『美しい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
息を呑むほどの白銀の世界。
もうすぐ世界が終わる。
背中を真っ白に埋めて、僕は灰色の空を見上げた。
「これが僕の選択」
僕が君を殺さなかった世界。
それは世界の終焉を意味する。
ゆっくりと閉じていく白銀の世界。
(ああ、君を一人にしてしまう)
倒れる君の傍らでゆっくりと目をつむる。
このまま君が目を覚さなければいいのに。
1/16『美しい』
この世界は
黒と白に分けられて
グレーの部分が一筋だけ残っていた
私の中の白と黒
はっきり区別しなくちゃ気がすまない
黒寄りの白や白寄りの黒
なんてものもあっていいはずなのに
この世界のほとんどは白か黒かなのだ
兵隊がグレーの世界にうずくまる私を見下ろしている
そんなに見ないで
曖昧な私は許されないというの
1/15『この世界は』
君を嫌いになれないのは、どうしてだろう。
返信もない既読スルーで2週間。
付き合ってるのに一言のスタンプもないなんて。
人のこと家政婦扱いするし
都合のいい人扱いなのに
どうして彼のことをまだ好きなんだろう。
1/14『どうして』
この世の全ての業を背負ったかのような、絶望の渦中、それでも鐘の音が鳴る方へ足を進める
おぼつかない足取りで、底なし沼のようなぬかるみを一歩一歩進むのが人生だとするのならば、なんと酷なことだろうか。
この世の全ての嗎を僕の鼓膜を突き破り、脳へと直接響く、その協奏曲が僕を焦らせ、ただ馬車馬のように働かせる日々
どこまでも孤独なのだ、それでも地球は廻るし明日は来るという事実に酔いながら
世界の美しさを忘れた眼球は、存在証明を求めることに疲れた瞬きは
それでも一筋の涙を流すくらいにはまだ人間で、
この世の美しさを呪うのだ
美しい
その定義は人それぞれだ。
多種多様の定義の僕の定義をお話しよう。
僕が美しさを見出すのは、感情だ。
人の感情。
儚く、醜いもの。
だからこそ美しい。
甘酸っぱい初心な恋心。
他者を貶めようとする欲望。
人は、完璧ではないし、聖人でもない。
だからこそ美しい。
欠点があるから、完璧ではないから、唯一無二だから。
儚く、醜く、時には他者を想い、時には蹴落とす。
正にも悪にも完璧にはなりきれない。
その間の混沌が輝いて輝いて美しいんだ。
完璧じゃなくていい。
何者にもなれなくていい。
ただ、もがいてもがいて、不協和音を奏でてくれ。
それが僕のお願いだ。
秩序なんてつまらないだろう?
落ち葉を拾ってどうぞって
あどけない笑顔で渡してくれた
美しい
笑っても 美しい
泣いても 美しい
叫んでいても 美しい
黙っていても 美しい
その瞬間
その人が その人のままであることが
最も 美しい のだ
「……今日はまた、随分と酷いね。」
目の前で俯く彼の顔を覗き込むようにして、僕は呟いた。
彼が視線を落とす机には、マジックペンで書かれた罵詈雑言の数々。幼稚な語彙に、乱れた筆跡。誰が書いたかも分からない。
「やっぱり先生に相談しなよ。」
僕がそう言うと、彼は更に首を下に向けた。
「……したよ、とっくに。」
少しだけ顔を窓の方に向けた彼の声は小さくて、少しの物音でもかき消されてしまいそうだった。
「じゃあなんで……」
「……誰がやったかも分からないのに対応はできないって。」
なんともまぁ薄情な教師だ。しかし、教師の言い分も別に間違っているわけでは無い。下手にクラス全体に呼びかけなんてしたら、きっといじめっ子気質な男子たちは面白がって便乗するだろう。予め、いじめをしそうな者たちに聞き込みをしても同様だ。
無闇に触れて悪化させるくらいなら、いっそ何もしない方がマシだ、そう考える大人の思考は、微塵も間違ってはいない。
「……なんで、僕ばっか……」
ぽつりと溢れた彼の言葉は、語尾が小さく揺れていた。ちらりと視線をそちらに向けると、ぽたぽたと小さく音を立て、きらきらとした水滴が何粒も机に叩きつけられて水溜まりを作っていく。静かな教室に彼が鼻をすする音がやけに響いて、それがかえって静寂を際立たせていた。
ああ、やっぱり彼の泣き顔は、涙は、必死に押し殺すような泣き声は、どんな芸術作品より美しい。
僕は溢れそうになる愉悦の笑みをなんとか押し殺し、あたかもいじめられっ子を心配している良き友人のような顔を取り繕う。黒の油性ペンでめちゃくちゃにされた机も、毎日引き出しや上履きに詰められている画鋲やゴミも、ゴミ箱に捨てられた教科書も、びしょびしょにされた体操着も。全部、僕が仕組んだこと。
僕は彼の背中を優しくさすりながら、明日は何をしようか、どうやって彼を泣かせようか、知略を脳裏に巡らせていた。
テーマ:美しい
『美しい』
眠っているときの、彼の顔がいちばん美しい。
最近流行りの美容男子で
お風呂上がりには欠かさずパックをする人だ。
そっと覗き込むと、
きめ細かい肌に長いまつげ、
高くまっすぐ通った鼻。
角質ケアを怠らないせいか
唇までなめらかで、思わず見入ってしまう。
敏感肌で乾燥肌の私からすれば、羨望のかたまりだ。
起こさない程度に鼻をつまんでみたり、
ウインドチャイムみたいに
まつげを指でそっと揺らしてみたり。
小さな意地悪をしても、彼は眠ったまま。
でも、この美しさは偶然じゃない。
毎日の手入れを続けてきた
その努力の結果なのだろうと思う。
…私も、負けずに飽きずに頑張ろう。
美しい星が輝いている
みんなの心の中に
時がたつにつれ
消えてしまう
大人になるにつれ
子供の頃の小さな輝きを
そんな時は、みやげげて見よう
美しい星空を 星々を
〜美しい星空〜
澄んで煌めく碧、
映りこむいくつもの命。
あなたが導いた数々は
たしかに歩んで成長している。
〖美しい〗ものを
見つけ守っている。
美しい
蝶々🦋
繊細で脆い…
やわらかく軽く
飛ぶ
蝶々🦋を追いかけて…
「ところで」
「ところで?」
「生きろ、そなたは美しい」
「なんか聞いたことある」
「見たことないけどこのフレーズだけ知ってる」
「なんかの映画のだっけ」
「30年ぐらい前のだから見てない」
「とも言い切れない」
「まあね。でもあまり動画は見ないからね」
「今どきぽくない」
お題『美しい』
美しい。
美しい容姿に生まれたかった。
端正な顔と、身長185センチの逞しい体があれば女性からモテたし、男性には馬鹿にされる事はなかった。
僕の顔は整ってはいるが、老け顔なので二十歳の時にそう見られなかったのが残念だった。
人からブサイクと言われた事はないが好きな娘とは付き合えなかった。
自分を冷静に分析すると。
顔は並。
勉強は出来ない。
運動神経は悪い。
不器用。
性格は良い。
特技は口が上手いことかな…。
会話でよく人を笑わせたりするが、お金儲けにはつながってない。
口は災いの元、無口だとしても愛想良く挨拶してれば嫌われることはない。
だから、口下手でいいので、勉強が出来るように能力を変更したかった。
そうすれば公務員になれただろうし、生活も安定し、幸せな結婚が出来て親孝行もできただろう。
だか、能力はゲ−ムのように変更出来ない。
与えられた能力で勝負するしかない。
容姿は年を取り衰えていくが、中身は美しいと思われたい。
太陽の光を浴びて
自然界に溶け込む。
「ずっとここにいればいいのよ」
となりで彼女はひざを抱え、傾けた。
裾に縫いつけられたフリンジが流れるように、
髪束が空を透いてゆく。
「そうしたら悩みごとなんてなくなるでしょう?」
彼女の視線と、
「悩むことは嫌いじゃないんだ」
綿毛が交差し、遥か彼方へ。「生きている感じがするから」
「その生きているっていうのは、存在意義のようなもの?」
彼女が姿勢を崩して「辿り着ける場所なんて無いわ」「ここにいてくれるだけでいいの、それだけで」
フリンジがばらばらと散る。
「充分よ」
潤いの目。唇。地面に縫いつけられた手、降りてくるカーテン。
空が見えないと不安になった。
「もう行くよ」
別れを告げて
幕引きを止める。
「……手を離してくれないかな」
空には薄い雲が掛かっていた。
「あなたのことを語り継ぐわ」
「どんなふうに?」
「病弱な幼なじみを捨てて村を出た、最低で、夢見がちな英雄。彼は紫の美しい瞳をもっていたって」
思わず振り返ると、彼女は陽だまりから手を揺らし微笑んでいる。
【美しい】
【美しい】
貴方の顔はとても美しい。
仕草も、その微笑んだ顔も。
全てが好き。今はとても幸せ。
ずっとこの時間が続けばいいのに。
──────
笑顔の素敵な貴方が悲しまないように。
今日も鏡の前で1度笑顔を作る。
今日も素敵ですよ。貴方の笑顔は
美しい。
End.
「美しい」
朝のひかり。
寝室のドアを開けたとき
白い壁に朝のひかりが射して
玄関の扉の格子模様が光と影で描かれるのが
美しいなと思う。
朝目覚めると涙が出ている。黄昏時。
夏の青い空。光るラムネ瓶。
夕日が反射する海。なびく髪。
真っ白の陶器肌。点滅するラメ。
星空キャンパス。手を伸ばせば見える
この世界は本当に美しい。
美しい。
醜い、と誰かは言った。
美しい、と誰かは言った。
あなたは何と言うだろう。
「お題 美しい」#119
美しさは、いつの時代も人々の間に争いをうむ。
「美しい」
美しい世界で、美しくない君を見つけた。
すっかりとイルミネーションで輝く木々が街を染めている。気温もとうとう10度をきった時分だった。
街は浮かれ気分でありとあらゆるところで恋人同士が手を繋ぐなり腕を組むなりとしている。
朝っぱらから仕事のために奔走しているこちらからしてみれば能天気で羨ましいことこの上ない。
交差点で信号待ちをしていれば、近くのベンチーーその後ろには大きなツリーがあるーーに座ってそわそわとしている男の子がいた。
高校生くらいだろうか。
スマホの画面と横断歩道を交互に見ているから、誰かと待ち合わせでもしているのだろう。
そして、案の定可愛らしい女の子が現れた。彼は顔を綻ばせ、鞄からプレゼントを取り出す。
だが、彼女はそれを受け取ることはなく、彼に押し返した。
それから何かを告げたかと思うと足早に彼女は去っていく。
取り残された少年は不意にこちらを見た。
目が合って、慌てて逸らす。丁度青信号になったのをいいことに足を進めた。
仕事場についたのは始業五分前だった。いつもよりは遅いが、遅刻というわけではない。そのことにほっと息を吐き、仕事開始を待っていると、梶川が話しかけてきた。
「よぉ、橘。いつもより遅かったじゃん」
「まぁ色々あってね。梶川こそ珍しい。いつも遅刻だろ?」
「それを言っちゃあだめだろ?にしても何がよくてこんな日にまで仕事しなくちゃなのかねぇ」
「今年は平日なんだから仕方ないだろ。妹ちゃんはもう冬休みか?」
「あぁ。すっかりはしゃいで今日も朝から待ち合わせがあるんだと」
「へぇ。小学生ともなると忙しくなるもんだな」
くだらない話をしていると、朝礼がはじまった。軽く手を振ってから上司の話を聞く。
朝礼が終わると、後はひたすら仕事だ。
これはこっちで、あれはそっち。で、それはーー。
指示をだしながら仕事を終わらせていると、いつの間にか就業時間になっていたらしい。梶川が一緒に帰ろうと誘ってきた。
「あー今やってんのが終わったら」
「うぃ。んじゃ、俺そこで待ってるわ」
そう言って出口を指し示す梶川に頷いてみせ、残りの作業を終わらせた。
外に出るとすっかり日も暮れ、朝より寒かった。雪がちらほらと舞い、ホワイトクリスマスだなぁ。なんて思う。
「でさ、杏のやつ、俺とゲームしたいって駄々こねんだよ」
「よかったじゃん。懐かれてて」
「そうかもだけど、パパよりにぃにがいいとか言われても。なぁ?」
「そんなことを聞かれるこっちのほうが困るわ」
「つれないこと言うなよ。俺らの仲じゃん?」
「うるさい。妹ちゃんがにぃにの帰りを待ってるってよ」
いつの間にか今朝の交差点まで来ていた。本当は今日、したいことがあった。けれど、あの少年の二の舞いになるかもしれないと思えばーー否、それ以前にある問題を思えばーー朝の決意などあっという間に崩れてしまっていた。
「ーー橘?」
「ん、あぁ、なに?」
「いや、俺の話ーー聞いてた?」
「ごめん。聞いてなかった」
「おい、ふざけんなよ。ちゃんと聞けって」
いつにない真剣な梶川。また、ごめんと謝った。
「それで、何の話?」
「あー……もうっ、俺は橘が好きだって言ってんの!」
「……は?」
脳がフリーズした。梶川が、好きだと言った。それは、友人として?
「梶川、お前それ、友人として、だよな?」
「……まぁ」
はっきりしない梶川が鬱陶しい。いつも通りの梶川でないと調子が狂ってしまう。
そこまで考えて、人通りが多いことに気がついた。
「梶川、続きは家で話さないか?」
「え?あー、まぁ、橘がいいなら……」
かくして梶川を家に招き、こちらの真意も伝えることにした。
「僕も梶川が好きだと思ってる。でも、それは、恋愛的に、だ」
声が震える。梶川の顔が見れない。梶川のあの台詞がそういうのじゃなかったとしたら、もう梶川とは話せないかもしれない。
「……それ、本気で言ってる?」
「うん」
「俺のためじゃなくて?」
「うん」
「嬉しいよ。俺だって橘のこと、好きだし」
あ、ちゃんと恋愛的にな。と付け足す梶川が愛おしくて。視界が滲むなか、鞄から取り出した袋を渡した。
「これ、今日梶川に渡そうと思って」
「え、なに、プレゼント?」
嬉しそうな梶川を見て、あぁ、渡して良かったなんて思う。
「うぇ、時計じゃん!」
「前に梶川欲しがってたろ?」
「そりゃ……欲しかったけど、いいのか?」
「勿論。梶川のために買ったんだから」
この恋は美しくない。あまりにも清すぎる世界では美しく見えない。君も同じ。この目に美しく映るのは、君が清くないからだ。
「あ、これ、妹ちゃんの分」
「え、杏のも用意してたのか……俺なんも用意してねぇや」
「ははっ、兄ちゃんなのに」
「いやー……だって、なぁ。何が欲しいか分からないんだよ」
それでーーそういいつつ梶川は箱を取り出した。
「これは俺から橘の分」
梶川から貰った箱を開くと、中に入っていたのは黒の財布だった。
「……財布?」
「うん。橘、新しい財布欲しいってぼやいてたろ」
嬉しい。梶川からのプレゼントだけでいつまでも生きられそうだ。
あの少年には悪いが、今日という日に乾杯。
#美しい
本当は、渡したくなかった。
名前を呼ばれるたび、
手が触れるたび、
貴方が私を見つめるたび、
心がちゃんと揺れていた。
それでも、
大切な人の笑顔が曇る未来を想像して、
私は貴方の気持ちを傷つけた。
「好きじゃない」
そう口にした言葉は、
嘘だったけれど、
大切な人を守るための嘘だった。
好きだった気持ちは、
まだ私の心の中。
今はまだ涙が止まらない。止められない。
この涙はきっと、美しい。