束の間の休息(番外編)23の続き
紅茶の香り(番外編)24
●お茶会
シズクちゃんは、今日は、帽子屋のナイト
白兎のミーナが主催するお茶会に来て
いました。
シズクちゃんは、灰色猫ハイネの
膝の上に乗ってサクリとしたクッキーや
甘いクリームの載ったケーキを紅茶の香りと共に堪能してご機嫌でした。
ハイネの膝の上で手足をバタバタさせ
幸せを噛み締めます。
「....美味しい....」「良いから落ち着いて
食べろ!」ハイネがシズクちゃんの頬に
付いたクリームを拭き取りながら
シズクちゃんを落ち着かせます。
「たくさんあるからどんどん食べてね!」
白兎ミーナがシズクちゃんに勧めますが
灰色猫ハイネがシズクちゃんが手を伸ばそうとしていたクッキーに待ったを掛けます
「お腹いっぱいになったら夕飯食べれなくなるから程々にな」シズクちゃんは、
ハイネの注意に「うん!」と頷き
最後のクッキーをゆっくりと味わいます
「あんたすっかりこの子のお母さんね」と
ミーナが突っ込みます。
「だってこいつ危なかっしいんだよ
仕方ねぇだろう!」
「仲良い事は良き事かな」魔法使いハロルドとその助手のマリアが微笑ましく
シズクちゃん達を見守ります
いつものメンバーで楽しくお茶会をして
そろそろ終わりが近付いて来た時....
不意に「楽しそうだね!」と言う見知らぬ
声が聞こえました。
皆が声のする方に視線を向けると
空いている椅子に黒いローブを纏った
男がいつの間にか座っていました。
そのローブからは、青い髪が覗いていました。
皆が楽しい雰囲気から一斉に立ち上がり
見知らぬ男から距離を取り緊張した
空気を醸し出すと....
一人だけ状況が分かっていなさそうに
「....あっ....!」とシズクちゃんが
ハイネの腕の中から抜け出して
黒いローブの男にトテテテッと近づきます
「あの時のお兄さん!」シズクちゃんの
声に皆 首を傾げます。
ハイネがシズクちゃんに「知り合いか?」と聞きます。
「うん!お父さんとお母さんの居場所を
教えてくれた人」
シズクちゃんがお父さんとお母さんを探しに森に入った時 森に入るきっかけをくれた男の人でした。
(いや.....それめちゃくちゃ怪しい奴じゃ
ねぇか....)ハイネが警戒レベルを上げると
シズクちゃんが「あの時は、お父さんとお母さんの事を教えてくれてありがとうございました お父さんとお母さんには
会えなかったけど....でもハイネと皆に
会えました本当にありがとうございました」シズクちゃんは、ぺこりと男の人に
頭を下げました。
果たして頭を下げても良い人物か
甚だ疑わしいのだが.....
「そんな事あったっけ....まぁ良いや....
僕の名前はルーク面白そうだから覗きに
来ちゃった」
「私の名前はシズクです」シズクちゃんが
ルークに自己紹介します
「よろしくね!」とルークがシズクちゃんに握手を求める様に手を伸ばし
シズクちゃんもルークの手を取ろうと
腕を伸ばし掛けた時....
ハイネが咄嗟にシズクちゃんの体を抱き上げ自分の腕の中に戻します。
「? ?」シズクちゃんは、何故ハイネに
止められたのか分からず頭に疑問符を
浮かべます。
「お前 知らない奴と握手なんかするな
危ないだろう!」ハイネがシズクちゃんに
注意しますがシズクちゃんは
「知らない人じゃないよ!ちゃんとあの時話した人だって覚えてるもん!」と
自信満々です
ハイネが言っているのは、そう言う意味では無いのだが しかしシズクちゃんに
厳しく注意し過ぎてシズクちゃんに泣かれると困るのでハイネはシズクちゃんには
やんわりとしか注意出来ないのだった
その様子を見ていたルークは、クスクスと
笑っていた「何だか初対面なのにえらく
嫌われちゃったなあ.....まぁ良いや
今回は、挨拶しに来ただけだからこの辺で
失礼するよ! またどっかで会ったら
遊ぼうね!」そうしてルークは、最後に
シズクちゃんから余ったクッキーを貰い
皆に胡乱な視線を送られて去って行った
シズクちゃんだけは、ルークに
「バイバイ!」と元気良く手を振っていた
こうしてシズクちゃんに新しいお友達が
出来たのでした。
(めでたし?めでたし?)
10/28/2024, 5:26:50 AM