1/17/2026, 8:49:23 AM
眼下に広がるビル達は、定時を遠に過ぎたこんな時間でも光が消えることはなく、キラキラと大都会の夜を照らしていた。
眠らない街、眠れない街
まさにそんな感じ。
こんな時間まで必死に働いて少ない給料を貰っては、家賃やら、税金やら、生活費に消えていって、また働くの繰り返し。
生活のために働いていたはずなのに、働くために生活を犠牲にする毎日。
タバコを一本取り出して火をつける。
ふーっと息を吐き出すと、キラキラ光るビルに煙が入り込む。
このビル達が美しく見えていた頃が懐かしい。街並みも、職場も、家具の配置も、何一つ変わっていないのに、あの頃と今では何かが決定的に変わってしまった。
それは情熱か、意欲か、はたまた希望か。
まあ、今更考える必要もない。
吸いかけのタバコを踏みつけて、目の前の柵に足をかける。
不思議と恐怖はない。
ごうごうと吹き抜けるビル風に身を任せて、足を踏み出す。
一瞬の浮遊感の後に、体は真っ逆様に落ちていく。
赤、青、黄色、キラキラした光に包まれて落ちていく。