『紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『紅茶の香り』
たまにゆったりするのもいいよね
中庭から香る
母がコップについでくれる
私の大好きな
紅茶と
温もりがある家族の匂い
隣の席から紅茶の香り
窓の外を眺めている横顔
振り返ってくれという高揚感とじっと見つめてキモいかもの瀬戸際で
[ 紅茶の香り ]
彼は女々しい
黒の小さな水筒に いつも紅茶を注いでくる
ふと彼が俺を見て
" これ飲むか? " と声をかけてくれた
その紅茶は 、 ほのかに苦く感じた 。
空が茜色に変わったら、
お湯を沸騰させてカップを用意。
「今日は、疲れを癒やすウサギ柄にしようかな」
コトコトお湯を注ぐ。
いつもよりも、ほんの少しだけ苦い薫り。
金曜のひと息。
あたりは茜色。
君から紅茶の香りがした…
「めちゃくちゃ良い香り〜」
するといきなり君が飴を口移ししてきた。
!?
「えへへ、美味しいでしょ?♡」
口の中は紅茶の香りに包まれて
僕は今にも蕩けそうだった…///♡
「蕩けそぉ…」
すると君は僕の頭をわしゃわしゃして
「そぉ言うとこ可愛いっっ♡♡」
あぁ、僕はやっぱり君が好き。
此処は小さな喫茶店
今日は可愛いお婆さんがご来店してくれました。
「お紅茶を2杯くれるかい?」
「かしこまりました。」
お婆さんは1人で来ているのに、
何故2杯なのだろうか、
そんなことを考えながら紅茶を淹れていると
その答えはすぐに分かった。
「実は先日、
お爺さんが亡くなってしまいまして…。
お爺さんはお紅茶が大好きだったんです、
特にお紅茶の香りが好きらしくて、
だから私の分とお爺さんの分で2人分、
1杯残してしまうことを、どうかお許し下さい。」
可愛いお婆さんは丁寧にそう説明した。
紅茶を淹れている間、
店内にはジャズの音色だけが響き渡っていた。
「こちら、お紅茶でございます。」
「………とても、いい香りですね。」
#36 紅茶の香り
恋は終わっても、
残香が糸を引いて漂っている
それはまあ、いい香りなの
2023/10/28
紅茶の香りっていい匂いだよね。
最近動画広告で紅茶の香りシャンプーっていうのを見たんだけど
あれ欲しいって少し思った。
【紅茶の香り】27 kogi
紅茶〜紅茶〜紅茶の〜⤴︎ッ⤵︎カオリッ⤴︎ ドン
―紅茶の香り―
扉を数センチ開くと、
暖かな光が隙間から漏れた。
その光に吸い寄せられるように、
私は扉を大きく開き、中へと足を踏み入れた。
夕暮れ時の暗い路地裏から
いきなり眩しい所へ入ったせいで、
しばらくは目が眩んでいて、何も見えなかった。
身体中が少しずつ温まって、
穏やかな気分になった。
気分が良くなってきた頃、
不思議な香りを感じた。
強いような、柔らかいような、
鼻に抜けるほど刺激的なような。
心地よい渋みもあるけれど、
淡いような、不思議な香り。
でも、不思議と心が落ち着く香り。
紅茶の香りだろうか、と気づき始めた時には、
目が眩しさに慣れてきて、
段々と見えるようになった。
目の前の洋室に圧倒していると、
私に声が掛かった。
「いらっしゃいませ
よくここへ辿り着きましたね
ここまで来ればもう安心ですから
くつろいでいってください」
紅茶の注がれる音がした。
「…さぁ、聞かせてくださいな、
貴方が苦しむ訳を
…この私が、必ず貴方を導きましょう」
こういうアプローチもいいかと思って、とあなたが差し出してきたフラワーアレンジメントは薄オレンジと褐色がいかにも私好みのモダンな色合わせで、けど、それ以上に驚いたのはふんわり漂ってくる甘い香りだった。
「これって紅茶の香り!それにチョコレートも」
「驚いてくれた?アレンジのテーマはティータイム」
チョコの香りはコスモス、紅茶はこっちのバラ…と順に教えてくれる。ドームシェイプのデザインは、花達の甘やかな香りと相まって、まるでガナッシュケーキみたいに美味しそうな姿をしている。
鼻を寄せて一つひとつ匂いを確かめていると、ウサギみたいな表情だと笑われた。
「花を食べるほど食いしん坊じゃありません!」
「…そうじゃなくって。かわいいなって、見てた」
…ああ、こういうアプローチって、そういう意味で?
************
「紅茶の香り」
************
所感:
紅茶自体ではなく、その香りをもつ何か…と考え中にふと思い出したのがチョコレートコスモスでした。香りは人や場所の記憶を鮮明に連れて来るから不思議です。
『紅茶の香り』
紅茶の香りに誘われて
迷い込んだのは森の中。
子ウサギが足元で跳ねたから
「アリスみたいね」と追いかけた。
辿り着いたのはボロ屋敷。
蜘蛛の巣と苔に包まれた
不思議の国とはほど遠い
忘れ去られた誰かのお家。
こんこんこんと扉を叩き
「誰かいませんか」と尋ねてみても
返事はひとつもありゃしない。
それではつまらないじゃない?
紅茶の香りは消えていない。
腐った扉を開くのに合言葉はいらない。
蜘蛛の巣と苔に包まれた
不思議の国とはほど遠い
ボロ屋敷へと迷い込もう。
これは私の物語。
アリスとは違う物語。
紅茶の香りに誘われて
彷徨う私の物語。
ティーカップに顔を近づけないと分からない
ほのかな紅茶の香りは
光の差し込む一人だけのガーデン
#紅茶の香り
すれ違い様に、ふわりと紅茶の香りが漂う。品種には詳しくないから名前は分からないが、昔家庭教師に行っていた家に漂っていたものと同じだった。
振り返ると、大学生ほどの女性が見える。あの時の子だったらエモいなと思いながら、声はかけずに立ち去った。
【紅茶の香り】
冬が近付き、張り付くような寒さを感じる10月の朝
もう一度眠りにつきたい衝動を抑えながら布団を出て、軽く髪を結う
部屋を出てリビングに着くと、ボクより先に目覚めていた1匹の猫がいた
「おはよう、朝御飯あげなきゃね」
ボクがそう言うと、「ニャ~ォ」と可愛らしい返事をして毛繕いを始める。
その姿に癒されながらキッチンへキャットフードを取りに行くと
ふと、あるものが目に入った
友人から貰った紅茶だ。確かフェアリーテイルティーと言っただろうか
紅茶が好きと言う訳ではないが、パッケージの可愛さに惹かれて有り難く頂いたものである。
...今日は少し、優雅に過ごすのも良いかもしれない
―――――――――
カラカラとキャットフードをお皿に移して、猫の前に差し出す
それからゆったりとソファに座って、紅茶を淹れて、音楽を流して
...うん、我ながら上出来だ
紅茶を一口飲むと、ふわぁっと、全身がリラックスするような感覚がした。
この時間が続けばいいと思ってしまうような、心地良い空間だ
「たまには、悪くないね」
その呟きに答えるように、猫は「ニャア」と短く鳴いた。
子どもの頃から、珈琲が好きだ。
はじめは、ミルクも砂糖もいれて。
甘いビスケットでも
上等なチョコレートでも
負けない香り。そして、
眠気覚まし。最強だ!
大人になるにつれ、
ブラックにも慣れた。
先輩が、ブラックだったからね。
通りすぎるだけでも、わかる香り。珈琲の香り。
いつ頃からか、
紅茶が好きな人たちがいることに気づいた。
いやいや、
紅茶派の増えたこと!
珈琲が苦手なんだって
大人になるって、言ってたのに
繊細な香りの選択。
ケーキも何やら儚げで。
ほぉー、チーズケーキですか。
わたしは、ブランデーでしっかり戻したドライフルーツとナッツを刻んだ、パウンドケーキが好きですよ。甘いやつ!
あー紅茶かぁ。
このタイプ選ぶよね、
そうに決まってる。位、
「あのこ」のイメージ。
それにしても、紅茶ねぇ。
きらいじゃないよ。ないけど
好みってものがある、ってだけだから。
今日は、ぷぃと出かけた
銀座の小さな道で
マリアージュなんちゃらを見つけて、吸い込まれた。
華奢な螺旋階段をのぼり
ポットにて、おかわりをして
ひとり飲む。
一口でたべられそうなケーキと。
だって、銀座だったから。
今のわたしは、個性を受け入れる、穏やかな大人だから。
一階には、壁一面、美しい缶に詰められた、それぞれの香りをもつ紅茶で埋め尽くされていて、
柔らかなワンピースの親子が
片耳に髪をかけながら
まるで宝石ように差し出された一匙の葉のやまに、顔を近づける。
「あれでわかるの?」
また、心で悪態をつく。
いかん、いかん
やっぱりこんな感じだよね。
そーだよ今も、こんな感じ。
紅茶の香りに包まれながら
三杯目の紅茶をすすりながら
(残ってるからといってそもそも飲んでいいのかもわからない)
先輩は幸せにやってんのかな。と思った。
いつか、わたしが
紅茶派にひるまなくなったころ
先輩にばったり会えたりしないかな。
人生、楽しんできた?
って聞いたら、
昔みたいに、
一息おいて、難しい言葉使って答えようとしてくれるのか
それとも、
穏やかに目を細めて、家族への、小さい愚痴かのろけかわからない話なんかが、はじまっちゃうのか。
多分、その言葉はきっと
紅茶の香りがするんだ。
嗅ぎたくないけど、聞いてみたいや。
ふぅ。お腹ちゃぷちゃぷ。
帰ろ。
朝一番の珈琲をたてるのだけは
変わらない、
先輩とは、一ミリも似てない
腹のたつだんなのいる家に
隣の長野ショップのおやきでも買って
ん?
これって、まさか?
自分の息を
はぁ、って、してみたくなった。
#紅茶の香り
毎日ガンガン頑張っているあの人はすごく輝いている。
若くて、縛られてないから、
今日も動画配信であったり、
特技や人脈を活かした個人展であったり、
ガンガンやっている。
その成果、きちんとファンを増やして
その人たちからたっぷりとお金を貰っては
いいものを買って、いい生活をして
正しいサイクルの中で多くの利益をもたらしている。
品がある人とか、華がある人とか、
ふっと視線を持っていかれるような人には
だいたい何かしらの共通点がある。
スタイルが良かったり、
持ち物がハイブランドだったり、
顔が整っていたり、
なんかすごくいい匂いがしたり。
このどれもに当てはまらない自分は、
確実に“何者”にもなれないことだけが確定していて
なんとなく今日も指銜えている。
昔は自分もガンガンやっていたんだけどなぁと思いながら
1日必死に消化しては歯車に徹す。
あーあ。この歯車、もう錆び付いてんなぁ。
その香りを吸い込むと何故だか落ち着いて華やかな気分にさせてくれる。
ダージリン、アールグレイ、それぞれの茶葉に特徴があって午後のティータイムを最高の時間にしてくれる。
今まで缶の紅茶ばかり飲んでたけどいれたての紅茶を飲む機会があった……・
びっくりしました。入れたてってこんなに違うんだ!感動のあまり我が家にもティーポット買おうかな~何て思ってしまうほどの美味しさでした。
もしかったとして…買う茶葉はやっぱりリプトンでしょう…。
人類で初めて紅茶の香りを体験した人がいる。その人の名前も、年齢も、性別も、誰にも分からない。
中国の南の森の中で生涯を過ごした「穩」という女性なのかもしれない。彼女はどんな家族を持ち、どんな友情を知ったのだろうか。朝は何を食べ、何を兄妹と喋ったのか。どんな苦労、愉しみ、悲しみを体験したのか。どうしてその不思議な葉っぱを発行させ、乾燥させることにしたのだろうか。
その事実の全ては、歴史の波によって永久に消されてしまっている。
あの日彼女が出逢った、紅茶の香りのみが、いまの我々の中に香ばしく生き続けているのだ。
「そろそろ、行かなきゃ」
彼女は席を立った。机の上には、コーヒーの入っていたカップが置かれている。気づかないうちに空になっていた。ミルクと砂糖は、手付かずのまま置かれている。
「久しぶりに話せて、楽しかった」
僕と付き合っていた7年前、彼女と喫茶店に行くといつも紅茶を頼んでいた。苦味が好きになれないという彼女を、僕はお決まりのように味覚が子供だとからかった。
「じゃあ、元気でね」
あの頃、僕は社会人で彼女は大学生だった。少しだけ歳上の僕に対して、余裕のある大人の男を期待していた。その時の僕には、求められる振る舞いをするだけの経験が足りていなかった。
「ああ、またね」
僕の言葉に彼女は返事せず、困ったように笑ったあと、こちらに背を向けて歩き出した。多分、もう会うつもりはないのだと思う。
今日会うことにしたのは、納得ができず心の奥に引っかかっていたものを、なんとか解消したかったのだ。
もう少し、うまく付き合えていたなら。
結局、当たり障りのない近況報告に時間を費やして、肝心の話はできなかった。
でも、彼女はどこかすっきりしたような表情で、振り返ることもなく歩いて行く。
あの頃と違う、彼女の凛とした後ろ姿から少しでも、懐かしい紅茶の香りを感じられたなら。
僕は彼女を呼び止めていたのだろうか。
#紅茶の香り