上の『好き』を抱いている僕が、その笑顔に僕と同種の『好き』を期待してしまうことは、もうどうしようもないことなのだ。
あの笑顔が、僕だけのものになったらいいのになあ。
自分勝手な願いを抱いて、僕はベッドの中で目を閉じた。
まぶたの裏には、君の笑顔が浮かんでいた。
脳裏に焼き付いていることは一つだけ。
あの子の笑顔だけ。
何故私の目の前から消えたのか。
こんなに好きだと伝えていたのに、大切だと言っていたのに、愛していると言ったのに.......。
私ほど好きと伝えている人なんてそうそう居ないのに、何故居なくなった?
何をしているか、誰と会っているか、どこにいるか、何時に帰るのか、普通のことを聞いてただけなのに。
でも大丈夫。
私が貴方しかいないように、あなたも私しかいないって分かってるもんね?
絶対に私を忘れないもんね?未来も来世も脳裏さえも、私という存在を刻んでやる。
ずっと一緒だよ、好きだもんね? そうだよね?当たりえだよね?ねえ?ねえ?ねえ??!!!
お題『脳裏』
生徒Aと生徒Bは大神に呼び止められた後再び掘り炬燵に座った。クーラーの冷房が効いた客間がなんとも言えない重い空気により一層冷えるのは気のせいだろうか。生徒Aは空気感に耐え切れず思わず–––––
生徒A「ふ、船星。トイレ何処?」
船星「扉を出て2階へ登る階段の左側にトイレがあるよ。案内しようか?」
生徒A「大丈夫。ありがとう」
そう言って生徒Aは立ち上がり客間を出た。その時大神の目がこちらを見て『逃げんなや』と言ってるように思え、生徒Aはゾクッと背筋が凍った。
大神は船星に向き直り問う。
大神「さっきの話やけど“違う“ってなんや?」
船星「僕にもまだその……好きかどうか分からなくて……だから多分としか言えなんだ」
この時船星の脳裏には萌香の顔が浮かんでいた。
大神「初恋か?」
船星「わ、分からないよ。そもそも僕は、家族以外の女性と話すのが苦手なんだッ!?」
大神「ホンマか!?そんなん俺が考えとるナンパ作戦壊滅やんか!もっと早よう言うてえや〜」
船星は首を2回縦に振ると大神は落胆してしまい。掘り炬燵のテーブルに顔を伏せた。そこへトイレから戻ってきた生徒Aが大神の様子を見て驚いていた。
生徒A「何があったんだよ!?」
生徒B「帰ってくるの遅せぇよ」
船星「大神が考えている作戦が僕のせいで崩れたみたいなんだ」
End
テーマ脳裏
脳裏によぎる君の姿
脳裏によぎる君の声
それは残像?空耳?
私は君を探してる
君は最近よびなれて
私をアゴで使ってる
脳裏
何かを新しく始める時に必ず脳裏によぎる言葉がある
それは『お前には出来ない』だ
呪いの様なこの言葉から開放される時は一体いつなんだろう
肌寒くなると、ついカンガルーのおなかを思い浮かべている。赤ちゃんは往々にしてそうだが、あたたかいところで過ごすのは素敵なことだ。ところがこの前、カンガルーの赤ちゃんは産まれたら自力で親のポケットに入っていかねばならないという記述をみた。それが本当なら……自然界はさぞ大変なところであろう。とはいえ、うまれおちた瞬間からサバイブが始まるのは誰もかれも同じではなかろうか。
現に私もこのナントカ液に浸けられた脳みそ一つで世を渡り歩こうというのだからとんだサバイバルではないか。
なーんて戯言をほんとの脳裏に刻みつけていたら、パソコンの気象情報が今日の最高気温は25度だといい始めた。12月にしては異例。
なんだ、まだ肌寒くないじゃん。
玉子焼きを作ろうとして
器に卵を割りいれてかき混ぜようと
ヒビを入らせて殻をパカッと開いた。
どう目測を誤ったのか…
なぜか器からずれてシンクの中に落ち
生卵が排水口に流れていく様が
今も脳裏から消えてくれない。
(脳裏)
脳裏
もう、自分を変えなくちゃ
脳裏は変わる気があるのか
わからないが
私はある
人生はあっという間
小さいことばかり
考えてる暇はないの
頑張れ Me
人生は甘くない
五十鈴川のせせらぎ
翡翠の色は雨上がり
鳥の囀りは響き渡り
私の耳元で風となる
踏みしめたお白石に
降る雨は霧のように
厳かに舞う束の間の
時は少しだけ遅れて
心を濡らす音も無く
あんなにも和やかな
雨色を私は忘れない
『脳裏』
「……その姿が、のううらに焼きついています。」
ん?のううら?
「ちょ、ストップ!」
片手を上げると、高遠のスピーチは止まった。ミスの心当たりがないらしく、手元の原稿を確認しながら首を傾げている。
「なんつった?さっきの1文」
「え?どこの?」
数歩の距離を詰め、原稿を指さすと、高遠は低く抑揚を消した早口でミスの上塗りをした。お得意のボケの可能性も捨てきれなかったけど、ガチで間違えてたのか。
「のううらじゃねーよ」
「え?そうなの?」
「の う り」
高遠は、へぇー、と感心したふうに胸ポケットからシャーペンを取り出し、ふりがなを振った。
「その姿が、脳裏に焼きついています。その姿が、脳裏に焼きついています。その姿が、脳裏に焼きついています。脳裏、脳裏」
2度目からは目を閉じ、高遠は頭に叩き込むように繰り返した。そして小さく、よし、と呟くと顔を上げた。
「おっけ。覚えた」
サムズアップ。大丈夫かな。お調子者の高遠をイマイチ信じきれないまま、俺はその先の練習を最後まで見届けた。
「間に合いそうじゃん。いけるいける」
のううら以外は大きなミスはなかった。通学カバンに原稿と筆記用具を突っ込んで高遠を見ると、案外ていねいに原稿をファイルにしまい込んでいるところだった。
「だっろー?お任せください」
また、サムズアップ。昔から、高遠のトレードマークみたいになってる。
「演説会までに暗記完成してればいいんだろ?余裕ですから」
残りの日数を指折り数えて頷く高遠の笑顔は明るい。普段はお調子者だけど、ココという所は外さない。高遠はそんな男だ。この演説会は高遠にとってココの1つなんだろう。ありがたい。
「田代、今日は歩き?」
なんとなく早足で玄関に向かっていると、高遠が聞いてきた。
「おー」
珍しく不自然に途切れる会話。妙な感覚を打ち消したくて、自分から次の手を出した。
「高遠は?」
「歩き」
高遠は家が近いと言っていたから、歩きだということは知っていた。でも、人のことを気にするのだから自分は特別なことでもあるのかと思ったんだ。ねーのかよ、何にも。
「あ、じゃ、一緒に行こう。お前んち、どっち?」
高遠の家のギリギリ近くまで経路が被ることを確認し、俺達は日の暮れた田舎道に並んで踏み出した。
しばらくは、どうでもいい雑談が続いた。高遠とはなかなかに趣味が合う。学校で面白いと思った瞬間も、家で楽しく見ている動画も、気持ちよく重なる部分が少なくないのだ。こんなことになるまで個人的に付き合ったことはあまりなかったけど、それが惜しくさえ思われた。
「あー、あの角。あそこで、そっち。俺んち」
高遠が数ブロック先の角を指さす。また、妙な感覚。終わりを示して何かを準備したいんじゃないかって……考えすぎだろうか。
「すっげ近いな。うらやましい」
俺の家はこの倍以上の距離の先にある。これだけ近かったら忘れ物も取りに来れそうだ。うらやましい、は本音だったけど、なんとなく今は、もう少し遠くてもいいように感じている。高遠も、きっと同じはず。
「あー、あのさ」
来た。高遠が仕掛けてきたのを、俺は小さく深呼吸して受け止めた。
「俺、田代のために頑張る」
健気な決意表明。不覚にも喉が詰まる。
「先生に言われたからとかじゃないんだ。あ、言われはしたんだけど。言われなくても、自分からそうしようって決めてて。田代の応援、したかったんだ、俺が」
お調子者だけどお人好しの高遠のことだから、断れなかったんじゃないかと思っていた。自分から思ってたなんて意外だった。
「ほんとのことが何なのか、俺、バカだからあんまりよくわかんないんだけど、でも、田代は皆が言うような、すげーヤバいやつじゃないと俺は思ってるし」
軽くディスったことには気が回らないらしい。でも不思議と嫌な気にはならなかった。
「それに……俺も合唱は田代と同じ気持ちだった。もっとできたと思う。悔しかった。結果じゃなくて、経緯が。田代が勇気出して言った時、俺、なんか、すげーカッコいいなって思った。だから、ほんとは最初から、田代の応援したかった。声かけてくれるわけないって思ってたから、それも悔しくて。だから、こんなことになっちゃったけど、俺、嬉しいんだ。田代には悪いんだけど」
へへ、と高遠は照れくさそうに笑った。俺が皆から切られるきっかけになった学活での合唱批判事件。高遠の心には響いていたなんて。
「選挙、頑張ろう。俺が応援するって言ったらさ、あつしとか、もっちんとか、あぁバスケ部の奴らね?田代のこと応援するって言ってたし。吹奏楽も、俺が演説でミスるの楽しみにしてるって言ってくれたし、2組の人たちも、1年生もさ……なんか、そんな惨敗ってわけにもならないかも」
かなりディスってるけど、気づいてねーんだろうな。でも、本当に、不思議と嫌な気にならない。できそうな勇気すら湧いてきた。
「ありがとう」
言ってから思った。俺、ありがとうとか言ってきたかな。言いたいことだけ言って、感謝とか労いとかは二の次で。なのにまた、やりたいことだけやろうとしている。人のためとか偉そうに語るつもりだけど、そんな資格ないのかも。人のせいにしてきたのは、俺だ。合唱だって、指揮者の俺が、もっと皆の気持ちを引っ張ってかなきゃいけなかったんだ。
「あつしとか、もっちんとか、ありがとうって伝えといて。……いや、俺、直接言いたいな」
高遠の顔が一気に明るくなった。
「もちろん!バスケ部、全員バカだけど、すげーいいやつらだから!明日一緒に、昼休みバスケしない?」
角に着いたけれど、俺達は名残惜しくて長々と粘った。俺の塾の時間に間に合わなそうで、やっと手を振り合って背を向けてから、俺はまた振り返った。後ろ向きに歩きながら。
「高遠!覚えてる?間違えたところ!」
「えーとね、脳裏!任せろ!」
サムズアップ。闇の中で朧気なその形を脳裏に焼きつけた。でもさ、間違えてもいいのかもしれないな。吹奏楽の子達が楽しみにしてるなら。
暗闇で俺達はもう1度、大きく手を振った。
《脳裏》
「脳裏」
頭の中にはたくさんの思いが詰まっている。
例えば「辛い」「悲しい」「楽しい」「幸せ」
でも、人それぞれ思いがある。