『胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
眠ろうと目をつむり、横になってから数分たったのか
心臓のドドドドが始まった。
この上なく安静な状態なのにまるで全力疾走した後のよう。
時計に目をやる。蛍光塗料のボンヤリ光る秒針。
耳に聞こえる心音で10秒間に27回、28回?
早くてカウント出来ない。
苦しい、心臓が口から出てきそう。
そんなことあり得ないが、そんな感じ。
仰向けより横向いてた方が楽なので転がる。
あーあ、まいったまいった隣の神社。
治まってもしばらくスゴい疲労感で寝付けない。
とりあえず暴れる心臓をなでてやろう。
はい、ねんねんよ。おころりよ。
胸の鼓動の数というのは決まっていて、それがゼロになると人は死ぬらしい。
それが本当ならば、運動している人ほど寿命は短くなるし、緊張しやすい人の寿命だって短くなるはず。長生きしたければ、穏やかに生活をしなければいけなくなる。元々、私に長生きの願望はないが、学校の先生がそんなことを話していたせいでふと気になったのだ。
だが、今の私は心穏やかに生活するなんて到底できそうにない。原因はサッカー部の幼馴染だ。今まで意識してこなかったのに、先日急に告白してきた。
「部活の大会でレギュラーに選ばれたら、付き合ってくれ」と。
一年生なのに、レギュラーに選ばれるわけなんてないと言い聞かせていた。だが、実力は誰よりもずば抜けていることもわかっていた。マネージャーを務めている私でも、彼が先輩を差し置いてレギュラーに選ばれる可能性があることは十分にわかっていた。そのせいで、メンバー発表の日までずっと意識してしまっているのだ。
目が合っただけで笑いかけてくる。点数を決めると真っ先に私に手を振ってくる。他の人たちにからかわれても堂々と振り向かせたいんだと言っている。寿命が短くなっているのを感じながら、日々を過ごしていた。
そして、試合メンバー発表の日。背番号順に発表されていき、ついに最後の番号が言われる時。幼馴染の名前が呼ばれた。彼は小さくガッツポーズをして、私に向けて小さくピースしてきた。
帰り道、幼馴染と会う前に早く帰ってしまおうと急いだが、待ち伏せされていた。
「付き合ってくれるよな?」
あんなに幼くて可愛らしい顔をしていた幼馴染はどこにもいなくて。しっかりと男の顔になっていた。凛々しくて、力強い目に、この人になら寿命を短くされてもいいかもしれないと思った。
鼓動のリズムは生と命を
我々に認識させる
母の鼓動を聴いていたころの安心感を
血が巡る温かな身体を
愛する者が生きていることへの感謝を
鼓動一つで感じることができる
鼓動のリズムは着実に
時が経過していることを
我々に認識させる
老いの恐れ
病の恐れ
死への恐れ
愛する者と別れることへの恐れ
時には限りがあることを
鼓動ひとつで感じることができる
いまという時を大切に
命のビートを強く刻んでいけ
"鼓動"
明日か明後日から、また書き始める。
たぶん明後日から少しずつ。
枠だけ置いとく。書けたら編集する。
この胸のときめきは
なんだか久しぶりのことで
まさかこんなことでって
驚いています
なんだろう
ただ 笑っている声で
ぼんやりとした顔で
友達と歩いている姿で
本当にただそれだけで
実は
歌がうまいこと
勉強ができたこと
口が悪いこと
友達の前では すぐにかっこつけること
あなたを見ていて知りました
あなたがいてくれるだけで
今は生きるのが楽しい
あなたには
つたわらなくても
今はいいかな
この胸の鼓動を
伝える言葉が見当たらないから
胸の鼓動
ホームセンターに来ると、いつも胸がドキドキする。
店内を父と歩く場面が浮かぶ。その後しばらく何とも言えない苦しい感覚が続いて、徐々に元に戻る。ここまでがセット。
これが何年も何年も続いてる。
昨日初めて、思い切って立ち止まってみた。そして「もうドキドキしたくない」って思った。
そのままノロノロ移動してネジ売り場に来た時、胸の奥から何かがぬっと上がって来た。思わず小声で返事した。
「ああそうか。安心してたんだ。ずっとそれ言ってたのね…」
誰もいない通路で目を閉じる。3秒くらい。深呼吸。。
目を開けると、売り場の床に四角い日向が並んでるのが見えた。天窓から差す光が作る、日差しのかたち。
それらが一瞬粉々に砕けて、またすぐ元に戻ったように見えた。舞い上がる金色の粒子。。
…違う!全然元通りじゃない。
もうドキドキしてないし、長年親しんだあの苦しい感覚がない。
ずっと知らせてくれていた胸の鼓動。
私はやっとそれに気づいて、乗りたかった線に乗り換えたんだ。
お題「胸の鼓動」
いびきが聞こえる。
引き戸を壁代わりにして分けられた部屋だから、隣の部屋の物音はこちらに届きやすいのだ。
弟が昼寝なんて珍しい。夜中に寝落ちすることはよくあるみたいだけど。
いびきをBGMに、私はぼーっと窓の外を眺めていた。
今日のお昼は何を買おう。サンドイッチかおにぎりか。弟の分もまとめて買ってきてやろうかな。
弟の要望を聞き出そうと引き戸に手を掛けたそのとき、今朝の会話をふと思い出した。
あれ、今日はバイトだから遅くなるって言ってなかったっけ。
誰かのいびきが隣の部屋から聞こえてくる。
急速に体が冷えていく。私の心臓は激しく動きだした。
胸の鼓動
豪華な屋敷の奥にその部屋はあった。
ドアを開けると桃色と赤。生きた肉塊と血管でできた洞窟のような部屋だ。
「これは参加者たちの心臓の拡大複製じゃよ。動いているのはもう君のだけだがね。デスゲーム優勝おめでとう。」
杖で示された先には人間の頭ほどの巨大な心臓が硬く力強く拍動している。そのリズムは俺の心臓の動きと同期していて遅滞は感じられない。よく見ると部屋の内壁には動きを止めた同じような心臓がびっしりと埋め込まれている。
「君たちが危機に陥り鼓動が早くなったとき、そのスリルをわしに伝えるためのものだ。ゲーム観戦をより楽しむための仕組みだな。全員が死を確信した前半の山場では、動悸で部屋中が波打って凄かったぞ」
デスゲーム主催者の老人は心底嬉しそうな笑いをもらし、俺は憎しみで焼かれるような思いを飲み込んだ。
「なぜこんなゲームを催しているのか理由を教えてくれ、というのがお前の望みだったな。教えてもいいが大した話でもないぞ。
わしは現役時代、ちょっとした決定の加減によって大勢の人間が死ぬ仕事をしておった。その頃は人間の生死を数字でしか見ていなかったし、そのように感覚が麻痺していないとできない仕事だった。そのせいなのか、老いた今も近づいてくる自分の死に意味を見出せない。自分がやってきたことの重さにも、自分の死にも実感が持てないまま死にたくはない。その頃の感覚では数十人の死なんて誤差の範囲だったから、お前がなぜそのように怒っているのかもわしにはわからんのだ」
「じゃあお前がデスゲームに参加したらいいだろ!死の恐怖なんてみんなたっぷり味わって死んでいったからさあ!」
俺はボディガードの腕をかいくぐって老人に襲いかかろうとした。
老人はニヤリと笑い、手の中のスイッチを押した。
爆薬付きの首輪が爆発し、俺の首が宙を舞った。
角度の加減か怒りが天に届いたか、俺の首は老人の首元に飛び、頸動脈を噛み切った。
二人の動脈血がシャワーのように部屋を濡らした。
「ああやっぱり、わしが恐れていた通り、生も死も無意味……ただの現象に過ぎんのだよなあ」
そう言ってデスゲーム主催者は死んだ。
君といる時間が長ければ長いほど
胸の鼓動は早くなり
何度だって死にそうになるんだけれど
いっそそれはそれで本望だなと
悪くないと思ってしまう自分がいる
【胸の鼓動】
【胸の鼓動】
「ただいま」
いつもなら聞こえる返事が今日はなかった。靴を脱ぎ、手洗いをして、部屋を進んでいく。リビングにはいなかった。ということは、寝室か?
寝室のドアを開けると、冷房がきいた部屋で、布団を被って寝ていた。2人で寝るために買った、少し大きめのベッド。1人で寝ているはずの彼は、べっどの端に寝ていて、奥があいていた。私がいつも寝ている場所。私のためにスペースを空けてくれているのが、とても嬉しかった。
寝室のドアを一度締め、私は彼を起こさないように寝る準備をした。
部屋へ戻ると、少し冷えすぎた部屋でぐっすりと寝ている彼。私は彼が空けてくれた奥のスペースへと移動し横になる。いつも忙しく、職場では怖い上司といえば、1番に名前があがるほど厳しい彼。いま私の目の前には、少し幼く見えるきれいな寝顔だった。
部屋が寒く、彼にくっついてみる。すると寝ているはずなのに、いつものように腕の中に閉じ込められる。
規則正しい寝息と彼の胸の鼓動を聞きながら、私もゆっくりと眠りについた。
─胸の鼓動─
何故今まで忘れていたのだろう。
大好きで一番大切な存在を。
僕の全てだった、父の事を。
思い出した瞬間、頭が痛くて、
息を吸うことしか出来なくて、
自分の胸の鼓動しか聞こえなくなって。
そうだった。
父は、僕が九歳の頃に、事故でなくなった。
いつまでもお人好しな人で。
その事故も、運転手が前を見ていなくて、
子供が轢かれかけたのを助けたんだって。
それを聞いた時は、何で死んだのか、
何で見ず知らずの子供を助けたのか、
何で僕を置いていったのか分からなくて、
ずっと泣いていたっけ。
その次の日から父が、
置いていったあの人のことが憎くて、
忘れたふりをしたんだっけ。
時が過ぎていくにつれ、過去のことだって飲み込んで。
全て忘れたと思ったのに、捨て忘れた父の手帳で思い出すなんて。
そもそも何で恨んでいたんだろうか。
いつまでも、愛して、優しくしてくれた父を。
最低なのは、僕の方だったんだたな。
手が触れただけ
ただそれだけで胸が鼓動をうつ
顔を見ることも出来ず
自分から話しかけることもままならない
目から耳から入ってくる情報を必死に遮断して
鼓動を止めようとする
どうかこの音が聞こえませんように
~胸の鼓動~
どくどくと脈打つ
これほど主張を感じる臓器が
他にあるだろうか
全身に血潮が巡っているのが分かる
やっぱりサウナの後の水風呂は
最高だなぁ
~踊るように~
ひらひらと
こちらに あちらに舞う姿を
純粋に美しいと思う
くるくると巻かれた蜜を吸うための口
わりと毛が生えた体
咳が出そうな鱗粉
…
近くで見ないほうが好き
ファーブルには成れないな
「もうがんばれない……」
「そんな君はどんな時だって休まずがんばってたじゃないか!」
「ちょっと休ませて……」
「あー!まって!ちょっと」
ピー(機械音)
「先生、患者の心臓が止まりました」
彼女はいつも僕の左胸に耳を当てて眠る
それは僕たちが付き合うにあたり
まず最初に取り決めた
必ず守らなければならない約束だった
ー
ベッドサイドテーブル上の
水色の錠剤が寂しそうにこちらを見ている
お前より僕の方が役に立っているんだぞと
誇らしげに見下していると
腕の中の彼女がもぞりと動く
それは花の芽吹のように
柔らかく愛しい感触だった
僕が彼女の名前を呼ぶと
オニキスのように煌めく瞳と目が合う
形の良い唇が動いたと思えば
美しい声音が僕の鼓膜を撫でるように響いて
意図せず胸の鼓動が高鳴った
こんなことで急ぐ心臓を持っていることに
多少恥ずかしさを覚えたが
彼女は何も無かったかのように
また僕の左胸に頭を預けて寝息を立て始める
ああ幸せだ
今この瞬間が人生の中で最も幸福だ
彼女が呼んだのは僕の名前では無い
しかし誰がなんと言おうと僕はこの世で1番幸せで、
心の底から喜びに満ち溢れているのだ
彼女を構成する一つ一つの部分が
不十分であった僕の全てを満たしてくれる
白くて細い
木蓮のような肌の下に
脈打つ血潮の香りを思い浮かべて
ひたすらに彼女の目覚めを待っていた
息子がやってるアプリゲーム
可愛い女の子たちを強化しスキルを上げて戦う戦略ゲーム(多分)
年上の従兄弟が興味を示してるらしい
が、従兄弟は思春期拗らせくん
可愛いは認めん、お前そんなゲームやって変態だな、などと否定してくる
息子は疑問に思い問うてみる
なんでそんなに「可愛い」に拒否反応しめすの?
従兄弟いわく
可愛いものを見てると胸のあたりが変な感じになるから
彼の中に発芽に程遠い好きとか恋とかそういった感情の種が見えた
情報にどっぷり浸かって生きる若者にしてはあまりにも純粋な感覚に私の胸も高鳴った
心臓がばくばくきけんを知らせる為に鳴ってくれた
ただ人と話してただけだ
でも大事だった
その人とは一緒に居られないから
自分の言葉より呼吸より明らかに心臓の鼓動を感じざるおえなかった
顔が笑った
文句を言われようがコントロールを越えて
身体がやった事だ
身を横たえて、僕にはこれがあると思い
呼吸に集中する
今自分の身体を楽しそうに探検する
この相棒・小鳥にも
腹を押しつけられてる間はさすがに鼓動を感じる
こっちのは、心地良さそうだ
小学生の頃めっちゃ音読得意だったんです
で、よくいい間違えたり微妙に言葉をちがく読む同級生たちを見てひらがな読めないのかと思ってたんですよ
でも今になって分かります
一語一句間違えずに読むことを気にしすぎるのは実は対応力の成長の邪魔をしていたんだなと
中3の時に生徒会に入っていろんな式の司会をするってことがよくあって、司会に台本なんてなくてただ次第をわたされるだけじゃないですか
今まで書いてある文字のままに声を出していた私は、進行に会わせての臨機応変な言葉が出てこなかったんです
そう、私は今までただの音声読み上げロボだったんですね
ちょっと大袈裟だけど書いてある言葉をそのまんま読んでいない人って、その文章をちゃんと読み"取って"いたからその先の言葉が自分の言葉で出てきてたんだなと
そんな当たり前のことを学習したロボは司会進行を繰り返すうちに徐々に人間の心を取り戻します
今では私司会をなんなくこなせます 多分
気づけてよかったなと思う記憶でしたー
中学生に戻りてぇー
完
久しぶりに、故郷に帰るのは、緊張するものだな、私には、心臓というものが無いので、鼓動というものが理解らないが、背中の羽根がごごごごと地鳴りのような、音がするのと同じようなものなのか?
黒い羽根の震えは望郷か?
胸の鼓動よ
収まれ 収まるんだ
この場を離れたくて駆け足になる
心臓が五月蝿いのは走ってるからじゃない
嘔き気がするが必死に耐える
もう何もかもぐちゃぐちゃだ
家に帰り着いて力が抜ける
どっと疲れが溜まった体がベットに倒れる
体中に大量の気持ち悪い汗が流れる
だが、今日もっと気持ち悪いものを知った
滝のように流れ落ちる赤い血が
刺した包丁から僕の手につたわってくる不快な感覚
倒れた彼から大量の血が抜け
震える手でこっちに差し出してきた光景
まだ収まらない
胸の鼓動が
#10