『美しい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
_この世で一番美しいもの_
皆さん、
この世で一番美しいものは
一体何だと思いますか。
そんな問いかけから始まった、
国語の先生による
授業という名の雑談を、
私は今でも事細かに覚えている。
皆さん、この世で一番美しいものは
一体何だと思いますか。
愛ですか、お金ですか、地球ですか。
今から話すのは、ひとつの考え方に
過ぎないので、恐らく、
今あなた達が思い浮かべたものが
今のあなた達にとって一番
しっくりくる答えだと思います。
だから、これから話す話も、
サラーっと流すくらいの感覚で
聞いていてください。
ある人たちの集まりで、
この世で一番美しいものは何か、
という話題になりました。
色々な人達で話し合った結果、
残ったのは、
言葉、音楽、数学の
三つでした。
私はこの時点で、あっと驚かされた。
三つのうちのどれも、目に見える形で
存在しているものではなかったからだ。
しかも、言葉と音楽が美しいというのは
理解できるが、数学に至っては全くよく
分からなかった。
きっと理系の道を極めた人間にしか
分からない美しさなのだろうと思った。
三つの中で一番最初に結論となったのは、
言葉でした。
理由としては、言葉は広い世界の中で
唯一ヒトだけがもつ特徴であり、
言葉があるからこそ、人は心を通わすことが
でき、力を合わせることが出来る。
自分が感じたことを繊細なままで
どこまでも細やかに表現することが出来る。
言葉の数だけ、人は人生を
豊かにすることが出来る。
その言葉に秘められた可能性と、
その美しさといえば、
これを上回るものはない、と。
しかし、それから永い月日が経ち、
それは違うんじゃないかと、
異論を唱える者が現れました。
その人は、この世の中で一番美しいものは
音楽だと言いました。
国境を跨いだ関わり合いが
多くなってきている中、
言葉は全世界の人間に伝わるとは限らないと。
ただし、音楽なら、言語や人種関係なく、
誰でも親しむことが出来る。
みんなで手を取り合って、同じリズムに乗り、
共に歌うことが出来たら、
それは平和で美しく、素晴らしいことだと。
しばらくは、音楽が最も美しい時代が
続きました。
それを塗り替えたのは、数字でした。
人類滅亡の危機であるだとか、
地球環境の危機であるだとか、
そんな不吉で悲しいことが
囁かれるようになった現代、
いつ終わるか分からないこの世で、
数学は永久に不滅であると。
明日地球が滅びようとも、
1の次は2であることに変わりはないし、
いつの時代も円周率は3.14...のまま
変化することはない。
永久的な不変の美しさは数学独自のもので
あると言えようと。
このように、
時代が変わり、課題や、大事にされているものが
変わる度に、美しさの基準は変わるのです。
あまり拘りを持ちすぎず、変わりゆく時代に
目を向けることはとても大切です。
2024.1.17
#美しい
美しい
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2024.1.17 藍
「う、美しい」
「げぇ」
そうのたまう男に対して、心底嫌そうな顔で、ヒスイは呻いた。
余程のことがない限り、動揺をしないヒスイにしては珍しい反応だ。
…余程のことだったのだろう。
ヒスイのその表情が見えないのか、顔を真っ赤にしたその男は、緩くうねった肩口まである白髪を除けば、腰にひと振りの刀、小袖に袴、上に羽織と、アキラが想像する剣士を現実にしたらこんな感じ、という風体をしていた。
「そ、そ、それがし、七天抜刀斎と申す!」
「「…七転八倒斎?」」
アキラとヒスイの声が重なったのはしかたのないことだろう。
そのオウム返しを、二人が名前の由来に興味があると勘違いしたのか、七天は語り出した。
「それがし未熟者ゆえ、いまは本名を隠し修行に身を置いておりますが、将来はこの七つの天(そら)に名を轟かせる剣士になりたいと、そういう願いを込めて名乗っております」
「はあ」
心に響いていない雰囲気を感じ、若干落ち込む七天。
「と、ともかく、貴女に一目惚れ致しました!それがしと夫婦になっていただきたく、」
「いいよ。」
ヒスイはにんまり笑いながら、即答した。
「まずは、文通など…え、本当に良いのですか?」
あまりにもあっさり了承され、一瞬気の抜けた声を出すが、直ぐにやった!と、飛びあがって喜びを顕にした。頂点で大の字に身体を広げる、まさにその瞬間、彼は喜びの体現者と言って過言ではなかった。
-待て待て、いま、あいつとんでもなく飛ばなかったか?
アキラは、少なく見積もって七天の身丈をゆうに超えた跳躍を見て、見間違えすら疑った。
「ただし、あんたが私に勝ったらね。あんたが負けたら…その七転八倒って名前変えてよ。私の感覚に合わないからさ」
「承知した…何に勝てばよろしいか?」
「もともと私たちをここから追い出そうとしてたんじゃないの?」拳を七天に向けて握りしめる「勝負は勝負よ。わかるでしょ?なんでもありの喧嘩よ」
「ちょ、ちょっと待った!」
アキラはたまらず会話に割って入り、ぐいとヒスイの頭を腕で抱え込んだ。
「痛いよ!何すんのさ」
「いいのか?あいつ只の阿呆じゃなくて、たぶんかなり強い阿呆だぞ?」
七天に聞かれないよう、小声で話す。
「お兄ちゃんだって私が負けるとは思ってないでしょ?」
「それはまあ、そうだけども」
「話しぶりから悪いやつじゃなさそうだし、何よりよく見ると…」
「見ると?」
「顔が良い」
「顔が良い」そうか。確かに?
「だから、勝っても負けても悪くないかなって」
そんな脱線にも近いやり取りを繰り広げていると、静かに待っていた七天から声がかけられた。
「そろそろよろしいか?」
さきほどと打って変わり、落ち着いた、しかし良く通る声音だ。
「わが麗しの君。ご尊名をいただきたい」
「ヒスイ」
「ヒスイ殿か」噛み締めるように「名前まで美しい。兄君も是非お伺いしたい」
「アキラだ」
「アキラ殿。ありがとう。それがし、勝負となれば、容赦は致しません」
すっと、かなり低めに重心を落とし、左手で鯉口をきり、右手は柔らかく柄を握る。脱力しつつも、垂れた髪の間から覗く切れ長の眼は、ヒスイから視線を切らさず隙がない。
「いざ」
素人でもわかる。居合術、しかもかなりの使い手だ。
アキラが止める間もなく、ヒスイは開いた身体を七天に対し半身に構えて迎える。
。こうなると、戦いにおいてほぼ無力なアキラは、ヒスイが負けないよう祈るしか無かった。
#101 美しい
科学の光に照らされて、
爛れた貴方の横顔は
あまりにも恐ろしく
絶望的に美しい
陸奥守吉行の瞳には太陽の輝きが宿っている。甘く、温かみを感じさせる目だ。
誰かの目を仔細に覗く機会なんてそうそうないが、訳あって私は彼に添い寝を頼んでいる。
理由は色々あるが、彼の目を間近で堪能できるのは嬉しい。
彼が亡くなって、生きる楽しみを失った。
それでも私はドクターとして、皆の命を預かっていたから、それを生きる理由にしていた。
裏切られ、胸を貫かれて、ようやく楽になれたと思っていた。
死ぬのなんて怖くなかったはずなのに。
待宵の光
(※刀剣乱舞×アークナイツ)
琥珀に対する所感
【その眩しさに身を焼かれようとも、人はその光に手を伸ばし続ける】
【光が強ければ影も深まる】
美しい
あの美しい景色、美しい思い出がまた訪れますように。
美しい君へ
美しい君と、美しいこの世界を生きている
キミは星に手を伸ばした
あれなにこれなに
どうして どうなって
ピアノの線が続く
モデリングしたモノ
透明度下げて解像度上げて
オーバーレイみたいに彩っていく
ステップ止まらない
次々増えてくモノコト
円周率みたいに続いていく
キミとの化学反応
マイクに通した この想いも
水槽から覗くほどにきらめいている
ららら
一度描き始めたらとまらない
このフレーズは
今のシーンは見開き
ビートに乗って リズム刻んで
パズルのピース集めたら
嫌な部分はマスクして
インポートしちゃえば
あたりまえじゃない世界覗いて見えるかも
カラフルポップできざむ
キミとのココロのなか
ひとつひとつトクベツな
あまいポイフルみたいな
ギターの音色に合わせダンスを踊りましょう
歌い始めたらきっと楽しくなる
描くのわたしのストーリー
天体観測も科学も水族館も
好きなもの集めたら
きっと楽しいの
この学校には『美しさの代名詞』といわれる美女が二人いる。
一人目は大和 撫子。
彼女は学校どころか、アイドルグループにいてもおかしくないほどの美人だと自負している。
腰まで長い、毛先まで手入れされた艶のある黒髪。
睫毛も長く、慈しみに満ちた黒い瞳。
小ぶりだが血色のよい唇。
控えめに笑うさまは、周囲に花が咲くと形容されることもある。
まさに美しさの代名詞だ。
だが彼女の美しさは外側にとどまらない。
部活にも精を出し、学業にも手を抜かない。
才色兼備、文武両道といった完璧超人なのだが、本人は面倒見がよく世話焼きなので、誰からも好かれている。
その気質に惹かれ、生徒の約半数がファンクラブ会員であるという情報もある。
外も中身も美しく輝く彼女に、男女問わず誰もが憧れているのだ
だがそんな彼女にも上がいると言われる。
それが二人目の美人、ブラックホール先輩である。
もちろん本名ではなく、誰かがつけたあだ名である。
彼女は一見すると存在感が薄く、常に景色に同化しているため気づかれないことも多い。
友人もおらず、彼女についての情報はほとんどない。
ただ一つ、彼女は美しいということ以外は。
彼女は背中を丸く丸めていて、いつもおどおどしている。
前髪を長く伸ばし、目元が隠れていて、およそ美人とは言い難い。
それどころか、その場の空気を悪くするほどである。
そんな彼女に生徒の間でまことしやかに囁かれる一つの噂がある。
前髪に隠された素顔を見たら帰ることはできない、という噂が……。
行方不明になったわけではない。
ただ体がここにあっても魂が戻ってこない、いわゆる心ここにあらずという意味である。
日常生活は送れても、ずっと彼女の事ばかりを考えているのだ。
彼らの魂は彼女の物にあり、永久に彼女にとらわれたままなのだ。
ブラックホールのように……
もちろん、そんな噂はふつう信じない。
だが真相を確かめようとした生徒たちが、例外なく帰ってこなかったのだ。
そして魂を奪われた生徒たちは口をそろえてこう言うのだ。
大和さんが霞むほど美しい。
そこに究極の美がある、と。
そこまで言われれば、誰もが興味を持つ。
だが、近づくことは無い。
誰も囚われになりたくないのだ。
当然である。
この話の教訓は何かって?
それはね、昔の人の言葉で『美しさは罪』というのがあるけど、罪に対して罰を受けるのは本人とは限らない、っていうこと。
おや、今日も一人、彼女に会うためにやってきたね。
罰を受けるために……
何処かの国語の説明文で見たことがある。
「人は思い込みで生きてるって」
それがほんとなら、私は湖の真ん中で舞う美しい白鳥になれるかもしれないってね。
うつくしい
人間なんて汚い生き物だ
そう思えば、自分だってどの道汚くて、適当に笑ったっていいと思えた
誰が汚いことをしたって、どうせそんなもんだって、笑っていられた
なのに、お前は違う
正しくあろうと瞳を濡らして、魂まで見抜くような澄んだ眼差しをしている
その姿は傷付いていて、だけどとても美しくて、目を逸らせない
初めて、こんなの笑えないと思った
穢れを知らない、美しい魂
それが俺の完璧だった笑みを歪ませる
いつか見た星空を見上げる。
あの日と同じ空のはずなのに
何も変わっていないはずなのに
どうしてなのか輝いて見えなかった。
美しいと思っていた景色は
君がいないだけでこんなにも霞んで見える。
ー美しいー
小さくて
薄い
赤い唇が
自分では
気にしてる
ハスキーな
その声が…
そのまっすぐな
まなざしも
ひたむきに
信じぬく
その 一途さも
凛として…
たまにみせる
涙の横顔も
だけど
いつでも
忘れない
空のように
広くて
純粋な
優しさも…
数えたらキリがない
そんな君の
素敵なところ
並べては
誰にも見つからない
僕の宝箱(こころ)の中
そっと 隠すんだ…
もし 君が
君を見失いそうな時
その宝物
そっと見せてあげる…。
僕の世界の
辞書の中
美しいには
君がいたんだ…。
- beautiful... -
花は美しい。
紅葉も山も海も、自然はとても美しい。
それ以上にあなたの笑顔が、
僕にとってはなによりも美しい。
240116 美しい
「美しい」
悲しい
つらい
腹立たしい
羨ましい
妬ましい
色んなものを濾過して
最後に落ちてきた一雫
『美しい』
美しいものが好き。キラキラ光る宝石も、ツヤツヤした石も、雨が降ったあとの虹も。そんな綺麗で美しいものが好きなだけなのに人間達は僕を追い返そうとする。でもさ、、人間だって美しいものは欲しくなるでしょ?
最近カラスに装飾品を盗られる被害が相次いでいます。みなさんもぜひお気をつけください。
嫌なニュースだこと。私も取られないように気をつけておかなくちゃ。
音楽室のピアノの前に彼女はいた。座っているだけで弾く素振りはない。僕の立っているところからだと顔は見えないけど、きっと泣いてるんだろうな。
「おつかれさま」
僕の声にはっとした彼女は勢いよく顔を上げる。でもこっちを向こうとはしなかった。
「探したよ。帰ろう?」
「……うん」
返事はしたけど、彼女は立ち上がろうとしなかった。再び鍵盤を見るように俯く。
「ダメだった。選ばれなかった」
「そっか」
「でも、全力出し切ったから、いいの」
「なら、自分を褒めてあげようよ」
「でも……くやしい」
学内で1人しか選ばれないのだから、それはそれは狭き門だ。ピアノなんてさっぱりな僕でもそれくらいは分かる。課題曲なの、と言って今まで毎日僕に聞かせてくれたあの曲の難しさも、なんとなく分かる。でも、君が選ばれなかった理由は僕には分からない。技術的な点数配分なのか、審査した先生のフィーリングもあるのか、それは分からないけど。
「君の演奏は間違いなく素晴らしかった。僕の心が震えたもの」
彼女の背後にそっと立って肩を抱く。震える華奢な肩が愛おしくて。ゆっくりと彼女の顔を覗き込んだ。涙でぐしゃぐしゃの顔がこっちを向いた時、自然とキスをしていた。
「次は、負けない」
「うん。君なら絶対大丈夫」
僕の言葉に彼女はほんのり笑った。頬から流れるその涙がすごく美しいと思った。
美しいものと聞いて、何を思い浮かべるか。
宝石?夕焼け?空?
僕はそんな一般的なものが思い浮かばない。
この世に人の優しさほど美しいものはないと、個人的に思うからだ。
今日僕の学校では募金をやっていた。皆、どこの誰かもわからない相手を助けようと思っている。
僕もその募金箱に小銭をいれる。
途中で、優しい心を持たないものたちがヒソヒソ話をしてるのが聞こえた。
[募金なんて、まじ意味ないよねー!募金に使う金ないってーの]
その会話を聞き、改めて思った。誰かのために何かをできる人間が、僕は一番美しいと思う。逆に、誰かを批判するものは美しいなんて言葉と無縁だ。底にあるのは、すっかり侵食された臼黒い心だけだから。
美しい
美しいという言葉を使うような暮らしを、
私はしていないけれど、
それでも、
煌めく翡翠色の海や、
金色と朱色に空を染めながら落ちていく夕陽、
胸に響くハイトーンボイスや
人の手の技を極めたような工芸品など、
美しいと表現したいようなことがたまにある。
普段は使わなくても、稀な時に使える言葉があることは嬉しい。
私と同じことを感じる仲間がいたような気がする。
そして私がもっと自由に言葉を使えたなら、
心が震える瞬間を、もっと上手くあなたに伝えられるのに。
#149
No.9『美しい』
きっと今年の春も〝美しい〟桜の花を咲かすのだろう。
そう思いながら桜の木を眺める。
2024.1.16.˹火˼