よつば666

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お題『脳裏』

 生徒Aと生徒Bは大神に呼び止められた後再び掘り炬燵に座った。クーラーの冷房が効いた客間がなんとも言えない重い空気により一層冷えるのは気のせいだろうか。生徒Aは空気感に耐え切れず思わず–––––

生徒A「ふ、船星。トイレ何処?」

船星「扉を出て2階へ登る階段の左側にトイレがあるよ。案内しようか?」

生徒A「大丈夫。ありがとう」

そう言って生徒Aは立ち上がり客間を出た。その時大神の目がこちらを見て『逃げんなや』と言ってるように思え、生徒Aはゾクッと背筋が凍った。
大神は船星に向き直り問う。

大神「さっきの話やけど“違う“ってなんや?」

船星「僕にもまだその……好きかどうか分からなくて……だから多分としか言えなんだ」

この時船星の脳裏には萌香の顔が浮かんでいた。

大神「初恋か?」

船星「わ、分からないよ。そもそも僕は、家族以外の女性と話すのが苦手なんだッ!?」

大神「ホンマか!?そんなん俺が考えとるナンパ作戦壊滅やんか!もっと早よう言うてえや〜」

船星は首を2回縦に振ると大神は落胆してしまい。掘り炬燵のテーブルに顔を伏せた。そこへトイレから戻ってきた生徒Aが大神の様子を見て驚いていた。

生徒A「何があったんだよ!?」

生徒B「帰ってくるの遅せぇよ」

船星「大神が考えている作戦が僕のせいで崩れたみたいなんだ」

End


11/10/2024, 8:08:38 AM