『紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やあやあ お嬢さん
紅茶の香に誘われたのかい?
スコーンで 恋をしたいなら
スパイスたっぷりの紅茶をどうぞ
おすすめはセイロンで
ついでにお砂糖は如何?
それとも 甘い甘い生クリーム?
一口飲めば心に花が咲くよ
もしもお嬢さんが夢に浸りたいなら
その時はアッサムの紅茶をどうぞ
さあ もう一杯どうぞ お嬢さん
だって紅茶は君の味方なんだもの
ほら こんなに香るでしょう?
だから このティーカップも味方なのさ
逃げないでお嬢さん
もう少しここにどうぞ
だって ここは終わらないお茶会
三月ウサギの用意した庭のお茶会
白うさぎを追うより楽しいお茶会
終わらせることのない気違いのお茶会さ
紅茶の香りが鼻について、酷く顔を歪めた覚えがある。
美しいものを見るとつい顔を歪めてしまう。そんな癖がついたのは何時からだろうか。
別に君が見つけた美しさを否定したい訳じゃないけれど、あまりにも紅茶のゆらぎに乗って映る君の顔が美しかったから、どうにも、机に咲いた美しい花も汚らしく見えてしまった。
束の間の休息(番外編)23の続き
紅茶の香り(番外編)24
●お茶会
シズクちゃんは、今日は、帽子屋のナイト
白兎のミーナが主催するお茶会に来て
いました。
シズクちゃんは、灰色猫ハイネの
膝の上に乗ってサクリとしたクッキーや
甘いクリームの載ったケーキを紅茶の香りと共に堪能してご機嫌でした。
ハイネの膝の上で手足をバタバタさせ
幸せを噛み締めます。
「....美味しい....」「良いから落ち着いて
食べろ!」ハイネがシズクちゃんの頬に
付いたクリームを拭き取りながら
シズクちゃんを落ち着かせます。
「たくさんあるからどんどん食べてね!」
白兎ミーナがシズクちゃんに勧めますが
灰色猫ハイネがシズクちゃんが手を伸ばそうとしていたクッキーに待ったを掛けます
「お腹いっぱいになったら夕飯食べれなくなるから程々にな」シズクちゃんは、
ハイネの注意に「うん!」と頷き
最後のクッキーをゆっくりと味わいます
「あんたすっかりこの子のお母さんね」と
ミーナが突っ込みます。
「だってこいつ危なかっしいんだよ
仕方ねぇだろう!」
「仲良い事は良き事かな」魔法使いハロルドとその助手のマリアが微笑ましく
シズクちゃん達を見守ります
いつものメンバーで楽しくお茶会をして
そろそろ終わりが近付いて来た時....
不意に「楽しそうだね!」と言う見知らぬ
声が聞こえました。
皆が声のする方に視線を向けると
空いている椅子に黒いローブを纏った
男がいつの間にか座っていました。
そのローブからは、青い髪が覗いていました。
皆が楽しい雰囲気から一斉に立ち上がり
見知らぬ男から距離を取り緊張した
空気を醸し出すと....
一人だけ状況が分かっていなさそうに
「....あっ....!」とシズクちゃんが
ハイネの腕の中から抜け出して
黒いローブの男にトテテテッと近づきます
「あの時のお兄さん!」シズクちゃんの
声に皆 首を傾げます。
ハイネがシズクちゃんに「知り合いか?」と聞きます。
「うん!お父さんとお母さんの居場所を
教えてくれた人」
シズクちゃんがお父さんとお母さんを探しに森に入った時 森に入るきっかけをくれた男の人でした。
(いや.....それめちゃくちゃ怪しい奴じゃ
ねぇか....)ハイネが警戒レベルを上げると
シズクちゃんが「あの時は、お父さんとお母さんの事を教えてくれてありがとうございました お父さんとお母さんには
会えなかったけど....でもハイネと皆に
会えました本当にありがとうございました」シズクちゃんは、ぺこりと男の人に
頭を下げました。
果たして頭を下げても良い人物か
甚だ疑わしいのだが.....
「そんな事あったっけ....まぁ良いや....
僕の名前はルーク面白そうだから覗きに
来ちゃった」
「私の名前はシズクです」シズクちゃんが
ルークに自己紹介します
「よろしくね!」とルークがシズクちゃんに握手を求める様に手を伸ばし
シズクちゃんもルークの手を取ろうと
腕を伸ばし掛けた時....
ハイネが咄嗟にシズクちゃんの体を抱き上げ自分の腕の中に戻します。
「? ?」シズクちゃんは、何故ハイネに
止められたのか分からず頭に疑問符を
浮かべます。
「お前 知らない奴と握手なんかするな
危ないだろう!」ハイネがシズクちゃんに
注意しますがシズクちゃんは
「知らない人じゃないよ!ちゃんとあの時話した人だって覚えてるもん!」と
自信満々です
ハイネが言っているのは、そう言う意味では無いのだが しかしシズクちゃんに
厳しく注意し過ぎてシズクちゃんに泣かれると困るのでハイネはシズクちゃんには
やんわりとしか注意出来ないのだった
その様子を見ていたルークは、クスクスと
笑っていた「何だか初対面なのにえらく
嫌われちゃったなあ.....まぁ良いや
今回は、挨拶しに来ただけだからこの辺で
失礼するよ! またどっかで会ったら
遊ぼうね!」そうしてルークは、最後に
シズクちゃんから余ったクッキーを貰い
皆に胡乱な視線を送られて去って行った
シズクちゃんだけは、ルークに
「バイバイ!」と元気良く手を振っていた
こうしてシズクちゃんに新しいお友達が
出来たのでした。
(めでたし?めでたし?)
紅茶の匂いを嗅ぐと
茶葉の産地が想像できて
そこに居るような気分になれる。
紅茶を嗅ぐと落ち着くって
そういうことかって感じたな。
コーヒーよりも紅茶派です。
紅茶は不安を和らげてくれます。
良質な紅茶は名の通り濃い紅色です。
香りと味も違います。
大量生産のティーパック製品と飲み比べると違いの大きさに感動をもたらしてくれることでしょう。
コーヒーも美味しいのですが気分が落ち込んだ時には紅茶をお勧めします。
作業前にはコーヒーです。
のんびりしたい時には緑茶をお勧めします。
「紅茶の香り」
紅茶は、淹れ立てが美味しい。
種類豊富。それに私はすきなほうだ。
特にダージリンやロイヤルティが大好き!
午後ののんびりしたとき。
特に秋の午後だね。今かなぁ。
紅茶の香りがする場所に行くと、何となく落ち着かず、そこに自分がいるべきでないような「アウェー感」を感じてしまう。
コーヒー党だけれど、決して紅茶が嫌いなわけではない。ただ、普段の生活の中にはない、よそ行きの香りと認識するのだ。
紅茶にも様々な種類があって、それぞれ味や香り、美味しい淹れ方にも特徴や違いがあると耳にしたことはあるが、奥深いそんな世界に足を踏み入れたことは、これまでにない。
子どもの頃、学校から帰るとお客様が来ていることが時々あった。たいていは近所の人や母のパート仲間、或いはママ友で、他愛ない話をしに母を訪ねて来た人たちだ。
お客様がいる間、リビングは「いつもの」リビングではなくなる。普段ならためらいなくテレビをつけ、冷蔵庫を開けて飲み物を取ったり、おやつを好き勝手に食べるけれど、お客様がいると、それらをやってはいけないような気がしてしまうのだ。自分の家なのに、何となく居心地が悪く感じて、思うように振る舞えなかった。
お客様の中には、ちょっと高価なお菓子を手土産に持って来てくださる方もいて、それらをごちそうになることもあったが、そんな時に、こちらも根っからのコーヒー党だった母が決まって淹れるのが、めったに飲まない紅茶だった。
そんな子ども時代の記憶とリンクしていたのだろう。どこか自分には似つかわしくない「高嶺の花」のように思い込んでいたのではないだろうか。
でも、もう卒業してもいいのではないか。手頃な値段で手に入る、美味しい紅茶もある。コーヒー党なのも変わらないし、今さらツウにはなれないけれど、気軽に手を伸ばしてみたら、私の意識もアップデートできるのかも知れない。
貴子は3人の兄の次に産まれた初めての女の子だった。貴子の母は待ち望んでいた娘だったこともあり、末っ子だったこともあり貴子をとてもかわいがってくれた。いつもフリルのついたのワンピースや女の子らしいスカートを与え、長い髪の毛をきれいに整えていた。誕生日やクリスマスのプレゼントにはおままごとの道具やぬいぐるみなどを与えていた。しかし、貴子自身は3人の兄たちについて秘密基地を作ったり泥んこになって遊ぶ方が楽しかった。着る服だって動きやすい兄たちのお下がりで充分だった。
歳を追うごとに貴子はおてんばになり、幼稚園から毎日汚れて帰ってくるようになった。そんな貴子に母も無理にワンピースやスカートを着せることは無くなった。
ただ幼いなりに母の想いは感じてはいたので、たまに母と2人で出かける時は母の望む服を着てかわいらしい女の子になるのだった。
そんなお出かけの日には、母は大層機嫌が良く途中で喫茶店に寄ってケーキやプリンを食べさせてくれた。そして、貴子の向かいに座り紅茶を飲みながら「貴ちゃん、かわいいね。お姫様みたい」と言うのだった。貴子は口の中のケーキの甘さと母の優しさでふわふわした気持ちになったものだ。
結局、貴子に王子様が迎えにきてくれることもなかったし、ドレスを着る事もなかった。『良妻賢母』が良しとされる時代に貴子は自分の足で歩む人生を選んだ。
「お母さんの望む娘になれなくてごめんね」と母に言ったことがあった。
「そんな事ないよ。貴ちゃんはいつでもかわいい娘だよ。私はね、私のしてもらいたかった事を貴ちゃんにしてただけだよ。お母さんの時代は貧しかったから」
その時の母も貴子の向かいに座り、紅茶を飲んでいた。
紅茶の香りは母と2人で過ごした幸せな時間と母の愛情を思い出させてくれるのだ。
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お題:紅茶の香り
お湯を沸かす。
熱された水は大きな泡をぶくぶくと鳴かせる。
火を止めてポットにお湯を入れ、
それから茶葉を取り出して、ポットに落とす。
茶葉が踊る。
午後の静寂を奏でるように、
静かに、曲線を描いて、くるくると踊る。
透明なお湯に色が着く。
赤のような、茶のような、橙のような、
茶葉がくるくると踊りあって混ざり合った色。
静かになった舞台をくるりとひと回しすれば、
再び茶葉は踊り出す。
透明な場所はどこにも無くなって、
溢れた色は香りとなって踊り続ける。
目を瞑って呼吸をする。
鼻をくすぐる紅茶の香り。
あなた方の踊りに、
わたしの心も踊るのです。
紅茶の好きな種類
この世では知りきれない程の紅茶の種類があるだろう
私はその種類を好きな種類で縛りたくない
私は全てが好きだ
『紅茶の香り』
苦しくなったら、たくらみ事を。
復讐や仕返しを頭の中で企てて、その方法や手順をひとつひとつ詰めてゆく。
まずは前提から。
周囲にも復讐相手にも気づかせないやり方か、周囲には発覚せずに相手に思い知らせるやり方か、周囲にも相手にも構わずやりたいようにやるか。
それから内容と程度。
物理的にか、社会的にか、精神的にか。
物理的なら、犯罪になるほどのことか、ならないレベルか。
社会的なら、悪評程度か、職や立場を失うほどか。
精神的なら、ちょっと傷つくくらいか、立ち直れないほど打ちのめすか。
一番簡単なのは、周囲にも相手にも構わず、捕まることすら気にしないやり方だけど。
「どうしたの? 飲まないの?」
親しげなふりをして、これまで私を貶め傷つけてきた相手。
あなた今、私の頭の中で散々な目に遭うところなのよ。
ティーカップを手に取り、一口飲み込んでハッとした。喉を焼くような痛みにカップを取り落とす。
辺りに広がる紅茶の香りの向こうで、相手がニヤリと笑ったのが見えた。
#紅茶の香り
バレンタインの時期に都内の百貨店で、ROYCEの紅茶風味のチョコレートを買って食べるのが好きでした。
別にこの時期で無くても買えるのかもしれないし、都内まで行かずとも通販で買えばいいし、紅茶風味でなくてもROYCEのチョコレートは美味しいのですが、この時期に友人と遠出をして買うのが楽しかったのです。
ミルクティのような香りで、ほんのり紅茶の味がする、葉っぱの形のチョコレートでした。普段は紅茶を飲むこともしないのに、このチョコレートだけは本当にお気に入りでした。帰りのグリーン車で、友人が買ったチョコレートと交換したりしながら食べました。
結婚して子供が産まれてからは足が遠のいてしまい、食べていないのですが、子供がもう少し大きくなったら、今度は子供も連れて買いに行きたい一品です。
紅茶の香り
この言葉は休日の昼下がりののんびりした光景を頭に浮かばせた。
が、
普段自分が紅茶を飲む理由を考えてみると、眠気覚ましのカフェイン目的だ。休日というのんびりしたものとは懸け離れている。香りも楽しむ余裕も別にない。そもそも紅茶の香りってどんなものだったか、毎日飲んでいるが覚えていない。
たまにはリラックスしながら紅茶を飲みながら読書でもするのもいいかもしれない。次に日曜日にでも、
紅茶の香り
私の家では毎日楽しみにしていることがある。それは、いつも一緒に住んでいる彼が淹れてくれる紅茶を楽しみながら、今日あったことを話すこと。
私が仕事から家へ帰ると、彼はいつも優しい笑顔で私を出迎えてくれる。そんな彼に答えたくて、いつも私は笑顔で同じことを言う。
「ただいま、!」
そうすると、彼は包み込むような優しい声で「おかえりなさい。」と言ってくれる。この声が聞けるだけで私はとても幸せだ。仕事でどんなに怒られたとしても、どんなにミスをしても彼の前だと疲れが一気に吹き飛ぶような気がする。
「茶葉、新しいのが入ったんです。飲みますか?」
「うん。飲みたいな、お願いしてもいい?」
「もちろん。」
そうすると、彼は手馴れた手つきで上品に紅茶を淹れてくれる。毎日見ているのに、毎回すごいなぁと感心してしまう。そう思っていると、もう紅茶の準備が整ったようだ。
「さぁ、召し上がれ。良かったら今日、マドレーヌが手に入りましたから良かったらどうぞ。」
「わぁ、ありがとう!いただきます。」
綺麗な花柄のカップを口に運ぶ、優しくて深い香りだ。とっても美味しくて落ち着く。二人で静かに紅茶を嗜んでいると彼が口を開いた。
「最近、お仕事は順調ですか?」
彼は私をまっすぐ見つめて聞いてきた、その顔は少し心配しているようだった。実は最近、仕事が上手くいかなくて上司に怒られてばかりの毎日だ。同僚とも上手くいかず、あの雰囲気に飲まれるのが怖くて怖くて仕方がなかった。だけど彼には心配させたくなくて…、彼を安心させたくて。
「まぁ、普通かな、!」
そう言ってしまった。
「本当に?」
「うん、本当だよ!」
「…そうですか。」
彼は黙って紅茶を飲む。私も彼につられて紅茶を飲んだ。
すると彼はカップを静かに置いて、ゆっくりと私にこう言った。
「無理…しないで。」
「え、?」
驚いた。いつも敬語で上品な彼が少し震えた声でこういうから。
「最近、なにかあったのですか?最近、疲れているように見えるので…。」
私は、何も答えられなかった。話したら楽しい時間か終わってしまうと思ったのと、仕事の時の状況がフラッシュバックしてきて涙をこらえるのに必死だったから。すると、彼は私にこう話しかけてくれた。
「私には素を見せて下さい。……私は、あなたの力になるほど嬉しいことはないのですから。」
私は彼を安心させたくていままでずっと、笑顔を作っていた。けれど、それは違ったみたいだ。彼に嘘はつけれなかった。
「実は…」
本当は秘密にしておこうと思った。彼との紅茶の時間は楽しい時間でありたかったから。だけど、その日私は仕事での悩みを彼に全部伝えた。気付くと私は気持ちが溢れ出して涙をこぼしながら…。それでも彼は黙って頷いて話を聞いてくれた。彼は私の話が終わると、こう言った。
「辛かったですね…。本当にあなたはよく頑張りました。私はいつもあなたの味方ですよ。いつでも相談にのりますからね。」
彼は優しく、でも真剣に話してくれた。
「…ありがとう。」
私は色んな気持ちを込めて、その一言を頑張って伝えた。
紅茶はもうぬるくなってしまっている。だけど、優しくて深い香りはいつまでも私を包み込んでくれていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「紅茶の香り」
今日はおうちでひとりカフェ。
何を飲もうかな?
カフェオレ?ハーブティー?それとも……。
あっ、そういえばあれがあった。
確かこの辺に……そう、これ!
この前お土産でもらったアッサムティー。
ケーキとマカロンと、あと砂糖とミルクも少し用意して、ゆったりしたピアノの曲をかける。
これだけでいつもの部屋がカフェに早変わり!
それじゃあ、いただきます!
淹れたてで熱い紅茶をミルクで少し冷まして飲む。
うん。予想以上に美味しい。
紅茶のおかげでお菓子の甘さが引き立つ。
最高の時間だ!
お菓子を食べ終えたら、お気に入りの本を読みながら紅茶を楽しむ。今度は少し砂糖を入れようかな。ちょっと甘くなった。
味変も紅茶の醍醐味だー。
紅茶の香りが漂う部屋でうとうとするのも最高。
ちょっと遅いけど、昼寝をしようかな。
『紅茶の香り』
奥さまがメイドを伴って焼き菓子をカゴいっぱいに持ってきたのを旦那さまもこどもたちも目を輝かせて歓迎した。
「わしの手腕を見せる時が来たようだな」
言って旦那さま立ち上がり、手際良く茶の準備を始める。その光景を見た全員が驚きの声をあげる様子に気を良くした旦那さまは私に向かってウインクをし、私は頷いてそれに応えた。奥さまが手ずから菓子を振る舞うのに対抗してひそかに執事の仕事の指南を乞うていた旦那さまの淹れる紅茶は、家族らからも絶賛を浴びるほどの腕前だった。紅茶と焼き菓子の香りに包まれた家族のお茶会はいつまでも続けばいいのにと思えるほどに幸せな時間だった。
幸せな時間は過去のものとなり、紅茶の香りを嗅いだのはいつのことだか思い出せない。私を拾い、執事として育ててくださった家族は政敵によって没落させられ、貶められた。ある人は処刑され、ある人は売られ、ある人は自ら命を絶った。私はそれぞれの墓の前に膝をついて尋ねる。
「私が復讐を請け負ってもよろしいでしょうか」
頼む、と聞こえた気がしたのを寄る辺に、私は拾われる前の手腕を解くと決めた。何十年の空白はあれど、久しぶりに手にした暗器は茶道具よりもはるかに手に馴染む。
「一切、お任せください」
家で紅茶を淹れるのは主に休日。
最近は、近所のケーキ屋さんで
シュークリームを買い、
夫とのんびりお茶タイムをした。
なんてことはない日々の中で、
一瞬でも紅茶の香りに包まれたら、
そこは、ほっと一息つける大切な空間になる。
♯紅茶の香り
「角砂糖に酒を含ませた紅茶、ってのを本で見たんだ。あと紅茶を使った調味料とか」
要は「紅茶」が投稿文章内に入ってりゃ良いんだろ?某所在住物書きはマグカップから口を離した。
紅茶の茶葉だけの場合、ベルガモット等々で香り付けした場合、それからミルク・酒の有無。
紅茶の香りは多様である。
「で、ひょんなことから、諸事情で、『紅茶のお茶漬け』とかいう未知の情報提供を受けてだな……」
試しに紅茶に、海苔茶漬けの素をブチ込んでみたワケよ。物書きは言い終えると、再度マグカップに口をつけて、ずずっ、ごくり。
「うん。……うん」
そのまま、窓の外を見た。 食えないことはない。
あとは各々の好みの問題である。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室、朝。
今回のお題回収役であるところの雪国出身者は、名前を藤森というのだが、
昨晩、書類の用意と仕事の準備とに睡眠時間を削られて、スマホのアラームによって定時に起き、
寝ぼけた頭でほうじ茶の茶漬けを作ろうとして
茶碗に白米、茶葉置き場の棚から茶缶、
急須に茶色い茶葉と80〜85℃、
梅茶漬けの素など振りかけてさぁ茶を投入
と急須を茶碗に傾けた直後、
ふわり、広がった茶の香りにピシリ。
紅茶だ。
ミルクティーに丁度良い、濃いめのアッサム。
ベルガモットやオレンジピールの介在しない、紅茶の茶葉そのままの香りである。
何にそのアッサムを注いだ?
茶漬けの素を振りかけた白米だ。
「あ……ッ!!」
藤森の寝ぼけた頭が、一気一瞬にして晴れた。
ほうじ茶や緑茶で食う茶漬けは分かるが、
紅茶で食う茶漬けとは。
すべてはほうじ茶の茶缶が紅茶の茶缶の隣に並んでいたために発生した不注意。
なにより今回のお題のせいである。
「これは……少々、マズいことを」
少々、「マズい」ことをしたかもしれない。
夢うつつの心地から一瞬で覚醒した藤森。
スマホで「紅茶 茶漬け」など検索する。
ミスにせよ不注意にせよ、自分はこの「紅茶に浸された茶漬けの素入りの白米」を食わねばならぬ。
茶碗からは、たしかに力強いアッサムと、それから茶漬けの素の塩味が香っている。
それを、食わねばならぬ。
はたして検索結果として出てきた上位のいわく、
『ダージリンベースの当店オリジナルブレンドティーに、梅干しと海苔でお茶漬けしましょう』
「淹れてしまったのはアッサムだが!?」
要するに「この茶葉で茶漬けすると美味い」より、味もシブみも強めな茶葉で淹れてしまったと。
そりゃそうである。 ミルクティーにしても負けない風味とコクと深みが特徴の茶葉である。
マズいことをした。 藤森は天井を見上げた。
「シブいだろうな」
おそるおそる、アッサムの香る白米を、それに満たされた茶碗をとり、箸をつける。
紅茶である。紅茶と、それから茶漬けの塩味の香りが、たしかに茶碗から咲いている。
「……」
ええい。ままよ。どうにでもなるがよい。
藤森は意を決して、深く息を吸い、吐き、無言で己の不注意を嘆いた数秒後、 ちゃぷ、しゃぷり。
紅茶の茶漬けを口の中へ少し、収容した。
「……ん?」
普通に茶漬けだ。しゃぷしゃぷ、しゃぶしゃぶ。
「んん?」
想定していたほどのシブい後味は無く、「ほうじ茶のフリをしてシブみを隠せないでいる紅茶」で整えた茶漬けの味が、梅茶漬けの素の塩味とともに、藤森の口の中で、おとなしくしている。
「ふつうに、食える」
そういえば某国、たしか今年の最初の頃、「紅茶に塩を入れると苦味が抑制されるんだぜ」と大々的に発表して、大荒れな大論争を巻き起こした。
しゃぶしゃぶ。紅茶の茶漬けをかき込みながら、藤森は頭の片隅に、「紅茶と塩味」の関連情報を発見した。アッサムのシブみを茶漬けの素の中の塩味が抑制したのだろう――多分。
紅茶の香りとシブみを考慮しなければ、それはほんの少しだけ、ほうじ茶の茶漬けに似ていなくも、ないような、気のせいなような。
「それなら普通にほうじ茶の茶漬けを食うかな」
ごちそうさま。藤森は茶碗を空っぽにして、キッチンで洗って、拭いて食器棚へ。
口の中には僅かに紅茶の香りとシブみが残った。
『紅茶』
最近、紅茶を飲む機会が増えた
本を読む時、レポートを書く時、ダラダラしている時などに飲んだりしている
インスタントの紅茶はとても美味しいことに気づいた
なので、私は、インスタント紅茶をこれからも好むと思う
追記
紅茶の香りについて全く言及してなかった
また紅茶の話題が出たら、香りについて言及します😅
不眠にいい
と言われる
ハーブティーが
わたしは
ニガテだ。
なんというか
好きな香り
好きな味
ではなくて。
せっかく
普通の紅茶の
香りと味は
好きなのに。
眠りたいのに
カフェインを摂るわけにも
いかず。
今日も
睡眠薬に
お世話になります。
#紅茶の香り