『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私ときたらそれはもう花なんてものとは縁遠い人間でしてね。いやぁ、別に嫌いとかそういうわけじゃあないんですよ。ただなんというかむず痒いというか、あ、花粉症じゃないですよ。指の先から心臓に向かってピリピリっとするんです。わかってくれないかなぁ。こんなこと感じちゃうのも花に対して申し訳ないっていうか、私よりもっともっと相応しい人がいるんじゃないかってね。ごめんなさいって、そう思うわけです。
繊細さん
音に敏感
人の感情に敏感
大勢の人がいると疲れちゃう
ひとりになりたい時もある
組織という
花束の中では
変わった人に見えちゃうけど
ひとりの人としてだったら
ただの繊細な花
『悪魔執事と黒い猫』二次創作
題名:恋に酔う
ルカスと共に女神の神殿から戻った私は、宿の主人が貸してくれた花瓶に、先程彼から受け取った花束を生けた。
パレスまで持って帰ることは難しいだろうけれど、せめて少しでも長く彼との思い出を留めておきたかった。
花瓶の中、幾分か元気を取り戻したように見える花に顔をそっと近づければ、誘うようにふわりと甘く香る。
そうしていると、一つ一つの花が存外繊細な姿をしていることに気が付いた。
そういえば、艶やかに咲き誇る大きな藤棚を見たことはあったけれど、こんなに近くでまじまじと眺めたことはなかったように思う。
皆を魅了する滝のような優麗な姿と、近づき触れなければ知り得なかった繊細な美しさ。それはどこか彼を思わせた。
「酔わされたかもなぁ」
彼の瞳の色をした指輪をそっと撫で、綺麗にメイクされたシーツの海にぽすりと身を預けた。
吹くだけで飛びそうな、触れるだけで崩れそうな
誰の意識にも残らない存在感の危うい命。
繊細な花はいつも震える。
雨が凌げる藪の中でも
風が一筋吹き抜けただけで
足音の幻聴に怯える。
太陽を知らない花は
木の葉の下の湿った土と
苔むし朽ちた倒木と
死骸に群がる小蝿と蟻と
日陰の重みが全てだった。
唯一無二の人
患者としてしか接した事なのない相手がとてつもなく好きだ、と最近になって曖昧で捉えたくなかった思いを受け入れた。一年とちょっとの間にすっかり心が捕らわれていたと今となってはそう受け入れざるを得ない。曖昧というのも語弊が多分にあって、曖昧なままにしておきたかったのだと思う。
その人は時に先を見通す鷹の様な目を持ち、ある時は5歳ほどの男の子の様であり、ある時は私と同じ絶望の淵に立っている様にも見え、私にいつもその真っ直ぐさでインスピレーションをくれる稀有な存在だ。
この想いは相手にはとても迷惑なもの厄介なものである事は重々承知しているし、自分でも本当にどうかしてると自分をせせら笑いたいくらいだ。
交わることの許されない想いは出来るだけ胸の奥深く、底深い所へ沈めておこう。私でさえも届くことのない光の当たらない場所に。そしてそれが風化してしまわず今の情熱を帯びたまま誰の目にも触れられることなく永遠に私の奥で眠らせておかないと。
それくらいしないと沈めて置けるかわからない。それ程に大切な人なのだ。
お題【繊細な花】
人間は少しでも傷つけられるとその穴はすぐに広がる
だから好きなことや楽しいことでその穴をうめる
我慢し続ければ枯れていく
心では大丈夫だと思ってても体は大丈夫じゃないかもよ
少しでも休む事を考えてね、
休む事が出来ないなら休める時間を作ってみて
少しは和らぐかもよ
よく、花を買う。
祝い事がある訳でも、弔うべきものができた訳でもない。
ただ、帰り道にふらっと花屋に寄っては、好きな花をひとつ選んで持ち帰る。
どうしようもなく疲弊して、帰った途端に倒れそうになるのを、その花は支えてくれる。
瓶に水をいれて、毎日増える花たちの隣に並べると、「今日」の終わりを感じる。
私も、この花のように、繊細で儚く、それでも美しくて華やかな人生を送れているだろうか。
繊細な花
最近インターン始めて、最初は「成長できる!」と思って始めたけどなんか学生搾取気味だし同期めちゃめちゃ辞めてくしで辞めようと思った
給料も渋い 1番業績いい人で7万とかおかしいなw
いい経験だと思って次の職場を探す
「あなたは繊細な花だ。」
そう云われて嬉しい私はいるだろうか。
繊細な、硝子、壊れやすい、フラジャイル、取り扱い注意、臆病、不安、危険、怖い、怖い、怖い…。
握り潰したい。繊細ならば、壊れやすいならば、在ることが不安で怖いならば、いっそこの手でばらばらに粉々に。
決着を、つけてしまいたい。
決着を。今までと、これからの私に決着を。
静かな静かな夜のこと
フクロウのうたた寝に
やさしく微笑むお月様
みんなが寝静まった頃
夜露に濡れて花ひらく
柔らかい月のひかりは
そっと私へ向けられた
儚く咲いて風に揺れる
見つめられたままの姿で
『繊細な花』
繊細な花。
この言葉が理解出来ない。
私はいつも笑顔をすること思いかけて皆に接する。
その度、相手の顔が引つる。
私がおかしいのかと、心の中で思う。
そんなことを相談すると、へぇーで?だから何?
って顔されて私のこの悩みはしょうもない。で済まされる。
これから、この事を相談することはない。
分かってくれ!なんては言わないよ。でもさ
態度には出さないで。
私が変に思い込むからダメなんだよね。
そうだよね、私が悪いんだよね、相手のせいにしたら
相手に悪いじゃない。
1人でも、頷いてくれる人が居たらだいぶ楽なのにな。
この悩みは私ずっと消えないのに。
誰にもって言ったけどやっぱり私はこうして書いてしまう
どっかでわかってくれる人がいる。
って思ってるし、考えが甘いから結局全部嫌になるんでしょ
自分に、何度言い聞かせてもやめてくれない。
誰かにこんな私が経験した話しばかり。
なのに、私は皆のを聞こうともしないのに。
そんな人間が聞いて欲しい?わかって欲しい?
何を言うの??弱いからって言い訳して逃げて、
もっと、強くならないといけないのに。
上手くいかないから、助けを求めて、突き放されて、
仕方ない。そんな言葉を言いながら私は泣くだろうな。
繊細すぎるあの子に私は合わない。
あの子は花でも、私はあの子の栄養分。
暗くていい。光は眩しすぎるから。
あの子の花が綺麗に素敵に咲きますように、
そう、願うだけです。
優しく扱ってね。
大切にしてあげて。
もし
元気がなさそうだったら
陽によく当てて
水をたっぷりあげて
肥料も入れてあげて。
そしたら
また綺麗に咲けるから。
花のお世話なら
上手くできたのに。
自分のお世話って
難しい。
どんなふうに
陽に当てて
水をやって
肥料を入れたら
綺麗に咲けるんだろう。
#繊細な花
繊細な花
それは誰もが持っているもの
心
どれも違って
どの花も美しいが
繊細で傷つきやすい
一人一人心に抱えているものは
違っていて
同じ言葉でも
喜ぶ人、傷つく人がいる
言葉選びや態度
全てに気を使って接する必要がある
人の心は簡単には触れていいところでは無い
繊細な花
『サンカヨウ』
別名、スケルトンフラワー。雨に濡れるとガラス細工のように透明になる神秘の花。
母がいちばん好きだった花らしい。
この花がきっかけで出会ったと父は教えてくれた。
白い花弁は散りやすく、条件が揃わないと透明な姿は見られない。それから毎年、その小さな神秘を求めて二人で山に通うようになったそうだ。
そんな母は、私が生まれてすぐ天国に行ってしまった。だからかな…その花が咲くところに不思議と母がいる気がして。透き通る花をじっと見つめて。
今は父と二人。今度は私が通っている。
母が大好きだったガラスの花を探しに…
繊細な花
花があった。道のすみっこに花があった。他の花と変わらない、帰り道に生えている普通の花。
いつものように帰っていると、目に入ったすみっこの花が、微笑みかけるように揺れていた。
【繊細な花】
私、繊細な花を見るのが好き。だって、壊れたら直せばいいじゃない。そう言っていたらいつの間にか修理屋さんになっていた。お人形さんも縫えるし、みんなの仲も仲裁する。私は現代の万事屋さん。だから、この繊細な花だってお手入れすればずっと綺麗なままでいてくれる。永遠をしまったブリザードフラワー。綺麗にしまって枯れないように歳を奪ってしまった。
繊細な花は、まるで人と同じだ
晴れ晴れとした心地いい気温の下明るく咲く時もあれば
雨風に打たれ下を向きながらも咲き続ける強さがある
水を上げすぎては枯れてしまい
水が無ければ干からびていく
やがて種を飛ばし新しい芽をだす
それはまるで人そのもの
環境によって輝く姿
批判を浴びても立ち上がる強さ
愛を与えすぎては堕落していき
愛がなければ飢えていく
やがて人生を終え、次の世代に繋がっていく
人は繊細な生き物だ
それでいてたくましい生き物だ
お題《繊細な花》
儚げに微笑む花に触れる。
壊れてしまいそうな幸せほど、どうして透明な輝きを放つんだろう。
瞳からあふれる泉が、僕を彷徨わせる。
――罪悪感から始まる幸せに、幸せな結末など存在しない。
『対』
この世界には、
『百年に一度、ガラスのように綺麗な花が咲く。』
と伝えられる花がある。
それは願いを叶える花だとも言われている。
ただそれはとても繊細な花で、選ばれし者でなければ触れた瞬間に黒く染まり、一瞬にして花が砕け散るのだと言う。
百年に一度、花が咲いたのと同時に
どこかでたった一人、生まれたときから腕にその花のアザが浮き出る子供が居る。
それが選ばれし者の証なのだ。
人間は残酷だ。願いを叶えるためにそのアザを持つ子供をさらうこともあった。
今では分かった瞬間に国の庇護化に置かれ、
城で育てられる。
その歴史はもうすでに千年を越えた。
そして、そろそろ11回目の花が咲く。
しかし、今回はとても希少な例だった。
同じ日、同じ時間に二人の子供が生まれた。
そしてその子供たちは、2人ともアザを持っていた。片方が偽装したのではないかと疑われたが、
二人の母親を見る限りそうでないことは明白だった。
分からないものを疑っていてもなにも進まない。
この2人が花のもとまで行ける日が来たら、片方ずつ触れる。それでやっとどちらが本物か分かるとの決断を下した。
その判断をしたのも、二人のアザが対で同じ場所にあったこと、まぐれでは難しい場所にもうひとつ、アザが確認できたことにあった。
二人のアザはそれぞれ、右腕と左腕にあった。
そして不思議なことにそれぞれが同じ高さ、大きさだった。さらに、首に花のアザが同じ場所にあったのだった。
2人はとても仲が良く、まるで姉妹のように育った。
そして二人はついに百年に一度咲く、花を探しに行く旅に出ることになった。
お題:《繊細な花》
昔々、あるところに2つの種がありました。
同じ花から産まれた彼らは、最初は胚珠として子房に包まれて育ち、やがて大きな種に成長していきました。その頃から、彼らには心が芽生えていきました。種にだって、心はあるのです。
やがて彼らはそれぞれ別の袋に入れられ、どこかに運ばれました。真っ暗な袋の中に詰められ、何かに揺られる2つの種の心は、希望でいっぱいでした。種は上手く育っていけば、それぞれの花を咲かせることができます。綺麗で可愛い花が咲くか、地味で特徴のない花が咲くか、ということはどの植物の種になるかによります。しかし、彼らはきれいな花を咲かせる植物の種でした。そのことを彼ら自身もよく理解していたのです。
ここからは彼らのことをそれぞれA、Bと呼ぶことにします。これから彼らは別々の道を歩んでいくのです。
Aの飼い主は、植物を育てるのが大好きな男の人でした。彼は、Aを栄養の良い土に植え、適度に水や肥料を与えました。そして何度もこう言うのです。
[お前は綺麗な花に育つ]と。彼の周囲の人間も、まだ新芽すら出ていないAのことを口々に褒めました。Aはそれに応えるように、グングンと育っていきました。種だって、喜ぶのです。
Bの飼い主は、植物がさほど好きではない女の人でした。彼女は、Bを適当な土に植えると、後は全く世話をしてくれませんでした。[時間がない]が、彼女の口癖でした。Bは、何度も生命の危険に晒されました。ろくに水も栄養も与えられません。たとえ与えられたとしても、雑草に盗られてしまいます。しかし、Bは絶対に枯れませんでした。いつだって、か細いくきをピンと伸ばしていました。
Aから蕾が出ました。そのとき、Bから新芽が出ました。Aの蕾がどんどん大きくなっていきます。Bも少しずつ葉を増やしていきます。Aに花が咲きました。Bはまだ蕾のままでした。
Bに花が咲きました。地味で小さな花でした。しかし、とても力強い花でした。心なしか、最近飼い主がよく自分のことを見てくれているように感じます。自分を取り巻く環境が少しだけ優しくなったように感じました。Bのくきがさらにまっすぐに伸びました。
Aは、とても美しい花を咲かせました。飼い主も、嬉しくなってAを色々な人に見せます。褒めてくれる人も、確かにいました。しかし、そうじゃない人も大勢いました。彼が好きなのは、花ではなかったのでしょう。次第に彼は、Aの世話をしなくなりました。Aも、初めて投げかけられた厳しい言葉に耐えきれず、どんどん色褪せて萎んでいきました。
Aはとても繊細な花でした。