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眼下に広がるビル達は、定時を遠に過ぎたこんな時間でも光が消えることはなく、キラキラと大都会の夜を照らしていた。

眠らない街、眠れない街

まさにそんな感じ。

こんな時間まで必死に働いて少ない給料を貰っては、家賃やら、税金やら、生活費に消えていって、また働くの繰り返し。

生活のために働いていたはずなのに、働くために生活を犠牲にする毎日。

タバコを一本取り出して火をつける。

ふーっと息を吐き出すと、キラキラ光るビルに煙が入り込む。

このビル達が美しく見えていた頃が懐かしい。街並みも、職場も、家具の配置も、何一つ変わっていないのに、あの頃と今では何かが決定的に変わってしまった。

それは情熱か、意欲か、はたまた希望か。

まあ、今更考える必要もない。

吸いかけのタバコを踏みつけて、目の前の柵に足をかける。

不思議と恐怖はない。
ごうごうと吹き抜けるビル風に身を任せて、足を踏み出す。

一瞬の浮遊感の後に、体は真っ逆様に落ちていく。

赤、青、黄色、キラキラした光に包まれて落ちていく。

1/17/2026, 8:49:23 AM